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とある科学の裏側世界(リバースワールド)

作者:偏食者X
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  ep.004 池野 操作(コントローラー)

 
前書き
どうも、ここからは
僕、偏食者Xことフェニックスが担当です。
この話は、昔に書いたものの
リメイク版って感じなんですよ。 

 
野口は指定されたいつものカフェに着いた。
いつものようにコーヒーを注文しようとすると、
マスターが注文よりも前にコーヒーを野口に渡した。

「どうしたのかな? マスター。」

するとマスターは静かに奥の席に野口の視線を向けた。

「あちらのお客様から"野口様が自分たちのいる間に
 店に来たら渡すように"と頼まれまして。」

その席には何かを飲む少年と、マスター自慢の
パフェを美味しそうに頬張る少女がいた。
野口が近付くと少年が話し掛けてきた。

「初めまして、僕は"池野操作(いけのそうさく)"。
 こっちの女の子は......」

少年が話そうとしたがそれは少女に強引に遮られる。
その少女の顔は少し膨れ面だった。

「もお、自己紹介くらい自分でしますよ!!
 私は"箱部鈴菜(はこべりんな)"といいます。」

2人が自己紹介を終えると野口は2人と向かい合わせの
席に座った。
そして、マスターの淹れたてのコーヒーを飲んだ。
あえて自己紹介しなかったのは、
わざわざ手紙を送りつけて来るくらいなら
自分のことは既に知っているのだと思ったからだ。
すると池野が話を持ち掛けてきた。

「単刀直入で申し訳ないんだけど、
 僕と箱部さんをstudentに入れて欲しいんだよ。」

本当に唐突だった。
だが、野口は一切の動揺も見せなかった。
そして池野の交渉に野口が答える。

「構わないよ。
 ただし、君たちの実力を見たいんだ。
 組織に入れるだけで、戦闘ができないでは
 話にならないからね。」

野口の意見はごもっともだった。
組織に入っても、
自分で自分の身は守らなければならない。

「じゃあ、僕と箱部さん対君の2対1で構わないかな?」

池野が野口に条件を話した。
その後、野口も条件に同意し、対決することになった。
コーヒーを飲み終えてカフェから出ると、
池野と箱部が黙々と移動し始めた。
野口が2人についていくと、段々と人気のない場所へ
進んでいく。
最終的に地下にある巨大な空間へ辿り着いた。

「ここは、地下水路の1つだよ。
 もともと建設予定だったものが白紙になり、
 結果的にこの空間が残ったんだ。」

つまり、"ここで戦う"ということだった。
それを理解した野口は2人と距離を取った。
池野と箱部もそれを察し、静かに戦闘が始まった。

野口は着ているコートから銃を2丁取り出した。
バン バン バン バン.......
躊躇なく弾丸が放たれる。
弾丸は箱部を狙って飛んだがそれを読む者がいた。
次の瞬間、野口の放った弾丸は池野によって
すべて弾かれたのだ。

「おっと、今の数弾をすべて弾くなんて、
 いい腕をしているようだ。」

野口の言葉に池野は薄っすらと微笑んで返した。
野口は次にコートからマシンガンを取り出し、
池野に連射する。
ズドドドドドドドド!!!
池野は1発目の弾丸を捕らえると、
懐からクナイのようなものを取り出し、銃弾を弾いた。
次に大きな円を描くように素早く移動する。
野口のマシンガンの弾丸は池野を追って
円を描くように飛んでいく。
すると、途端に池野は切り返し、
さっきとは全く逆の方向に移動する。
野口は視線誘導を食らって、池野が視界から消える。
次に池野を捕らえた時には、半径2mもない距離だった。
池野は素早く、クナイを構え、野口の喉元を狙う。
野口はさらに、懐からナイフを取り出した。

「喉元、とらえた!!」

池野のクナイは野口の喉元の1歩手前で止められた。
一方の野口は池野のクナイをナイフでガードし、
その奥から袖に隠していたハンドガンを池野の額に
向けた。
だが、野口がハンドガンを撃たないのは理由があった。
池野もクナイの奥で、もう片方の手に、
数枚の手裏剣らしきものを持っていたからだ。
そうして戦闘は膠着状態に陥った。

「フフッ....なるほど、箱部さんがいなくても、
 君1人で僕と殺り会える訳だ。
 この戦闘は、一応、君の勝ちにしておくよ。
 ようこそstudentへ。」

さっきまでとは空気が変わって野口は歓迎ムードに
入った。
そしてすぐに膠着状態は解け、studentには
新しく2人が入ることになった。 
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