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SAO~円卓の騎士達~

作者:エニグマ
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第七話 安息地

~アーサー side~

第二十五層攻略の翌日、昨日質問攻めにされ精神的に疲れきった俺は珍しく十時まで寝ていた。
そして起きて、部屋の外に出ようとしたんだが。

「おい! 出てきたぞ!!」
「アーサーさん! 新ユニークスキルについて説明を!」

すぐに扉を閉じた。
幸いなことにこの世界では外から強引に扉を開けることが出来ないようになっている。
しかし困った。
ここまで騒ぎが広まるとは、、とりあえず逃げるか。
思い立ったら即行動。
俺は転移結晶を取り出し、このパパラッチどもが居なさそうな階層を考える。
とりあえずキバオウ辺りに匿って貰うか。
そう思い、俺はキバオウにSOSのメールを送信。
キバオウは暇だったのかすぐにメールを返信してきた。
内容は了解とのこと。
よし、行こう。

アーサー「転移、始まりの街。」

転移結晶をこんな事に使うことになるとは。
あ、隣に泊まってたサクラにメールしとかないと。
そんな事を考えつつ、始まりの街に転移した。

アーサー「さて、キバオウは。」
キバオウ「アーサーはん! こっちや!こっち!」

声をした方を見るとキバオウがいた。
一層攻略後、キバオウとディアベルは『軍』と呼ばれる大型ギルドの幹部になったらしい。
そのためキバオウの近くに『軍』のギルドメンバーがいた。
そしてキバオウと一緒に歩きながら話をする。

アーサー「悪いな、キバオウ。」
キバオウ「何をゆっとるんや、アーサーはん。 ワイはいつでも力になるって言うたやないか。」
アーサー「そうだな。」
キバオウ「しっかし、アーサーはんも大変やな。 新ユニークスキルについて昨日も今日も質問攻め。 ワイ等は昨日のボス戦でしばらく前線には出ないことが決まったで。 あ、ちゃんとギルドマスターにも話は通してあるから心配いらんで。」
アーサー「何から何まで本当にありがとうな。」
キバオウ「いや、ワイはそんな大した事はしてへん。 あ、アーサーはんの泊まるところはここや。」
アーサー「教会?」
キバオウ「せや。 ここは保護者のいない子供達を預かるところなんやけど、最近、食費を稼いでる子供達の中でも高レベルの奴等が中層から来たガラの悪い奴等にカツアゲされる事があるらしいんや。 それで、アーサーはんにその子供達を守って貰って、で、アーサーはんはここに泊まる。 というギブアンドテイクの条件なんやけど。」
アーサー「まぁ、いいぞ。 だが、俺も攻略があって居ない時があると思うんだが、それでも良いか?」
キバオウ「それはここの責任者に聞いてみないとわからへん。 サーシャはん、居るんやろ!? ワイや、キバオウや! 出て来てくれへんか!?」

キバオウが叫ぶと教会の中から一人の女性プレイヤーが出て来た。

サーシャ「あ、キバオウさん。 そちらは?」
キバオウ「攻略ギルド、『円卓の騎士団』のギルドマスター、アーサーはんですわ。 ほらさっきメールで説明した。」
サーシャ「あ、そうですか。 初めまして、アーサーさん。 私はサーシャ。 一応、この教会の責任者ということになっています。」
アーサー「しばらくの間、お世話になります。 ところで、俺も一応攻略があるので、そちらの子供の護衛は出来ない時があるかも知れないんですが、それでも良いですか?」
サーシャ「それはもちろんです。 攻略の邪魔をするわけにはいきませんので。」

その時、サーシャの後ろから子供達が出て来た。
子供達は俺の周りを囲み、俺の武器や防具をまじまじと見始めた。
因みに今は龍爪剣ではなく、普通の両手剣を装備している。

サーシャ「こら、お客様に失礼でしょ。」
アーサー「いえ、これくらいの歳だったら剣に興味を持つのは当然です。 確か君達にも持てる武器がいくつかあったから、それを貸して上げよう。」
サーシャ「いえ! そんなこと、それで大切な武器を壊してしまってもいけないので。」
アーサー「いえ、何時売ろうかどうか悩んでたようなもう使わない武器なので。 それに、俺が攻略で使う武器はこの子達には重すぎて持てませんよ。」
サクマ「アーサー!! てめえ何も言わずに何処かいくんじゃねぇー!!」

後ろからサクマにドロップキックされそうになるが、それを受け止める。
少し前から急速に近付いてくるプレイヤー反応が有ったからな。

アーサー「甘いな、サクマ。 俺を不意打ちしたいなら隠蔽スキルをもう少し上げておくんだったな。」
サクマ「うるせぇ! 何処か行くんだったらメールぐらいしやがれ! お前は自分の立場が分かってんのか!?」
アーサー「分かってるよ、ギルドメンバーにメールしなかったの事に関しては悪いと思ってる。 って言っても、今からメール送ろうと思ってたところなんだが。」
サクマ「ギルドメンバーには俺からメールをしたがサクラにだけはしてない。 さっさとメールしろ。 俺は帰る。」
アーサー「あぁ、悪いな。」
サクマ「そう思うならさっさとメールしたらどうだ?」

その言葉に素直に従い、俺はサクラにメールを送る。
内容は「急に居なくなってしまってすまない。 部屋の外に大量のパパラッチがポップしたから逃げた。 今、始まりの街の教会に匿って貰うところだ。 サクラもパパラッチに見付からないようにこっちに来てくれ。」と書いた。

サーシャ「あのー、今の人は?」
アーサー「ウチのギルドのメンバーの一人、サクマです。」
キバオウ「サクマはん、かなり怒ってたみたいやけど、平気なんか?」
アーサー「あぁ。 その怒りの種は回収したし。」

その後、サクラと合流したのだが、二時間ほど説教喰らった。
まぁ、当たり前って言えば当たり前だが。
その時、一人の子供が入ってきた。

「大変だ! ギン兄達がまた中層の奴等につかまった!」
アーサー「おぉ、俺の出番か。」
サクラ「説教はまだ有るからね。」
アーサー「えぇー、これで終わりにしてくれよ。」
サクラ「ダメ!!」
アーサー「で、少年、そのギンというのは何処で捕まったんだ?」
子供A「こっち! 案内するよ!」

子供についていくと、袋小路の奥に確かにガラの悪そうな奴等がいた。
四人。
恐らく、ギンとかいうのを出さないようにしているのだろう。

チンピラA「ん? 何だお前ら。」
アーサー「奥にいる子供の関係者って言えば分かるかな。」
チンピラB「なら、話は早い。 お前が持ってる金を渡せ。 そうしたら、奥の奴等は解放してやる。」
アーサー「やなこった。 欲しいんだったら俺に勝ってみろ。 ハンデとして三分間は攻撃しないでやるから。」

そう言って俺はチンピラ四人に同時にデュエルの申請をする。
モードはもちろん〈初撃決着〉。

チンピラC「んだと!? てめぇ、なめてんのか!?」
チンピラD「まぁ、待て。 俺達は中層ではそこそこ名の知れたパーティーだ。 それでもやるのか?」
アーサー「んなこと、どーでも良い。 申請してるのは俺だ。 さっさとデュエルするのかしないのか選べ。」
チンピラD「っ、後悔しても知らないぞ。」 
その言葉と共に、四人がデュエルを受ける。
そしてカウントが始まり、0になる。
と、同時に四人が飛び込んでくるが、ここは狭い通路だ。
二人を掴んでもう二人の攻撃の盾にする。
そのダメージで二人が早くも自滅。

チンピラC「てめぇ! きたねぇぞ!!」
アーサー「俺は攻撃してないぞ。 ただ単にお前らが自分の仲間を攻撃しただけだろ。」
チンピラC「クソがぁっ!!」

一人が滅茶苦茶に剣を振り回すが、大振りで当たるわけがなく、次々と避けていく。
しかも、その振りが大きすぎてもう一人が攻撃に参加できてないし。
そして、三分経過。

アーサー「さて、終わらせるとしますか。」

俺を攻撃していた奴の腕を掴み、一本背負い。
それで、ダメージ判定が出て一人脱落。
一人やられて後ろから攻撃しようとしてくるので、攻撃を避けて、回し蹴りを叩き込む。
デュエル終了。

チンピラD「な、何なんだよ。 お前は。」
アーサー「ただの攻略組ですが何か。」
チンピラ四人「「「「攻略組!!?」」」」
アーサー「さてと、軍の皆さんも来たことだし、奥にいる三人、出てきていいぞ。」

この後、チンピラ四人組は軍のお世話になって、黒鉄宮送りにされました。
あ、帰ったらサクラの説教の続きじゃん。

そして、説教が終わった後、サーシャさんと相談し、稼ぎに出る子供たちはこれからは夕方に帰ることになった。
それくらいだったら、攻略からちょうど帰ってくるぐらいの時間だからな。
子供が狙われるのは帰りみたいだし。







そんなこんなで数週間後、二十七層に到達した攻略組だったが、俺達にはある一つのやるべき事が出来た、いや、前々からの約束を果たさなければならなくなった。

それはβ時代攻略できなかったこの層の攻略である。

このゲームがデスゲームでなかったらβ時代の仲間二十人全員が集まり、二十人だけで攻略するはずだったこの階層。

それが現在収集できるのは僅か九人。

それでもやるしかないのだ。

俺達はアクティベート直後、その階層の猛攻略を開始。
一日目で迷宮区に辿り着き、二日目でボス部屋を発見、三日目でボスを倒した。

そしてボスを倒し二十八層をアクティベートするとその足で一層の黒鉄宮に行き、戦士の碑で死んだ十人に報告をした。

その後、他の攻略組から注意や文句が来たがこの層だけは譲れなかったと言い、その代わりに次の層では主にサポートをさせて貰うと言ってその場を収めた。

~side out~ 
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