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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  電王 ~過去からの帰還~



ゼロライナーに良太郎たちがさらわれたころに時間を戻そう。
あの二分間に何があったのか。

------------------------------------------------------------


三ライダーが蒔風に迫る。
左手にベルト、右手にパスを持ち、蒔風が立ちすくむ。

「まずっ!!」

両手が万全でない蒔風に、ライダーズのコンビネーションが襲いかかる。


まずネガ電王の飛び掛かりパンチを放ち、蒔風が軽いバックステップでかわす。

ネガ電王が着地でしゃがみ、その肩を踏み台に幽汽と牙王が跳び蹴りで一瞬の隙も開けずに跳んできた。
それを右手で幽汽の方を払う蒔風だが、ベルトを持つ左手では払い切れず、その胸に牙王のキックを食らってしまう。

胸を押さえて後退する蒔風に、幽汽と牙王の肩を掴んでネガ電王がドロップキックを容赦なくぶち当ててきた。

蒔風が腕をクロスさせて受けるが、ついに足がくじける。
三メートルはノーバウンドで吹っ飛び、そこからさらに地面を転がった。
前の世界での傷が少し開き、服の中に血がたまっていく。

その蒔風に追い打ちをかけようと三人が迫る。



ここまでで約三十秒



(荷物があるんじゃどうしようもねえ・・・)

蒔風が苦痛に顔を歪ませる。
迫る三ライダーに目を向け、そして一つの考えに至った。


「あ・・・着けちまえばいいじゃねえか!!」

蒔風がベルトを装着する。
だがその動作の隙にもまず幽汽が迫ってくる。

蒔風の顔面に拳を突き出す幽汽。
その拳を蒔風があいた左手で受け止め絡み付け、脇に挟み拘束する。
その間に牙王が正面から突っ込んでくる。
それに対し、右手を腕を大きく下から振り上げての左のケンカキックでカウンター気味に蹴り飛ばす。

その振り上げた手にはパスが。
そしてその過程でベルトの前を通過する。


ベルトが輝き、音声を発する。



《platinum foam》




ゴウンゴウンゴウン、ヴァアアア・・・・・

ゴッゴン!!


全身が銀と白の装甲に包まれ、周囲に衝撃を発しながら装着される。
そして仮面には剣が降りてきて、変形した物が装着される。
その形は「↓」の先が目の部分にあたるような形だ。



挟み込んでいた幽汽を蹴り飛ばし、さらに突っ込んできたネガ電王を拳で殴り飛ばした。



その変身に、蒔風も「奴」も驚く。


「装着者のフリーエネルギーを元に変身する「デンオウベルト」・・・お前も変身できるのはおかしくないが・・・」

「まさかオレさんも特異点だったとは・・・いや、他の世界の人間だからか?それとも翼人だからか?」

二人が一瞬思考するが、すぐにその考えを捨てる。
いま重要なのは、目の前の男との戦いだけだ。


見栄きる蒔風に、「奴」の咆哮が呼応する。


「唯一(オンリーワン)にして世界最強(ナンバーワン)、ここに参上!!ってか?」

「潰せ!!」


《Full Charge》《Full Charge》《Full Charge》


三ライダーが一斉にフルチャージする。
蒔風が見て左からネガ電王、幽汽、牙王と並んでこちらに向く。

「まあ・・・こう言うのもたまにはありか!?」


《Full Charge》


蒔風もデンガッシャーを拳に握りこむ「ナックルモード」に組み立て、右手に握り、フルチャージする。
左手を前に突き出し、右手を後ろに引く。


「行く・・・ぞ!!!」


「「「おおおおああああ!!!!」」」

三人が必殺技を放つ。
ネガ電王と牙王のソードが分離、エネルギーに輝き左右から振り下ろされ、幽汽のソードにエネルギーがたまり、地面に叩きつけられた。

蒔風の正面に地面を砕きながら衝撃が、そして左右から挟み込む形でソードが迫る。
その三つの攻撃が蒔風に直撃するコースで、一寸の狂いもなく襲いくる。

そしてそれが射程圏内に入り込んできたとき、蒔風の拳が突き出された!!


ギュゴアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
バギャギャン!!バァン!!


「「「おおおおおおああああああああ!!!」」」


ズゴゴゴゴンッ!!!!
ドゴォ!!

巨大な拳の形をしたエネルギーがソード二本と衝撃波を吹き飛ばして、三ライダーをぶっ飛ばした。



ここまでで一分三十秒



「さすがに三つに分かれちゃ・・・倒せないか・・・っ、もういっちょ!!」


《Full Charge》


身体を少し俯かせながらも蒔風がもう一度フルチャージする。

だが


バッキャ!ゴシャア!!!!!


「・・・・・・・あ?」

「いかんな・・・それはいかんよ、蒔風」

蒔風が自分の胸に突き刺さるモノを見る。
それは拳だった。

一瞬の時間で懐に飛び込んできた「奴」の拳がプラチナムフォームの装甲を砕き、中の蒔風の肉体に深刻なダメージを与えていた。


「・・・・・ごボッ・・・・」

蒔風の変身が解除され、身体が崩れる。
その胸ぐらを「奴」が掴んで蒔風を持ち上げる。

その服はズタボロに裂け、包帯から血が滲みきってぼたぼたと零れ落ちていた。

そこでデンライナーが走ってくる。
しかし「奴」が結界を張り、デンライナーが入り込んでこないようにしてしまう。

その「奴」の背後に吹き飛ばされ、それでもしぶとく存在している三ライダーが集まってきた。


「今なら開けるか、なッ?」

「奴」が蒔風を上空に放り投げる。
そしてそこにある何かをこじ開けるような動きをとる。
すると蒔風の飛んで行った先に時間の穴があき、蒔風が吸い込まれていった。



「さて・・・どこにいったのかなぁ・・・はっはっはっは!!」


そうして結界を解き、デンライナーを入れる。


時間の中に人を放り出すという行為に激昂する良太郎に、軽く返答する「奴」
「奴」にしてみればどんなに酷いことをしたところで、「自分」なのだからいいじゃねえか、といった感じなのだ。


「お前を殺して、パワーアップしてあいつを殺してやろうかな」


「奴」が歩み寄る。
良太郎が後ずさり、その前にゼロノスが立ちふさがる。

しかし、彼等の足はじりじりと後退していってしまっていた。

勝てない



この思いが心を支配する。



そう思ったことはいくらでもあった。
だがそれだけで戦えなくなるなんてことはなかった。

この男は違う。
この男には、勝てない。

もし勝てるのならば


この男自身が自分の味方でなければ、成り立たない・・・・!!



「奴」がゼロノスに歩みながら「魔導八天」を出し、火花をチリチリと出しながら引きずってくる。

地面と剣の、擦れ合う甲高い音が響く。


そしてその手が振るわれ、ゼロノスが身を固め思わず顔を逸らした。


《Full Charge》


「なに!?ぐお!?」

しかしてその刃は振り下ろされることはなく、白き力をまとった二つの刃が「奴」を撃ち払った。


その場にいる全員が何が起きたかと周囲を見渡す。
そんな中ハナと良太郎だけは誰が来たのか想像はついていた。

さらに無数の羽根が三ライダーに降り注ぎ、その全身から火花を散らして退ける。


そしてついにその人物が現れた。



「降臨!!満を持して!!」

「「ジーク!!」」
「鳥さんだ!!」
「この手羽野郎!!なんでてめえが変身してんだ!!」


そこに現れたのは電王ウイングフォームだった。
ジークという白いイマジンの変身する電王である。
その手には先ほど「奴」に投げつけられた「ハンドアックスモード」と「ブーメランモード」に組み立てられたデンガッシャーが握られていた。

電王が後ろに手を組んでゆったりと歩いてきた。


「おや、お供その一。いやなに、わが友と共にお前たちのピンチに華麗に駆け付けたのだ」

「友って・・・まさか!!」

良太郎がある男を思い描いた。

「では、わが友を紹介しよう!といってもお前たちは知ってるだろうがな」


そう言って電王ウイングフォームがベルトをはずし、ジークが離れる。
そこにいたのは。


「やっぱり・・・蒔風さん!!!」

「おう!長かったぞ~ここまで!!」


そう、蒔風だ。
だがボロボロだった身体はきれいさっぱり完治していた。


「なんで・・・お前は時間の中に放り込んでやったはずだ!!・・・・まさか・・・」

「おう、その通りだよ」


「奴」が何かに思い当たり、蒔風が答え合わせをする。


「まあ、完全に運だったがな。とばされた先が過去で助かったぜ!!」

「貴様・・・一体どれだけの時間を・・・」

「ざっと10か月くらいかな?まあ気にすんな。肉体面は老けないんだしさ」

さらりと言う蒔風だが、良太郎は驚愕した。
その時間に自分たちに彼は接触しなかったのは今のこの状況を崩さないためだろう。


つまりはそれだけの時間、彼は一人で耐え忍んでいたということ・・・!!


「まあ、途中でジークにもあえたし、それなりに楽しかったぜ?」

「うむ。私と同じく美しい翼を持つ者だ。一緒にいて楽しかったしな。特別に友にしてやったのだ」

「な?こいつ面白いだろ?」


10か月


それだけの時間が過ぎても変わらない蒔風。
いや、変わらないのではない。
変わらなかったのだ。

自分の変化を押しとどめ、時間を過ごすと言うことは並大抵のことではない。
時間が経てば人は代わる。

ではそれを変わらないようにすることもできるこの男は本当に人間なのか?



「この・・・異端者め!!・・・」

「奴」の叫ぶに蒔風がにやりと笑って大きく胸を張って叫んだ。


「はん!!残念ながら「蒔風舜」のブランドは、異端に異常、とち狂いもんの代名詞なんだよ!!」

「ぶっ潰す!!せっかくブン投げたのに、これじゃあ意味ねえじゃねえかよ!!」

「へ!なんでか俺って、最初の一回はとんでもなくいいもん引き当てんだよな。ほれ、良太郎!!」

蒔風が良太郎にベルトを渡す。


「いくぜ・・・皆で一緒にだ!!!」

良太郎がその手のベルトを見る。
10か月経ったとは思えないほどに綺麗なそのベルト。

きっと彼はこのベルトを大切に保管し、綺麗にしてくれていたのだろう。


「どうした?」

蒔風が普通に聞いてきた。
その声には一片の曇りもない。

「・・・うん!!みんな、行くよ!!」

良太郎に皆が続く。

「よっしゃぁ!!」
「いくよ!」
「いつでもいいで!!」
「てんこ盛り!!」
「ではわたしも」


《climax foam》


ヴォオン!!ガシュウ、ガシュウ、ガシュウ!!!
ゴオオオンン、ガッ、バガァ!!

胸に両肩に背中に、各イマジンを表すパーツが取りつき、電仮面が一段階ずれ、仮面ライダー電王・超クライマックスフォームへとなる。

その身にあるのは皆の想い。
その手に握るは皆の力!!
クライマックスフォームを越えた電王、最強フォーム。

これまでの変身回数はただの一度のみにもかかわらず、「無敵無敗」と言うに十分すぎる圧倒感!!!


「俺たちも行くぞ!!」

ゼロノスが言ったん変身を解き、新たなカードを挿入する!


《charge and up》


ゼロノスが新たな赤いカードを挿入し、ゼロノスゼロフォームへと変身した。

その姿は赤き猛牛。
燃えたぎる炎を体現するかのように、その身体が赤く染まる。

そしてデネブが変形し、「デネビックバスター」へと変わり、ゼロノスに握られる。

ここに再び戦士が集う。
だが、もう負けはしない。

それは「奴」らの物になる。



『俺たち、参上!!』

「改めて言っておく!!俺はかーなーり、強い!!」

「さて・・・お前ら、潰すぜ!!!」



名乗りを上げて構えるライダー。
そして一瞬の静寂が

その後に壮絶な咆哮を!!


「「「おおおおおおおおお!!!!」」」

「「「がああああああああ!!!!」」」


「奴」をも含め計七人の戦士が同時に駆けだした。


ネガ電王とゼロノスが激突し、幽汽と電王がぶつかり合い、牙王と「奴」が蒔風に襲いかかる。






ネガ電王がゼロノスに回り蹴りを放つ。

が、それを片腕で抑え込むゼロノス。
そして脇に挟み、捕らえた。

その腹部にデネビックバスターの銃口を押し当てる。
片足を引き抜こうと奮闘するネガ電王だが、一ミリたりとも動じない。


《Full Charge》


「!?くおおおおおおおおおお!!!!」

ネガ電王の目の前でゼロノスがフルチャージする。
ネガ電王はゼロノスを幾度も殴りつけるが、全く微動だにしない。


「・・・・はあああああああああああああああ!!!!!行くぞ、デネブ!!!」

「了解!!!」


ズッ・・・ドバアアアアアアアアアアアアア!!!!!
ドゴオオオン!!!!!


ネガ電王が爆発する。
至近距離であったが、ゼロノスに大きなダメージはない。

爆発の瞬間に離脱したのだ。
ゼロノスゼロフォームにふさわしい、紅蓮の炎を背にして。






一方幽汽を相手にする電王

「おおおおりゃぁ!!」

デンガッシャーソードでの一閃が幽汽を追い詰める。

「フッ、は!!」

幽汽も独楽を投げつけ応戦するが、全く効かない。
なぜなら


『ちょ、先輩痛いって!』
『コッチ当たっとるがな!!』
『イタッ!モモタロスのバカ!!』
『背中なので問題ない』


当たった個所で他のイマジンが身代わりになってるからだ!!


「ぜぇ~んぜん痛くねえ。はははははは!!!」

『もう、モモタロス。終わらせるよ』

「おう!!よかったな。今日は珍しく前座があったんだ。終わりは派手に決めるぜえ!!!」


《charge and up》


「はああ!!!!」

電王が大きく跳躍し、背中の翼を大きく広げる!!

「だああああありゃあああ!!!!」

その落下と羽ばたきの二重の威力を携えた「超ポイスダーキック」が幽汽の装甲に突き刺さり、粉々に砕き飛ばした。


ドッ、ズッゴゴン!!!
ドバアアアアアア!!!!!!!


「へへっ、こんなもんかな」






そして蒔風。
こちらは「奴」と牙王の二人を相手にしている。


「牙王とお前か・・・オレの新技、見ておけよ!!!」

「なに!?」


蒔風が十五天帝を電王ばりに放り投げ、「奴」に向かって何かを投げつけた。
そしてそれが異常なスピードで、成長した。



「なんだこれは!!!」

焦りを隠せない「奴」に、蒔風が言った。

「10か月もの時間、俺がただのほほんと暮らしてると思ったか!?」

「思ってた!!」

「否定できないのが悲しいが、今回はそうじゃなかったのさ!!」


投げつけたのはドングリの種。
その種が異常成長を始める。

その気に幹はまたたく間に「奴」と牙王をその中に飲み込み、押しつぶしていく。


「ネタバレすると、圧水と雷旺を組み合わせてそれによって植物を異常成長させて攻撃するって感じ?木属性だな、うん」

ギュカッ!!!

蒔風が拳を握りしめ、内部の牙王と「奴」を押しつぶす。


幹が一瞬光って、真ん中から爆散した。
一瞬だけ牙王の装甲がボロボロと現れ、そして消えていった。


「おわらねえ・・・終われねえよ!!そんなセンスねえまんまな名前の技じゃアよ!!!」

「奴」がその中から這い出てきた。
右足に左腕、そしてアバラが何本か折れているようだ。




そこに電王、ゼロノスが集結する。


「終わらせるぜ!!行くぜぇ、蒔風!!」

「おうよ!!てめえら、呼吸合わせろよ!?」

「わかってらぁ!!決めるぜ!!」



【KAMEN RIDER DEN-O】-WORLD LINK- ~WEPON~!!



十五天帝のすべてがバラけて電王のデンガッシャーとリンクする。
電王の周囲に全剣が浮遊する!


「これは俺たちの分」


《Full Charge》


『そしてこれが侑斗の分』


《Full Charge》



『「そしてこれが蒔風の分!!」』


《Full Charge》



バチっ・・・バチバチバチ!!!


「三回まとめてフルチャージだ・・・行くぜ・・・俺たちの必殺技!!!!」



【KAMEN RIDER DEN-O】-WORLD LINK- ~FINAL ATTACK~!!



デンガッシャーの先端の刃が離脱し、それが「奴」に振るわれる。
と、同時に十五本の剣がその後を追って襲いかかる!!!

斬撃の暴風に「奴」が幾度どなく巻き込まれる。
右から、左からの斬撃、計三十二回。

そして最後の振り下ろし!!
十六本の刃がすべて「奴」に降り注ぐ!!!!

「WORLD LINKバージョン!!!!」


「があああああああああああああああ!!!!!」



ズガッ!!!ドゴオオオオオオオオオ!!!!!!!




凄まじい爆発で、「奴」が粉々に消え去る。


十五天帝が蒔風の鞘に収まり、皆が変身を解く。


「みんな、帰ろう!!」

「「「おおう!!!」」」


------------------------------------------------------------

デンライナー内

モモタロスたちがパーティーを開いている。


「お前ら見たかよ~。俺のかっこいい必殺技を!!」

「あれ、何かというと蒔風のおかげでしょ?」

「うるせえ!!俺がやったんだから俺の必殺技だ!!」

「あれだって僕たちを身代わりにしたからじゃんか!!モモタロスのバカ!!」

「あれは痛かったで!!今ここで恨みはらしてやろか!!」


「もう、皆やめなよ!!」

「まったく・・・あんたたちは・・・」

騒ぐタロウズに良太郎とハナがあきれる。


「は~い。今回は蒔風さんからの差し入れですよぉ~」

「また荷物に紛れ込んでいたものだ。なんでも一つだけ外れが入ってるらしい・・・」

蒔風がとりだしたのはすでに中身を移した缶だ。
ラベルには「不思議飲料水缶ジュースシリーズ」と書かれている。

モモ、ウラ、キン、リュウ、良太郎がそれを飲んでみようと手にした。


「いいかてめえら、はずれの奴がなんでも言うこと聞くんだからな」

「ちょっと待ちいモモの字。それじゃ良太郎が不利やないか」

「そうだよ先輩。良太郎は歩けば転び、止まれば何かが飛んでくるんだから」

「何にも考えてないの?バカなの?」

「あああん!?だったらどうすりゃいいってんだよ!!」

「じゃあ蒔風入れちゃおうよ」

「お?それはいい考えだ小僧。蒔風!お前これだ!!」

そう言ってモモタロスが蒔風にカップを差し出してくる。
良太郎の代わりに飲め、ということらしい。

「ふ・・・俺の最初の一回の運の良さをなめるなよ?(まあハズレがあるなら大丈夫だな。当たらなければな)」




「いくぜぇ・・・」


「「「「「せーーーのっ!!(ゴクッ!!)」」」」」


「ぶはああああああ!!!!!!(エクトプラズム放出)」


「「「「蒔風ぇぇえええええ!!!!!」」」」

蒔風が飲んだ瞬間噴き出し、地面に倒れた。


「はっはっは!やっぱ良太郎の選んだのがハズレやったか(ゴクッ)ん!これはライチみっくすとかやな!!」

「わーいおいしい!えっとぉ・・・「ラズベリーソーダ」だね!!」

「じゃあ俺が飲んだのは・・・・ん、んまい!アロエシェイクか?薄味だが、いいな!!」


「あれ?どうしたのカメちゃん」


リュウタロスがウラタロスに訊く
ウラタロスの首が、ギ・ギ・ギ、と動いた

「ねえ・・・ハズレって・・・なに味だっけ?」

「イ、「インド風しるこ」やったはずやで?」


「甘辛っ、ぼぶあらぶぉッ!!!」



「カメの字ぃいいいいいいいいい!!!」
「カメ公ぅうううううううううう!!!」
「カメちゃんんんんんんんんんん!!!」


「ぼ・・・僕こんな役回りじゃない・・・・・ゲフッ」


「なんでや!?ハズレは蒔風やなかったんか?」

「うおおおおおうあ・・・・甘あああああ・・・・・・・」


蒔風がジュースを口から垂らしながら立ちあがった。

「蒔風さん!どうして?これ・・・」

「おお?貸してみ?(ゴクッ!)甘い!!うまい!!なんだよ蒔風ぇ、お前あまいの苦手かよ!!」


蒔風が飲んだのは「みるくスイカ」だ。
聞いてわかるように超撃甘ジュースである。


「甘いのもそれなりに大丈夫だがここまでは・・・・ごおおおお・・・・」
(畜生!!なんだよ!当たりもハズレってこれは呪われてんのか!?)


床ではウラタロスがビクンビクンしながら倒れている。
蒔風が涙を流しながら口の中の甘みを消している。


「ま、いいか。おい蒔風大丈夫か?」

「大丈夫だ・・・(クイッ)」

「おいおい!!何飲んでんだよこれタバスコじゃねえか!!」

「ふう、一息・・・じゃあ、俺は行きますわな」

「お?じゃあな・・・まあ、カメの事は気にすんな」

「おう・・・(恐ろしい・・・なんなんだこの飲み物は)」

床から煙を出して残りのハズレ飲料は消えてしまった。


「じゃあな」

「おう、また会えたらな」

「へん、待ってるぜ」


[Gate Open---KAMEN RIDER DEN-O]


「では」


蒔風がゲートをくぐる。
そうして蒔風が次の世界に旅立った。

「これからも俺たちの物語は続くのか?」

「わかんないよ。でも、そろそろ元に戻りたいなぁ・・・・」

今日も時間の中をデンライナーが走っていく。
時間は世界に密接したもの。
だか、それも彼らに任せれば大丈夫だろう。



------------------------------------------------------------


深夜

ビルの立ち並ぶ街中に、結界が貼られている。
その結界の中では激しい戦闘が。

一人の少女が落ち、止めを刺そうと赤い服をまとった少女がハンマーで迫る。

だがその攻撃は通らない。
黒き少女がその戦斧で受け止めたからだ。


「仲間がいたのか!!!」

その言葉に少女が答えた。



「友達・・・だ!!!」




to be continued

 
 

 
後書き


アリス
「電王の世界、堂々の完結!!」

いやぁ、最後にめちゃくちゃ長くなっちゃった。

アリス
「それにしても、ゼロノスの戦い方って身軽に動いて相手を翻弄、じゃなかったんですか?」

だから最後に避難してたじゃん。




【仮面ライダー電王】

構成:"ライクル"80%
   "フォルス"10%
   "LOND"10%

最主要人物:野上良太郎

-WORLD LINK- ~WEPON~:デンガッシャーと十五天帝のリンク&複数フルチャージの耐久

-WORLD LINK- ~FINAL ATTACK~:十五天帝を含めた刃での「エクストリームスラッシュ」


アリス
「あああと変身もしてましたね」

ええ!!
もうあれ考えるのが大変で大変で・・・

《仮面ライダー電王プラチナムフォーム》

デンガッシャー:メリケンサックモード

メインの色:銀白


あと電仮面なんかは表記の通り。
あとは各人の想像に丸投げ(おまかせ)さ!!

アリス
「ひでえ!!」

それが二次の醍醐味。





アリス
「次回、再びあの世界へ!!!」

ではまた次回







魔法少女、続けてます。
 
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