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『零と先輩』

作者:零那
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『約1年』



毎日が屈辱の日々だった。
最初は散々だった。
衝突も絶えず、納得できないことばかり。
おもしろいことなんて何ひとつ無い。

監視には慣れてたつもりだけど此処は違った。
部屋は勿論ガラス。
更衣室やトイレも監視付き...。
異常な監視で其の視線に対するストレスは爆発しそうだった。

『耐えれん』
その一言に尽きる。
毎日口癖のように言ってた。

約1年間、その耐えれん生活を耐えた。
徐々に特定の職員には心を開け出せた感じでは在った。
ルール違反はしながらも頑張るところは頑張ったつもり。
勉強も、施設の作業も、いろいろ...それなりに努力したつもりだった。

約1年間、外部へのバイトなど一切許されなかった。
でも、今後の処遇を考えた上で話し合いが行われ出した。
18歳になれば出所しなければならない。

18歳の誕生日がリミット。
ボランティアや、様々な職場体験実習をしつつ、通信制高校に通うことに決まった。

外に出れる日が来る。
早く先輩に連絡したい。
何しよんかな。
零のこと忘れてないかな。
もしかして迷惑かな。
でも、勿論、お金は一切持たして貰えんから電話は出来ん。

あかん。
浮ついた気持ちじゃ見抜かれる。
引き締めよう。


 
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