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魔法戦記リリカルドライブSurprise

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重加速を調べるのは誰か


機動六課本部隊舎にはたくさんの隊員が整列していて、その内の4人が前線で戦うフォワード陣。それから正面には機動六課責任者の八神はやてがやって来て挨拶した。

「機動六課・課長、本部隊舎の総部隊長の八神はやてです」

はやての挨拶に全員が一斉に拍手をした。

「さて、みんなも知っていると思うやけど…かつてミッドチルダと管理局は、重加速…通称“どんより”と謎の機械生命体で大きな被害が受けたことを」

その言葉に全員は少し暗い顔になる。ちなみに管理局は重加速の事を“どんより”という表現を使って、今後の対策にしていた。

「そこで一部の部隊と部署はどんより及び機械生命体の調査と解決に勤しむようになった。当然、機動六課もどんよりと機械生命体による事件を解決していきたいと思う!だからみんなも、そりを理解して欲しいんや!」
「「「「「はい!」」」」」

ヴァイスとフォワード陣も含んだ全員が大きく返事をして挨拶が終了した。
それからヴァイスは隊舎の屋上に来て見ると、最新型輸送ヘリJF704式が配置していた。

「新型機か…こりゃ、トライドロンよりいいな?」
『コラ。トライドロンはこのヘリよりも、素晴らしい機能が備わっているんだぞ!』

するとヴァイスの耳からトライドロンの声が聞こえた。じつはヴァイスとトライドロンは、お互い念話で通じ合うようになってた。

「たく、こんな時にも話しかけるなよ…」
『なんだその態度は?新しい部署なんだから励ましの言葉を送ろうと思ったのに』
「いらねぇって、そんなの」

不適な態度のままJF704のエンジンを入れて飛び立つ準備をするヴァイス。すると丁度そこにはやてと親友のフェイト・T・ハラウンとリィンフォ―スⅡがやってきた。

「ヴァイスくん、もう準備してたの?」
「まぁね。さすがに最新の機体だから、少し気合入って」
「もぅ、ヴァイス陸曹!ヴァイス陸曹はみんなの命を運ぶ乗り物のパイロットなのですから、ちゃんとしてもらわなきゃダメですよ!」
「はいはい、分かりましたよ」

リインに叱られながらもヴァイスはさっそくミッドの首都、クラナガンに3人を乗せてヘリを飛ばした。
到着するとさっそくはやて達は中央管理局に入っていった。彼女たちがなぜ機動六課を設立したのかを、管理局の上に説明するのだった。その間、ヴァイスは暇を持て余していた。

「やれやれ、隊長達も大変なのは分かるけど…こっちは暇で仕方ないんだよな」

ヴァイスが欠伸をしているとそこに1人の男がやって来た。

「おい、お前ヴァイスだろ?」
「ん?あ!オウタさん!」

この男はオウタ・ゲンパクダ。かつて武装隊にいた時にヴァイスの先輩だった男で、今は陸士95部隊所属の陸曹長。

「お前、新設された部署に入ったらしいけど?」
「まぁな。そこで俺はヘリのパイロットをやってるんだ」
「パイロットって…お前の腕なら前線でも」
「悪いけど、それは…」

するとヴァイスはとても厳しい顔になる。かつて自分の失敗で妹が怪我をしたので、少しトラウマになっていたのだ。

「それにしても…嫌になるぜ」
「え?」
「俺達の部隊でも、どんよりだの機械生命体だのの調査をするんだとよ。全く、ただの噂みたいなものだろ」

文句を言いだすオウタ。どうやら彼はどんよりと機械生命体の事を信じていない様子だった。

「でも、俺は実際にどんよりを受けたんだ。それに他の局員だって」
「そうかよ。だったら俺も、どんよりを受けてみたいもんだぜ」

オウタがそんな悪ふざけな事を言った瞬間。

「うわっ!?」
「なっ!?」

突然2人の体がスローモーションになってしまった。

「これが、どんよりって奴か!」

初めてのどんより体験にオウタは驚きを隠せずにいた。
そしてヴァイスが目に映ったのは胸のプレートに【029】と書かれた、コブラ型の機械怪人ロイミュードだった。

「か…怪物!?」

ロイミュード【029】はそのままヴァイスに近づいてきた。

「お前…良い体してんな?」
「え?」
「さっそくだが、俺の進化の為に協力してくれよな」

なぜか変な事を聞かれたと思ったらヴァイスの首元を掴んだ。

[まずい…このままじゃあ!]

なんとか抵抗しようとするが、どんよりの影響で思うように動けずにいた。このまま【029】の餌食になると思いきや、目の前に小さなハイウェみたいなのが出現し。オレンジと緑と紫のミニカーが走って来て、そのまま【029】に体当たりしてきた。

「うわっ!コイツラはまさか!?」

吹っ飛ばされた【029】は指先からエネルギー弾を発射して、3台のミニカーに攻撃した。しかしミニカーはかわすと、オレンジはボディから火が出て再び体当たりする。

「ぐわっ!」

さらに緑のはトゲを発射し紫からは手裏剣を飛ばした。その同時攻撃に【029】は翻弄されてしまう。

「ううう…ここは逃げるしかない!」

そして【029】はミディアムヘアーの厳つい顔をした男になって逃げた。【029】が去った途端にどんよりが解けた。

「なんだったんだ…」

オウタはこの状況を理解できずにいた。するといつの間にかミニカーも居なくなったことにヴァイスは気づいた。

「ちょっと、どうしたの!」
「さっき、どんよりが出たけど!?」

さらに丁度、会議が終わったのかはやてとフェイトがやって来た。
しばらくして3人は早めに機動六課に戻って、ヴァイスがなのはに体験したことを話した。

「なるほど、どんよりに怪人…」
「俺の先輩のオウタさんもどんよりにあったていうのに、ただの気のせいだって…」
「あの人、かなり頑固だからね」

はやては何度かオウタと会ったりしていて、彼の性格をそれなりに理解していた。

「それにしても、中央にまで現れるなんて…」
「で…その事なんだけど…」
「なに、ヴァイスくん?」
「俺…怪人が人間に変身するところを見て顔も覚えたので、明日調査しに行ってもいいっスか?」

なんとヴァイスはロイミュードの調査に行きたいと言い出した。

「ええ!ヴァイスくんが?」
「いきなりで驚いてるけど、どうやら怪人は俺を狙ってる可能性が高い。だから俺に行かせてくれませんか?」

なんとか探しに行きたいと必死に頼み込む。しかしロングアーチに危険な目を合わせたくないと考える3人。だけど、丁度隊長室にフォワードがやって来た。

「はやて隊長。お帰りなさい!」
「どんよりが起きたって聞いてましたけど、大丈夫でしたか?」
「でも、はやて隊長もフェイトさんも無事みたいですし」
「本当に良かった」

それはフォワードのスバル・ナカジマと、ティアナ・ランスターと、エリオ・モンディアルと、そしてキャロ・ル・ルシエと彼女のパートナーのフリードリヒ。なのはの訓練が終わって休憩してたが、どんよりを受けたと聞いたので尋ねに来た。

「ええ、でもやっぱりヴァイスくん1人だと……ん?」

するとなのははティアナの顔を見始める。

「あの、なにか?」
「……良しティアナ、ヴァイスくんと一緒について行きなさい」
「「「「「「え?!」」」」」」

突然の思いつきにヴァイスとティアナはもちろん、フェイトやスバル達も驚いてしまう。

「ちょっとなのはさん…いきなりなにを?」
「いや…だって君1人じゃあ、なんだか不安だしね」
「だからって、どうして私なんですか?」
「そうだよなのは、まだ彼女は訓練中の…」

いきなり一緒に行動しろと言われて、ヴァイスとティアナは混乱してフェイトも危険だと反対する。

「だからだよ」
「「「え?」」」
「ティアナはたしか、フェイトのような執務官希望だったよね?」
「え?ええ」
「たしかに危険かもしれないけど、執務官になるとしたら多少危険でも経験を積まなければね」

なのはの言う通り、ティアナはフェイトのように執務官という役職になりたがっていた。故に一度、現場で実戦経験を積ませようという考えだった。

「たしかにな。フェイトちゃんのような執務官になりたければ…実戦を積まなきゃならんしな」
「ちょっ、ちょっと。2人共!」
「そうだぞ。これは俺1人で!」
「でも、決めるのはティアナだからどうするの?」

ティアナはどうしようかと考えた。彼女はいつか執務官になるという夢を持っていて、なんとしても近づきたいと思っていた。そして考え抜いたのは

「分かりました。明日、ヴァイス陸曹と共に行きます」
「いや、だからちょっと待て!?」
「じゃあ、2人共がんばるんやで♪」
「はい!」
「えええぇぇぇぇぇぇ」

こうしてヴァイスは明日ティアナと一緒に行動することにした。












次の日。
ティアナは朝のトレーニング中なのでヴァイスはトライドロンの中で待っていた。

『昨日までやる気のなかった君が、いきなり捜査するなんて』
「うるさいな。そもそも俺1人でも十分なのに…」
『はははは、そうは言ってもティアナだっけ?彼女、しっかり者みたいだから君には丁度いいかもな?』
「だーーーうるさいな!てか、どこから声が出てるんだ!?」

ついにキレて車内から声の発生源を探して、しばらくするとヴァイスはスピードメーターを掴むとそのまま外した。それはまるでベルトのバックルのようだった。

「なるほど、ここから声が出てたのか?」
『Exactly、正解だ!だが、これだけでは君のエンジンはまだ掛からない』
「なに?てっ、うわっ!?」

突然ベルトがヴァイスの腰に巻き付いた。

「お前!いきなりなにを!?」
『これならば、君と一緒にいられるからな』
「気持ち悪い言い方するな!」

ヴァイスは必死でベルトを外そうとしているが、中々外れようとはしなかった。だけども、丁度ティアナがスバル達と一緒にトライドロン来ていた。

「ヴァイス陸曹…一体何を?」
「あっ!?いや、別に…」
「そう、じゃあ今日はお願いします」
「分かったよ」

さっそくティアナはトライドロンに乗り込むと、スバル達3人が見送りをした。

「絶対に無茶としないでね!?」
「分かってるわよ。アンタも私がいない間に、ヘマはしないでね」
「うん、もちろんだよ」

そしてヴァイスがエンジンを掛けてトライドロンを走らせた。こうして2人のロイミュード調査が始まった。 
 

 
後書き
今回登場したオリジナル準レギュラーキャラのオウタ・ゲンパクダは追田現八郎をモデルにしました。他にもモデルにしたキャラを出すつもりです。
次回はついにヴァイスの変身と戦闘になりますが、ピクシブとハーメルンで書いた「ペルソナ・ドライブ」の戦闘シーンと似てるかもしれませんのでご理解を。 
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