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IS 輝き続ける光

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理解者と過去の人

「あの人が噂の?」
「カッコいいね~」
「ねえあんた話し掛けなさいよ」
「えっちょ、流石に無理よ。私コミュ症だし」

SHR終了後には廊下から女子生徒たちが唯一ISを動かした男を一目見ようと顔を覗かせ興奮や期待の感情を寄せながら霧雨 閃輝を見つめてる。彼女らからしたら彼はどう映るだろうか。寡黙で格好良いヒーローだろうか、そして彼と共に始める甘酸っぱい桃色な学園生活だろうか。期待などを勝手に寄せられる青年は周囲の目など気にしていなかった。制服の内側から葉巻よりは細いが煙草のようなを取り出し銜えた。続いてマッチを出そうとするがそれより先に咲夜がマッチを擦り、それへ火を点した。

「ありがとう咲夜さん」
「いいえ」

マナーは守っているのか窓を開けそこへ吸いこんだ煙を吐き出している、周囲はまるで信じられないような眼で見ていた。学生の身分で航行の教室で堂々と煙草を吸い始めたのだから。閃輝はその視線に気付き口を開く。

「言っておくがこいつは煙草ではなく薬だ。空気が余り馴染めなくてな、こいつを吸わないと体調を崩す。教師陣の許可は取ってある」

それを聞いて一同はほっとしたかのような息を漏らしている。実際は魔法の森の瘴気に溢れた空気を吸引しても身体の機能を維持する為の物を改良したもので闇夜が閃輝専用に調合した物。外界で不安定になりやすい閃輝の精神を安定化させる為の物である。

「出来る事なら私も一本貰いたいわね」
「後日で良ければ調合して渡せますが」
「お願いするわ、正直ここの空気は臭くて適わないわ」
「全くですね。色んな臭いが混ざって気持ち悪い」

その言葉で教室中の空気が死んだ、新学期入学したてという事で気合を入れて化粧をしたり香水を使用している生徒はかなり多く教室にこもっている空気がかなり臭っている。もっと生々しく血生臭い物を経験している二人でも気分が悪くなる物。

「……帰りてぇ」
「駄目よ」
「解ってますよ、愚痴ぐらい大目に見てください」

薬を吸い終わると携帯灰皿にそれを押し込み懐へとしまう。そんな彼へと一人の少女が近づいていた。

「ちょっといいか?」
「……?」

顔だけをそちらに向ける。髪型をポニーテールにしている凛とした少女がこちらを見つめていた、咲夜は視線で知り合い?と聞いてくる。記憶に無い……と思うがどこかで会った事があるような気もする。

「何のようだ」
「話があるがあるんだが……今大丈夫か?」
「YESかNOと聞かれればNOだ。間も無く次の授業時間だ」

そう言いつつ壁に引っ掛けられている時計を指差し咲夜と共に席に着いた。少女はで、では後でまた来るといって自分の席へと向かうとチャイムが鳴り少しすると山田先生と千冬が入ってきた。授業中はまるで問題は無かった。ただ椅子から転げ落ちるのを我慢し落ちてくる目蓋を必死に上げていた、要するに退屈なだけである。授業が終わり閃輝は席に着いたまま右手で凄まじい勢いで鉛筆を回していた。魔法を組み立てる為の術式などに比べたらISの知識はかなり簡単な部類に入る。

そして授業が終了し咲夜と会話している閃輝に再び近づく女子が一人、先程のポニテの少女とはまた別人。

「少し宜しいでしょうか」

懇切丁寧に言葉を運びながら話し掛けてくる一人の少女、見目麗しい異国の少女。瞳は強い地震を浮かべつつも自身の限界も然りと理解しているという印象を二人に与えた。

「いきなり失礼します。私、イギリスの国家代表候補生をしておりますセシリア・オルコットと申します」
「ファンタジスタ所属操縦士、霧雨 閃輝」
「同じくファンタジスタの所属の十六夜 咲夜」
「幻想の理想郷よりの旅路、態々ご苦労様です」

この言葉に二人は顔を一瞬険しくした、幻想の理想郷即ち幻想郷。外の世界でこの存在を知っている者は普通は居ない。居たとしても神やかなりの年月を生きている妖怪位だろう。ファンタジスタも紫が外界での遊びに近い行為で作られた会社だがそこでも幻想郷のことを知っている者はごく少数。

「貴方、何者かしら?」
「ここでは詳しくは、放課後にお話致します。これだけは、私はそちら側の人間です。では……」

スカートの裾を持ってお辞儀をして去っていく少女の背中を見送る二人は彼女に思考を巡らせる。

「どう思う閃輝君」
「さあね……考えれるとしたら、紫さん(あの人)が手を回しているか……って事ぐらいかな」
「あるのかしら、あれが」
「それ言われるときっついけど……まあ他に思い付かないから」
「まあ確かに妥当なところね」

幻想郷の管理者たる八雲 紫。閃輝からしたら幻想郷にやって来た時から兄の影響で交友があり自分はかなり眼を掛けられている存在でもある、が他からの評価胡散臭いというものが筆頭になっている。まあ解らなくも無いのだが……閃輝からしたら能力の制御やらなんやらで世話になっているので感謝や恩が先に来てしまう。そしてセシリアとの会話が終わるのを待っていたのかそこへ先程の少女、篠ノ之 箒がやってきた。

「話があるのだがここでは話づらい、付いてきてくれないか」
「…いいだろう、咲夜さん行って来る」
「ええ」

閃輝は立ち上がり彼女の後に続いて教室から出て行った。続いて廊下を歩き始め階段を上り遂には屋上に出た。閃輝は屋上の柵に寄りかかって、少女()の方を見る。顔を赤くしもじもじとしている。

「それで何のようだ」
「そ、その………ひ、久しぶりだな…一夏……///私を、覚えているか…?」

不安げに開かれた口から出た言葉、箒は一夏と再会出来た事を非常に喜んでいる反面で自分の事を覚えていてくれているのか不安になっている一面もあった。だが一夏という名前は閃輝を不機嫌にする。

「お前も俺をその名で呼ぶか。担任にも言ったが人違いだ、俺はそのような名ではない。銜えて言っておくが俺はお前の事など記憶に無い」
「ち、違う!?そ、そんな筈は無い、お前は一夏、織斑 一夏だろう!?どうしたというのだ一夏!?」

愕然とした。昔仲良くしていたはずの彼が自分の事を全く覚えていない。ショックだった、恋焦がれていた人が大きく変わったしまった事に……そして自分は織斑 一夏ではないという発言に。髪と眼の色さえ変わっているが目の前の人物は間違えなく一夏の筈、それは箒は確信していた。

「マナーを学んでから出直せ、お前と話す事など何も無い」

本人からすれば名前を間違えられ見ず知らずの人間にズカズカと心の中に入ってくるような真似をされているような物、うんざりしつつ閃輝は屋上から去っていく。残された箒は顔を青くししばらく何も考えられずに呆然とし尽くすのであった、 
 

 
後書き
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