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SwordArtOnline~The Wroght Wizard~

作者:村雲恭夜
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紅い騎乗兵に似た何者かと白いコートを着た魔法使い

 
前書き
男の話をしよう_____
彼は産まれた時から異質だった。
魔術回路は普通の魔術師としては可笑しく、また彼の使う魔術は悉く誰かの魔術だ。
彼の両親は聞く。「何故貴方は自分のを使わない?」
彼は答える。「自分には自分の魔術が解らない」
彼は魔術師の中では異質だった。
やがて彼は竜を身体に宿し、彼は鋼鉄の城へと脚を踏み入れる。
彼が彼らしく在るために。 

 
「おー、見事に戻って来たなー」

実に四ヶ月振りに、アインクラッド第一層«始まりの街»に脚を踏み入れた俺は、ウインドウを操作しβテストのデータを引き継いだ物を装備する。
設定が完了すると、その身体には純白のコート___正式名称«グロリアース・イブニング»___が現れる。
流石に武器を出すのは憚られるので、一応一定の層になったら解放してやろうと思い、装備欄に初期の片手剣«スモールソード»を選択し装備。すると、背中に重みのある物が装備された。

「さてとぉ……、まずはホルンカで«森の秘薬»を受けて_____」

と、そんなことを考えていると見覚えのある武器屋に、とても似合わない巨体の人が立っていた。

「ふむ……、こんなものしかないのか。まぁ、仕方あるまい。ホルンカに行けば森の秘薬クエを受けられるからな」

巨体の割に棲んだ声質をしている。
まさか、いや十中八九間違い無い。知り合いだ。しかもリアル。
更に強いて言えばあんな巨体で紅いマントを装備する人間(プレイヤー)となると完全に一人しか居ない。
俺は近付くと、呆れ気味にその人物に話し掛ける。

「……何やってんだ、ロード=エルメロイ」

「ん?ああ、君かエミヤ」

身体を此方に向け、その顔で挨拶をするこの人は、人が人ぞ知る時計塔の名物教師、ロード=エルメロイ二世である。……ゲーム好きなのが玉に傷だが。

「君も来たな。やはり、大体の初期組はログインしていると見て間違い無いな」

「と言うかその顔でそんな声出さないでください」

「む?ああ、済まんな。慣れてくれ、どうしてもこの姿でやらなければならない事情が在るのでね。まぁ、当人も聞いたらやりたがっただろうが」

少し寂しそうにするロード=エルメロイ。と言うかその顔で哀愁漂わせないでほしい。

「所で森の秘薬クエ行きません?多分、適当にここら辺やっててもその内POP枯れるだろうし」

すかさず提案をしてみる。さっき森の秘薬クエと口にしていたからこの街を出たら真っ先にホルンカにいく予定だったのだろう。

「うむ、別に構わんが……。大丈夫か?」

「まぁ、いざというときは投影使うんで」

「ちょっと待て、気軽に使おうとするな馬鹿」

そんな会話をしながら、俺達はパーティを組んで一路ホルンカへと脚を向けた。
因みに余談だが、ロード=エルメロイのキャラ名は«Iskandar»、イスカンダルと読むらしい。……はて、何処かで聞いたような気がする。



「ホイサァ!!」

「ハッ!」

時刻は二次半を回っており、少々光源が乏しい。
それでも、俺___エミヤとイスカンダルはリトルネペントを伐っては吹き飛ばし、伐っては吹き飛ばしを続けていた。一応補足だが俺がレベル3、イスカンダルが4である。ちょっと待て、何でそっちが早くレベル4なんだ!?

「ちょい!!イスカンダル、何でレベル4行ってるんだ!?」

「ふっ、質より数だろう?物量で一気にやらせて貰った」

憎たらしい笑みを溢しながら着実に伐って行く。流石にそれでは不味いと思った俺は、辺りを見て___念を置いて索敵もしておき___それを唱えた。

「投影、開始!」

両の手に現れるは黒い洋弓と矢。父さんが使う洋弓を少しばかり投影させて貰い、矢をつがえる。

「赤原を往け、火の猟犬!」

そして、それを放つ。

赤原猟犬(フルンティング)!」

放たれた赤き矢は追尾するようにリトルネペントに飛んでいき___貫通して突き刺さっていく。
所謂、赤原猟犬を更に改造した赤原猟犬IIと言った所か。ただまぁ、通常より投影に掛かる魔力は倍増するが。

「なっ!魔術を使うか貴様!!」

「質より数なら此方は魔術で数をやりますよ!!」

ヒャッハー!と叫びながら更に投影した干将・莫耶で次々と伐っていく。

「いや流石にチートだ!!止めろ!!」

「へーい」

イスカンダルが注意した直後に俺は投影を止める。しかし、辺りのリトルネペントは一掃され、なんと言うか俺達は同じレベル5になっていた。そして、足元には«リトルネペントの胚種»が転がっていた。

「……常々言うが、魔術は神秘だ。私だから良いものの、他の者に見られたらその時点で神秘を失うと思いたまえ」

頭がいたいと言う主張をしながら、イスカンダルは言う。まぁ、ぐうの音も出ない正論なので黙っておく。

「さて、クエストはこれでクリア出来る。不本意だがな」

「クリア出来りゃ何でも良いだろ」

「君にはゲームの楽しさを一度じっくりと話す必要性が在るな……」

イスカンダルはそう言うと、先に歩いていく。そのあとを、俺は小走りに走っていった。



«森の秘薬»クリア報酬として、アニールブレードを手に入れた俺達二人は、一度始まりの街に戻ってきていた。
理由としては、レベル的に居るのは何かとやっかまれるかも知れないことと、アニールブレードを持っている時点で怪しまれるからだ。自分がテスターって公言してるもんだしなぁ。

「さて……では私は仕事を放って来たので落ちるとしよう」

「オイコラ教師、それで良いのか」

仕事を放ってまで来るかと思いながらも、俺はお疲れ様と言って離れる。

しかし、アインクラッドがゲームで在ったのは、正しくこの瞬間までであった。

「……む?」

イスカンダルが声を上げる。

「どうした、ロード=エルメロイ」

「……いや、ログアウトボタンが消失している」

「何だと……?」

俺もウインドウを開いて確認する___が、無かった。まるで、最初から存在しないかのように。

「……バク、で在れば良いのだがな」

ふと、ロード=エルメロイの顔になり呟く。

「おいおい……勘弁してくれよ。それだとまるで何かが起きると言いたげじゃねぇかよ」

俺は近付くとそういい放つ。とは言え、不安で無いとするとそうではない。
しかし、俺はその時予感していた。
『とてつもない、何か大きな物に巻き込まれたのでは無いか』と。

そして、それは現実と化してしまった。

リンゴーン!リンゴーン!

「むっ!?」

「コイツは___!?」

蒼い柱が俺達を包み、それが収まるとそこは中央広場であった。

それが、悪夢の始まりだった。 
 

 
後書き
佑人「いきなりチートじゃねぇか!ぶっ飛ばすぞ作者!!」
何いきなりのパロディ。
清姫「いや、お怒り納得だと思うのですが……」
んー、まぁでもこういうのも良くね?
二人「駄目です。チート、駄目、絶対」
つっても、この先チート使わんと佑人は死ぬよ?鯖出すしね。四話目くらいから。
清姫「え、本当ですか!?」
でも清姫は出す予定は当分先よ?
清姫「がーん」
佑人「……キャラ崩壊してるなぁ」
村雲クオリティです♪
佑人「チートを抱いて溺死しろ(弓投影・赤原猟犬II投影射出」
ゴフゥ!
清姫「ああ、もう何て言うか本当にチートですねぇ」
佑人「やっぱり完全に消さないと駄目か?」
ちょっと?瀕死の俺にもう一度射る気ですか?
佑人「別に殺しても構わんのだろう?」
俺が構うわ!!この○○○○(クラス名により自重)の癖に!
佑人「はっ!それがどうしたぁ!!(偽・螺旋剣投射」
ゴフゥ!
清姫「……再臨しなかった罪ですね、ますたぁ?」
怖い、この人ら怖い。〆る。次回も見てね! 
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