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ドリトル先生の名監督

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第五幕その六

「ラグビー部の皆凄かったね」
「先生イギリス人でしたね」
「じゃあまさにラグビーの本場ですよね」
「ラグビーも凄く身体動かしますからね」
「走ってぶつかって」
「相撲並ですよね」
「身体つきは違うけれどね」
 力士さんとラガーマンの人達はです、やっぱりスポーツが違いますとどうしても身体つきが違ってくるのです。
「彼等も毎日走って走ってぶつかって」
「戦車みたいにですね」
「そうなってるんですね」
「君達も戦車だけれど」
 力士さん達もと言う先生でした。
「彼等もね」
「やっぱりですよね」
「戦車ですよね」
「戦車みたいに頑丈で大きい」
「そんなのですね」
「そうだね、それだけ走って稽古をしているから」
 ラグビーの場合はトレーニングです。
「そうした体格になるんだね」
「徐々にそうなっていきますね」
「十キロ走られる体力もつきますよ」
「それからの稽古が出来る体力も」
「自然と」
「やっぱり継続は力なりだね」
 先生も頷くのでした、相撲部の皆の言葉に。
「続けていくと体力もつく」
「そうです、だから先生も」
「続けていけばです」
「十キロ走られますよ」
「それからの稽古も出来る様になりますよ」
「いや、僕はいいよ」
 先生は相撲部の皆の申し出に少し苦笑いになって応えました。
「スポーツは本当に苦手だから」
「ああ、だからですか」
「走ることはですか」
「最初からですね」
「したくないんですね」
「今の自転車でもハードだったからね」
 先生にとってはです。
「後で筋肉痛にならないか不安だよ」
「流石にこれ位じゃならないですよ」
「十キロ位自転車で走っても」
「それ位じゃです」
「何でもないですよ」
「だといいけれど、じゃあ次の稽古も」
 先生は監督として言いました。
「見せてくれるかな」
「はい、お願いします」
「是非」
「それじゃあね」
 先生も応えてです、こうしてでした。
 皆の稽古を見ていきます、とはいっても先生は穏やかなお顔で見ているだけです。その他には何もありません。
 それで、です。稽古の後研究室に入るとです、動物の皆が先生にこうしたことを言いました。
「自転車で一緒に走ってね」
「稽古も見守っていたけれど」
「先生何も言わないね」
「ただ見ているだけだったね」
「本当にそれだけだったわね」
「うん、やっぱり僕は実際にお相撲をしたことがないからね」
 だからと答える先生でした、水分補給に冷蔵庫から牛乳を出して自分だけでなく皆にもそれを差し出しながら。
「何かを教えることはね」
「稽古や食事の仕方は別にして」
「具体的に稽古の何処がいいか悪いかは」
「また別なんだね」
「言えないんだね」
「うん、それにそれは主将や四回生の人達がしてるから」
 だからというのです。
「大丈夫だと思うしね」
「けれど稽古や食事の仕方を間違えていたよ」
 こう言ったのはホワイティでした。
「それで具体的なことを間違えないから」
「そのことは確かに不安になるわね」
 ポリネシアは牛乳、自分のお皿を飲みつつホワイティに応えました。 
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