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心の剣

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5部分:第五章


第五章

13.氷の花
 冬には花なんてないと思っていたら

 ふと見掛けた店にあったよ  透き通った花が

 氷の花  人が造った花

 普通に見ただけではわからないけれど

 それはとても澄んだ美しい花だったよ

 少しずつ溶けていっているけれど

 それは綺麗にそこにあって  少しずつなくなっていっている

 そんな花を見ていると  見惚れてしまうけれど

 なくなっていく  何もかもが

 そんな氷の花  失われていく花

 今それを眺めながら冬を過ごす

 
 冬には冬だけの小さな花があるんだ

 それがあの花なんだよ  透明な美しい花

 氷の花  自然ではない花
 
 普通には出来上がったりはしないけれど

 それは造られた美しさをたたえていたよ

 なくなっていくのもまた綺麗で

 それを見ていると何かが変わるよ  少しずつ消えていくけれど

 そんな花は他にないから  切なくなったりもするけれど

 それが運命だから  受け入れて
 
 綺麗な氷の花  消え行くだけの花

 今それを眺めてその切なさを味わう


 なくなっていく  何もかもが

 そんな氷の花  失われていく花

 今それを眺めながら冬を過ごす


14.FORGET DREAM
 もう忘れてしまった  遠い昔の夢

 けれど心の奥にあるそれは

 ずっと心の中に宿っている

 もうどんなものだったかも忘れてしまった

 そんな記憶だけれど  今も僕の胸にある

 FORGET DREAM BUT ETERNAL DREAM

 夢はずっと心に残るから

 何時かその夢を思い出したら

 僕はその夢を適えられるのかな

 その日が来る日まで  今は眠るよ

 FORGET DREAM IS NEVER LOSE

 
 もう見えなくなった  遥かな過去の夢

 けれどそれが何時かきっと

 心の中を支配していく

 心の牢獄の中に隠れている

 そんな記憶もまた  何時かは蘇るんだ

 FORGET DREAM BUT ETERNAL DREAM
 
 心にあるものは逃れられないから

 何時かその夢が心に出てきて

 僕に何だったのか教えてくれるのかな

 その日が来たら僕は  夢を追いかける

 FORGET DREAM IS NEVER LOSE


 何時かその夢を思い出したら

 僕はその夢を適えられるのかな

 その日が来る日まで  今は眠るよ

 FORGET DREAM IS NEVER LOSE


15.聖なる鐘
 少年が連れて来られた  清く聖なる場所

 傷ついた王が悩み悔やんでいる場所

 けれど少年はその痛みはまだわからず

 ただぼんやりと見ているだけ

 今はまだわからない  まだ知ることができない

 彼はまだ何も知らないのだから

 それを知ることができた時には

 少年は大きな力を手に入れているだろう

 少年はその清らかな瞳にまだ何も見てはいない

 けれどその瞳に愛を知った時  彼は全てを救う

 傷ついた王も  清く聖なる場所も

 けれど今はまだ  一人戸惑うだけ

 
 少年が歩いていくのは  緑の聖なる森

 聖杯を守る騎士達の集う城のある森

 偶然に迷い込んだ少年は今は

 まだ何も知らないけれど

 すぐに知るのだ  知ることになるのだ

 自分の使命とその役割を

 それを知った時に彼は

 偉大な英雄として全てを救うだろう

 その手に持つ槍は神の力を授け

 その清らかな心が愛を語り  慈悲をもたらす

 聖杯が輝き  全てを照らす

 その少年が今  歩きはじめた


 少年はその清らかな瞳にまだ何も見てはいない

 けれどその瞳に愛を知った時  彼は全てを救う

 傷ついた王も  清く聖なる場所も

 けれど今はまだ  一人戸惑うだけ
 
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