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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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外伝~不審商人の調査~中篇(後半)

~アルモリカ村~



ロイド達がデリックを見つけると、デリックはミンネスと会話をしていた。

「しまった……もう取引きを終えたのか……!?」

それを見たロイドは表情を厳しくし

「……ロイド。私は万が一逃亡された際の予防として、空で待ち構えているわ。状況がわかるようにエニグマのスピーカーをONにしておいて。」

その時ルファディエルがロイドの側に現れて言い

「え?あ、ああ。わかった。」

ルファディエルの言葉を聞いたロイドは戸惑った後頷き、そしてエニグマのスピーカーをONにし、ロイドの行動を見たルファディエルは自分のエニグマでロイドのエニグマとの通信を始めた後翼で空へと舞い上がった。するとその時デリックとミンネスが歩いて出入口に向かおうとした所をロイド達が道を塞いだ。

「おや、あなた方は……」

「特務支援課の……」

ロイド達を見たミンネスとデリックは不思議そうな表情をした。

「デリックさん、ミンネスさん……本日はどういった取引きをしたか、お聞かせ願えますか?」

「ふう、また親父の差し金か……」

ロイドの話を聞いたデリックは溜息を吐き

「ふふ、いいではありませんかデリックさん。もはや我々の計画は始動したのですから……」

ミンネスは口元に笑みを浮かべて言った。

「それは……どういう意味ですか?」

「―――実は先程、デリックさんと最後の取引きを行いましてね。村の皆様からお借りした土地を使い、レンゲ畑の拡大に着手することが決定いたしました。そして、レンゲ畑そのものの管理は我が『クインシー社』にて引き受けることになりました。」

「なっ……!」

「……今の話だと、村の農場のほとんどを譲り渡すという話だけど……デリックさんは、本当にいいのかな?」

エリィの疑問に答えたミンネスの話を聞いたロイドは驚き、ワジはデリックを見つめて尋ねた。

「……どういう意味だ?あくまで、管理をお任せするだけだが。」

「ええ、もちろんですとも。蜂蜜の収穫を我が社で行うことでより効率的に製菓事業を運営していけるようになるのです。その為には一旦、我が社に権利を移したほうが色々と効率がいいのですよ。」

(チッ……口の上手い野郎だぜ。)

(………カプア家もミンネスのような口の上手さに騙されてしまったんだろうな……)

(計画はほぼ最終段階に来ているようですね。だとすると、あとは……)

ミンネスの話を聞いたランディは舌打ちをし、リィンは真剣な表情でミンネスを見つめ、ティオは考え込んでいた。

「ふふ、それではデリックさん。私はこの契約書を本社に届けて参ります。明日にもいい連絡を差し上げる事ができると思いますので、楽しみにお待ちしていてください。」

「ええ、お待ちしています。」

(ロ、ロイドさん……!)

二人の会話を聞いていたノエルは仲間達と共に驚いた後真剣な表情でロイドに視線を向け

「(ああ……ここで逃がすわけにはいかない!)―――ミンネスさん、その前に……いくつか尋ねたいことがあります。」

視線を向けられたロイドは頷いた後ミンネスを見つめて言った。

「ほう……?尋ねたいこととは一体なんですかな?」

「ええ、それは……あなたにかかっているある疑惑についてです。そう……詐欺を働いているという疑惑のね。」

「なっ……!?い、いい加減にしてくれ!ミンネスさんに失礼だろう!」

「ふふ……まあまあ。落ち着いてくださいデリックさん。」

「ミンネスさん……?」

「確か、特務支援課と言いましたかな?一体なぜ、私を詐欺師と疑っているのか……もちろん、説明することが可能なのでしょうな?」

「……もちろんです。」

「面白い……ではお話をさせて頂くとしましょう。だがその前に……私がエレボニア人だということをお忘れなきよう。もし私が詐欺師とする明確な根拠がない場合……たとえ警察官といえど、出るところに出させて頂きますからご了承のほどを。」

「……いいでしょう。」

ミンネスの言葉にロイドは頷き

「ロイド……!」

ロイドの答えを聞いたエリィは真剣な表情でロイドを見つめ

(大丈夫だ……捜査で得た情報から、ミンネスが詐欺を働いていることは明白……疑惑を突き付けてミンネスの正体を暴き、デリックさんの目を覚ますんだ!)

見つめられたロイドはミンネスを睨みながら小声で言った。



「ふふ、よろしい……それほどの覚悟がおありなら、何なりとお答えしましょう。……では、まずはどんな話をしていただけるのですか?」

「―――まずは、あなたのクロスベルでの行動……その矛盾点についてお聞きしたいと思います。」

「矛盾、だって?」

ロイドの言葉を聞いたデリックは眉を顰め

「……私はクロスベルに来てからずっとデリックさんと今回の計画を進めてきました。アルモリカ村に我が『クインシー社』の子会社を発足する……『アルモリカ・ハニーカンパニー』計画。村の質のいい蜂蜜を使った製菓事業、我が社の培ったノウハウを生かせば必ずや実を結ぶでしょう。すでに市に正式に認可され、今まさに始動しようとしているこの事業の……一体どこに矛盾があるとおっしゃるのですか?」

ミンネスは答えた後尋ねた。

「いいえ、あなたが今話した『計画』の話……俺達が持っている情報とは明確に矛盾する点があります。そう、その矛盾点とは……俺達がIBCで得た情報と照らし合わせると一つの矛盾点が見えてきます。あなたの言う『計画』………実はそれは、まったくもって進行していないはずなんです。」

「……!」

ロイドの話を聞いたミンネスは目を見開き

「IBC……?ど、どういうことなんだ?」

デリックは戸惑っていた。

「考えてみてください。『クインシー社』が先程の計画を進めるつもりなら……子会社の設立や工場の建造などには、IBCの融資が必要になります。」

「……ええ、もちろんですとも。そのために市に会社の発足を届け出、きちんとした法人向けの口座を用意して……」

ロイドの説明を聞いたミンネスは答えかけたが

「―――用意しした”だけ”。そうではないですか?」

「!……………」

ロイドの質問を聞いて黙り込んだ。

「『ハニーカンパニー』の口座には、開設に必要な最低限のミラしか入ってなかったようです。詳しい金額はわかりませんが、入金されていたのは数万ミラ程度……果たして、そのようなミラで工場の建設などが可能なのでしょうか……?」

「……IBCの口座に調査の手を入れているとはね……」

ロイドの推理を聞いたミンネスは呟き

「ミ、ミンネスさん……まさか……!?」

デリックは信じられない表情でミンネスを見つめた。

「ああ、誤解しないでください。別に彼らの言い分を認めたわけではありませんよ。ただ、あまりにも不躾だと思ってしまっただけです。」

「で、でも……実際、口座にミラはほとんど入ってないんですよ!?」

「なに、会社の役員として少々慎重に動かざるを得なかったというだけですよ。何しろ由緒正しい『クインシー社』の名で融資を受けるわけですから……無論、本社の許可が下り次第IBCには融資の相談に行こうと思っていましたがね。」

「ほっ……で、ですよね……」

ノエルの質問に答えたミンネスの話を聞いたデリックは安堵の溜息を吐き

(……上手くかわされましたね。)

(……さすがは詐欺師か。このぐらいは予想済みって事か。)

ティオとリィンは静かな表情で呟き

(いや……ミンネスも内心かなりあせっているはずだ。ここは畳みかけるように証拠を突きつける……!)

ロイドは静かな表情で答えた後ミンネスを睨みつけた。



「……その顔は、まだ何か聞きたいことがおありのようですね。」

「ええ、もちろんです。なにせ、ミンネスさんの疑惑はそれだけではないのですから。」

「この期に及んでまだ……!」

ミンネスの言葉に答えたロイドをデリックは怒りの表情で睨み

「いえいえ、いいのですよ。その方がデリックさんにとっても安心できるでしょうしね。」

ミンネスはデリックを宥めていた。

「……聞きたいのは……ミンネスさんのプロフィールについてです。ミンネスさん、あなたは『クインシー社』の役員を名乗ってらっしゃいますが……それは確かなことでしょうか?」

「待て……どういうことなんだ?ミンネスさんは『クインシー社』の人間じゃないというのか?」

「ええ、俺達はそう睨んでいます。」

「クク……ハハハ!何をおっしゃるかと思えば……何なら、名刺や社員証でもお見せいたしましょうか?」

ロイドの言葉を聞いたミンネスは笑った後勝ち誇った笑みでロイドを見つめて尋ねた。

「……そんなものは知識があればいくらでも偽造できるかと。」

「俺達は、その物証を覆す証拠を調べてきました。それは……ほかでもない、クインシー社のパンフレットです。」

「クインシー社のパンフレット……」

「お嬢の部屋にあったやつか……」

「確か、捜査手帳に要点をメモしていたのよね。」

「本社から取り寄せられたものなので、書かれている情報の信頼性は保証されていると言えます。そしてその資料に書かれていたこと……それが、ミンネスさんの昨日の話を明らかに矛盾しているんです。」

「わ、私の話ですと……?」

ロイドの話を聞いたミンネスは戸惑った。

「昨日のミンネスさんの話が”役員”の肩書きと矛盾している点、それは……――――ミンネスさん。昨日、あなたはこう言いました。”役員の立場にはいるが実は甘い物は苦手だ”……この言葉に間違いはありませんか?」

そしてロイドの質問を聞いたその場にいた全員は黙り込んだ後眉を顰めた。

「ロ、ロイド……?えっと、よく意味が……」

エリィは戸惑った様子でロイドを見つめ

「……確かに、私は甘い物が苦手です。フフ、しかしそれが一体どうしたというのですか?”甘い物が苦手な人間が製菓会社の役員なわけがない”……とでも言うつもりですかな?」

ミンネスは答えた後口元に笑みを浮かべて尋ねた。

「その通りです。」

「な、なんて言いがかりだ……!あんた、警察として恥ずかしくは―――」

ロイドの答えを聞いたデリックは怒りの表情でロイドを睨んで何かを言いかけたが

「―――クインシー社のパンフレットには、こう書かれていました。『クインシー社では、役員自らが開発中の商品を試食し、販売していいかは厳正に審査する』………かいつまんで言えば、そういう内容です。」

「それが一体どういう…………………あっ!?」

ロイドの説明を聞いて呆けた後ある事に気付いて大声を上げ

「…………………!!」

ミンネスは表情を歪めた。



「……クインシー社という会社が『甘い物が苦手』なミンネスさんを、役員にするのは不自然だ。……違いますか?」

「……そっ、それは……単なる記憶違いで……」

ロイドに尋ねられたミンネスは焦りの様子を見せながら答えかけたが

「それは通用しません。……あなたはついさっき”甘い物は苦手”だとハッキリ認めたはずだ。」

「ぐうっ……!」

ロイドの言葉を聞いて唸った。

「だとしたらあなたはなぜ『クインシー社』の役員だと偽ったのか?それは――――あなたが詐欺を行うために、デリックさんを信用させるため。今までの証拠からして、そうとしか考えられません。」

「アルモリカの蜂蜜を使った製菓事業……それを信用させるためには『クインシー社』という名前は好都合だったというわけね。」

「ミ、ミンネスさん……一体これは、どういうことですか!?あなたはやはり……俺を騙していたのか!?」

「……ク……クク……デリックさん、あなたこそ彼らに騙されてはいけない……」

信じられない表情で自分を見つめるデリックにミンネスは表情を歪めながから笑って言った。

「あ、あんだと?」

一方ミンネスの言葉を聞いたランディは目を丸くした。

「ふふ……だってそうでしょう?私がアルモリカ村に来たのは、『ハニーカンパニー』の計画を持ち掛ける為……もし、百歩譲ってそれ以外の目的があり、デリックさんを騙したというなら……一体、何が目的だったというのです!?それが証明できないあなた方に、私を詐欺師呼ばわりする資格はないはずだ!」

「目的の証明ですか……確かにそれがありましたね。」

自分達を睨んで怒鳴ったミンネスの言葉を聞いたティオは呟き

「あなたの目的……一つだけ、心当たりがあります。」

「なっ……なんですと……!?」

ロイドの答えを聞いたミンネスは信じられない表情で声を上げ

(ロイド、大丈夫なの……!?)

(ぜ、全然心当たりがありませんけど……)

エリィは心配そうな表情でロイドを見つめ、ノエルは疲れた表情をし

(いや……確かにあるんだ。ここに来る直前、”あの人”が探してくれた”あの証言”……そう、ミンネスの目的を明かす最後の手掛かりが……!)

ロイドは小声で答えた。

「何をブツブツ言っているのです!……さあ、証明してみなさい!」

一方ミンネスは怒りの表情でロイドを睨んで声を上げたが

「あなたがこの村で詐欺を行った真の理由。それは……あなたの真の目的、それは……このアルモリカ村の所有する”土地”そのものだったんです。」

「……な……あ……!!」

ロイドの答えを聞き、信じられない表情になった。

「ハロルドさんという貿易商の方が、あなたについて聞き込みをしてくれました。ミンネスさん、あなたは……クロスベル入りした直後から、各地の地価を調べていたようですね?『クインシー社』の役員が新事業を持ち掛けるためにそんな事をする必要はありません。だったら、何故か……?考えられる可能性は一つ。あなたがこの土地の横取りを狙っていたからだ。」

「まさにカプア家を騙した同じ手口か……」

「ほ、本当なんですか……!?な、なんだか突拍子のない発想のような。」

ロイドの話を聞いたリィンは厳しい表情をし、ノエルは戸惑いながらロイドを見つめた。

「いいや、そうでもないさ。見てのとおり、アルモリカ村は豊かな自然に囲まれ、ロケーションは抜群だ。たとえば、高級別荘地を管理する第三者に売り渡すとしたら……どれくらいの値がつくと思う?」

「それこそ……数千万ミラかけてでも落札したい人はいそうね。村の人達が同意するとは全く思えないけど……」

「ああ、だからこそこれだけの手間をかけて詐欺をはたらいたんだろう。もし土地自体が目的と仮定すれば……彼の行動にも説明がつく。広大なレンゲ畑を含めたたくさんの農場、そして私有地の権利書を手に入れ……本社に帰るとの名目でクロスベルから姿を消してしまう。そして、用意していた販売ルートに土地の権利書を売りさばき、多額のミラを得る……それこそが、ミンネスさん……あなたの真の目的だったんです。」

「……う……ぐぐ……」

ロイドの説明を聞いたミンネスは唸り

「ミンネスさん……そ、そんな…………」

デリックは信じられない表情でミンネスを見つめた。するとその時

「―――ロイドさん!」

「ボクも来たよ!」

聞き覚えのある男性と娘の声が聞こえ

「この声は……」

声を聞いたロイド達が振り向いたその時村長とイアンの助手である子供とハロルド、そしてジョゼットがロイド達に近づいてきた!


「よかった、間に合ったようですね。」

「デリック……」

「…………………」

ロイド達を見たハロルドは安堵の表情をし、村長はデリックを見つめ、ジョゼットはミンネスを黙って睨んでいた。

「親父に、ハロルドさん……!?」

「バ、バカな……!?何故お前がこのクロスベルにいる……!?」

ハロルド達を見たデリックは驚き、ミンネスは信じられない表情でジョゼットを見つめていた。

「へえ~……………てっきり”初めまして”と言われるかと思ったよ。」

ミンネスの言葉を聞いたジョゼットは不敵な笑みを浮かべ

「……………!!」

「まさか……!」

ジョゼットの言葉を聞いたミンネスは表情を青褪めさせ、リィンは驚きの表情で口元に笑みを浮かべてミンネスを見つめるジョゼットを見つめていた。

「キミは、たしか法律事務所の……」

一方ロイドは驚きの表情で子供を見つめ

「イアン先生の助手のピートといいます。本来なら先生が来るはずでしたが、憲法草案の作成の関係でどうしても出かける必要があったので……」

見つめられた子供―――ピートは答えた。

「証拠……ですか?」

「ええ、先程先生が言っていた”ダメ押しの証拠”だそうです。」

「みなさん、これを見てください。」

ピートは一枚の写真を取り出し、その場の皆に確認できるようにかざした。写真には、ミンネスと同じ顔をした商人風の男が写っている。

「そ、その写真に写っているのは……」

写真を見たロイドは驚き

「な、なぜだ……なぜお前達が、そんな写真を持っている!?」

ミンネスは信じられない表情で叫んだ。



「この写真は、イアン先生が昔、エレボニアの知り合いの記者から資料として譲り受けたものです。ですが、写真の男の名前は……”ミンネス”ではなく、”リドナ―”だったそうですが。」

「リドナ―……?その名前、最近どこかで聞いたような気が……」

ピートの説明を聞いたノエルは考え込み

「……あっ!確かそれって……」

ある事に気付いたエリィはジョゼットに視線を向け

「そう。ボク達――――元カプア男爵家から土地を奪い、ボク達の人生を滅茶苦茶にした男の名前だよ!」

視線を向けられたジョゼットは頷いた後怒りの表情でミンネスを睨み

「ぐっ……!」

睨まれたミンネスは唸った。

「おお、確かにそんな名前だったな。」

ジョゼットの言葉を聞いたランディは納得した様子で頷き

「ええ……イアン先生にも改めてお話を聞いてきましたし、間違いはないと思います。」

ハロルドは真剣な表情でミンネスを見つめて言い

「ついでにもう必要ない情報とは思うけど、ボク達をいつも利用してくれている取引先の中に『クインシー社』の役員がいてさ。……君達と別れた後、その役員に連絡を取って『ミンネス』って男が役員にいるか確認した所……そんな男の名前は知らないってさ。」

「いえ……助かりました。おかげで最大の矛盾点がまた一つわかりました。」

「―――『クインシー社』の役員でない最大の矛盾点の一つですね。なんせ”本物”の役員が否定していますものね。」

「ぐ、ぐぐっ………!」

ジョゼットの説明を聞いたロイドとティオは口元に笑みを浮かべ、ミンネスは悔しそうな表情で唸った。

「ふむ……だとすると、なかなか面白い事実が見えてきそうだね。ロイド、彼……ミンネスに突き付けてやりなよ。この写真が持つ意味を、ね。」

「……ああ、わかった。この写真に写った人物”リドナ―”と今この場にいる”ミンネス”が同じ顔をしている理由、それは……ミンネスとリドナ―は同一人物……そうとしか考えられない。詐欺の手口が酷似していたのも、同一人物だったから、というわけだ。」

そしてワジに促されたロイドはミンネス―――リドナ―の正体を言い当てた!



「イアン先生も言っておった……おそらく、それがこの男の最も得意とする詐欺の手口なんじゃろう。」

「”詐欺師”―――ミンネス。あなたの詐欺容疑は明白だ。その上、エレボニアで詐欺を働いた容疑者と同一人物である可能性も高い。」

「叩けばいくらでもホコリがでそうじゃねえか。」

「その男がリドナ―って事を証明したいなら、そいつに騙されたボクやドルン兄達が証明してもいいよ。」

「是非、詳しく話を聞かせていただきましょう。……警察本部の取調室で。」

そしてロイド達がリドナ―を睨んだその時

「……クッ……お……おのれ……おのれええええええええええっ…………!私が……完璧な仕事を信条とするこの私が……こんな……青二才どもにッ!!」

「ミ、ミンネスさん……」

リドナ―は怒りの表情で叫び、デリックは驚きの表情でリドナ―を見つめていた。

「……フン、いい気にならないでいただきましょうか。悪いが、こんなことで捕まってやるつもりは毛頭ないのでね。」

少しの間黙っていたリドナ―は鼻を鳴らした後不愉快そうな表情で答え

「なに……!?」

「……………!」

リドナ―の答えを聞いたロイドが驚き、ジョゼットが警戒したその時!

「―――来い、獣ども!」

リドナ―は大声を上げた!すると運搬車から数体の装甲を身に纏い、さらに口に短剣を加えた大型の犬が現れ、ロイド達を包囲した!



「う、うわあああ!?」

それらを見たピートは悲鳴を上げ

「ま……魔獣!?」

「しかもかなり訓練されているみたい……!」

ロイドやエリィは仲間達と共に武器を構えて驚き

「メンフィル軍の情報にあった”結社”が連れていたという装甲獣とどこか似ているぞ……!?」

「しかもこいつら……”結社”が連れていた魔獣より強そうだよ!?」

剣を構えたリィンは厳しい表情で言い、導力銃――――『ワイルドキャットΩ』を構えたジョゼットは警戒した様子で言い

(こいつら、まさか……!?)

ランディは目を細めて犬達を睨んだ。

「……う、あ………」

一方デリックは恐怖のあまり、動けなくなり

「デ、デリック!!」

「そ、村長!危ないです!!」

デリックの様子を見た村長は声を上げ、ハロルドは村長に警告した。

「あなたは……自分がなにをしているかわかっているのですか!?」

「ええ、わかっていますとも。ああ、間違っても戦おうなどと考えないことですな。デリックさんや村人たちに怪我をさせたくなくばね。」

「くっ………」

「さあ、道を空けたまえ。」

リドナ―の言葉を聞いたロイド達は悔しそうな表情をしながら道を空け、リドナ―はロイド達の横を通り過ぎ

「ふふ、それではおさらばです。もう会う事もありますまい。」

ロイド達に捨て台詞を吐いた後去っていった。

「デ、デリック……!」

「うう……」

そして村長はハロルドやピートと共にデリックにかけより

「くそっ、逃がすかッ……!」

「行きましょう……!」

ロイド達はリドナ―の後を追ったが、リドナ―は運搬車に乗って逃げ去って行った!

「ああっ……!」

「まんまと逃げられてしまいましたね……」

「うう……悔しいです!あんな卑怯な輩を取り逃がしてしまうなんて……!」

それを見たエリィは声を上げ、ティオとノエルは悔しそうな様子で呟き

「――――ドルン兄、キール兄!今、村を出て行った運搬車がボク達を騙したあの男が乗っている!ちょっとの間、足止めをお願い!」

ジョゼットはエニグマを出して誰かに伝え

「ジョゼットちゃん……?」

ジョゼットの行動を見たランディは不思議そうな表情をし

「フフ、こんな時の為にルファディエルさんが空で待ち構えていたんじゃないのかい?」

「――――!ルファ姉!!」

静かな笑みを浮かべて言ったワジの言葉を聞いたロイドは目を見開いた後、エニグマで通信をし

「わかっているわ。――――!あら……どうやら今回は私の力は必要なかったみたいよ。」

「へ………」

通信相手――――ルファディエルの答えを聞いたロイドが呆け

「―――とにかく急ぐよ!今ならまだ、あの男を捕まえられるよ!」

ジョゼットはロイド達を促した後、ロイド達と共にリドナ―が逃げ去った方向へと走りだした。



~アルモリカ古道~



リドナ―が運転する運搬車がアルモリカ村を去りかけたその時、空にいた小型の飛行艇が急降下して、運搬車の行く道を塞ぎ

「何ィィィィィイッ!?」

それを見たリドナ―は驚きながらハンドルを切り、近くの岩にぶつかり、ぶつかった運搬車は前方部分から煙を上げて動かなくなった!

「こ、これは一体……!?」

その時リドナ―に仲間達と共に追い付いたエリィは戸惑い

「ひ、飛行艇………?」

「目の前の飛行艇を避ける為にあんな事になったと思うが………なんでこんな道のど真ん中に停泊しているんだ……?」

リィンとランディは目の前にある飛行艇を見て戸惑い

「!!あの飛行艇は……――――”山猫号”……!」

同じように飛行艇――――カプア”特急便”の飛行艇である”山猫号”を見たティオは驚いた。

「い、一体何が……起こったというのだっ……!?」

するとその時、運搬車からリドナ―が出て来て、信じられない表情で呟いた。

「フン………まさかテメエを一発ぶん殴る機会が訪れるとはな……」

リドナ―が呟くと、飛行艇のハッチが開いて一人の大男が現れ

「やれやれ……いきなり急降下だなんて、無茶言ってくれるぜ。威嚇射撃をするだけでも充分足止めになるってのによ……」

さらに続くように青年が苦笑しながら現れた。

「ナイスだよ、ドルン兄、キール兄!」

男性――――ジョゼットの一番上の兄、ドルンと青年――――ジョゼットの2番目の兄、キールを見たジョゼットは口元に笑みを浮かべ

「え………」

「まさかジョゼットさん……いや、”カプア特急便”の飛行艇……!?」

ジョゼットの言葉を聞いたエリィは呆け、ロイドは驚きの表情でジョゼットを見つめた。

「フフ。まさかこんな援軍が来るなんて、私も予想していなかったわ。」

その時、ルファディエルが微笑みながらロイド達の傍に着地し

「へへっ、たまたま運が良かっただけさ。君達の仲間がアロンの依頼を終えて、次の仕事場に向かうついでにアルモリカ村によってもらって、リドナ―を逃がさないようにドルン兄達には空で待機してもらっていたんだ。」

ルファディエルの言葉を聞いたジョゼットは口元に笑みを浮かべて答え

「あ、ありがとうございます……!おかげで助かりました……!」

「フフ、まさかこんな予想外な人物達に美味しい所を取られちゃうとはねぇ。」

ジョゼットの話を聞いたロイドは明るい表情をし、ワジは静かな笑みを浮かべた。

「ま、俺達も因縁の相手に一矢報いる機会をもらえたから、お互いさまさ。」

そしてキールは口元に笑みを浮かべて答え

「久しぶりだな、リドナ―……………よくも俺達を騙してくれたなあ……?」

「しかも俺達を騙した手口と全く同じ手口とはな……ジョゼットから”特務支援課”が受けているお前の調査を聞いてピンと来たぜ。絶対お前が関わっているってな。………俺達がいるからには”二度目”は通じさせねぇぜ?」

ドルンとキールは不敵な笑みを浮かべてリドナ―を見つめ

「お、お前達はカプア家の……!?クッ……!借金で逃げ回っているはずのお前達がどうしてこんな所に……!」

見つめられたリドナ―は信じられない表情でドルン達を見つめた。

「へっ。”空の女神(エイドス)”はまだ俺達を見捨てていなかったって事さ。」

リドナ―の言葉を聞いたキールは口元に笑みを浮かべて答え

(この場合、あの人外ノーテンキ娘に感謝すればいいのかな……?いやいや!そんなの、ありえないから!感謝するとしたら、リベール王家だね、うん!)

ジョゼットはエステルの姿を思い浮かべた後、自分の考えをすぐに止めて、すぐに思い浮かんだ他の理由で納得し

「これでテメエも年貢の納め時だ!大人しくお縄につきなっ!!」

ドルンはリドナ―を睨んで叫んだ!

「……………クククッ………ククククッ……………!クハハハハハハッ………!」

一方リドナ―は黙り込んだ後凶悪な笑みを浮かべて大声で笑い

「……いいでしょう……私もいよいよ女神(エイドス)に見放されたようだ。しかし……私は転んでもただでは起きないタチでしてね。こうなったら、貴方方も地獄の道連れにして差し上げましょう!」

そして運搬車の後部の扉を開け、そこから装甲を身に纏った魔獣達が次々と現れて、ロイド達を包囲した!

「さっきの……!」

「赤い星座のクーガー……!気を付けろ、この数は油断できねえぞ!」

「なっ!?赤い星座の!?」

魔獣達を見たノエルは厳しい表情をし、ランディは目を細めて警告し、警告を聞いたリィンは驚き

「クハハハッ………食われろ、食われてしまえっ……!」

リドナ―は凶悪な笑みで笑い続けた。

「クッ………なんとか、ジョゼットさん達だけでも避難を……!」

ロイドは表情を歪めて呟いたが

「そんなの必要ないよ!」

「俺達はこれでも”結社”の連中とやり合った事があるし、リベールの”異変”の最終決戦にも参戦し、生き残った!自分の身は自分で守れるぜ!」

ジョゼットは銃を、キールはやや長めの短剣を構えて共闘の意志を伝え

「俺達を騙して親父が遺した遺産や小麦畑を奪い、俺達の人生を滅茶苦茶にした事の落とし前………今ここで付けさせてもらうぜっ!!」

ドルンは導力砲を構えて叫んだ!



そしてロイド達はジョゼット達と共に戦闘を開始した……………! 
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