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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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外伝~ラインフォルトの未来~

同日、22:30――――



~ラインフォルトグループ本社・会長室~



都市内での戦闘が終わって数時間後、都市内にある”ラインフォルトグループ”の本社の高層階にある会長室では”ラインフォルトグループ”の会長であるイリーナ・ラインフォルト会長を含めた”ラインフォルトグループ”の重役達が集まっている中、重苦しい雰囲気に包まれていた。

「………それでルーレを始めとしたノルティア州に存在する我が社の兵器開発工場は全てメンフィル、クロスベルの連合軍に差し押さえられたのね?」

「……はい…………幸いにも社員や工員達に危害を加える事はなく、全員無事に自宅に帰宅したとの報告が入りました…………」

イリーナ会長に尋ねられた重役の一人が重々しい様子を纏って答え

「……さらにザクセン鉄鉱山も制圧された際、鉱員達も自宅への帰宅命令を出されてしまい、全員帰宅したとの事です。唯その際に連合側からある提案を持ち掛けられたそうですが……」

他の重役の一人が話を続けた。

「提案?一体何かしら。」

「…………今後ザクセン鉄鉱山は連合側が管理、発掘をするので連合側の鉱員として働くのならば、再びザクセン鉄鉱山の鉱員として雇ってもいいとの話を持ち掛けられたそうです……なお、給料は今まで我が社が払っていた額の1.5倍は出すとの話だそうです。」

「…………そう……………………その件については各自の判断に任せると伝えて。勿論連合側の鉱員として雇われなくても、ラインフォルト社が責任を持って次の仕事を見つける事は伝えておくのは忘れないように。」

重役の説明を聞いたイリーナ会長は考え込んだ後指示をし

「かしこまりました。」

イリーナ会長の指示に重役の一人が会釈をした。



「それと…………ログナー侯爵のご息女であるアンゼリカ嬢はどうやら連合側に投降して命は助かったようでして………アンゼリカ嬢は現在ホテルに部屋を取って待機しておられるようです。」

「…………後で彼女に会いに言って今後彼女はどうするのか聞く必要があるわね。」

重役の一人の話を聞いたイリーナ会長は頷いた後考え込んだ。

「会長……今後”ラインフォルトグループ”はどうなるのですか……?一番の大株主である”ログナー侯爵家”に加え、数多くの株主である貴族の方々まで今回の戦争で滅ぼされるか取り潰しになり…………ザクセン鉄鉱山が奪われ……さらに兵器開発工場も差し押さえられたとなると、”ラインフォルトグループ”はもはや風前の灯です…………」

その時重役の一人が不安そうな表情でイリーナ会長を見つめて尋ね

「そうなると数多くの失業者達が出てしまうな………………」

「そ、それどころか下手をすればラインフォルトグループが倒産してしまうぞ……」

「そ、それより……今後エレボニア帝国はどうなってしまうんだ……?」

「確実に滅ぶだろう…………機甲兵やアハツェンは全く歯が立たず、ルーレが僅か数時間で落とされたのだからな…………何よりザクセン鉄鉱山を制圧されたのはあまりにも痛い………………エレボニア帝国が滅ぶのも時間の問題だろうな…………」

他の重役達はそれぞれ暗い表情をして呟いた。

「…………なんとか連合側に”ラインフォルトグループ”の兵器開発の再許可、並びに開発した兵器を買って頂く事や株主になってもらうように交渉するつもりよ。今後はエレボニア帝国はもう滅んだと仮定して、エレボニア帝国が滅んだ後の事を考えて各自行動、提案をしなさい。なお、決して連合側に失礼な態度を取らないように。今日の所はこれで解散とします。」

「了解しました!それでは失礼します!お疲れ様です、会長!」

イリーナ会長の指示に重役達はそれぞれ答えた後部屋を出て行き

(…………最悪は(アリサ)を政略結婚に使ってでもクロスベル、メンフィルと交渉する事も考えないと…………唯現在ルーレに駐屯している軍の責任者はエイフェリア元帥とリフィア殿下……二人とも女性だからその手は使えないわ……参ったわね………………)

重役たちが出て行くとイリーナ会長は表情を厳しくして考え込んでいた。



後に戦争終結後、ルーレ並びにその周辺の地域を納める領主がエイフェリアとメンフィル帝国の命令によって命じられたシュバルツァー伯爵家である事を知ったイリーナ会長はシュバルツァー伯爵家について調査した後、エイフェリア元帥とシュバルツァー伯爵の元で働くアンゼリカを通じて、シュバルツァー伯爵に”ラインフォルトグループ”の未来の為に、自分の提案に渋るシュバルツァー伯爵に何度も頼んで自分の娘であるアリサ・ラインフォルトと、既にシュバルツァー伯爵の実の娘と恋仲になっているシュバルツァー伯爵の養子の長男であるリィン・シュバルツァーとの政略結婚を前提にしたお見合いを取り付けた。…………ちなみにイリーナ会長から政略結婚の話を聞かされた際、イリーナ会長の娘であるアリサ自身は当初憤慨したが、すぐにイリーナ会長や長年仕えているメイドに事情を説明された後考え直して渋々納得し、政略結婚する為にお見合いをする事を受け入れ…………後に女性として、リィンを好きになり…………エリゼと共にリィンと結婚する事になる………… 
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