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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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第63話

~アーライナ領域~



「喰らえぃっ!!」

ファーミシルスとの戦闘を開始したレオニダスは先制攻撃にクラフト―――グラウンドバスターでファーミシルスに襲い掛かり

「フン!」

ファーミシルスは上空へと飛行してレオニダスの攻撃を回避した。



「撃ち落す!」

上空に退避したファーミシルス目掛けてレオニダスは爪になっている部分から銃弾を連射させ

「無駄よ!」

襲い掛かる銃弾に対しファーミシルスは連接剣で全て弾きながらレオニダスに接近した。



「ハアッ!!」

「!!」

ファーミシルスが放った連接剣の刃を舞わせる攻撃――――剣舞をレオニダスは後ろへと跳躍して回避し

「連接剣の御味はいかが!?」

ファーミシルスはそのまま連携してレオニダス目掛けて連接剣の刃を伸ばした。



「……!」

襲い掛かる刃をレオニダスは武器で防御したが防御した後に反対方向に襲い掛かってきた刃は対処できず、咄嗟に回避しようしたが回避が遅く脇腹が刃に斬られ、斬られた部分から血が出て来た。

「グッ!?クッ……!」

ファーミシルスのクラフト―――連接剣双伸張を受けた脇腹に伝わる痛みに表情を歪めたレオニダスはFグレネードを投擲し

「フン!下らない攻撃ね!」

投擲されたFグレネードをファーミシルスは連接剣の刃を鞭のように振るってレオニダス目掛けて叩き落とした!



「オオオオオオオッ!!」

するとその時一気に詰め寄ったレオニダスがクラフト―――ダイナマイトスパイクをファーミシルスに叩きつけ

「!!」

レオニダスの攻撃を武器で防いだファーミシルスは後ろへと吹っ飛ばされたがファーミシルスは翼を羽ばたかせてすぐに態勢を建て直し

「これはどうかしら?―――電撃剣!!」

魔力による電撃を連接剣の刃に宿らせ、レオニダスに向かって連接剣を振るったがレオニダスは側面に跳躍して回避すると共に反撃代わりに武器を振るって凄まじい衝撃波をファーミシルスに放ったが

「無駄よ!」

ファーミシルスは連接剣で周囲を薙ぎ払い、その際に発生した衝撃波で襲い掛かる衝撃波を相殺した。



「……強いな。これが”空の覇者”か。だが届かせて見せる、”破壊獣(ベヒモス)”の牙を。ハァァァァァァ…………!」

ファーミシルスと距離を取った状態で睨みあっていたレオニダスは静かに呟いた後全身に膨大な黒き闘気を纏い

「吹き飛べぇっ!!」

機械化手甲を振るって凄まじい威力の衝撃波をファーミシルスに向けて放った!

「フン!これで決めてあげるわ……!」

襲い掛かる衝撃波をファーミシルスは側面へと飛行させて回避しながら連接剣に魔力や闘気によって発生した暗黒の雷を纏わせ、迎撃の構えをした。

「ディザスター―――――アーム!!」

レオニダスは機械化手甲を変形させてファーミシルスに突進して爪のような部分を突き出したその瞬間!

「奥義――――暗礁電撃剣舞!!」

ファーミシルスは魔の雷が宿った連接剣の刃を舞わせながらレオニダスの攻撃を身体を僅かに横に逸らして回避し、二人は互いに背中を向き合った状態になった。



「――――さらばだ、フィー。………………」

「レオ……ッ!」

するとレオニダスが辛そうな表情で自分を見つめるフィーに視線を向けて静かな笑みを浮かべるとレオニダスは全身から血を噴出させると共に武器が粉々に破壊され、苦悶の声を上げる事なく絶命したレオニダスの死体は地面に倒れた!

「ッ!?へぇ……さすがは”最強”と恐れられていた猟兵団の部隊長と言った所かしら。―――闇の息吹。」

一方ファーミシルスは武器を持つ腕から血を流し、それに気付くと感心した様子でレオニダスの死体に視線を向けた後治癒魔術で自分の傷を回復した。



「どっかーん!」

ゼノとの戦闘を開始したエヴリーヌは魔術―――旋風爆雷閃を放ち

「!!」

襲い掛かる雷をゼノは側面に跳躍して回避し

「―――斬闇!!」

「そらっ!!」

暗黒の魔力を纏わせたセオビットの斬撃をブレードライフルを振るって相殺し

「貫け!イナンナ!!」

「チッ………!」

後方にいるレンが放った魔術によって発生し、自分に襲い掛かる光の槍を回避しながら3人を囲むようにジャベリンを投擲し

「喰らえやっ!!」

懐から取りだしたFグレネードを3人に向かって投擲した。



「無駄ぁっ!」

しかしエヴリーヌが矢を放って投擲されたグレネードを空中で爆発させ

「邪魔よっ!!」

セオビットはクラフト―――回転斬りで自分達の周囲にあるジャベリンを一撃で真っ二つにして破壊し

「うふふ、今度はこっちの番よ。それっ!!」

レンは大鎌を投擲するクラフト―――カラミティスロウをゼノに向かって放った。



「甘いで……!」

襲い掛かる大鎌を回避したゼノは一瞬で3人に照準を合わせ連続で狙撃をした。敵の急所に命中するクラフト―――C・スナイプによる銃弾は3人に襲ったが

「だから無駄ぁっ!」

「ハアッ!」

それぞれが持つ脅威的な身体能力や反射神経を持つエヴリーヌとセオビットは襲い掛かる銃弾がまるでスローモーションのように見えていた為それぞれの武器で銃弾を攻撃してゼノの攻撃を無効化し

「うふふ♪おそいおそい♪」

レンはゼノに向かって走りながら襲い掛かる銃弾を身体を僅かに横に背けて回避した後ブーメランのように自分の手に戻ってきた大鎌を振りかぶり、ゼノに詰め寄ると振り回した!



「羅刹刃!!」

「そらそらそらっ!」

次々と襲い掛かる大鎌の斬撃を後退しながらブレードライフルを振り回して次々受け流していた。

「逃がさないよ、くふっ♪」

その時エヴリーヌがクラフト―――精密射撃を放ち

「グッ!?」

エヴリーヌが放った矢がゼノの肩を貫き、肩から血が流れて来た!

「大いなる闇に呑み込まれなさい!ヴォア・ラクテ!!」

「チッ……!」

そしてセオビットが両手から放った電撃が混じる暗黒の奔流を側面に跳躍して回避し、3人にブレードライフルを連射させて牽制攻撃をしたが3人は軽やかに回避しながらゼノに迫り3方向から同時に攻撃を叩き込んだ。



「真っ二つにしてあげる♪パワフルスイング!!」

「たたっ斬ってあげるよ!二連釣瓶打ち!!」

「暗黒の力、思い知りなさい深淵剣!!」

「うおおおおおおおおおっ!!」

3方向からの攻撃に対し、ゼノは膨大な闘気をブレードライフルに込めて自分の周囲を薙ぎ払って相殺させると共に上空へと跳躍すると共に6本のジャベリンを固まっている3人の周囲に放った。



「3人共纏めてぶっ放したる!」

上空に跳躍したゼノは落下しながら3人に照準を合わせて怒涛の銃撃を放ち

「うふふ♪」

「だから無駄だって何度も言っているのに。」

「その程度の銃撃、防げないと思っていたのかしら!?」

対する3人はそれぞれ片手で簡易結界を展開して自分達に襲い掛かる銃撃を防いでいた。



「まだまだ行くで……!」

銃撃を放ち終えたゼノは突進の構えをした。

「これで終いや!――――ジェノサイドレイン!!」

「「「!!」」」

ゼノが自分達に向かって突撃したその時、レンとセオビットは大きく後ろに跳躍し、エヴリーヌは転移魔術でその場から消えてゼノのSクラフトを回避した。



「チッ、外してもうたか……!―――グッ!?な、なんやこれは一体……!?か、身体が……石のように固まって動かへん!?」

攻撃が回避された事に舌打ちをしたゼノは突如石化したかのように身体の動きが止まった事に驚いた。

「うふふ、今よ、エヴリーヌお姉様、セオビットお姉様!」

真紅の瞳を妖しく輝かせているレンは自らのクラフト―――邪眼でゼノの動きを止めた際に二人に呼びかけた。

「ふふっ、闇の炎に呑まれなさい!アイン・ソフ・アウル!!」

その時両手に紫色の妖しく燃える炎を現させたセオビットはゼノに向かって放ち

「グアアアアアアアアア――――――ッ!?」

セオビットのSクラフト―――アイン・ソフ・アウルによる炎に呑まれたゼノは悲鳴を上げた!

「ゼノ……ッ!」

それを見たフィーは悲痛そうな表情で声を上げ

「…………―――これで楽にしてあげる。ゼロ・アンフィニィ!!」

フィーの悲鳴を聞いたエヴリーヌは普段敵を殺す際に浮かべているような凶悪な笑みを浮かべず、静かな表情で炎に包まれ、苦しんでいるゼノ目掛けて矢を放った!エヴリーヌの魔力と闘気が纏った矢は巨大な槍と化し、ゼノの身体を貫き、ゼノの身体にはぽっかりと穴が空いた!

「ガハッ!?ハハ…………団長………ようやく……会える…………な…………フィー…………達者…………で…………な……………」

心臓ごと身体を貫かれたゼノは口から大量の血を吐いて満足げな笑みを浮かべてフィーに視線を向けながら地面に倒れ、絶命した!



「ゼノ……レオ…………」

二人の絶命を見たフィーは辛そうな表情で顔を俯かせ、次々と出て来た涙をポロポロと地面に落とした。

「フィーちゃん……」

「フィー…………すまぬ……今のそなたに何と声をかければいいか、私には思いつかぬ……そなたの”友”として、失格だな…………」

フィーの様子に気付いたエマは悲しそうな表情をし、辛そうな表情をしているラウラは肩を落とした。

「……………わたしは大丈夫。ガレリア要塞跡で敵対した時点で”こうなる事”があり得る事は予測していたし、”猟兵”は常に”死”と隣り合わせである事を戦場に出た時から理解している。勿論エヴリーヌ達の事は恨んでいない。エヴリーヌ達とゼノ達は敵対関係で命をかけて殺し合った。―――ただそれだけだから。」

するとその時涙をぬぐったフィーは決意の表情でエヴリーヌ達やゼノとレオニダスの死体を見つめて呟き

「そなたは強いのだな…………」

フィーの答えを聞いたラウラは寂しそうな笑みを浮かべてフィーを見つめていた。 
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