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ドリトル先生の名監督

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第四幕その五

「この上なくね、お相撲もいいね」
「うん、僕もお相撲についてはね」
「ああ、相撲部の」
「そちらに言ってお話したよ」
「怪我が多い原因わかったのかな」
「稽古と食事に問題があったんだ」
 先生は王子にこのことをお話しました。
「お相撲に合っていないものだったんだ、どちらも」
「それで怪我が多かったんだね」
「そうだったんだ」
 実際にというのです。
「これがね」
「ああ、合っていなかったんだ」
「お相撲にね」
「お相撲の稽古って独特だからね」
「食事は何でもよく食べる」
「そうだよね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「怪我も多かったんだよ」
「そういうことだったんだ」
「うん、近代的にウェイトトレーニングに重点を置いていたっていうけれど」
「最近の格闘家みたいに」
「あと食事もゆで卵の白身や鶏肉のささみね」
「そっちも格闘家だね」
「けれどね」
 それはというのです。
「お相撲に合っているか」
「それが問題だね」
「お相撲にはお相撲の筋肉とかがあるから」
「身体つきとか」
「それを作る稽古や食事じゃないと」
「逆効果になるんだね」
「そうなんだ、だから怪我が多かったんだ」
 先生は王子と執事さんにお茶を出します、そのお茶は緑茶です。
「どうしてもね」
「そのスポーツに合うトレーニングをすることだね」
「食事にしても」
「さもないと何にもならないんだね」
「かえってよくないよ」
 怪我も増えるというのです。
「本当にね」
「僕もね、テニスしてるけれど」
「ああ、王子は最近そっちをしていているんだ」
「これでもスポーツは好きでね」
 それでというのです。
「水泳もしているよ」
「そしてテニスもだね」
「それもしているけれど」
「テニスにもテニスのトレーニングがあるね」
「そう、若しそれ以外のことをしても」
「テニスは上達しないね」
「テニスをしてもバスケのトレーニングをしても」
 そうしたことをしてもというのです。
「何かなるか」
「ならないね」
「そういうことだよ」
 まさにというのです。
「相撲部もそうだったんだね」
「うん、柔軟も減らしてたっていうし」
 お相撲ひいては全てのスポーツに欠かせないこちらもです。
「それじゃあね」
「ああ、柔軟をしないとね」
「特にお相撲はね」
「それじゃあ怪我も多いね」
「そうなるよね」
「随分と的外れなことしてたんだね」
 お口を少し波みたいなものにさせて腕を組んで首を左に傾げさせてです、王子は先生にこう言いました。 
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