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Three Roses

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第六話 婚姻政策その二

「皆旧教徒だ」
「ですね、帝国らしく」
「どの方も旧教徒です」
「我々とは違い」
「旧教です」
「数も多い」
 その彼等のだ。
「だからな」
「彼等にも気をつけましょう」
「是非共」
「どうも切れ者が多い様ですし」
「あの方々の目を見ますと」
「そうだな、優れた者が多い」
 大公も彼等の目を思い出して言う。
「強い光を放っている目ばかりだった」
「ではやはり」
「あわよくばですね」
「我が国をロートリンゲン家の領地とする」
「そうもお考えですか」
「その可能性は否定出来ない」 
 どうしてもというのだ。
「だからな」
「ではあの方々にも注意し」
「そして、ですね」
「政治を進めていきますか」
「そうしていきますか」
「王も結婚される」
 このことにもだ、大公は言及した。
「それでだ」
「はい、そうしてですね」
「ロートリンゲン家との結びつきはさらに強まる」
「あの方々が気になりますが」
「それは事実ですね」
「その通りだ、しかし」 
 大公はこうも言った。
「王がロートリンゲン王の王女と結婚され様とも」
「そのお子は、ですね」
「旧教であってはならないですね」
「王子、王女に関わらず」
「その方は」
「我が国は新教になった」
 だからだというのだ。
「それならばだ」
「跡を継がれる方は」
「そしてそうでない方もですね」
「新教であるべきですね」
「そうでなくてはなりませんね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「それは絶対だ」
「では、ですね」
「そのことはあちらにも飲んで頂きますか」
「ロートリンゲン家に対しても」
「旧教の家でも」
「そうしてもらう、マイラ様は新教になる直前に生まれられた」
 それで彼女だけが先王の娘の中で旧教なのだ、王はマイラが生まれた直後に決断を下し新教に宗派替えをしたのだ。
「だからあの方は別だが」
「それでもですね」
「王家は新教であるべきですね」
「お生まれになる方も」
「王のお子も」
「このことは帝国にも話す」 
 即ちロートリンゲン家にだ。
「そしてだ」
「認めて頂きますね」
「あの家にも」
「そうして頂きますか」
「必ずな、しかし」 
 大公はその目をさらに鋭くさせて言った。 
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