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昔の歌

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5部分:第五章


第五章

13.春風
 終わりに近付いてきている春の中で

 今一陣の風が吹いた
 
 その風は優しく温かく

 まるで全てを包み込んでくれるようだった

 目の前では小さな子供達が親と遊んでいる

 その優しい風景もまた風が運んでくれるような

 そんなふうに思えるものだった

 優しい風は  何時までも温かく

 子供達を包み込んでいた

 この風が何時までも続けばいい

 そんなふうに考えながら  今は子供達を眺めている

 
 終わろうとする静かな春の季節の中で

 今も風が吹き続けている

 優しく静かな風だけど

 そうした風だからこそ春を感じさせてくれる
 
 目の前ののどかな春の景色ももうすぐ

 終わってしまい雨の季節となるのだけれど

 今は春の風が吹いてくれて

 静かな風が  春を教えてくれる

 その風を肌で楽しみながら

 何時までも春が続けばいい

 そんなことを願いながらも  実は次の季節を想う


 優しい風は  何時までも温かく

 子供達を包み込んでいた

 この風が何時までも続けばいい

 そんなふうに考えながら  今は子供達を眺めている


14.穏やかな雨
 朝から雨で  暑かった日々が少し収まった

 たまには雨もいい  静かな雨もいい

 雨が暑さを消してくれて穏やかさを取り戻してくれた

 その穏やかな中で日々を過ごすのも悪くはない

 あの暑かった昼は終わり優しい昼になった

 優しい昼の中で今思うのは

 この昼がずっと続いて欲しいということ

 それを願うけれどまた暑くなるのがわかっている

 それが残念だけれどそれでも今は

 この穏やかさを味わいたい  せめてもの間


 朝から静か  暫く味わったことのない静けさ

 やっと静かになって  それを楽しんで

 雨の音を聞きながら考えることも穏やかなもので

 その穏やかさの前にはどんな音楽も勝てはしない

 雨音だけが静かに聞こえる午後の世界は

 時が止まったように感じる

 時が止まってくれればそれでいい

 そのままその中で生きていたいとさえ思う

 それが果たせないのはわかってはいても

 思うことだけはそれでもできる  だから思うんだ

 
 この昼がずっと続いて欲しいということ

 それを願うけれどまた暑くなるのがわかっている

 それが残念だけれどそれでも今は

 この穏やかさを味わいたい  せめてもの間


15.信頼
 信じられる人はそれだけで幸せだ

 信頼されるに値しない奴は確かにいる

 どんな裏切りをしても平気で  嘘を何とも思わない

 何をしても気付かず  また同じことを繰り返す

 そうして遂には信頼を完全に失っても

 やはりそれにすら気付きはしない

 信頼の貴さを知りもせず  薄汚いことを繰り返す

 果てには何があるのか  それは言うまでもない

 破滅が今牙を剥いて迫っている

 しかしそれにも気付かず  今ものうのうと

 
 人を信じることには勇気がいる

 信じることが不可能な奴もいるからだ

 裏切りを裏切りと思わず  嘘も自分の為ならいい

 そんなことを続けて  あげくには全て他人のせい

 その果てにあるのは他人の嫌悪だが

 それを向けられても平気な顔で

 背信行為をしても同じで  悪事を果てしなく続け

 遂には破滅を迎えても  やはり気付いていない

 何処までも愚かな者は愚かなまま

 信頼されるに値しない者  最も愚劣な猿


 信頼の貴さを知りもせず  薄汚いことを繰り返す

 果てには何があるのか  それは言うまでもない

 破滅が今牙を剥いて迫っている

 しかしそれにも気付かず  今ものうのうと
 
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