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ドリトル先生の名監督

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第四幕その四

「僕はいいよ」
「もてる気はない」
「そういうことだね」
「そこはやれやれだね」
「先生は相変わらずだね」
「人間は性格っていうけれど」
 それでもというのです。
「やっぱり太ってるとね」
「嫌いな人が多い?」
「女の人は」
「そう言うのね」
「そうも思うよ、だから僕はそちらからもずっと女の子に人気がなかったんだ」
 ここでもこんなことを言うのでした。
「どうしてもね」
「そうかな」
「先生が太ってることはともかくね」
「先生が女の人に人気がない」
「そのことはね」
 どうしてもと返した動物の皆でした。キャンバスの中を歩いて研究室に戻りつつ。
「あまり賛成しないよ」
「というか絶対にね」
「先生もてるから」
「心がいいからね」
 太っていてもというのです。
「まあそのことも安心してね」
「そうしておいてね」
「何かよくわからなくても」
「まあ皆がそう言うのなら」
 家族である皆の言うことならというのです。
「僕も安心しておくね」
「後は先生が気付くだけだよ」
「本当にね」
「それだけだから」
「安心してね」
 皆は先生にこうも言うのでした、そうしたことをお話しながらです。
 皆で楽しく先に先に進んでいきます、そして研究室に着いてです。先生は今は楔文字についての研究をノートに書いていきます。
 ノートに書き終えたところで、でした。研究室に王子が執事さんを連れて来ました。王子は先生にこんなことを言いました。
「いや、お相撲はね」
「観てきたんだったね」
「そう、日本の皇室の方と一緒にね」
 その時のことをお話するのでした。
「観戦したけれど」
「どうだったかな」
「皇室の方は内親王殿下でね」
「どの方かな」
「殿下の長女さんで」
「ああ、あの方だね」
「その方と観戦させてもらったんだ」
 そうだったというのです。
「やっぱり日本の皇室の方は違うよ」
「どう違うのかな」
「気品がね、物腰もお言葉もね」
「王子ともだね」
「お気遣いもね、僕なんかこうだよ」
 見ての通りだというのです。
「いい加減なものだけれど」
「日本の皇室は違っていて」
「いや、そのことにまた驚いたよ」
 ご一緒させてもらう度に思うことで今回もというのです。
「本当にね」
「そうなんだね」
「そう、それでお相撲もね」
「そちらもだね」
「よかったよ、横綱同士の勝負まで観戦したけれど」
 つまりこの日の最後の勝負までです。
「それも違ったよ」
「力と力のぶつかり合いだね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「正面からのね、それも観てね」
「楽しかったんだね」
「いい日だったよ」
 本当にというのでした、先生。 
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