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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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128部分:第十五話 第二の戦いへその七


第十五話 第二の戦いへその七

「それだけでもだ。侮れないのだ」
「それでは教皇」
 その出陣するシュラがここでまた口を開いてきた。
「あの時の雑兵達もまた」
「それは当然のことだ」
 言うまでもない、そう言ってきた。
「出て来るぞ。それもかなりの数がな」
「わかりました。それでは」
「それも用心しておけ、そのうえでだ」
「八大公の一人ベールのジーク」
 この男の名前も告げられた。
「あの男もですね」
「そして魔神が九人」
 彼の配下である。
「これが彼等の基本戦力だ」
「左様ですか」
「あれだぜ」
 またデスマスクが言う。今度はシュラに顔を向けてきている。
「御前なら苦戦かもな」
「苦戦か」
「俺は楽勝だったがな」
「デスマスクよ」
 また教皇が彼を注意する。
「それは技を使わないで済んでから言える言葉だ」
「わかってますよ。教皇は厳しいな」
「口は慎め」
 流石の彼も教皇には勝てなかった。
「よいな」
「はい」
 頷いたのが何よりの証拠であった。
「ではシュラよ」
「はっ」
 デスマスクを黙らせてまたシュラに声を掛ける。シュラもそれに応える。
「頼むぞ」
「わかりました」
 こうしてシュラの出陣となった。彼の出陣の際にはデスマスクの時と同じように他の黄金聖闘士達が見送るのだった。
「精々頑張るんだな」
 まずはデスマスクが彼に告げた。
「死なないようにな」
「俺は死なん」
 そのデスマスクに対して一言で返す。
「必ず。狂闘士達を一人残らず切り捨てる」
「貴方の実力なら大抵の相手は退けられるでしょう」
 アフロディーテも彼の実力はよくわかっていた。だがそれでも言うのだった。
「ですが。油断はなさらぬよう」
「油断はか」
「八大公がいる」
 カミュの目は冷静だった。
「既に出ているな」
「俺の相手は」
「ベールのジーク」
 ムウもまた彼の名を出した。
「貴方が剣ならば。彼もまた剣ですから」
「ベール。魔神の中でも随一の剣の使い手だったな」
 シュラはそのベールという魔神を知っていた。彼等はアーレスの下でかつてこの地上を支配下に収めんと聖闘士達と戦いあと一歩まで追い詰めた歴史があるのだ。その時そのベールは剣で聖闘士達を圧倒しているのだ。
「ならばやはり」
「御前が出て来るとわかればあの男で間違いないな」
 アルデバランも言う。
「それでな」
「そうなればこちらとしてもいいことだ」
「勝てるというのか」
「聖闘士に敗北はない」
 こうミロに返す。
「特に我々黄金聖闘士にはな。そうだったな」
「確かにな」
「だからだ。では行こう」
 ここまで話して向かおうとする。その彼にアイオリアが声をかける。
「待て、シュラ」
「何だ?」
「御前が行くのはアメリカだったな」
「そうだ」
 こうアイオリアに返す。
「グランドキャニオンだ」
「荒野です」
 シャカが彼に告げる。
「そこでの戦術もお考え下さい」
「わかっている。そのことは同行する白銀及び青銅の者達にも告げておく」
 最後にこう返してアメリカに向かうシュラだった。その彼を見送ってからサガとアイオロスは二人だけで話をするのだった。場所は人馬宮だった。
 
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