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英雄伝説~菫の軌跡~(零篇)

作者:sorano
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第51話

~港湾区~



「………参ったな。」

「ええ、色々と教えてくれたのは助かったけど……まさかあそこまで露骨に本格的な抗争を仄めかすなんて………」

「このままだと確実にドンパチが始まるだろうな。下手すりゃ今回みたいな市街地で。」

「しかも”黒月”本体からの増援の可能性アリですか………相当、キナ臭くなってきましたね。」

「………ツァオがああ言った以上、まだ猶予はあると思っていいだろう。そう言えばレン、朝来た通信の内容――――ミシェラムの襲撃の件についても話してくれ。」

「話すと言っても”黒月”の状況と大して変わらないわよ?ジョーカーお兄さん達が今までとは比べ物にならないくらいパワーアップしたルバーチェの構成員達相手に”西風”の二人も加わった事で何とか全員重傷を負う事無く撃退できた。ただし別荘内の被害を気にせず戦ったから別荘内の被害は甚大なもので、特に主戦場となった玄関ホールは滅茶苦茶になっちゃったそうよ。そこまで被害が出ちゃったら正直一から建て直した方がいいでしょうね。」

ロイドに説明を促されたレンは説明をした後溜息を吐いた。



競売会(オークション)の時ルバーチェを翻弄していたあのメイドさん達が形振り構わない戦い方をしてようやく撃退できたのですか……」

「というか一から建て直した方がいいと判断するような被害を受けたって、どれだけ酷い事になっているのかしら……?」

「………まあ、別荘の被害にはどっちかというとルバーチェより”西風の旅団”の連隊長――――”罠使い(トラップマスター)”が仕掛けた罠や”破壊獣(ベヒモス)”が暴れまわった事によるものの比率が高いんじゃねぇのか?」

レンの説明を聞いたティオは驚き、エリィは不安そうな表情をし、ランディは呆れた表情で推測していた。

「……ちなみに襲撃後ジョーカーさん達は今どこにいるんだ?」

「襲撃後は速やかにレンが所有している別の別荘に移動した後そこの防衛を始めているわ。」

「べ、別の別荘って……レンちゃん、ミシェラムにいくつの別荘を所有しているのよ……」

「というかレンさんの話だと事情を知っている人達は別の場所で隠れている事になっていますから、ミシェラムに向かった刑事の人達は事情を知っている人達に事情を聞くことができないのでは……?」

「だよなぁ?朝の通信の時も警察に見つからないようにしろみたいな指示も出していたし。」

ロイドの質問に答えたレンの話を聞いたエリィは表情を引き攣らせ、ティオはジト目で指摘し、ランディは疲れた表情で溜息を吐いた。



「………いずれにせよ黒月が本格的に動き始める前に色々調べてみた方が良さそうだな。」

「ええ、そうね。」

「となると今日も、各方面で聞き込みを?」

ロイドの提案を聞いたエリィは頷き、ティオは尋ねた。

「いや……―――やはりここは直接、ルバーチェを当たってみないか?」

「マジか………!?」

「た、確かに以前も訪ねたことはあったけど………」

「競売会の一件もありますし、さすがに無謀すぎるのでは?」

「姿を見せた瞬間いきなり襲い掛かられてくるのじゃないかしら?」

ロイドの驚きの提案を聞いた仲間達はそれぞれ驚いたり、自分達が襲われる可能性を口にした。



「……ああ。いくら手打ちの話があってもキーアの件についてだけだしな。ただ、どうしても気になることがあってさ………」

「気になる事………?」

「あのガルシアの動向さ。何度かやり合って思ったんだが彼は決して愚かでも無謀でもない。そして手下もちゃんと押さえて統率している印象だった。」

「確かに、元は名の知れた猟兵団の部隊長だったしな。普通だったら意味もない襲撃をやらせるとは思えねぇが………」

「昨晩の襲撃を彼が指示したのかそれとも手下の暴走なのか………確かに知りたい情報ではあるわね。」

ロイドの話を聞いたランディとエリィは頷いた。

「だろ?ルバーチェ商会の周辺を聞き込んでみるくらいでもいい。今から行ってみないか?」

「はあ………仕方ないわね。」

「まあ、周辺を聞き込む程度なら危険は少ないのではないかと。」

「しゃあねえ、行ってみるか!」

「うふふ、”何が出てくるか”今から楽しみね♪」

その後ロイド達は裏通りに向かい、ルバーチェ商会の建物を物陰から見つめた。ルバーチェの建物の入り口付近には多くのマフィア達が殺気立っており、今にも襲い掛かってきそうな雰囲気をさらけ出していた。



~裏通り~



「やっぱり普段より見張りが多いみたいね………」

「しかも、想像以上に殺気立ってる感じだな………」

「焦りと興奮、警戒と不安……そんな感情がごちゃ混ぜに伝わってきます。」

「まあ、昨晩襲撃をしたばかりだから、襲撃した場所の”報復”を警戒しているのじゃないかしら?」

マフィア達の様子を見て呟いたエリィ達の話を補足するかのようにレンは自身の推測を口にし

「間違いなく”黒月”の報復を警戒してるんだろう………しかし参ったな。あの様子じゃ、ガルシアの動向を確かめるなんてとても―――」

ロイドは真剣な表情で呟いて溜息を吐いた。するとその時



「―――俺が何だって?」

なんとガルシアが歓楽街の方面から現れてロイド達に近づいてきた。

「ガルシア・ロッシ………!」

「チッ、デカイくせに気配を消しやがって………」

「うふふ、さすがは”元”大陸最強の猟兵団で部隊長を務めていた人ね。」

ガルシアの登場にロイドは驚き、ランディは舌打ちをし、レンは不敵な笑みを浮かべていた。

「フン、てめぇらか。あんな事があったってのによくもノコノコとこの場所にツラを出せたもんだなァ?」

「くっ………言い訳はしません。あなた達との手打ちについてはキーアに関する事だけですから。」

「クク、わかってんじゃねえか。手打ちの件を盾に、勘違いして乗り込んできたら叩きのめしてやる所だったぜ。」

「フン、物騒なオッサンだな。」

不敵な笑みを浮かべて自分達を見つめるガルシアをロイドは黙って見つめ、ランディは鼻を鳴らした。



「……てめえらがコソコソと嗅ぎまわっている理由はわかってる。だが、その件について俺から話すことは一切ない。とっとと消え失せろ。」

「くっ………」

ロイド達に忠告したガルシアはルバーチェの本拠地である建物に向かい始めた。

「―――1つだけ、教えてください。もし、あなたが武装した敵の本拠地を攻略するとしたら………正面から力任せで行きますか?」

しかしロイドの質問を聞くと、ロイド達に背中を向けながら立ち止まった。

「ハッ、まともな猟兵団ならそんな作戦は絶対に立てねぇな。可能な限り有利な状況に持ち込んで最低限の被害で最大の戦果を狙う。そうだろう………”闘神の息子”?」

「その名で俺を呼ぶんじゃねえ。………だがまあ確かにそれが猟兵の流儀ってヤツだ。」

ガルシアに続きを促されたランディはガルシアを睨んだ後ガルシアの説明を補足し

「……そうか。―――ありがとう。答えてくれて感謝します。」

それらを聞いたロイドは頷いた後、静かな笑みを浮かべてガルシアに対して感謝の言葉を口にした。



「クク………おかしなガキだぜ。ただまあ、ここから先は不用意に立ち入らねぇことだ。マジで死ぬぞ、お前ら。」

ロイドに感謝されたガルシアは口元に笑みを浮かべた後、ロイド達に警告し、建物に向かって行った。

「何だか、少し様子が変だったな。張りつめているようで、どこか力が抜けてるような………」

「……そうね。言ってる事は物騒だったけど殺気は感じなかったし……」

「少し疲れているような、そんな感じもしました………一体、何があったんでしょうか?」

「あの様子だと少なくても”今の状況”は若頭さんにとって不本意な状況でしょうね。」

「チッ………らしくねえツラしやがって。」

「うふふん。その理由、知りたい~?」

ガルシアが去った後ガルシアの様子がおかしい事にロイド達がそれぞれ口にしているとグレイスがロイド達に近づいてきた。



「グ、グレイスさん………!?」

「アンタもいい加減、神出鬼没な姉さんだな………」

グレイスの登場にロイドは驚き、ランディは呆れて溜息を吐いた。

「フッ、それが記者魂ってモンよ。それじゃ、例によって例のごとく、ギブ・アンド・テイクといきましょ♪そこのジャズバーで待ってるから♪」

そしてグレイスは近くにある酒場に入って行き

「………どうするの?」

「まあ、聞くだけ聞いてみよう。喋り過ぎないように注意する必要はありそうだけど。」

「………ですね。」

グレイスが酒場に入った後、ロイド達は相談し、グレイスを追うように酒場に入り、先に席について飲み物を頼んで飲んでいるグレイスに話しかけた。



~ジャズバー”ガランテ”~



「おっ、来たわね。早速だけど、黒月襲撃について知ってる事を喋ってもらおうかしら?ツァオ氏から色々と話を聞いたんでしょ?」

「いきなりですね………」

「というか、何故わたし達と黒月を訪ねた事を知っているのですか?」

グレイスの話を聞いたロイドは呆れ、ティオはジト目で見つめながら尋ねた。

「いや~、朝一番で話を聞いてツァオ氏に取材を申し込もうとしたら黒月にはダドリーたちが現れちゃってさぁ。どうしたもんかと様子を伺ってると君達が後から入っていくじゃないの。そうしたらダドリーたちが苦虫を噛み潰したような顔を出てきてその後、君達も思案顔で出て来たわけ。こりゃあ色々聞いたと思わない方がおかしいでしょ?」

「なるほど……そういう事でしたか。」

「どちらにしても、捜査上の情報を簡単に洩らす訳にはいかないのはご存知かとは思いますが………?」

「もちろんわかってるってば~。だからギブ・アンド・テイクじゃない。――そうだ!情報交換をする前に聞いておきたいんだけど、君達はミシェラムの方で起こった襲撃事件――――ゼムリア大陸一の資産家と名高いあの”Ms.L”女史所有の別荘襲撃について何か知っている事はあるかしら?」

「それは…………―――残念ながら俺達は何も知りません。ミシェラムの方は襲撃された別荘があるだけで、関係者の姿は無かったと聞いていますので、とりあえず先にルバーチェの状況を調べようと思ってこちらに来たのです。」

(うふふ、エステルと違って嘘をついていても全然顔に出さないわね。)

グレイスにミシェラムの件を訊ねられたロイドだったが新聞記者であるグレイスに無闇に”Ms.L”の情報を教える訳にはいかないと判断して嘘の情報を答え、その様子をレンは興味ありげな表情で見つめていた。



「ホントかしら?怪しいわね~?―――ま、いいわ。情報交換の件だけどあたしが提供できるのはガルシア氏についての情報だけど……知りたくないの?」

「それは………」

「相変わらず、美味しいエサをちらつかせてくるのが上手いよな。」

グレイスに尋ねられたロイドは驚き、ランディは溜息を吐いた。

「例の”競売会”の顛末も色々と聞いてるわよ~?ルバーチェがヘマをやらかして議長のご不興を買ったらしいけど………そのあたりの状況と合わせて色々と知りたくな~い?」

「はぁ、わかりました。ただし、ツァオ氏の話は全て仄めかされた非公式のものです。そのあたりは了解してください。」

その後ロイド達はグレイスに自分達が聞いた情報を話した。



「……なるほどね。うーん、思っていた以上にヤバイ状況になってるわねぇ。」

「ええ………そうなんです。今のところはどこも一般市民を巻き込まない配慮はしているみたいですが………」

「いや、それにしたって今回の事件は唐突すぎるわよ。いくら真夜中とはいえ、通信社(ウチ)の近くでの襲撃よ?しかも近隣には天下のIBCや、各国の名士達が保有している別荘に加えてハルトマン議長の屋敷………さすがに思い切りが良すぎだわ。」

「ええ、そうですね………下手をすればクロスベルの金融・貿易センターとしての信頼や観光地としての信頼も揺るがしかねない上ハルトマン議長の怒りを更に買いかねない出来事だと思います。」

グレイスの言葉にエリィは真剣な表情で頷いた。

「そこなのよね、ポイントは。うーん、こりゃあたしが掴んだ情報もあながち嘘じゃないかもしれないわ。」

「グレイスさんが掴んだ情報………」

「……話してもらえますか?」

「オーケー。今度はこっちのターンね。実はね………マフィアの内部事情なんだけど。最近、若頭のガルシア氏の統制が行き届かなくなっているって噂があるみたいなのよね~。」

「それは………本当ですか?」

「ちょいと信じられねぇな………あの化物みたいなオッサンに部下どもが逆らえるとは思えねぇが。」

「そうねぇ。ミシェラムの件を考えると心から従っているって感じに見えたし。」

グレイスの話を聞いたロイドは驚き、ランディは溜息を吐いた後目を細めて呟き、ランディの意見にレンは不思議そうな表情で同意した。



「まあ、そうなんだけどね。ただ旧市街の一件についても、鉱山町の利権を狙おうとしたのもガルシア氏の指示じゃないらしいの。手柄を立てようとした下っ端が独断でした結果らしいんだけど………そうした若手ならではの暴走が目立ってきているらしいのよ。」

「ふむ………」

「ちょ、ちょっと待ってください。それでは昨夜の襲撃も若手の勝手な暴走だと………!?」

「まあ、さすがに事が大きすぎるし、それは無いとは思うんだけどね………ただ、そういう事情を踏まえるとガルシア氏のさっきの態度は何となく理解できるんじゃない?」

「確かに………取り巻きもいなかったしな。」

「ルバーチェ内を統制するのに苦労しているという事か………」

「下手をすればルバーチェナンバー2の地位を部下達から狙われているかもしれないわね。」

「でも、例の会長さんの方はいったい何をしているんですか?」

ロイドの疑問に対するグレイスの話を聞いた仲間達がそれぞれ考え込んでいる中ある事が気になったティオは別の質問をした。



「聞いた話によると”競売会”での失態を取り戻そうと必死になっているみたいね。機嫌を損ねたハルトマン議長へのご機嫌取りはもちろんだけど………新たに自治州内の有力者を取り込もうとしているらしいわ。」

「新たな有力者……どのあたりなんでしょうか?」

「端的に言うと共和国派議員ね。それに警備司令あたりとも何度か会合をしているって噂よ。」

「なるほど………”黒月”の政治的な影響を抑えるのが目的でしょうか。」

「警備隊の司令を取り込んだのは武器の密輸を強化するためか………?」

「ま、そんな所だろうな。あと、あの阿呆司令はハルトマン議長の腰巾着って話だ。そっちに働きかけることで間接的に議長のご機嫌取りもしようとしてんのかもしれねぇ。」

「ええ、あたしもそう睨んでいるわ。いや~、やっぱ君達と話してると考えがまとまるわねぇ!うんうん!情報交換した甲斐があったわ!」

「はは……正直こちらも助かりました。でも、こうして整理してみるとやっぱり違和感を感じますね……」

笑顔を浮かべたグレイスの言葉を聞いたロイドは苦笑しながら頷いた後、考え込みながら呟いた。



「違和感?」

「………どういう事?」

ロイドの言葉を聞いたエリィは質問するグレイスと共にロイドを見つめた。

「一つ一つの行動については納得いく理由があるようですが………どれも場当たり的だし、組織として全く連携が取れていない気がします。俺がルバーチェに感じていたのは悪い意味での、大都市ならではの”スマートさ”だったんですが………それが殆んど感じられないんです。」

「なるほど……」

「ふむ………言われてみればそうね。」

「クロスベルという(こう)の成る木から甘い汁を吸うためのシステム……それを確立した組織にしては確かに場当たり的かもしれませんね。」

「そうねぇ。とても今まで巧妙にクロスベルの裏社会を牛耳っていた組織とは思えないくらいお粗末なやり方よね。」

「何か、そのあたりを狂わせるような俺達の知らない”要素”がある………そういう事かよ?」

ロイドの話を聞いたエリィとグレイスは頷き、ティオの推測にレンは頷き、ランディは考え込んだ後ロイドに尋ねた。



「ああ……あくまでカンだけどね。”黒月”と”Ms.L”の別荘を襲った襲撃者の戦闘力も不自然に高かったみたいだし………ガルシアの奇妙な態度にしてもそれが原因じゃないかと思ってさ。」

「うーん、さすがはロイド君。鋭い読みをしてくれるじゃない。ね、警察をクビになったらクロスベルタイムズに入らない?そんであたしと一緒にフィーリッツァ賞を狙いましょ!」

「いや、遠慮しときます……ていうか縁起でもないこと言わないで下さいよ。」

自分の推理を聞いて口元に笑みを浮かべたグレイスの言葉を聞いたロイドは脱力した後、グレイスを睨んだ。

「ところでそのフィーリッツァ賞ってのは何なんだ?」

「確かその年で最も優秀なジャーナリストに贈られる国際的な賞だったはずだけど………」

「ああ、ナイアルおじさんとドロシーお姉さんが今年貰った賞の事ね。」

「えっ!?もしかしてレンちゃんは今年フィーリッツァ賞を受賞した”リベール通信”の二人と知り合いなの!?」

そしてランディの疑問に答えたエリィの話を聞いてある事を思い出していたレンの呟きを聞いたグレイスが驚いたその時ロイドのエニグマが鳴りはじめた。



「―――すみません。ちょっと失礼します。はい、特務支援課、ロイド・バニングスですが………」

「すまない、私だ!マインツのビクセンだ!」

「ああ、町長さんでしたか。どうかされましたか?ガンツさんの事で問題でも?」

「そ、それが………今クロスベルのカジノハウスに来ているんだが………ど、どうも様子がおかしくなってそれで連絡を………」

「様子がおかしい………?一体、どうおかしいんですか?」

「さっきからガンツが他の客とポーカーをしているんだが………妙に暴力的というか物騒な雰囲気になってきて………すまない、とにかく様子を見に来てもらえないだろうか!?」

「りょ、了解しました。カジノハウスですね?近くにいるのですぐに行きます。」

「ああ、よろしく頼むよ。」

「マインツの町長さん?」

「カジノがどうとか言ってたみてぇだが?」

通信を止めたロイドにエリィとランディがそれぞれ声をかけた。



「ああ、例のガンツさんが客同士の勝負で暴力的な事に巻き込まれそうな感じらしい。」

「ええっ?」

「相手の逆恨みでも買ったんでしょうか?」

「あの態度でバカヅキならいかにもありそうだな………」

「それこそルバーチェに目を付けられてもおかしくないわよね………」

ロイドの話を聞いたエリィは驚き、ティオは考え込み、ランディとレンは溜息を吐いて呟いた。

「ふむ、それは急いで様子を見に行かないとね。それじゃあカジノへレッツ・ゴー!………あれれ、どうしたの?」

そしてグレイスは嬉しそうな表情でロイド達を促した後自分の発言で表情を引き攣らせているロイド達を見て不思議そうな表情をした



「いえ、その………」

グレイスの疑問にエリィは苦笑しながら答えようとしたその時

「………言っても無駄だから気にせず行こう。」

諦めの表情のロイドがグレイスを連れて行く事を答えた。



その後グレイスと共にロイド達はカジノに向かった―――――
 
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