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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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外伝~才媛の決意~

同日、11:10―――――





リィン達がエレボニア帝国存亡の為に動きだしていたその頃、連合軍はラマール州全土制圧の為に総攻撃を仕掛けようとしていた。



~ラマール州・某所~



「!!司令、来ました!」

「な、なんて数だ……!」

「そ、それに機甲兵どころか見た事もない兵器もあるぞ………!?」

機甲兵に搭乗している領邦軍の兵士達は連合軍の登場に表情を青褪めさせ

「クッ……何としてもこれ以上の侵攻を許すな!我らの力を信じてラマールの防衛を任せた我らが主カイエン公の思いに報いる為にも!」

「イエス・サー!」

シュピーゲルに搭乗している領邦軍の司令官は唇を噛みしめた後号令をかけた。するとその時駆動音がどこから聞こえてきた。



「?何だこの音は……?」

「!!上だ!」

駆動音に気付いた機甲兵達が空を見上げると何とヴァイスリッターが飛行して領邦軍に向かっていた!

「な―――――」

「し、”白い騎士人形”だと!?」

「灰でも蒼でもない奴は一体何者なんだ!?」

ヴァイスリッターの登場に機甲兵達が混乱しているとヴァイスリッターが機甲兵達の前に着地した。



「何者だ!」

「――――私の名はエリゼ・シュバルツァー。リフィア殿下に仕えし者の一人にしてメンフィル・クロスベル連合軍に所属している者の一人。領邦軍に告ぎます。直ちに連合軍に降伏してください。降伏した際は命は助け、クロスベル帝国の兵士として雇用するとの事です。」

シュピーゲルの問いかけに対してヴァイスリッターの中にいるエリゼは静かな表情で答え

「お、女の声だと……!?」

「エリゼ・シュバルツァー…………”聖魔皇女の懐刀”か……!」

「断る!我らラマール領邦軍の主はカイエン公爵閣下ただ一人!貴様らのような薄汚い簒奪者共に誰が降伏をするか!」

エリゼの降伏勧告に対して司令官は怒りの表情で答えた。



「そのカイエン公爵は昨日私達連合軍によって拘束されました。」

「何だと!?」

「そ、そんな!?帝都にいる閣下が拘束されたという事は帝都が……!」

「なおカイエン公爵はメンフィル帝国によって裁かれる身です。主を失った貴方達領邦軍にもはや戦う理由はありません。――――降伏してください。」

「ううっ…………」

「そ、それは………」

「グ、グググググ……ッ!誰が降伏するか!絶対に薄汚い簒奪者である貴様ら如きにこのラマールの地を渡してなるものか!閣下の仇を討つためにもせめて貴様には死んでもらう!―――行け、我らが誉れ高き騎士達よ!所詮は一体……一斉攻撃で片をつけてやれ!」

「ハッ!」

シュピーゲルの指示によって様々な機甲兵が前に出てヴァイスリッターと対峙した。



「―――どうやらまだ自分達の”立場”がわかっていないようですね。」

一方ヴァイスリッターは凄まじい霊圧を放つ太刀を取りだして構えた!

「な、何だその剣は……!?」

「ヒッ!?」

「クッ、怯むな!行け――――ッ!」

「行くわよ、ヴァイスリッター!」

「応―――――!!」

ヴァイスリッターが持つ太刀に機甲兵達が圧されている中シュピーゲルは号令をかけた。



「この!」

「喰らえ!」

「パトリオットシールド展開!」

ドラッケン達が放った射撃をヴァイスリッターは結界を展開し、襲い掛かる射撃を防ぎ

「ハァァァァァァ!!」

「ぐああああああっ!?」

「うおおおおおおおっ!?」

射撃を結界で防ぎながら一気にドラッケン達に詰め寄って薙ぎ払い攻撃を放ち、ドラッケン達は一撃で真っ二つにされた!



「クッ……おのれ!よくも……!潰れろ!」

その時ヘクトルが突進攻撃を仕掛けて来たが

「甘い!」

「な――――」

ヴァイスリッターはクラフト―――残月で攻撃を回避し

「竜破斬!!」

「あ――――――」

反撃に強烈な闘気を纏わせた太刀でヘクトルを操縦者ごと縦一文字に真っ二つに斬った!



「グレネード、発射!!」

「うおっ!?」

「ががっ!?」

更にヴァイスリッターは背中から特殊なグレネード弾を次々と発射して機甲兵達を怯ませ

「六の型――――無想神烈閃!斬!!」

「うああああああっ!?」

「ぐああああああっ!?」

怯んだ機甲兵達の隙を見逃さず一気に詰め寄って大技で多くの機甲兵達を戦闘不能にしたり、操縦者ごと破壊した!



「ヒッ……!」

「ば、化物……!」

「し、司令……このままでは……!」

ヴァイスリッターの圧倒的な強さに機甲兵達はヴァイスリッターを畏れるかのように徐々に後退していった。

「グググググ……ッ!こうなったら総攻撃で何としても奴を討ち取れ――――ッ!」

「……往生際が悪いですよ!ヴァイスリッター、霊力充填開始!」

「承知シタ―――――」

シュピーゲルの指示を聞いたヴァイスリッターの操縦席にいるエリゼは呆れた表情をした後ヴァイスリッターに指示をし、指示に応じたヴァイスリッターは変形してエネルギーを溜めている両肩部分を領邦軍に向けた!



「ヒッ!?」

「た、退避――――!」

ヴァイスリッターの行動を見て本能的に危険を感じ取った機甲兵達は次々と退避し

「なっ!?逃げるな、貴様ら!敵前逃亡は死罪だぞ!?」

部下達の行動に驚いたシュピーゲルは退避を忘れて喚いていた。

「放て――――グラヴィティブラスト!!」

「えー――――ガアアアアアアア――――――ッ!!??」

そしてヴァイスリッターが放った膨大な霊子エネルギーをその身に受け、エネルギーが消えるとそこには木端微塵になったシュピーゲルの残骸だけが残っており、司令官の死体も焼き焦げ、辛うじて人の形を保っていた。



「し、司令――――ッ!?」

「ヒ、ヒィィィィッ!?」

無残な姿となった自分達の上官を見た領邦軍の兵士達は悲鳴を上げたり、表情を青褪めさせた。

「これが最後の警告です!降伏の意志があるなら直ちに機甲兵から降り、両手を上げなさい!」

「わ、わかった!降伏するから命だけは……!」

こうして……ヴァイスリッターの圧倒的な”力”を目にして完全に戦意を喪失した領邦軍は連合軍に降伏した。その後連合軍は海都オルディスへと進軍し始めた。





同日、12:20―――――





~海都オルディス・カイエン公爵城館~



「……そうですか。最終防衛ラインを守っていた部隊は犠牲者は出ましたが、大勢の兵達は降伏して命は助かったのですね……」

連合軍がオルディスに到着する少し前、スタイル抜群の整った容姿をしているドレス姿の女性は領邦軍の兵士からの報告を聞き、重々しい様子を纏いつつも、僅かに安堵の表情を見せて呟いた。

「……我らの力が及ばず、このような結果となってしまい申し訳ございません。ユーディット様。我らが時間を稼ぎますのでユーディット様は奥様やキュア様と共に一刻も早くオルディスから脱出してください。」

女性に報告していた兵士は悔しそうな表情で答えた後せめて自分達が仕えていた主の家族を生かす為の時間稼ぎをする事を決めた。



「―――その必要はありません。これ以上無駄な犠牲を増やさない為にもカイエン公爵家は連合軍に投降します。」

「ユ、ユーディ!?」

「なっ!?ユーディット様、メンフィルの”戦争回避条約”をお忘れですか!?もしユーディット様達が連合軍に投降すればユーディット様達が……!」

女性の答えを聞いたカイエン公爵と同じ髪の色―――――橙色の髪の娘は表情を青褪めさせ、兵士は血相を変えて女性に警告した。



「逆に聞きますが、オルディスから脱出した所でどこに逃げろというのです?ラマール州を除いたエレボニア帝国全土は既に制圧された上、特にメンフィルはアルバレア公爵家同様カイエン公爵家に対しても相当な怒りを抱いているのですから、脱出に成功した所で指名手配をするでしょうから、いつかは捕らわれるでしょう。それにカイエン公爵家は内戦を引き起こし、エレボニアが滅亡する切っ掛けを作った”元凶”。エレボニアの民達に対する責任を取る為にも逃げるつもりはありません。」

「ユ、ユーディット様……しかし貴女やキュア様はナーシェン様と違い、皇帝陛下達に反旗を翻す事に反対し、内戦が起こってからは自らの私財を投じて民達に支援物資等を送り、更には公爵閣下に何度も陳情したではありませんか!それなのに何故貴女達が犠牲にならなければならないのですか!?」

女性―――カイエン公爵家の長女、ユーディット・カイエンの決意を知った兵士はユーディットの今までの行動を思い出し、辛そうな表情で反論した。

「―――それが”貴族の務め”だからです。貴方は直ちにオルディスの防衛部隊に連合軍に降伏する指示を私が出した事を伝えてください。……今までカイエン公爵家に仕えて頂き、ありがとうございました。さあ、行って下さい。」

「ユーディット様…………クッ……失礼します……!」

ユーディットに指示された兵士は辛そうな表情で身体を震わせた後退出した。

「ユーディ…………私達、どうなるの……?」

兵士が出て行った後娘――――ユーディットの妹であり、カイエン公爵家の次女であるキュア・カイエンは表情を青褪めさせて尋ね

「大丈夫よ、キュア……今度の相手はあの魔人(イグナート)と違って話が通じる人間の上、しかも好色家……交渉の余地は十分にあるわ。」

恐怖に震える妹を安心させるかのようにユーディットはキュアを優しく抱きしめて、キュアの背中を撫でた。

「え……ユーディ、まさか……!」

姉の話を聞いてある事を察したキュアは信じられない表情でユーディットを見つめ

「私の事は心配しないで。今度こそ貴女を救ってみせるわ。」

ユーディットは妹を安心させるかのように優しげな微笑みを浮かべた。



そして数十分後、連合軍はついにオルディスに到着しようとしていた。 
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