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Three Roses

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第十一話 葬儀と即位その五

「すぐに追われます」
「後ろ盾がなければ」
「そして土台もなければ」
 これもというのだ。
「玉座は座れないのです」
「だからですか」
「はい、お味方をお増やし下さい」
 重ね重ねの言葉だった。
「今は」
「新教の貴族、民達に聖職者にですね」
「そしてです」
 デューダー卿が言うことはというと。
「旧教徒達からもです」
「支持者を増やすべきですか」
「出来るだけです」
「彼等は新教徒である私を快く思っていませんが」
「しかしです」
 それでもとだ、デューダー卿もまたマリーに話す。
「我が国にはまだ旧教徒も多いので」
「彼等もですか」
「味方につけるべきです」
「軍もです」
 軍に強い発言力があるキャスリング卿もマリーに言う。
「マリー様の味方としましょう」
「軍もですね」
「そうです、軍をマリー様のものとすれば」
「武力ですね」
「それだけで違います」
 それが為にというのだ。
「ですから」
「では」
「軍のことはお任せを」
 キャスリング卿はマリーに恭しく言った。
「私が王と友に動きます」
「ではキャスリング卿に任せます」
 マリーもキャスリング卿の言葉を受けて頷いた。
「軍のことは」
「それでは」
「そしてデューダー卿が申し上げたことですが」
 また大司教が言ってきた。
「旧教徒はです」
「大司教がですね」
「はい、マリー様の味方になる様に」
「働きかけて下さいますか」
「旧教徒と言っても様々です」 
 一口では言えない者達だというのだ。
「頑迷な保守主義者もいればです」
「新教に対して好意的な者もいますか」
「はい」
「では彼等をですね」
「味方に引き込んでいきましょう」
「支持は出来るだけ広くですか」
「そうです、広くです」
 まさにというのだ。
「持つべきなので」
「だからですね」
「旧教徒の間にも支持者を増やしていきましょう」
「それとなのですが」
 デューダー卿がここで言うことはというと。
「セーラ様、マリア様も嫁がれ王子も迎えることになりますので」
「周辺諸国の諸侯にもですか」
「支持者を増やしておきましょう」
 その目を光らせてだ、デューダー卿は述べた。 
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