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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第53話

その後ホテル内に入ったロイド達はそれぞれが泊まる部屋に別れ、ロイドとランディ、ワジはマリアベルに案内されて自分達が泊まる客室に入った。



~ミシュラム~



「ここが皆さんのお部屋ですわ。」

「これは凄いな……」

「は~、豪勢すぎんだろ。」

部屋の豪勢さを見たロイドとランディは驚き

「僕達に合わせてベッドの数も調整してくれたみたいだね。」

ワジは備え付けてあるベッドの数を数えて言った。

「うふふ、高級ホテルならば当然のサービスですわ。まあ、この部屋やヴァイスハイト局長が泊まっている部屋に関しては外からも鍵がかかるようにしておきたかったのですけど。」

「そ、それって……」

「そんな信用ないッスかねぇ。局長ならともかく俺達まで疑われるなんて。」

マリアベルの言葉を聞いたロイドとランディは冷や汗をかいた後マリアベルを見つめ

「フフ、心外だなぁ。いくら僕達や局長達以外は全員、麗しい女性たちだからってさ。」

ワジは静かな笑みを浮かべて言った。

「まあ、ワジさんに関しては何となく信用できそうですけど。リィンさんは若干怪しいとは思いますが、一応大丈夫だと思いますし、ギュランドロス司令は既婚者。セリカさんは正直な所判断が難しい所ですが、一応大丈夫だと思っています。男性陣の中ではロイドさんとランディさん、ヴァイスハイト局長は正直、信用しきれませんから。……特にロイドさんは要注意・危険人物ですし。」

「ええっ……!?」

マリアベルに睨まれたロイドは驚き

「フフ、どうせ君のことだからふと夜中にラウンジに出てみたら眠れない女の子がいて……それで話しているうちにイイ雰囲気になりそうだよね。」

「おお、いかにもありそうだなー。」

ワジとランディの話を聞いたロイドは冷や汗をかき

「……ロイドさん。従業員用の仮眠室あたりに泊まっていただけるかしら?」

「いや、ありませんから!」

笑顔のマリアベルに尋ねられたロイドは苦笑しながら答えた。

「フン、まったく。ちなみにわたくしはこの後、取締会がありますからいったん街へ戻りますけど……くれぐれも、水着姿のエリィたちに劣情を催さないよう注意なさい。……悪さをしたら保安部を呼んで湖の真ん中に叩き込みますわよ?」

「だからしませんって………でも、マリアベルさん、やっぱり相当お忙しいんですか?」

「フフ、お父様があんな事を言いだしてしまいましたから。さすがにIBCの業務を並行する事が難しくなったようで全て取締会で引き取りました。当然わたくしにもシワ寄せが回ってきてるわけですわ。」

「そうですか……本当にお疲れ様です。」

「ま、適当に息抜きもしてくださいよ。」

「休息とストレス解消は美容と健康にもいいしね。」

「フフ、お気遣い感謝しますわ。お伝えしたように、湖水浴場の受付は1Fアーケードの右翼方面にあります。そこで水着もレンタルできるので更衣室で着替えてくださいな。ちなみにルファディエルさん達の分も用意してありますので、彼女達にも楽しんでもらって下さい。……もちろん着替えるのは男子の方ですわよ?」

「いや、念を押さなくても。」

自分を睨んで念を押すマリアベルにロイドは苦笑しながら答え

「とにかく了解ッス。」

ランディは笑顔で答えた。

「湖水浴場は皆さんのために昼まで貸し切りにしています。午後からはテーマパークで存分に楽しむといいでしょう。そちらは行った事がある人も多いでしょうからお任せしますわ。それと夜は、迎賓館の方にディナーの席を用意しています。正装の必要はありませんから時間までに来てください。」

「わかりました。」

「至れり尽くせりで申し訳ないくらいだね。」

「フフ、どう致しまして――――よき滞在を。存分に羽を伸ばして下さいな。」

そしてマリアベルは部屋を出て行った。

「……何だかんだ言って凄く親切な人なんだよな。妙に敵視してくるのは勘弁して欲しいけど……」

マリアベルが去った後ロイドは口元に笑みを浮かべて言った後溜息を吐き

「ま、運命と思って諦めろ。それじゃあ早速、ビーチに行ってみるかね~!」

ランディは口元に笑みを浮かべてロイドを見つめて言った後嬉しそうな表情で提案し

「フフ、そうだね。女性陣はどうしても準備に時間がかかるだろうし……先に行ってもいいんじゃない?」

ワジは静かな笑みを浮かべて頷いた後提案した。

「そうだな……それじゃあ一応、声をかけて行くとするか。」

その後ロイド達はそれぞれが泊まっている部屋に入って声をかけた後、男性陣であるヴァイス、リィン、ギュランドロス、セリカ、そしてギレゼルと共に水着を借りた後、同じように水着を借りたルファディエルとエルンストと更衣室前で別れた後、更衣室の中に入った。



「しっかし、今思ったが……特務支援課に入ってから最大のご褒美って感じだよな!?」

「まさに状況は天国だぞ、ロイド!」

更衣室の中に入ったランディは嬉しそうな表情でいい、ギレゼルは興奮した様子で言い

「さ、さすがに大げさだろ。確かにみんな、どんな格好をしてくるかちょっと楽しみだけどさ。」

「確かに……というかこんな機会、もう絶対にないだろうな。」

ロイドは苦笑した後口元に笑みを浮かべ、リィンはロイドの言葉に頷き

「フッ………水着か。俺としても初めて見るから全員の水着姿が今から楽しみだ。」

「……まあ、俺達の世界には水着というか、”水浴”という娯楽自体がないからな……」

ヴァイスは静かな笑みを浮かべ、セリカは苦笑していた。

「そうだろ、そうだろ♪しかもイリアさんやセシルさん、ルイーネ姐さんやルファディエル姐さん達の水着だぞ!?加えてリーシャちゃんやセティちゃん達みたいな超有毛株なんかもいるし!」

「お、落ち着けって。……うーん、でも何気に俺達の周りってスタイルのいい女性が多いよな。セシル姉やリーシャ、ルファ姉もそうだけどエリィやセティ達もかなりグラマーだし……」

興奮しているランディを諌めたロイドは考え込んだ後呟き

「イリアさんはモデルみたいだし、ノエルやフランちゃんも出るトコは出てるしなぁ。それにメヒーシャちゃんは普段は鎧でスタイルを隠しているが出るトコは出ていると俺は睨んでいる!」

「くかかかっ!奇遇だな!我輩も同じことを思っているぜ!」

ランディの言葉にギレゼルは笑いながら頷いた。

「ちなみにパティはそこそこあるし、エルミナやアルは出るトコは出ているし、エルファティシアのスタイルは完璧だぞ?」

「当然、ルイーネもそこらの女共とは比べものにならないくらいのいい身体をしているぜぇ?」

そしてヴァイスは静かな笑みを浮かべ、ギュランドロスは口元に笑みを浮かべてランディを見つめて言い

「クッ……あの5人の裸を堂々と見れるとはなんて羨ましい奴等……!って、局長!今、パティちゃんの名前が出てこなかったか!?」

「ま、まさかとは思いますけどパティルナ中尉とも………?」

二人の言葉を聞いたランディは悔しそうな表情をした後ある事に気付いてヴァイスを睨み、リィンは表情を引き攣らせてヴァイスを見つめた。

「ああ。パティも何回か抱いた事はあるぞ?」

「ちなみにこの俺が特別に許して、ルイーネを抱いた事もあるぜ?ヴァイスは。」

「ええっ!?」

「なっ!?ルイーネ一佐とも肉体関係があったんですか!?」

「おおおおおおおおおっ!さすがはハーレムを公言している男だ!」

ヴァイスとギュランドロスの答えを聞いたロイドは驚き、リィンは信じられない表情をし、ギレゼルは興奮し

「おのれ……このリア充王がっ!!つーか、オッサン!アンタ、自分の愛妻を他の男に抱かれる事を許すとか何考えているんだよ!?」

ランディは悔しそうな表情でヴァイスを睨んだ後ギュランドロスに突っ込んだ。

「クク……俺には俺なりの考えがあるってもんなんだよ。」

「ぜ、全然わかんねえ……無茶苦茶なオッサンとは思ったけどここまで無茶苦茶とは……」

口元に笑みを浮かべて言ったギュランドロスの言葉を聞いたランディは溜息を吐き

「言っておくがセリカと比べたら俺なんかまだまだだと思うぞ?」

「………おい。」

するとその時ヴァイスは静かな笑みを浮かべて呟き、ヴァイスの言葉を聞いたセリカはヴァイスを睨み

「なにっ!?まさか………!」

ヴァイスの言葉を聞いたランディは驚いた後セリカを睨んだ。

「………ちなみにこの写真に写っている女性達―――サティア、エクリア、マリーニャ、シュリ、サリア、ナベリウス、そしてリタとレシェンテ、後はエステルやプリネ姫の使い魔の内の数人と肉体関係があるはずだぞ?なんせそれぞれ”使徒”、元使い魔、恋人等の関係で”性魔術”をしているはずだしな。」

するとヴァイスは懐から影の国で撮った写真をロイド達に見せて、それぞれの女性達を指で指し示して説明した後セリカに視線を向け

「……………………………」

視線を向けられたセリカは黙り込んでいた。



「おのれ……まさかこんなとんでもない伏兵が潜んでいたとは………!しかもスタイルを問わないどころか、見た目は子供のリタちゃん達まで喰うとは!このリア充神め!!」

「くかかかかっ!”神殺し”どころか”女殺し”でもあったのか!」

「……何を言っているのか意味がわからんな。」

悔しそうな表情で睨むランディの言葉と陽気に笑いながら言ったギレゼルの言葉ににセリカは呆れた表情で答えた。

「フッ……それともう一つだけ教えておこう。リースはこの男―――ケビンと肉体関係があるぞ?」

「ええっ!?リ、リースさんとケビン神父が!?」

「お、驚きの情報ですね………」

「何!?おのれ……!神父の癖にシスターを喰うとか何考えているんだよ、この神父は!!」

(へえ………?これは意外な事を聞いたね。フフ、”千の護手”をからかういいネタが手に入ったね。)

ヴァイスのさらなる話を聞いたロイドとリィンは驚き、ランディは驚いた後写真の中にいるケビンを睨み、着替えているワジは意外そうな表情をした後静かな笑みを浮かべた。

「……まあ、本人―――特にケビンには言ってやるなよ?あいつはリースと共に俺達とはぐれて孤立無援の状態で気絶している所をリースが気絶した奴を回復する為に”性魔術”をして回復させたらしいからな。多分、ケビン自身は知らないと思うぞ?」

「ええっ!?」

「おおっ!あの魔術か!!」

ヴァイスの説明を聞いたリィンは驚き、ギレゼルは興奮し

「”性魔術”??」

「一体何なんッスか、それは。」

ロイドとランディは不思議そうな表情をした。そしてロイドとランディにヴァイスとギレゼルは”性魔術”の説明をした。

「………………………」

「まさかそんな超うらやましい魔術があったとは!……ん?……ロイド。お前、まさかとは思うけどルファディエル姐さんと……」

説明を聞いたロイドは口をパクパクさせ、ランディは悔しそうな表情で叫んだ後、ある事に気付いて目を細めてロイドを睨み

「し、している訳ないだろっ!?そんなとんでもない事!!」

睨まれたロイドは慌てた表情で答えた。



「(果てしなく怪しいな……)……ま、話を戻すがティオすけやシュリぞうはこれからに期待ってことで。まあ、もう成長する事のないリタちゃんやエルンスト、レシェンテちゃんは残念って事で。まあ、見た目はいいから、華にはなるな。」

ロイドの答えを聞いたランディはジト目でロイドを睨んだ後話を戻し

「………本人達……特にレシェンテが聞いたら怒り狂うぞ……」

「失礼だぞ、ランディ。あ……そう言えばキーアって泳げるのかな?聞いた事はなかったけど。」

ランディの言葉を聞いたセリカは呆れた表情で呟き、ロイドは突っ込んだ後ある事に気付いた。

「んー、大昔の事だし、本人も覚えてねぇんだろう。一応、溺れないように誰か見てた方がいいかもな。」

「ああ、そうしよう。」

そしてランディの言葉にロイドが頷いたその時

「フフ、ホント親バカだねぇ。」

セパレートタイプの水着を身に着けたワジがロイド達に近づいてきた。

「ワジ………?」

「も、もう着替えたのかよ?」

「ああ、外で待ってるよ。」

そしてワジは更衣室を出て行った。

「……―――怪しい。」

「確かに。」

「ああ、確かにそう言えるな。」

ワジが更衣室を出て行った後呟いたランディの言葉にヴァイスとギレゼルは頷き

「怪しいって……ワジか?そりゃいつも基本的に怪しいヤツだとは思うけど。」

3人の言葉を聞いたロイドは不思議そうな表情をした。

「いや、そうじゃねえ。俺達が喋っている間に素早く着替える手際のよさ。そして男女兼用にもなるセパレートタイプの水着……怪しくないか?」

「どこが怪しいんだかサッパリわからないんだが……」

ランディの言葉にロイドが戸惑ったその時

「―――性別か。」

セリカが静かな表情で言った。

「お、そっちはわかるか。つーか、アンタも人の事は言えねぇぞ?」

「クク……確かにその面だと女に見られてもおかしくない面だしな。」

セリカの言葉を聞いたランディは呆れた表情でセリカを見つめ、ギュランドロスは口元に笑みを浮かべ

「……この身体は”女神”であるサティアの物なのだから、俺が女性に見えるのは仕方のないことだ。」

二人の言葉を聞いたセリカは静かな表情で答えた。

「あの……まさかとは思いますけど、女性特有の身体つきではないですよね?」

その時リィンは冷や汗をかいてセリカを見つめ

「……力を失えばそうなるが……今は十分力があるから身体つきは男だ。」

「な、なるほど………」

セリカの答えを聞いて苦笑していた。

「……じゃ、俺達も早く着替えようぜ。」

「だな、待たせても悪いし。」

その後ロイド達は水着に着替えて更衣室を出た。



「ワジ、お待たせ。」

「おし、そんじゃあ行くか。」

青色のトランクスの水着を着たロイドと黒と赤が混じったトランクスの水着を着たランディはそれぞれ言い

「フッ……天国はもうすぐだな。」

「あ、あの……お願いですから少しは控えてくださいよ?」

藍色のトランクスの水着を着たヴァイスの言葉を聞いた緑を基調としたトランクスの水着を着たリィンは冷や汗をかき

「くかかかっ!何を言っている!?水着プレイとか萌えるに決まっているだろう!?」

「クク……ルイーネの水着姿に惚れて手を出そうとするなよ?ルイーネは俺のだからな。ま、その代わりエルミナやパティは存分に手を出してくれていいぞ!」

漆黒のブリーフ型の水着を着たギレゼルは笑い、黒と赤を基調としたブリーフ型の水着を着たギュランドロスは口元に笑みを浮かべ

「……本人達がいない時にそんな勝手な事を言わない方がいいぞ……」

普段自分が身につけている服とよく似た深緑のインナータイプの水着を身につけたセリカは呆れた表情をしていた。

「…………………」

一方ワジは呆けた表情でロイド達を見つめ

「え、なんだ?」

「なんか変なことでもあるか?」

見つめられたロイドとランディは尋ねた。

「いや、男の水着姿ってのはさして面白くないと思ってね。まあ全員、体格はいいからガッカリはされないと思うよ?」

「あのな……」

「余計なお世話だっつーの。」

ワジの言葉を聞いたロイドとランディは睨み

「そもそも男の水着姿なんぞ、最初から誰も期待しないぞ。」

「全くだぜ!」

「ハハ……けど、ギュランドロス司令の身体は凄いですね、筋肉も凄いですけど、刀傷がかなり多いですし……」

ヴァイスとギレゼルの言葉に苦笑したリィンはギュランドロスの身体を見つめて呟き

「そういう所も叔父貴そっくりだよな、オイ………」

ランディは疲れた表情をし

「ガッハハハハハッ!これも俺の勲章だ!……そういうお前は俺達より遥かに戦いを続けたのに傷一つついていないなぁ?」

ギュランドロスは豪快に笑った後不敵な笑みを浮かべてセリカを見つめ

「………サティアからもらったこの身体……絶対に傷一つ作れん。」

見つめられたセリカは静かな表情で答え

「フフ、それじゃあビーチに出るとしようか。」

ワジは静かな笑みを浮かべて言った。



その後ロイド達はビーチに出た…………… 
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