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ハイク

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第七章

「何かな」
「凄い話だな」
「本当にな」
「人生の勉強になった」
「そうだな」
「今日のことは」
「顔が整っているかどうかだけじゃない」
 老人は美人のことをここでまた話した。
「目の光や服や香りからな」
「そうしたこともか」
「見てか」
「わかるしか」
「そうしたことからも美人になる」
「そうなんだな」
「そういうものか」
 二人で話した、そして。
 老人達にだ、こう言った。
「今日は有り難う」
「いいことを教えてくれて」
「美人のことだけでなく」
「人生を教えてくれて」
「はっはっは、また何かあればな」
「また来い」
 二人にだ、老人達は笑って言った。
「その時はな」
「明日でも何時でもな」
「人生のことを話させてもらうぞ」
「楽しくな」
「ああ、頼むな」
「また教えて欲しいことあったら邪魔させてもらうな」
 二人もこう老人達に話す。
「美人の見方も教えてもらったし」
「人生のことも」
「人生のことは色々あるみたいだし」
「知らないといけないことも多いのがわかった」
 それだけにとだ、二人も言ってだった。
 老人達と別れて帰路についた、そして。
 ラシッドはシャドルにだ、こう言った。二人で道を歩きながら。
「今日は凄いことがわかったな」
「爺さん達にも言ったけれどな」
「顔だけじゃわからない」
「片目からだけでもわかる」
「ハイクや香水からも」
「色々なことを見てわかるのか」 
 二人だけになっても言う。
「成程な」
「それは人生を重ねていってわかるんだな」
「爺さんになるまで長生きして」
「そしてか」
「なあ、俺な」
 ラシッドはシャドルに顔を向けて彼にこう言った。
「長生きするな」
「あの爺さん達みたいにか」
「それで人生経験積んでな」
 そしてというのだ。
「色々わかる様になるな」
「そうするんだな」
「御前はどうなんだ?」
「俺もだ」
 これがシャドルの返事だった。
「俺も長生きしてな」
「あの爺さん達みたいになるか」
「絶対にな、じゃあお互い長生きしような」
「それで色々わかる様になろうな」
「あの爺さん達みたいに」
 こう話して約束しながらだった、二人は家に帰った。そして二人は人生経験を積んでいき幸いなことにお互い長生き出来た。そしてその願いを適えてあの頃の彼等に伝えた。ハイクを着ていても美人だとわかることもその他の人生のことも。


ハイク   完


                       2016・5・28 
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