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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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外伝~ベルガード門の警備隊演習の参加要請~前篇

タングラム門を去ったロイド達は他の緊急要請の依頼者の元に向かった。



~ベルガード門・司令室~



「―――失礼します。」

「おう、ようやく来たか。」

司令室に入って来たロイド達を見たギュランドロスは口元に笑みを浮かべて言った。

「フフ、ロイド君とエリィちゃんにとっては久しぶりになるわね。」

「はい。IBCの防衛戦の時は本当にお世話になりました。」

「力を貸して頂き、本当にありがとうございした。それどころかクロスベルに留まって警備隊の立て直しもして頂いて……何から何までありがとうございます。」

ルイーネに微笑まれたロイドは会釈し、エリィも会釈をして言った。

「クク、俺の野望の為には警備隊の力も必要だからな。礼を言われる筋合いはないぜ。」

(ほ、本当にIBCで言った発言を実行するみたいね…………)

(ああ……局長と言い、司令と言い、2人とも野心を全然隠さないもんな…………2人のおかげで警察、警備隊共に強化されていくのはいいんだけど…………いずれあの2人はこのクロスベルをどうするつもりなのか、物凄く不安なんだよな…………ティオとエルファティシアさんの話では2人は元々他国に戦争を仕掛けて、領土を広げたっていう話だし…………もしクロスベルがそんな事をしたら、エレボニアやカルバードに侵略されるような口実を作るようなものだし……)

不敵な笑みを浮かべて言ったギュランドロスの言葉を聞いたエリィは表情を引き攣らせ、ロイドは疲れた表情で溜息を吐き

(……………………………)

2人の小声の会話を聞いていたエルファティシアは目を伏せて黙り込んでいた。

「で?支援課(おれたち)に『演習への参加要請』って名目で要請を出したようだが…………まさかアンタやルイーネ姐さん達と俺達を戦わせようってつもりなのか?」

「ほう……?わかっているじゃねえか。」

ランディに尋ねられたギュランドロスは好戦的な笑みを浮かべて言った。



「ええっ!?」

「やっぱりか…………ンな事だろうと思ったぜ……」

「ま、まさか本当にあたし達が司令達と……!?」

「……できれば私はパスしたいんだけど。正直言って、ヴァイスハイト達がいない状況で貴方達とやり合ったら勝てる気もしないし。」

ギュランドロスの答えを聞いたロイドは驚き、ランディは疲れた表情で溜息を吐き、ノエルは信じられない表情でギュランドロスを見つめ、エルファティシアは溜息を吐いた。

「フフ、安心して。その前にちゃんとテストをしてあげるから。そのテストに合格できなかったら、ギュランドロス様と戦わなくていいわ。……後、エルファティシアさんは戦う必要はないわ。ヴァイスさんからもエルファティシアさんを抜いた状態のロイド君達を鍛えて欲しいと頼まれているし。」

ロイド達の反応を見たルイーネは微笑みながら答え

「そう。フフ、後でヴァイスハイトにはお礼をしなくっちゃね♪」

ルイーネの話を聞いたエルファティシアは頷いた後口元に笑みを浮かべ

「テスト……ですか?」

「フフ、察するに司令殿と戦う前の前哨戦ってヤツかい?」

リィンは不思議そうな表情をし、ワジは静かな笑みを浮かべて尋ねた。

「おうよ!……この演習はお前達に経験を積ませる事となると同時にパティ達が鍛え上げた警備隊員達の力を試す演習にもなる。当然、受けるよな?」

「…………はい。みんな、いいよな?」

ギュランドロスの言葉に頷いたロイドは仲間達を見回して尋ね

「ここでもエルファティシアさん抜きと言うのは厳しいけど…………確かに私達の全力を試すいい機会ね。」

「あたしにとっても司令達直々に育てた警備隊員達と模擬戦を出来るのは良い経験になるので構いません。」

「俺にとっても良い経験になるから、勿論いいよ。」

「やれやれ……ここまで挑発されると乗らないわけにはいかないだろう?」

「あのオッサンとやり合えれば、叔父貴と戦う時になった時の為の良い経験になるだろうしな……何が何でもギュランドロスのオッサンと戦う為に勝つぞ。」

尋ねられた仲間達はそれぞれ頷いた。

「フフ、どうやら決まったようね?こちらの準備はできているけど、貴方達の方はどうかしら?」

ロイド達の様子を見たルイーネは微笑みながら言った後ロイド達に尋ね

「こちらの方も既に準備はできています。」

「よし!それじゃあ早速始めるぞ。全員、屋外の駐車場に付いて来い。……ルイーネ、手筈通りに頼むぜ?」

ロイド達の返事を聞いて頷いた後ルイーネに視線を向け

「はい。パティちゃんとエルちゃんが育てた部隊の中でも秀でた部隊の一つですね?わかりました。すぐに集合させます。」

視線を向けられたルイーネは頷いた。その後ロイド達は屋外の駐車場に移動した。



「それではこれより演習を開始します。双方、構え!」

「ハッ!」

ルイーネの号令によってロイド達と警備隊員達はそれぞれ武器を構えた。

「へ…………」

「全員、スタンハルバード……!?」

「へえ……ライフル使いがいないなんてね……」

「一体、どういう事だ……?普通なら後方からの援護として遠距離攻撃使いは必要なのに……」

ロイドとエリィ、ワジは警備隊員達全員が構えたスタンハルバードを見て驚き、リィンは考え込み

「気を付けろ!全員スタンハルバードって事は恐らくパティちゃんが鍛え上げた突撃部隊だ!」

「……パティルナ中尉が鍛え上げた突撃部隊は接近戦ですざましい強さを振るいます!皆さん、気を付けて下さい!」

ランディとノエルは警告した。

「始めろっ!!」

そしてギュランドロスの号令の元、ロイド達は戦闘を開始した!


「総員、突撃!パティルナ中尉の厳しい訓練を潜り抜けた成果、見せてやるぞ!」

「おおっ!!」

戦闘開始時一人の警備隊員の号令によって警備隊員達は闘志を高めた後ロイド達に突撃し

「エリィ、ノエル!迎撃を!……喰らえっ!!」

それを見たロイドは武器をトンファーから2丁の銃に変えた後クラフト―――クイックトリガーを放ち

「ええ!それっ!!」

「催眠弾、発射します!!」

ロイドの言葉に頷いたエリィはクラフト―――クイックドロウを放ち、ノエルはグレネードから強力な催眠弾を発射するクラフト―――S・グレネードで攻撃した。突撃する警備隊員達はロイドとエリィの銃撃を受けても怯まず突撃し、さらに催眠弾を受けても平気の様子で突撃し

「なら、コイツでどうだ!?」

それを見たランディはクラフト―――クラッシュボムによる閃光で警備隊員達を怯ませようとしたが、閃光の爆発を受けても警備隊員は怯まずそれぞれ攻撃を仕掛けた!

「くっ……!あれだけの攻撃を受けても怯まないなんて……!」

ロイドは武器をトンファーに変えて警備隊員の攻撃を受け止め

「とんでもないタフさ……だねっ!!」

ワジは警備隊員の攻撃を回避した後クラフト―――ブロードアックスで攻撃してダメージを与え

「しかも状態異常に対しても対策済みですか……!さすが……ですねっ!!」

ノエルは武器をスタンハルバードに変えてクラフト―――スタンスマッシュを放って警備隊員の一人を麻痺状態にし

「そこぉっ!フェヒテンバル!!」

「ハァァァァ……大雪斬!!」

エリィは武器を細剣に変えてリィンと共にノエルが麻痺させた警備隊員に同時に攻撃して戦闘不能にした。しかし

「「喰らえっ!!」」

「きゃっ!?」

「ぐっ!?」

他の警備隊員達が放ったスタンハルバードを地面に叩きつけて衝撃波を発生させて攻撃するクラフト―――地烈断を受けてダメージを受けた。

「「「ハァァァ…………!」」」

それを見た他の警備隊員達は2人に向かって突撃したが

「させるかよっ!!」

「行きますよ……!ハアッ!!」

「「「グッ!?」」」

ランディとノエルが同時に放ったクラフト―――パワースマッシュを受けて怯んだ。しかしすぐに立ち直ってスタンハルバードを振り回して2人に攻撃した!

「チッ!」

「このくらいでは止まりませんか……!」

攻撃された2人はそれぞれ回避行動や防御行動に移り

「だったら……!ワジ、一気に決めるぞ!」

「了解、リーダー!」

「「ストライク……ヘブン!!」」

ロイドとワジは怒涛の連撃を警備隊員達に放って大ダメージを与えて怯ませ

「そこぉっ!!」

そこにノエルが敵の装甲をも破壊するクラフト―――ヘビースマッシュで追撃し

「こいつで終わりだっ!!」

ランディはクラフト―――パワーブレイクを放って戦闘不能にした!

「行くぞ……!絶!!」

一方リィンはクラフト―――洸破斬を放って、自分達を攻撃した警備隊員達を怯ませ

「二の型―――疾風!!」

さらに電光石火の如く追撃し

「光よ、我が剣に力を!エクステンイング!!」

リィンが攻撃している間に警備隊員達に近づいたエリィは魔法剣を放って、追撃し

「ハァァァァァァ…………セイヤッ!!」

リィンは鬼気迫る居合の一撃で攻撃するクラフト―――光鬼斬を放って一人の警備隊員を戦闘不能にし

「えい、やあ、そこっ!!」

エリィはクラフト―――フェヒテンイングでもう一人の警備隊員を攻撃して戦闘不能にした!



「そこまでだっ!!」

警備隊員全員の戦闘不能を確認したギュランドロスは号令をかけて戦闘を終了させた。

「くそ……まだまだか……!」

「まだ勢いが足りなかったか……!」

地面に膝をついた警備隊員達は悔しそうな表情をして呟き

「なんて、勢いとタフさだ………」

「タフさや勢いだけならヴァルドと並ぶような気がするよ……」

「IBCで見せたパティルナ中尉のとてつもない勢いによる戦闘が警備隊員達にもしっかり教え込まれているようね……」

「銃撃による攻撃を怯まないなんて、かなり鍛えられている証拠ですね……」

「…………さすがは戦場では暴風のように暴れていたパティルナが鍛え上げた部隊だけはあるわね……」

一方ロイドとワジ、エリィとノエルは疲れた表情で溜息を吐き、エルファティシアは真剣な表情で警備隊員達を見つめた。

「よしっ、お前らはパティの訓練に戻れ!」

「イエス、サー!」

そしてギュランドロスの指示に警備隊員達は敬礼をした後去り

「ミレイユちゃん、次は貴女達がロイド君達の相手をしてね。」

「イエス、マム!全員、戦闘配置につきなさい!」

「イエス、マム!」

そして戦いをエルファティシアやギュランドロス達と共に見守っていたミレイユはルイーネに話しかけられて敬礼をした後警備隊員達に指示をして、警備隊員達と共にロイド達と対峙した。

「ランディ、次は私達が相手よ。手を抜いたら承知しないわよ?」

「へいへい。……つーか、あのエルミナ大尉直々に戦術を叩き込まれている今のお前に手加減なんかできねーよ。」

ミレイユに言われたランディは疲れた表情で溜息を吐いて呟いた後目を細めてミレイユを見つめ

「戦場を把握し、常に部隊を効率よく動かし、敵対する者には一切容赦しないあのエルミナ大尉直々に戦術を…………かなり手強そうですね……」

ランディの言葉を聞いたノエルは驚いた後厳しい表情になって呟き

「次の相手も一筋縄ではいかなさそうだな…………みんな、油断はするな!」

ロイドは静かな表情で呟いた後号令をかけ

「ええ!」

「ああ!」

号令にエリィとリィンは頷いた後仲間達と共に武器を構えた。

「よし……2戦目、始めっ!!」

そしてギュランドロスの号令の元、ロイド達は戦闘を開始した………! 
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