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艦隊これくしょん【転移した青年の奮闘記】

作者:Bloo-D
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日常
  第7話 鎮守府の休暇、そして案内 Ⅰ

 
前書き
鎮守府の休暇。鎮守府内の案内。 

 
……主人公サイド……



大本営へ出頭した翌日の08:00(マルハチマルマル)
執務室



座蒲郎「……と、言う訳でだ。上層部からの計らい…もとより、命令によって…本日より2週間程の休暇を取る事となった」

昨日の大本営でのやりとりと、休暇の件を陸奥と大淀に伝えた。

陸奥「それはいいじゃない」

大淀「全くですね。特に提督は、この1週間ずっと働き詰めでしたし、英気を養う事は大切です。早速長期休暇を取って、ゆっくりとしましょう」

長門「その通りだ、みんなも喜ぶ筈だ」

座蒲郎「そう…だな、分かった。じゃあ、2週間程休暇にするか」

「「「はい!」」」

2人はすぐに賛成し、長門からも薦められて休暇を取る事にして……


座蒲郎「……と言う訳で、昨日の話通りに休暇を取らせて戴いてもよろしいでしょうか?」

元帥『勿論だ、是非そうするが良い。2週間しっかり休んで、英気を養いたまえ』

座蒲郎「ありがとうございます。ですがその前に、昨日出来なかった書類を片付けても構いませんか?」

元帥『構わん、昨日の一件に関しては、ワシも賛成だからの』

座蒲郎「感謝します」

電話で元帥に連絡し、俺達は休暇を取る事が出来た。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

がその前に……

≪カタカタカタ……≫

座蒲郎「……」

俺は昨日残った書類を片付ける為に、執務室でデスクワークに取り掛かった。

ーーーー

それから数分が経過し……

座蒲郎「ふぅう……終わった」

残ってた分が少なかったせいか、書類はすぐに片付け終わった。


けど……

座蒲郎「……」

暇……
休暇中に何をしようか決めてない俺は、暇で暇で仕方ない。

座蒲郎「どうしようなぁ〜〜……」

金剛のところでお茶をご馳走になろうかな……でもなぁ、ティータイムには早いから無理かなぁ……
それか誰かの部屋に行くか…てかそれ以前に、俺ここの鎮守府の事殆ど知らないけど……
金剛にお茶でもご馳走になろうかと思うが、今は09:00(マルキュウマルマル)。“モーニングティー”にしてもまだ早い。
仕方ないから、誰か暇な艦娘の部屋にでも行こうかと思ったけど、この1週間程執務室や食堂辺りしか行ったことがないせいか何処にみんなの部屋があるか分からない。思い切って廊下を通りかかった誰かに案内してもらおうかと椅子から立ち上がろうとしたその時……


≪ガチャッ≫

長門「提督、書類は全部終わったか?」

部屋のドアが開いたと思うと、長門が入って来た。

座蒲郎「見ての通り終わったよ」

長門「そうか。なら暫くは、ゆっくりと休めそうだな」

座蒲郎「みたいだね」

入って来るなり書類の事を聞かれて、長門に終わったと話して休暇の話に移った。

長門「ところで提督、この2週間はどうするつもりだ?」

座蒲郎「それが決めてなくて、てかこの鎮守府の事をよく知らないから、誰かに案内してもらおうかと思ったんだけど……」

長門「そうか。確かに、1週間程ずっとここ(執務室)と私室を行き来してたくらいだからな。それは仕方ないな。
ならば、私が案内してやろうか。陸奥は買い物に出掛けたそうなんだが、私は何をしようかと悩んでいてな」

座蒲郎「本当?なら、お願いするよ」

長門「うむ、分かった。ならば、我々の部屋から案内しよう。ついて来い」

≪ガラッ≫

座蒲郎「分かった」

聞かれたのは休暇中の予定だったけど、まずはこの鎮守府の案内を誰かにして欲しい事を伝えたら、長門がその役を引き受けると言ってくれた。なんでも、長門も予定がなかったそうで、こちらとしては都合が良かった。案内を長門に頼み、引き受けたその後を追って部屋を出た。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

≪カッカッカッカッ……≫

まず案内されたのは、執務室で話した通り、みんなの部屋がある“艦娘寮”と呼ばれる場所だった。

長門「ここが我々艦娘の私室がある寮だ」

座蒲郎「執務室がある本棟とは連絡通路があるけど、別になってるんだね。
というか、内装が通ってた大学の学生寮と瓜二つなんだけど……?」

長門「これも大淀が再現したのさ、大本営のお偉方も随分気に入ってな。それで大淀が改装工事の指揮をしたんだよ」

座蒲郎「凄過ぎるでしょ大淀、もう“なんでも出来ちゃう。”って感じで怖いな……」

長門「確かにな。
あと、この後回る場所について軽く説明しようか?」

座蒲郎「お願いするよ」

長門「それじゃあ話すぞ、……」

寮は俺の私室がある本棟とは分かれていて、その間を連絡通路で繋いでいる。
寮は6階建てで、内装は向こうの世界で通ってた大学で催されたオープンキャンパスで紹介された寮の内装に全く同じ。なんでも大淀が改装させたらしく、大淀の凄さを再び思い知らされた。
更に、ここ(寮)以外に回る場所について説明してくれるそうだから、長門の言葉に耳を傾けた。


この横須賀鎮守府には、提督である俺の私室と執務室,鎮守府全体に放送を流す為の放送室,艦隊指揮を執る作戦指令室,主に作戦立案と方針を決める為に使う会議室,食堂とみんなの憩いの場のカフェテリア,多種多様な本がある図書室,鎮守府に訪れた客人を迎えるための応接室等がある本棟。
艦娘達の部屋が設けられている艦娘寮。
大浴場が完備されてる“入渠処”。
剣道、弓道等の武道の稽古を行う“稽古場”。
日用品やら雑貨やらなんでも揃うショッピングモール…というかアウトレット。
艦娘達の艦体が待機する工廠。艦船の修理・点検を行うドッグ。
多数の艦船が停泊出来る巨大な港。
鎮守府から半径100km圏内の敵を逃さず捕捉するレーダー基地。
鎮守府上空を守る横須賀鎮守府所属の“防空航空旅団”の飛行場基地(配備されてる機体は、戦闘機が“烈風”,爆撃機が“彗星”,攻撃機が“流星”,偵察機が“二式艦上偵察機”,哨戒機が“三式指揮連絡機”と“カ号観測機”で合計およそ600機近く。)。上陸作戦への従事と鎮守府を地上から守る、防空旅団同様に横須賀鎮守府に属する“陸戦隊”の基地(主に八九式中戦車と特二式内火艇が配備。)。
っといった施設があるとのことだった。

長門「といった感じだ」

座蒲郎「結構有るんだね、この鎮守府。しかも航空部隊や陸戦隊って……」

長門「その2箇所は、昨日会ったお偉方が設置したのさ。ここはもはや深海棲艦と対等に渡り合える唯一の鎮守府なんだ。それ故に、お偉方の力の入れ込み具合は並大抵のものではないのだよ」

座蒲郎「そうなんだ……と言うかさ…図書室は分かるけどさ、なんでカフェテリアやショッピングモールがあるわけ?」

長門「大淀がやったのさ。提督のパソコンのデータを元に再現してやったのさ」

座蒲郎「大淀って、書類…もとより、データをあげたらなんでも出来ちゃうわけ?」

長門「まあ…そういったとこだな」

説明が終わり、色々揃ってるこの鎮守府に驚かされた。2つの基地は昨日会った上層部の人達が設置したらしく、それ以外のカフェテリアとかは食堂等の件と同様に、大淀が(現実世界の)俺のパソコンのデータを元に再現してやってのけたらしくて、大淀の凄さに何度も驚かされる俺だった。

ーーーーーーーーーーーーーーー

長門「まずは駆逐艦達の部屋を見て回るか」

座蒲郎「単に駆逐艦のみんなに逢いたいだけじゃなくて?」

長門「うっ……」

まず回るは駆逐艦。けど単に長門が逢いたいだけだと思って指摘すると、本人はイタイところを突かれた様な反応をして図星だと確信した。
図星だな、こりゃ……


長門「と…とにかく行くぞ!ついて来い!」

座蒲郎「分かってるよ」

慌てながらも“とにかく行くぞ!”といった感じでついて行った。

ーーーー

そして……

『ザワザワ……』

座蒲郎「休暇なのに、騒がしいね」

長門「ここは大抵そうさ。というか休暇といってもやることが無くて部屋や廊下で暇を潰すくらいだからな」

まずは寮の最上階にある、駆逐艦達の部屋があるフロアへ到着。休暇中なのに、駆逐艦達の部屋の辺りは騒がしい。どうやら鎮守府内じゃやることがないから、殆どが部屋とかで暇を潰してるとの事だった……


長門「それに……」

座蒲郎「それに?」

≪ダダダダ……≫

長門「チイィカワァアア〜〜!!!!」

≪ダダダダ……≫

『キャアァアア〜〜〜〜!!!!』

座蒲郎「……」

コッチでも同じかよ…あのキャラ……
長門が他に何か言うのかと思うと、突然叫びながら駆逐艦達へと突撃し、長門から逃げ回る駆逐艦達だった。
そんな長門を見て、向こうでも知られてるキャラがコッチでも同じなのかと思った。

≪ガシッ≫

座蒲郎「長門?」

長門「うっ……すまん……」

とはいえ、このままじゃ埒が明かないから、長門を摘み上げて止めさせた。


≪スッ≫

座蒲郎「それじゃあ、次を案内してくれる?」

長門「分かった、行くぞ」≪キリッ≫

座蒲郎「おうっ、そんじゃみんな、良い休暇を!」

『はーい!!!!』

それから長門は思考回路を元に戻し、駆逐艦達に声を掛けた俺は後について次へと向かう。 ̄

ーーーーーーーーーー

今度は5階にある軽巡洋艦達の部屋のフロア。駆逐艦の時とは比べ物にならないくらい静かだった。

長門「ここは軽巡達の部屋があるフロアだ」

座蒲郎「さっきとは大違いだね」

長門「軽巡は皆__」

が……


≪〜〜♪!≫

那珂「は〜い!私が艦隊のアイドル、那珂ちゃんだよ♪
今日は会場のファンの為に、元気良く歌いま〜す♪‼︎」

「「……」」

騒がしい音楽と共に現れたのは、アイドルの那珂。しかも誰も…いや、別にファンじゃない俺と長門しか居ないのに歌い出した。(歌詞は出しませんので、内容は読者の想像に委ねます。)

那珂「〜〜♪!」

長門「訂正する。1名を除いて、殆どが買い物やら行ってるのだよ」

座蒲郎「だろうね……」

那珂の登場に長門は訂正し、俺もつい納得してしまった。挨拶回りの時もそうだったけど、“ライブやってもいい?”とか言う時点でこうなるとは大体想像がついていたからだ。


座蒲郎「那珂のライブは後で行くとして、次を案内してもらおうか」

長門「そうだな、行くぞ」

これ以上聞くと日が暮れちゃうかもしれないから、那珂はほっといて次へ案内してもらう。

ーーーーーーーーーーー

次は4階の重巡洋艦達の部屋があるフロア。軽巡達のフロア並みに静かだった。

座蒲郎「ここのみんなも静かだね。どこかに出払ってるのかな?」

長門「大体はショッピングモールか、入渠処だろうな」

座蒲郎「入渠処に、なんで?」

長門「入渠処には場内プールやトレーニングルームがあるのを知らなかったのか?」

座蒲郎「えっ?知らない、てか説明受けてない」

長門「そうだったか?それはすまない。
因みに言うが、今言った所も全部(提督のパソコンに保存されたデータを元に)大淀が再現した」

座蒲郎「そう……」

どんだけパネェんだよ大淀⁉︎
みんなのことを聞いてみたら、殆どがショッピングモールか入渠処に行ってるらしい。けど何故入渠処に行く必要があるのか分からなかったけど、長門曰く入渠処には場内プールやトレーニングルームがあるとの事だった。しかもその2つは大淀が造ったらしい。


長門「じゃあ次だ、今度は空母のフロアだ」

座蒲郎「ああっ、宜しく」

長門の後について、後半戦次は空母のフロアへと下りた。

ーーーーーーーーーーー

そして3階の空母のフロア。

龍驤「おっ、久しぶりやな提督!」

座蒲郎「そうだな」

階段を下りてすぐに龍驤と出会った。


座蒲郎「そういえば龍驤、聞いてもいい?」

龍驤「んっ、ワイに?別にえぇがなんや?」

座蒲郎「龍驤って、俺が鎮守府に着任してからずっと遠征と任務の報告をしてるの?」

龍驤「いんや。
長門が提督を呼ぶ晩に、その事を知ってな。“提督の件は秘密にすっから、遠征と任務の報告をさせてくれ。”って頼んださかいな」

丁度いい機会とみて、俺は気になってた事を龍驤に聞いてみた。
それは、何故龍驤が遠征と任務の報告をしてただ。挨拶回りの際に聞こうとは思ったけど、あの時はすっかり忘れてしまったから、聞くには丁度いいチャンスだった。
なんでも長門が俺を呼ぶという話を知って、それで俺の事を隠す代わりに執務室に通ってたらしい……

長門「まぁ要するに、龍驤に“提督の顔が見たい。”とせがまれたっと言う訳だ」

龍驤「そうや!せやけど、天龍と大井の時はまいったなぁ。特に大井なんか、“なんで私と北上さんを別にしたんだ!”っとか言って激怒してボコられたしなぁ」

座蒲郎「あれは謝るよ、ゴメン」

龍驤「まっ、後で2人が謝りに来てくれたから。良しとするわ」

けど天龍と大井の…特に大井の時は最悪だったらしく、俺は謝ったけど許してくれた。


長門「では提督、次へ行くぞ」

座蒲郎「ああっ、分かった。
じゃあこれで」

龍驤「おうおうっ、おおきにな」

長門が次へ行くので、足早に後を追ってその場を後にした。

ーーーーーーーーーーー

次の2階部分は戦艦の部屋があるフロアになっていて、見た目は他と変わらないけど、他のフロアに比べて強度が段違いに強力らしい。

座蒲郎「因みに金剛の件は、龍驤と似た感じなの?」

長門「実を言うとそう言う事にはなる。最も、金剛の場合は“秘書艦を代わって欲しい。”っと言ったパターンだがな」

座蒲郎「だと思った」

咄嗟に気になった金剛の場合を聞いてみると、大方龍驤と変わらないとの事。しかも“秘書艦にしてくれ。”ってパターンらしい。


座蒲郎「なんか長居したら本人が出て来て、“秘書艦を代えろ。”って強く言って来るかもしれないから、次案内してくれない?」

長門「私も同じ意見だ、行こう」

今は良いとして、もし金剛が来たら厄介な事なると思った俺は、長門に次の案内を頼み、次へと向かった。

ーーーーーーーーーーー

最後は1階。ここは数の影響か、潜水艦,特務艦,海外艦とそれぞれがこのフロアに入っていて、言葉は中々通じ合わないが思いやりの大切さがあって、互いに譲り合いがなってるらしい。

座蒲郎「ここは潜水艦達が騒ぐと思ってたけど、以外と違うんだね」

長門「彼女達なら、入渠処にある室内プールに行ってるそうだからな。騒がしくするとすれば、海外艦の方だろう。
今部屋に居るとすれば、特務艦のあきつ丸か海外艦達だろな」

座蒲郎「そっか」

ここで一番騒ぐとしたら、駆逐艦並みに元気者が揃う潜水艦だと思ってたけど、実際は海外艦の方で違うらしい。しかも全員が室内プールの方へ行ってるらしく、このフロアに居るのは、特務艦のあきつ丸か海外艦のみんなとの事だった。


長門「これで艦娘寮は見終わった、次へ案内しよう」

座蒲郎「おう」

艦娘寮を見終えて、長門は次へ案内すると行って歩き出し、俺はその後について行った。


(続く) 
 

 
後書き
これ以上書くと埒が明かないので、今回はここで区切ります。

次回は案内の続き。 
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