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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第52話

~ミシュラム~



「さてと……確かマリアベルさんが待っててくれてるんだっけ?」

水上バスから降りたロイドはエリィに尋ね

「ええ、9時半に待ち合わせだからちょうど時間のはずだけど……」

尋ねられたエリィが頷いて答えた。するとその時

「あ、来た来た~!」

聞き覚えのある女性の声が聞こえ

「この声って……」

「ま、まさか……!?」

声を聞いたロイドとノエルが驚いて振り向くと私服姿のフランがロイド達に近づいてきた。

「お姉ちゃん、皆さん、おはようございま~す!キーアちゃんも、おはよ~!」

「おはよー!」

「おお、フランちゃんかよ!」

「ハハ、これは予想外だな。」

フランを見たキーアは笑顔で答え、ランディは驚き、リィンは苦笑した。

「あ!セティちゃん達、やっと帰ってきたんだったね!お帰り!」

「はい、やっと支援課に帰ってこれました。……フランさん、お久しぶりですね。」

「また、よろしくねー!」

「……改めてよろしくお願いします、フランさん。」

「うんっ!改めてよろしくねー、セティちゃん、シャマーラちゃん、エリナちゃん♪」

セティ達に微笑まれたフランは笑顔で答え

「ど、どうしてここに……昨日会った時、そんなこと、言ってなかったじゃない!?」

ノエルは溜息を吐いた後真剣な表情でフランを見つめて言った。

「えへへ、お姉ちゃんたちをびっくりさせたくって~。それに特別ゲストはわたしだけじゃないよ~。」

ノエルの言葉を聞いたフランは笑顔で答えた。するとその時

「ふふっ、来たみたいね。」

「よーし、メンツも揃ったし今日は楽しめそうね~!」

「ええっ!?」

「こ、この声は……」

さらに聞き覚えのある声が聞こえた後フランの背後からイリア、セシル、リーシャ、シュリ、エルファティシア、ヴァイス、アル、ギュランドロス、ルイーネ、エルミナ、パティルナ、セリカ、リタ、レシェンテ、カーリアンが姿を現した。

「!?」

「おおおおっ!?」

「し、司令!?それにルイーネ一佐達も……!」

「カーリアンさんやセリカさん達まで……!」

「エルファティシアさん……昨日は用事があると言って来れないって言ってたのに……ハハ、まさか俺達を驚かせるためですか?」

イリア達を見たロイドは驚き、ランディは興奮し、ノエルとティオは驚き、リィンは驚いた後苦笑し

「あー、セシルだぁ!」

「それにイリアさんたちまで……」

「へえ、また綺麗どころが集まってるじゃないか。」

キーアは嬉しそうな表情をし、ティオは呆けた表情でイリア達を見つめ、ワジは口元に笑みを浮かべ

「こ、こんな事をしそうなのは……―――ベル、あなたね!?」

エリィは呆れた表情をした後イリア達の背後を睨んだ。

「うふふ―――正解ですわ。」

エリィの言葉に答えるかのようにマリアベルがイリア達の背後から現れた。

「マリアベルさん……これは一体、どういう?」

「フフ、皆さんを招待したついでに日頃仲がいいと聞いている方々もお呼びしたわけですわ。ヴァイスハイト局長やギュランドロス司令、セリカさん達はこの間の通商会議の件のお礼、アルカンシェルの方々は来月始まるリニューアル公演の激励も兼ねていますけれど。」

苦笑しながら尋ねたロイドにマリアベルは口元に笑みを浮かべて答えた。



「弟君たち、やっほー。」

「ふふっ。どうもご無沙汰しています。」

「な、なんでオレまで……」

イリアとリーシャはロイド達に声をかけ、シュリは戸惑いの表情を見せ

「フッ……まさにクロスベルの綺麗所が勢ぞろいと言った所か。」

「……何だか有能な女性の将だらけだったセンタクス軍を思い出しますね……」

「うふっ♪ヴァイスハイトにとってはまさに天国と言っていい状況ね♪」

ヴァイスは静かな笑みを浮かべ、アルは苦笑し、エルファティシアはからかいの表情でヴァイスを見つめ

「全くこの男は………その女性にだらしない態度、少しは抑えたらどうですか?」

「あはは!ヴァイスにそれは無理だよ、エル姉!」

エルミナは呆れた表情でヴァイスを見つめ、パティルナは笑いながら答え

「ガッハハハハハッ!”英雄色を好む”というからな!まあ、俺はルイーネがいれば十分だけどな!」

「もう、ギュランドロス様ったら♪みんなの前なんだから恥ずかしいですよ♪」

豪快に笑いながら言ったギュランドロスの言葉を聞いたルイーネは嬉しそうな表情でギュランドロスを見つめた。

「………久しぶりだな。まさか俺達まで呼ばれるとは思わなかったが。」

「フフ、こんなにもたくさんの人達と遊ぶなんて死んでから初めての体験ですね。」

「うむ!今から楽しみじゃな!」

「は~い♪こんなにも早くまた会えるなんてね♪」

セリカは静かな笑みを浮かべ、リタは可愛らしい微笑みを浮かべ、レシェンテは口元に笑みを浮かべて頷き、カーリアンはウインクをした。

「はは……何て言ったらいいのか。セシル姉、休暇取れたんだ?」

ロイドは苦笑した後セシルを見つめて尋ねた。



「ええ、偶然取れたところにイリアから連絡があって……ロイド達も来るというからお言葉に甘えちゃったの。迷惑じゃなかったかしら?」

「いや……すごく嬉しいよ。」

セシルの言葉にロイドは嬉しそうな表情で答え

「うおおおおおおおおおおっ!俺は夢でも見てんのか!?セシルさんにイリアさんにルイーネ姐さん達に綺麗どころがこんなに沢山……ひゃっほう!テンションMAXだぜ~!」

ランディは興奮した様子で声を上げた後嬉しそうな表情をし

「ランディさん、ウザイです。」

ティオはジト目で突っ込んだ。

「ま、気持ちはわかるけどね。」

「でも、ちょっと驚きました……」

「まさに豪華メンバー、勢揃いと言ってもおかしくないしな……」

ワジは静かな笑みを浮かべ、ノエルとリィンは苦笑し

「ひょっとして泊まる場所も同じホテルを用意してくれたの?」

エリィはマリアベルを見つめて尋ねた。

「ええ、皆さんのお部屋はホテル3FのVIPフロアに用意しています。まずは部屋に案内しますから荷物を置いて来るといいでしょう。その後、ミシュラムリゾートの新たな目玉に行かれるといいですわ。」

「新たな目玉……?」

「テーマパークではなく?」

マリアベルの言葉を聞いたエリィとティオは不思議そうな表情をし

「えへへ、わたしも聞いてビックリしちゃったんですけど。」

「実はその、新しい施設がオープンしたらしくって……」

「昼まで貸し切り状態にしてくれるらしいのよね~。」

フラン、リーシャ、イリアがそれぞれ答えた。

「ええ、ぜひとも皆さんに楽しんでもらいたいですわね。」

「ふえ~……?」

「えっと?その施設というのは一体……」

「うふふ……内陸にあるクロスベルのためにわざわざ作り上げた楽園(パラダイス)……美しきエルム湖を臨む純白の『湖水浴場(レイク・ビーチ)』ですわ。」

その後ロイド達はマリアベルに連れられてホテルに向かった。



こうしてロイド達の束の間の休息が始まった……………… 
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