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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

作者:sorano
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外伝~六人目の使い魔、”花の表裏姫”エーデル・ブルーメ~

~ジュライロッジ~



「……………………えっと……その…………一応、お礼を言っておかないとね。――――ありがとう。リィン君のお蔭で九死に一生を得る事ができたわ。ただ、”あんな方法”で助かるとは夢にも思わなかったけど…………」

性魔術を終えた後、正気に戻ったエーデルは下着や制服を着た後リィンにお礼の言葉を述べ、そして顔を真っ赤にしてリィンから視線を逸らした。

「その……すみませんでした!幾らエーデル先輩を助ける為とは言え、エーデル先輩にあんな事をしてしまって……!」

リィンは頭を深く下げて謝罪した。

「う、ううん。どんな内容か知らなかったとはいえ、私が先にその方法を受け入れるって言ったのだし。それにリィン君は純粋に私を助ける為に私を……その…………お、犯したのよね?」

「は、はい。」

(ふふふ、その割には彼女が自我を取り戻してもなお、続けていたのですが?)

(しかも正気に戻った彼女が”もうやめて”って何度も言ったにも関わらず何度も犯して中に出していたものね……)

(うふふ、仕方ないわよ♪絶倫で性欲旺盛なご主人様は一度スイッチが入ったら、満足するまで止まらないし♪)

(そうですね。実際私の時も私が”止めてください”と嘆願したにも関わらず、御自分が満足するまで私に不埒な事をし続けましたものね。)

(すみません、リィン様……全く反論が見つかりませんわ……)

顔を真っ赤にしたエーデルの問いかけにリィンが大量の冷や汗をかきながら答えている中、リザイラは静かな笑みを浮かべ、アイドスは苦笑し、ベルフェゴールはからかいの表情になり、アルティナはジト目になり、メサイアは疲れた表情でそれぞれ呟いていた。



「だったらいいわ。それに二人の話を聞いていたけど、私を助ける方法はさっきやった方法しか無かったとの事なのだから、私はリィン君に感謝はしても、恨んだり怒ったりするのは筋違いだわ。」

「で、でも……幾らエーデル先輩を助ける為とは言え、エーデル先輩の大切な操を…………」

「それに関しては気にしないで。そのお蔭で私はこうして生きていられるのだから。でも…………その……もし……それでも責任を感じているのだったら、私をリィン君のお嫁さんの一人にしてもらってくれてもいいかな………?”今の私”を受け入れる事ができる男性は、リィン君しかいないと思うし…………」

「え……それはどういう事でしょうか?」

エーデルの言葉が気になったリィンは不思議そうな表情で尋ねた。



「その………リィン君も知っているだろうけど、私はあのヨアヒムって司祭に色んな薬を投与されて、その結果”人間を捨てさせられた”でしょう?そんな私と結婚したい男性なんて、いないと思うの……私は”ブルーメ伯爵家”の一人娘だから、実家を継いで子孫を残す為にいつかは結婚しないといけないだろうしね。」

「あ………」

エーデルの話を聞いたリィンは辛そうな表情をし

「それにベルフェゴールさんの話だと、私が大人になったら、セレーネちゃんみたいに若い姿で長生きする事になるのでしょう?だから私の事情を知っている上異種族の人達を受け入れているリィン君しか、私を受け入れてくれる人はいないと思うの。」

「エーデル先輩……」

「それとね?…………できれば、私の”初めて”を奪った人に私を貰って欲しいの…………男の子のリィン君にはわからないかもしれないけど、女の子にとって”初めて”はとても大切なものなの。しかもリィン君にはファーストキスや後ろの初めても全部奪われちゃったし。」

話を終えたエーデルは顔を真っ赤にして俯かせた。

「う”っ……………その、エーデル先輩。本当に俺でいいんでしょうか?園芸部の部員であるセレーネと親しいのですから、俺の事も聞いていると思うのですが……」

エーデルの言葉を聞いたリィンは表情を引き攣らせて唸り声をあげた後疲れた表情でエーデルを見つめ

「ア、アハハ……うん、聞いているわ。リィン君は将来、アリサちゃんやセレーネちゃんを含めた多くの女の子達と結婚するのよね?だから、リィン君にとっては今更一人増えても問題ないでしょう?」

リィンの問いかけに苦笑しながら答えたエーデルはリィンに問いかけた。



「その…………実は色々と事情があって、アルフィン殿下とも結婚する事になったのです。」

「ええっ!?ア、アルフィン皇女殿下と……!?一体何があってそんな事になったの??」

そしてリィンは一通りの事情をエーデルに教えた。

「そっか…………―――でも、それならむしろリィン君が私とも結婚してくれたら、私にとってはありがたいかな。」

「え……どうしてですか?」

事情を聞き終えた後意外な言葉を口にしたエーデルの答えが気になったリィンはエーデルに問いかけた。



「リィン君も知っているとは思うけど、お父さん達も貴族連合に加担しちゃったからね…………普通に考えたら内戦を引き起こして皇家に歯向かった貴族連合に加担した貴族達は厳罰を降される事になるでしょう?でも私がアルフィン殿下と結婚するリィン君と結婚したら、”ブルーメ伯爵家”がエレボニア皇家と縁を結ぶ事になるからお父さん達に対する処罰も少しは軽くしてもらえるかもしれないと思ったの。」

「それは…………でも、それは先輩が貴族連合に誘拐されたから、仕方なく貴族連合に加担したのですから、情状酌量の余地はあるのではないでしょうか?」

「ううん……私の実家―――”ブルーメ伯爵家”は帝国西部―――サザーラント州に所属していてね……それでパトリック君の実家―――”ハイアームズ侯爵家”に貴族連合に加盟する事を要請されてね。相手は”四大名門”の上”ブルーメ伯爵家”が治めている地方の周囲の地方を治めている貴族達も貴族連合に加盟していたから、状況的に考えて逆らう訳にはいかないと思ったお父さん達は”内戦が勃発する前から貴族連合に加担していたそうだから”、元から貴族連合に加担していた他の貴族の人達と同罪だと思うわ。」

「あ………………―――わかりました。本当に俺でよければ、エーデル先輩の事も責任を取ります。」

エーデルの説明を聞いたリィンは複雑そうな表情で黙り込んだ後決意の表情になってエーデルを見つめた。



「ありがとう。でもセレーネちゃん達、驚くでしょうね。セレーネちゃん達と違って、リィン君とあまり接点の無かった私がいきなりセレーネちゃん達と”同じ状況”になったもの。」

「う”っ……!え、えっと……何はともあれ、エーデル先輩が正気を戻したのですからみんなの所に戻りましょうか。」

苦笑しながら答えたエーデルの言葉を聞いた瞬間、エリゼ達の反応を推測したリィンは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせた後すぐに気を取り直して提案した。

「ええ、そうね。」

「――――ベルフェゴール!みんなの所に転移してもらってもいいか?」

「それはいいけど、ご主人様。その前にその娘の事について肝心な事を言い忘れているわよ?」

「え…………」

「”肝心な事”……?一体何の事だ?」

召喚したベルフェゴールの話を聞いたエーデルは呆け、リィンは不思議そうな表情で尋ねた。



「うふふ、その娘と似たような状況だったお蔭で”仕方なく”性魔術を施して、その最中で”ついでに使い魔にしたアルティナと同じ状況”になったと言えばわかるでしょう♪」

(つ、”ついで”って……)

(ふふふ、まあ間違ってはいませんね。)

(え、えっと……あまり気にしない方がいいと思うわよ?)

(……もう、終わった事ですから別に気にしていません。それにマスターに拾われていなかったら、私はこの世をさまよって、最悪ブルブラン達のようになっていたかもしれませんし。)

ベルフェゴールのリィンに向けて言った話を聞いたメサイアは冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、リザイラは静かな笑みを浮かべ、アイドスに慰めの言葉を送られたアルティナはジト目で答えた後静かな表情で答えた。

「へ…………―――――!!??ま、まさか……!嘘だろう!?」

一方ベルフェゴールの言葉の意味―――”エーデルが自分の使い魔になってしまった事”を理解したリィンは表情を引き攣らせ

「嘘だと思うのなら、試してみればいいじゃない♪」

「…………一端俺の中に戻って下さい、エーデル先輩。」

「え?キャッ……!?」

そしてベルフェゴールに促されたリィンは恐る恐ると言った様子で呟くと何とエーデルはベルフェゴール達のように光の玉になった後リィンの身体の中に入った!


(えっと……ここは?わ、私、どうなったの……?)

(ア、アハハ……結果的とはいえ、リィン様がエーデルさんとも結婚する事になったお蔭で、エーデルさんの未来は丸く収まるでしょうね。)

(ふふふ、そうですね。何せ今の彼女はご主人様の”使い魔”なのですから。)

(普通に考えたら他の男性の”使い魔”をしている上、しかもその男性と肉体関係の間柄である女性と結婚したいなんて奇特な男性はいないものね……)

(……何となくですが、こうなる気はしていました。)

リィンの身体の中に入ったエーデルが戸惑っている中、その様子を見守っていたメサイアの言葉にリザイラは静かな笑みを浮かべて頷き、アイドスは苦笑し、アルティナは呆れた表情をしていた。

(え?え?貴女達は一体……)

リザイラ達の念話を聞いてリザイラ達の存在に気付いたエーデルは戸惑いの表情をし

(え、えっと……エーデルさん、でしたわよね?私の名はメサイア。ベルフェゴール様と同じリィン様の使い魔です。その、大変言いにくい事なのですが今のエーデルさんは――――)

メサイアはエーデルにエーデル自身の状況を説明し始めた。



「……………………」

一方リィンは石化したかのように固まり

「うふふ、これで新しい使い魔兼ご主人様のハーレムに入る女の子が増えたわね♪おめでとう、ご主人様♪こんな状況でありながらもどさくさにまぎれて更に増やすなんて、さすがはご主人様だわ♪」

リィンの様子を微笑ましそうに見守っていたベルフェゴールはリィンにウインクをした。

「全然よくないだろう!?幾ら何でもエーデル先輩を使い魔にするなんて色々な意味で不味すぎるぞ!すぐにエーデル先輩との契約を解除するから、やり方を教えてくれ……!」

「あ、それは止めておきなさい。ご主人様と使い魔契約をしている事で、あの娘は正気を保っていられるのだから。」

「!?どういう事だ、それは……!?」

ベルフェゴールの口から出た予想外の話に驚いたリィンは血相を変えて尋ねた。



「魔族の血を引いているのならともかく、”人”が何の準備もなく魔族化なんてしたら普通なら正気を失って、暴走して破壊と殺戮を求める存在になるわ。だけどエーデルはご主人様の使い魔になった事で、そう言った”衝動”がご主人様の魔力によって制御されて正気を保つ事ができているの。―――当然、さっきみたいに自身の”力”を解放しても正気を保っていられるわ。」

「それは…………その、エーデル先輩が自分の力だけで制御する事はできないのか?俺が今まで恐れていた”鬼の力”―――”魔の因子”を受け入れて、自分で制御できるようになったみたいに。」

ベルフェゴールの説明を聞いたリィンは複雑そうな表情をした後すぐにある事を思い出し、真剣な表情で尋ねた。

「まあ、訓練したらいつかは自分の力で制御できると思うけど…………今すぐには無理よ。それはつい最近まで”鬼の力”を制御できなかったご主人様ならわかるでしょう?」

「……………………」

心当たりのある話を聞かされたリィンは複雑そうな表情で黙り込んだ。するとその時エーデルがリィンの体から出て来た。



「フウ……メサイアさん達の言う通り、自分で出る事はできるのね……」

「エーデル先輩……その……」

目の前に現れたエーデルをリィンは辛そうな表情で見つめ

「えっと……私がリィン君の”使い魔”になった事やリィン君の使い魔になったお蔭で私は正気を保っていられる話もみんな、メサイアさん達から聞いたわ。だからそんな辛そうな顔をしないで。本来ならあの時私は死んでいたのに、リィン君のお蔭で私は正気を保って生きていられるのだから。それに私もリィン君のお嫁さんにしてくれるのでしょう?だったら、いいじゃない。いつかはリィン君と一緒になるのだから。」

辛そうな表情をしているリィンをエーデルは優しげな微笑みを浮かべて慰めの言葉を送った。

「ですが、エーデル先輩のこれからの生活が…………」

「それは………えっと……ベルフェゴールさん。使い魔が長期間主と別行動をする事とかできないのですか?」

リィンの言葉を聞いて一瞬複雑そうな表情をしたエーデルはベルフェゴールに視線を向けて尋ねた。

「普通にできるわよ。ただ貴女の場合、”魔の衝動”を抑える為もそうだけど”裏の貴女”を自分で抑えられるようになるまでは定期的にご主人様の身体の中で長時間休む必要があるわよ。」

「”裏のエーデル先輩”って事は………」

「そ。さっきみたいにとてもエッチな”裏のエーデル”が出て来るわ♪今はご主人様の性魔術によって力が弱まったから引っ込んでいるけど、力を取り戻したらまた出て来てその娘の身体を乗っ取るでしょうね♪」

「…………………………えっと…………さすがにそれは私も困りますね……その……”裏の私”と話し合う事とかはできないのですか?例えば私の身体の主導権の時間を決めるとか。」

ベルフェゴールの説明を聞いた瞬間エーデルに性魔術を施した時の出来事を思い出したリィンは表情を引き攣らせ、エーデルは石化したかのよう固まった後我に返ると困った表情で尋ねた。



「”身体の主導権の時間を決める”って……”裏の自分”を抑えつける方法とかを聞かないのですか?」

エーデルの質問に驚いたリィンは信じられない表情でエーデルを見つめて問いかけた。

「メサイアさん達も言っていたけど、”裏の私”は私の奥底に秘められている”私の裏の部分”なのでしょう?だったら、それも”私”なんだから、私はそれを受け入れるべきだと思うの。」

「エーデル先輩……」

エーデルの答えを聞いたリィンは驚きの表情をし

「へえ?―――まあ、可能か不可能かで答えるとしたら”可能”よ。ただその為にも色々とやらなくちゃならない事もあるし、どの道魔族になった事でその身についてしまった”魔の衝動”を自分で抑えられるようになるまでは、しばらくは定期的にご主人様の身体の中に休むか……―――もしくはご主人様に”性魔術”を施してもらうかね♪ちなみに私は”性魔術”の方をお勧めするわ♪だってご主人様に気持ち良くしてもらえる上、そんなに時間をかける必要もないもの♪」

「ブッ!?ベルフェゴール!どさくさにまぎれて、とんでもない事を提案するな!」

「えっと……”性魔術”って、さっきリィン君が私を助ける為にした事ですよね……?その……定期的に必要と仰っていますけど、リィン君の身体の中で休む場合とその性魔術を施してもらう場合は、それぞれどのくらいの時間がかかって、頻度もどのくらいなのですか……?」

真剣な表情で答えた後すぐにからかいの表情になって答えたベルフェゴールの説明を聞いたリィンは噴き出した後疲れた表情で指摘し、冷や汗をかいて表情を引き攣らせていたエーデルが困った表情で問いかけた。



「そうねぇ…………何もしない内はご主人様の身体の中に休むの方は2日間ずっと出た状態で約1日で性魔術の方は2日に1回ご主人様に中に出してもらえばいいと思うわ。自分で抑えられるように訓練していたら週に一、二回、1ヵ月に1回と段々と必要な性魔術の頻度を減らしていけるしご主人様の身体の中に休む時間も短縮できるわ。最終的にはその両方をしなくても自分で抑えられるようになると思うわ。」

「そうですか………………―――今回の件が終わったら、セレーネちゃん達に事情を説明して、私がリィン君に抱いてもらう日も決めてもらわなくちゃならないようね……」

「あら♪」

「エ、エーデル先輩!?どうしてそっちの方法を取るんですか!?俺の身体の中で休むという選択肢もあるのに……!」

頬を赤らめて呟いたエーデルの答えを聞いたベルフェゴールがからかいの表情になっている中、リィンは慌てた様子で尋ねた。

「だって、そっちの方が圧倒的に速いし、それに………………私もリィン君の”使い魔”なんだよ?」

「えっと……どうして先輩が俺の使い魔だという理由だけでそうなるんでしょうか?」

エーデルの理由を聞いた瞬間猛烈に嫌な予感がしたリィンは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせながらエーデルに質問をした。

「その、ね?リザイラさんが私もリィン君の使い魔になったのだから、使い魔が”主”であるリィン君に抱いてもらうのは当然の”義務”だから私も定期的にリィン君に奉仕をしたり、抱かれなければならないって言ってたし、女の子が男の子に恩を返すのならその……自分の身体を捧げた方が男の子が一番喜ぶ方法でもあるって言ってたし、後男の子は中に出させてあげる方が凄く喜ぶとも言ってたの。だから、リィン君に助けてもらった恩を返す為にもちょうどいいかなと思ったの。」

「うふふ、さすがリザイラね♪(しかもこの娘、予想以上の天然ね♪)」

「………………(リザイラ!エーデル先輩に一体何を吹きこんだんだ!?)」

(ふふふ、”吹きこんだ”とは人聞きの悪い。私は性別の違う主と使い魔の一般的な関係や男性が一番喜ぶ恩返しの方法を教えただけの事ですよ。)

真っ赤にした顔を俯かせながら答えたエーデルの話を聞いたベルフェゴールはからかいの表情になり、石化したかのように固まっていたリィンは我に返るとリザイラに念話を送り、リザイラはとぼけた様子で答えた。

「フフッ、それじゃあ話もまとまったことだし、みんなの所に戻るわね♪」

「ちょっ!?まだ全然話は―――――」

そしてベルフェゴールはリィンの反論を無視して転移魔術を発動し、仲間達が待機している場所に戻った。 
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