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μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜

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Another story 素直な気持ちをこれからも




『ぱぱ〜っ!』




『おお真姫〜っ。いい子にしてたか?』




『うん!ぱぱきいて〜!きょうのさんすうのてすとで100てんだったの〜!』




『偉いぞ真姫!さすがは俺の娘だ!』




パパに褒めてもらえるのが好き

パパに頭を撫でてもらえるのが好き




忙しくても私と遊んでくれるパパが好き




『えへへ〜///』




『真姫は頭がいいからな〜。真姫には将来パパの跡継ぎやってもらいたいな.....』




『あとつぎ...?ん〜と...おいしゃさんになるってこと?』




『そうだよ〜』




『.......うん、わかった』




『そうかぁ〜!いい子だ』




でも.....本当は私は.....
















----------------------------





































「ん〜.......確かここの文章はこうやるんだったかな〜.......」




私が部室来た時、シャーペンで頭をトントン叩きながら参考書と睨めっこしている先輩がいた。




彼の名前は笹倉大地




今年の春から音乃木坂学院に通っているただ一人の男子生徒。




頭脳明晰で頭の回転が速く、物事を冷静に考える.....だけど、お人好しで変態で私達の心の中まで踏み込んでくる....常識人とは思えない先輩




μ'sのメンバーはこの先輩をすごく頼りにしている。

私達9人を引き合わせてくれた、いわば仲立ちしてくれた人だし....

昔、ダンスやっていたということもあり、絵里や海未がダンスの練習に混ざるとき代わりに指導してくれて....




ある時は花陽の引っ込み思案な性格を「笑顔を守ってやる」とか臭いセリフを言って助けたり(花陽情報)




ある時はμ'sの事を嫌っていた絵里の心情を変えたり.....




またある時は希のことを呼び捨てにしてたり...




またある時にはにこちゃんのことも呼び捨てにしてたり....




みんなにとって欠かすことのできない大事な存在になっていた










そして、そんな彼にみんなは恋心を抱いているということも知っていた







私は恋なんてよくわからない。

小学の頃から女子高育ちだったし....恋バナに花を咲かせたことなんてない




自分のこの性格上、素直になれない分友達も多くはなかった

たまにクラスの人と話しをするだけ、それ以外は家に帰ってからも塾に行ったりピアノのレッスンを受けたり、パパとママの病院にいってそこで見学したり




『真姫には将来パパの跡継ぎやってもらいたいな....』




昔パパから言われた願いを叶えるために必死に勉強してきた

それこそ、死に物狂いで.....




でもやっぱり音楽を諦めることはできなかった




音乃木坂学院




入学してからもずっと悩んでいた




ここには音楽系の部活が多く、特に合唱部に入りたいと思っていた

歌う....というわけではなくピアノが大好きだから




でも、医者の跡継ぎとして諦めなければいけない

ピアノは....音楽は終わらせなければいけない







そこで、右往左往していた私を救ってくれたのが彼




今私の目の前で「あ〜っ!!一年前の問題忘れた!!どーやるんだー!」

と、ガシガシ頭を掻きむしりながらもがく先輩がそう。







「なに騒いでるのよ...」




「..え?あ〜真姫か。いやさ、去年の模試の問題やってるんだけど、どーやるんだったかな〜って」




「ふ〜ん....」




どんな問題かしらと思ってひょいと覗き込む




「.......」




「.........」




これは前に授業でやった問題の応用編ね。

私はすぐに解けてしまった




「私解ったわ」




「ほんとかっ!!」




大地はガタンと立ち上がり私の手を握る




「頼む!教えてくれ!!」




「え.....?」







必死に懇願する彼を見て、くすりと笑ってしまった




「な、なんだよ....そこ笑うところ?」




「前にもこんな感じのことあったな〜と思っただけよ」




「前って....あれか、土下座の」




大地や穂乃果に作曲して欲しいとお願いされた日々を思い出す




「あの時のあなたの土下座には呆れたわ....」




「う、うるせぇな...///必死だったんだよ」




顔真っ赤にしちゃって....




「そんなことは今はいいわ。とにかくこの問題教えて欲しいのね?」




「あぁ、お願い。代わりに真姫のお願いも《できる範囲》ならきいてやるから」




「なによその上から目線は」










しょうがないと思いつつ、大地の隣に座って問題を確認する











































「----で、ここはこうなの。わかった?」




「へぇ〜....さすが真姫。尊敬するぜ」




私の解説で納得してくれたのならよかった

人に教えるなんてあまり得意なほうじゃないから




「まったく....それでも模試で上位に入る人なのかしら?」




「上位だからってなんでも解けるわけじゃないっての。特に俺は化学苦手だからよ....他のより時間かかるんだ」




「そんなふうには見えないわ」




「ん〜......よし、んじゃあここは家に帰って復習するかな」




うんと背伸びをしてから荷物を片付ける大地をみて、急に不安になった




「待って....」




気がつけば彼の裾を掴んでいた




「あ?なに?」




きょとんとした顔つきで私を見る

自分でも何故大地に声をかけたのかわからなかった




「........」




「あの........真姫?」




「.......」




「俺もう帰りたいんだけど.....練習も休みだし」




もう少し一緒にいたいと思っている自分に疑問を感じた




「え...あの...ね」




次の言葉が出てこない。

素直になれないのはいつものこと。でも....












今日くらい.....素直でいたい










「私に勉強教えて.....///」







「......」




スカートの裾をぎゅっとつかんで俯きながら大地にお願いする







「いいよ、俺でよかったらさ」




大地は嬉しそうに承諾してくれた




とたん、ぽわっと胸の奥が暖かくなる







「....おい?大丈夫か?」




なんだか暑くなってきた......まさか...

ちょっと待ってよ!私が!?コイツに!?







「おーい......」




普通に考えてありえないでしょ

変態で変態で変態でみんなにいっつも迷惑かけて.......

μ'sのみんなの支えになってるコイツに恋してるなんて....













「とうっ」




ビシッ




「いたっ!ちょっといきなり何するのよ!!」




「なに放心状態になってるんだよ....」




うう.....おでこ痛い....




ちょこっと涙目になる




「な、なってないわ!勝手に決めつけないで!フンッ!」




あれまぁ....と大地は頭を抱える

スマホを取り出してカレンダーを確認すると...




「まぁ....土日で特に予定入れてないし、真姫の都合に合わせるよ」




「そうね.....土曜日でいいかしら」




「んだね....場所は....前に喫茶店でやってたら追い出されたし...図書館だと静かにしなきゃいけないし....」




勉強できそうな場所をスマホで探る様子を見て

























「あの.....大地の家なんてどう?」



















私は.....大地を尊敬はしている(頭だけ)




だけど....やっぱり苦手
















----------------------------




少し早く来すぎたかしら.....

今は土曜日の1時前。






約束の時間までもう少しなので玄関前で待っていよう




今朝はいつも通り7時に起きてママの作った朝食を食べる

ゆっくりクラシックを流しながら優雅なひと時




朝風呂をして髪を乾かして....今日は特に手を抜くことはできないわ




いくら相手があの大地とはいえ、男性

恥ずかしいところなんて見せたくないわ




もちろん服選びに時間がかかった

友達は多くないけど、前に友達と遊びに行ったときはこんなに時間かからなかったわ、と思いながら10時半になった時計を見つめる




予定まであと2時間半




暇ね.......




落ち着きなく家の中をウロウロしていた私を見かねたママは




「なにそんなに落ち着きがないの?あ!もしかして彼氏とデート?」




「ゔぇえっ!?そんなわけないでしょ!冗談はやめてよ!」




「うふふっ....もしかして《彼》かしら?前に小泉さんと来た....」




ママも一度は見たことある《彼》とはもちろん大地のこと




「はぁ!?アイツが?なんで私があんなのと付き合わなきゃいけないのよ!イミワカンナイッ!」




「照れちゃって〜」




「うう.....」







あまりにもママが茶化してくるので逃げたいという一心で家を飛び出した













そして現在に至る













「はぁ......なにやってるのよ....」




自嘲気味に呟く

らしくないと自分でも思ってる。




合宿の時もそうだった....




馴染めない私を希が助けてくれて....それ影で見守っていた彼

嬉しかったっていうのは本音




私は大地の事が苦手なはずなのに.....

こんなにも大地のことが気になる




苦手なのに......気がつけば目の端に大地がいる



「あら?あなたは?」




「え?」




家の中から現れたのは若い女性....見た感じ30前半ってところかしら...




「えっと....こんにちは」




「こんにちは....もしかしてあなたが大地の言ってた《西木野》さん?」




名前を知っていて驚いたけどここは大地の家。

大地が私の事を家族に話しているという可能性もあるわけで...




「そうです...あの.....」




「あぁ、そうよね。私は大地の母よ。いつも大地がお世話になってます」




深々とお辞儀されたので私も一緒になって頭を下げる




まさか大地のママだとは思わなかったわ.....

私のママもあの容姿だし....ことりのママもあれだし.....穂乃果もママだって.....意外と若いママさんが揃ってるわ.....




身の回りにこんなに美人が多かったと思うと少し微妙な気分




「ところで西木野さんは大地と約束しているのよね?昨日大地が言ってたわ」




「はい、大地...先輩に勉強教えてもらおうかと...」




危うく大地ママの前で呼び捨てにするところを寸止めで訂正する




「そう!きっと大地暇してるわ、入っちゃいないよ」




「いいんですか?」




「大丈夫よ、ほらさぁさぁ!」




「え!?いやちょっと!」




私の抵抗は虚しく無視され大地ママに押されて部屋へ通される







そういえば私....男性の部屋に入るの初めてなんだった






















コンコン







「母さん?あいてるよ〜」




部屋の前に立っているのは母さんだと勘違いしているわね

余計に入りにくいわ....




ガチャ




しかし、ここで黙っているわけにもいかず、ゆっくりとドアノブをひねる




「お邪魔.....します」




「ん?....真姫?早かったね」




大地はこっちに見向きもせずカリカリと机に向かってシャーペンを走らせる

これから勉強するのに...真面目ね




「まぁちょっと....で、もうする?」




「ん〜...待っててこの問題解き終わったら」




相変わらず声だけで返事し、さも私に興味無さそうにする




その姿がなんとなくムカついた




「........」




部屋綺麗ね....綺麗といか....何もない感じ




「大地は漫画とか持ってないの?」




「漫画?そんなもんに時間取られるなら勉強する。つか、いい加減呼び捨てやめろ」




「《先輩禁止令》出たのに?」




「........まぁいい、ちょっと早いけど勉強始めるか」




やっと彼は私の方を見た.....寝不足なのかしら、目の下に隈ができてる




「ええ、じゃあお願いするわ」































私の苦手な科目は英語。大地はかなり得意みたいで英検準一級やTOEICなんか持っているらしい




大地の机はかなり大きくて、二人で並んでもスペースが有り余る

私がテキストと睨めっこしている隣で彼は英検一級のテキストを黙々と解いている....




よく解けるわね.....やっぱり頭の回転の違いかしら....




「ん?どうした?わからない問題あるのか?」




「ええと....ここの訳」




私はシャーペンでわからない問題を示す




「ふ〜ん......ファイトだよっ!」




「え?」




てっきり教えてくれるもんだとばかり思っていたから、彼の満面の笑顔つきの返答に驚く




わざとらしく大地は自分の解いている問題に目を戻す




というより....さっきのセリフって穂乃果のパクリよね?




「あの....教えてくれるんじゃないの?」




「教えて欲しかったらそれなりの言い方があるだろ?前に言っただろ」




うう.......そうだったわ....

前の時もちゃんと《教えてください》って言わないと教えてくれなかったわ




大地は手元のカップに入っているコーヒーを口にしながら意味深げににやりと笑う




「.......お、教えてください」




「そ、ちゃんとそういうのは大事だぞ。どれ?どの問題?」




ポンポンと頭を触りながら私の近くに椅子ごと接近する

彼の触ったところに少し温もりを感じた




ぷくっと頬を膨らませて睨む私の想いを知らずに




「どれどれ.....」




と問題をのぞき込む




テキストと宙を交互に眺めながら真剣に考え込む彼の表情をそっと伺う

別にかっこいいとか、そんな感じで見ていわけじゃないからね!




ただ.....そんな顔もできるんだな〜って思っただけよ!




そうこうしているうちに「あ〜そっか...おっけおっけ」




と、うんうんと頷いてシャーペンで解説で何か書く




「難しかった?」




「いんや全然。準一級で出た内容とほぼそっくりだったから」




「そう.....」




いいか....ここはまずこの構文があって...。大地の解説は音乃木坂の先生の解説よりずっとわかりやすい...

先生やってもいいんじゃないかと思うほど

大地に授業なら真面目に受けたいわ....




でも、大地が先生だったらなんだか疲れそうだわ




いつも余計な事言って海未やにこちゃんを怒らせるのよね

でも前ににこちゃん言ってたわね.....




『大地は.....もしかして穂乃果のこと好きなんじゃない?』




思い出すだけで胸のあたりにちくちくと刺さる何か

まさか...とは思うけど大地に限って好きな人がいるとは思えない




みんなにセクハラやって迷惑かけているけどどうにもそこが掴めない

なんであんたはそうなの?




























「あ?そろそろ時間だな」




時刻は6時前。

時が経つのは早くあれから5時間も勉強していたことになる




今日はとても有意義な勉強が出来たわ

もう少し一緒にいたい気もするけど彼にも予定というものがあるみたいでこのでお開きとすることになった







「そうね.....」




結局1日勉強するついでに彼の様子を見ていたけど、やっぱりみんなが大地に恋する理由がわからなかった




わかるかもしれないと思っていたけど....




「ん?どうした真姫」




「え?なんでもないわ」




無意識に彼にも視線を向けていたのでそれに気づいた大地は口を開く
















『ねぇ希』




『なぁに?真姫ちゃん』




『どうして希は彼のことが好きなの?』




『ウチ?ウチはね〜.....彼と話していると嬉しくなるんよ。落ち込んでる時や泣いてる時、彼は励ましてくれるんよ。だから好き』










『大地くんは.....私の事を助けてくれた。やりたいことを素直にやっていいのと教えてくれた』




『絵里.....』










『穂乃果はね〜全部!彼の笑顔やしぐさ、優しいところ全部!』







『凛は《女の子らしくしてもいい。可愛いよ》って褒めてくれたことが嬉しかった。大地くんの声は凛を癒してくれるんだにゃ〜///』













『私は......人の為に頑張る彼が....好きです///』




『にこはね、なんでも受け入れてくれるような優しい大地が好きよ....大地はにこのことをどう思ってるのかわからないけどね』













『笑顔を守ってやるって言った時の大地さんがとてもかっこよかった....大地さんに守られたいって思っちゃったの....///』










『ことりは.....どうして大地を?』







『私は?....《ことりはことりだろ?穂乃果でもなく海未でもなく、君は南ことりだろ?》って...私の事をちゃんと見てくれたの。大地くんは』













みんなそれぞれ想いはあった

だからこそ、私は大地に尋ねたいことがある







「大地はみんなのことをどう思ってる?」







「え?」




唐突の質問にぽかんと口を開ける







「どうって....」




「だから〜!好きとか....嫌いとか」




私はどっちでもいい....というのは嘘だ

内心かなりドキドキしてる

どうしてドキドキしてるのかはわからないけど、とにかくドキドキしてる
















「好きだよ」







即答だった







「俺はみんな大好きだよ」




「......」




多分大地の言う《大好き》は恋愛の方じゃない




「真姫は....嫌いなのか?」




「なっ!?そんなわけないじゃない!私はみんな大好きよ!友達付き合いの苦手な私を受け入れてくれた。ラブライブに向けて頑張って時には騒いで時には怒られてまた1から頑張るμ'sのみんなが....」







私はなにを言っているんだろう

普段はそんな恥ずかしいこと堂々と言えるキャラじゃないのに

何故か今だけ大地に言わなきゃって思ってしまった







「はは....っ。どうした真姫?なんかいつになく素直じゃないか」






















「.......私はアイドルやっててよかったって思ってるわ」







前の会話を切り上げ、ぽつりと呟く

私の雰囲気を察したのか表情を変えて頷く




「ううん、これからもやりたいって思ってる」




「......」




「私ね、幼い頃から医者になるために頑張ってきた。パパが私を後継者として頑張って欲しかったみたいだから....だからその期待に答えなきゃって。それが私の夢なんだって....思ってた」







私は小学のころから頭は良かった

授業で受けるテストはほとんど満点




90点を取ること自体が難しいってほどに

それに人と関わることが苦手でさらに成績がアレなため、友達なんていたかしら?って感じだった




別にいなかったからって寂しいわけじゃないわ

でもまぁ.....学校にいても勉強、終わってすぐ塾行って、ピアノのレッスンを受けて.....




これが医者になるための道なのだと思うと不思議と苦ではなかった













ここだけの話、私は本当は大地のことを小学のころから知っていた

名前だけは....




塾で受ける全国模試の上位ランキングに彼はいつもいた




『世の中にはすごい人もいるものね..』




と、彼の名前を見ていつも感心してたし憧れだって感じていた







「真姫」




自分の世界に入っていた私は大地の言葉で戻ってくる




「え?」




その表情は私が今まで見たのとのない慈愛に満ちた表情だった




思わずドキッとした




「真姫は変わったよ。μ'sに入ってから君は変わった」




「変わった....?そうかしら」




「あぁ変わった。いつもツンツンしてるけど自分に素直になってアイドルやってる。とても楽しそうだよ」




........アイドル




穂乃果と大地に誘われたときはアイドルなんて興味がなかった

医者になるために音楽は諦めるって




だからもう終わりなんだって.....




ふと、《あの時》大地が言った一言が脳裏をよぎった







『いつになったら自分に素直になるんだ?』




彼はきっと私の本心に気づいていたのかもしれない




「.....そうね、楽しいわ。みんなと過ごせて」




「.....なら俺も真姫の事を誘って良かったって思うよ」




ポンポン




彼は頭に手を置いて部屋を出る











































----------------------------













「パパ、ママ、話があるの」




あれから私は家に帰って夕食中に二人に本心を告げようと思った




「なぁに?真姫」




「......私ね、医者になるために今まで勉強やってきた。パパの為、ママの為に....西木野病院を継ぐために」




「.....続けな、真姫」




二人は箸を置いて私を見つめる




「そのために勉強も頑張ってきた。テストだって、模試だって.....でもね、医者になること.....それは私のやりたいことじゃないって先輩に....仲間に教えてもらった」







「......」




「だからママ、パパ......ごめんなさい」




私は深々と頭を下げて謝る










「身勝手なのはわかってるわ。今更だってことも.....だけど!私は音楽が大好きなの!みんなと一緒に歌って踊って、音楽に関わることが大好きなの!」





































「だから!私は医者にはならない!私の夢は私の創った曲をみんなに聴いてもらうことなの!」













初めて私の夢を包み隠さず話した




パパから怒鳴られるのが怖い、ママに呆れられるのが怖い




だけどここで一歩前に進まないとみんなと一緒に歩めない




怒鳴られてもいい、殴られてもいい

それくらい私は本気だった

























「........知ってたよ」



















開口一番の言葉は私が顔を上げるほど意外な一言だった







「....え?」




「ふふっ、私もパパも真姫は本当は医者になりたくないってこと知ってたわよ」




怒鳴るどころか二人共嬉しそうに微笑む




「パパは真姫に医者になって欲しいって思ってた。それが真姫をここまで苦しめてたんだよな......すまなかったな...真姫」




「あなたは自由に夢を追いかけていいのよ。もう病院を心配しなくても大丈夫」




「で、でも----「パパもママもまだまだ若い、それまでに後継者見つかればそれでいいんだ」




「あなたに無理して欲しくないのよ」






















ポロリ
















暖かい雫が目元から流れ出した




両親に大事にされていたんだと思うと涙が止まらなかった

ずっとずっと......心配かけていたのね....




「ママ.....パパ.....」




「真姫......夢を叶えるために頑張れよ」




「応援してるわ。ママは真姫の歌大好きよ」




「.....うん!....うん!」





































ママとパパに本心から話すのは初めてだった

今までの私なら絶対そんなことはなかった




でもμ'sに出会って....大地に出会って....

私は変わった



















人と関わることは自分を変えるきっかけになる




それがμ'sと大地だった




私を受け入れてくれたμ'sのみんな




私を受け入れてくれた大地













みんなが大地に恋する理由、なんとなくわかった気がする




私も彼に興味を持ち始めた




彼はどうしてこんなにも人を惹きつけるのか......




大地の存在が私達の頑張る源になっているのね......







さて、明日からの練習も頑張ってみようかな.....

少しでいい、一歩ずつでいい




前に進むことで変わることができるのだから




























そうでしょ?大地先輩....♪ 
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