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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)

作者:sorano
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外伝~人と精霊王女の邂逅~

ゼクス中将の依頼内容である魔獣退治を受けたリィン達は、特徴やどこにいるかを聞いた後馬で高原をかけて魔獣を見つけた後協力して戦い、撃破した。



~ノルド高原~



「よし……退治できたか。」

「ええ、全員無事で何よりです。」

「ああ……これで少しは中将に恩返しができるというものだ。」

「フッ、殊勝なものだな。」

「フフ、よかったわね。」

「ふふ、それではすぐにでも報告に戻るとしましょうか。」

手配魔獣との戦闘の勝利にリィン達が喜んでいる中、戦いの前にアリサに召喚されて援護していたミルモはふらふらとどこかに向かった。



「あ、ミルモ!戻ってきなさい!」

ミルモの様子に気付いたアリサは慌てた様子でミルモに近づいた。

「全くもう……こんな所ではぐれたら、大変な事になるんだからね……って、何これ??」

ミルモに追いついたアリサは安堵の溜息を吐いた後目の前に見える空間の亀裂に気付いて目を丸くし

「………………」

ミルモは心配そうな表情で亀裂を見つめていた。



「アリサ?どうしたんだ?」

「あ、リィン。それにみんなも。これって何なのかしら?」

「へ――――」

アリサの言葉に呆けたリィン達はそれぞれ空間の中に入っている亀裂を見つめて呆けた。

「これは一体……」

「……その亀裂からこの大地とは異なる風を感じるな。」

「…………………」

亀裂を見つめたユーシスは驚き、ガイウスは静かな表情で呟き、エマは真剣な表情で亀裂を見つめ

「(もしかして……)―――フィニリィ。」

ある事に気付いたプリネはフィニリィを召喚した。



「何か用ですの?」

「フィニリィ、その亀裂の先はもしかして話にあった……」

「………………ええ。その亀裂の先から覚えのある気配――――”リスレドネーの領域”の気配を感じますから、その亀裂が精霊領域への入口になりますわ。」

「そう…………」

フィニリィの説明を聞いたプリネは考え込んだ。

「えっと、プリネさん?何か知っているようだけど……」

二人の様子を見たリィンはプリネに尋ね

「実は――――」

プリネはケルディックで知ったフィニリィがミルモから聞いた出来事―――”精霊王女リザイラ”が自然を守る為に人間界―――特に自然破壊が酷いエレボニア帝国への侵攻に備えて、その時を待っている事を説明した。



「ええっ!?せ、精霊達がエレボニア帝国の侵略を!?」

「確かに発展と共に自然が破壊される事はある意味、自然の道理だけど……」

「………………人間達の身勝手さに精霊達が怒りを抱いていた……という事ですか……」

「……精霊は自然と共に生きている意思ある存在だと伝承で聞いている。自分達の住処を守る為に立ち上がったという訳か。」

説明を聞き終えたアリサは驚き、リィンとエマは複雑そうな表情をし、ガイウスは静かな表情で呟いた後亀裂を見つめ

「……何故今まで黙っていた?」

目を伏せて考え込んでいたユーシスは真剣な表情でプリネに尋ねた。



「エレボニア帝国の問題である為、他国の皇族である私が口を出せば内政干渉になりますし……フィニリィの話では精霊は気が長いそうですから、少なくても数十年後の話の可能性もあるとの事ですから、お父様からエレボニア皇族の方達にそれとなく注意するように伝えて置く事が私の限界だったんです……―――今まで黙っていてすみません。」

「そ、そんな。プリネが謝る事じゃないわよ。」

「ええ……発展の為に自然を破壊し続けるエレボニア帝国の行動に対する精霊達の怒りはある意味当然でしょうし……」

自分達に謝罪したプリネにアリサは謙遜しながら答え、アリサの言葉に頷いたエマは真剣な表情で亀裂を見つめ

「それでこれからどうするつもりだ?エレボニア帝国の侵略を計画している精霊を統べる存在とやらが住まう領域とやらへの道があるようだが。」

ユーシスはプリネを見つめて尋ねた。



「勿論今から、リザイラ様の所に向かって何とか説得しようと思います。幸いこちらには”精霊王女”であるリザイラ様より位が上のフィニリィがいますから、話は聞いてくれると思いますし……」

「ま、貴方達には荷が重い話ですわ。私達がさっさと説得してきますから、貴方達は”特別実習”とやらを済ませてきなさい。」

「……………………」

プリネとフィニリィの話を聞いたリィン達はそれぞれ顔を見合わせて頷いた後二人を見つめてある事を口にした。



「いや……俺達も当然ついて行くよ。」

「え……」

リィンの言葉を聞いたプリネは呆け

「本来ならエレボニア帝国が解決するべき事なのに、留学生のプリネ一人に任せられないわ!」

「ええ、それに私達は仲間ですし。」

「フン、俺は帝国貴族の一人として祖国の戦争回避の為について行くだけだ。」

「ああ……それにこれも”特別実習”の一つだ。」

「クラスメイトとしては当然だけど……俺はプリネさんの護衛の一人でもあるから、護衛対象を一人で行かせられないよ。」

「皆さん…………わかりました。では、行きましょう……!」

リィン達の力強い言葉に微笑んだプリネは号令をかけ

「おおっ!」

号令に頷いたリィン達は亀裂の中に入って行った。



亀裂の中に入って行ったリィン達が見た光景は緑と綺麗な水に溢れた光景だった。



~精霊領域・リスレドネー~



「ここが精霊領域…………」

「綺麗…………こんな緑にあふれた場所、今まで見た事がないわ…………」

「まるでおとぎ話の中の世界に来たみたいです……」

精霊領域の緑豊かな光景に圧倒されたリィンやアリサ、エマは呆け

「―――なるほど。伝承上の存在である精霊を統べる者が住まう地として相応しい地と言った所か。」

「……ここに来てから感じる妙な”風”……これは一体……?」

ユーシスは真剣な表情で周囲を見回し、何かに気付いたガイウスは戸惑いの表情で周囲を見回した。



「―――どうやらガイウスさんは気付いたようですね。」

「へ……」

「き、気付いたって、何を??」

静かな口調で呟いたプリネの言葉を聞いたリィンは呆け、アリサは尋ねた。

「この不思議な気配……どうやらこの場所では”上位属性”が働くみたいですね。」

その時考え込んでいたエマは真剣な表情で答えた。



「あら……エマさんも気付いていたんですか。」

エマの答えを聞いたプリネは目を丸くし

「”上位属性”……!?」

リィンは驚いた後同じように驚いたアリサ達と共にエマを見つめた。



「地・水・火・風の4属性のアーツで魔獣の弱点を突けることは皆さんもご存知だと思います。この場所では、それに加えて時・空・幻の上位3属性が有効になっているみたいなんです。」

「ふむ……オレが今感じるこの妙な”風”の正体はそれか。今までと勝手が違うなら、気を付ける必要がありそうだな。」

「でも、エマ……よく気付いたわね?」

エマの説明を聞いたガイウスは頷き、アリサは不思議そうな表情で尋ね

「えっと……あはは。その、何となくの考察ですから。」

エマは苦笑しながら答えた。



「だが、考えは間違ってなさそうだ。精霊達が住まう領域だし、何かあるのかもしれない。」

「!………いや。どうやら早速”何か”が来たようだぞ。」

リィンの忠告を聞いたユーシスは周囲を見回して何かに気付いて目を細めて見つめ

「へ――――」

ユーシスの言葉に呆けたリィンが仲間達と共にユーシスが見つめる方向を見つめると”ディル・リフィーナ”にいる精霊―――”アースマン”、”ドリュアス”、”ユイチリ”、”ティエネー”が数体警戒の表情でリィン達の前に立ちはだかった!



「……!」

「な、何なの、こいつら……!?」

「人……のような姿をしている者もいるが……」

精霊達の登場にエマは気を引き締め、アリサとガイウスは戸惑い

「まさか奴等も異世界の精霊なのか?」

ユーシスは精霊達の行動を警戒しながらプリネに尋ねた。

「ええ……どうやら私達を”侵入者”として判断し、排除しに来たようですね……」

「クッ……相手を説得する為にもできれば戦いは避けたかったんだが……!」

ユーシスの疑問にプリネは頷いた後武器を構えて周囲を警戒し、リィンは唇を噛みしめた。



「…………!」

一方ミルモは真剣な表情で精霊達に自分の主――アリサやアリサの仲間であるリィン達は敵ではない事を伝え

「―――ミルモの言う通り、その者達はこの領域を荒らしに来たわけではありませんわ。その者達をリザイラの許へ通しなさい。」

フィニリィが周囲の精霊達を見回して言い、精霊達はそれぞれ戸惑いの様子で互いの顔を見合わせたが

「―――リスレドネーを守護せし精霊達よ、聞きなさい!我が名はフィニリィ!セテトリ地方の”光燐の谷”を守護する”精霊女王”!私とそこの人間達はこの領域を治めている主に用があって、この領域に参りました!道を開けなさい!これは”精霊女王”である私の命令ですわ!」

威厳を纏ったフィニリィの言葉を聞き、フィニリィが自分達の主をも超える精霊である事をすぐに悟った精霊達は慌てた様子でその場から去って行った。



「精霊達が……」

「去って行ってくれたわね……」

その様子を見ていたエマとアリサは呆け

「なるほどな。精霊の”王族”であるそいつの命令は、精霊達にとっては無視できないという事か。」

「ええ。ありがとう、フィニリィ。」

ユーシスの言葉に頷いたプリネはフィニリィに微笑み

「いえ。精霊達を導く存在の一人としてできれば同胞を傷つけたくありませんもの。」

微笑まれたフィニリィは威厳を纏って答え

「……幾ら精霊達を説得できる存在がいるとは言っても、精霊達に対してできるだけ刺激は避けるべきだろう。慎重に進もう。」

「おおっ!」

リィンは仲間達に号令をかけた。その後ミルモの案内によって慎重に奥へと進み、時折出会う精霊達はフィニリィの威厳と命令によって戦闘を避け、ようやく奥に到着すると領域の主らしき女性がリィン達に気付き、殺気をリィン達に向けながら近づいてきた。

「人間が、(わたくし)達に何かご用ですか?」

「………!」

女性がリィン達に問いかけるとミルモが女性の前に出て自分とアリサの関係を女性に説明した。

「ミルモが気にいるなんて……珍しいお客さんね。歓迎してあげるわ、私のやり方でね。―――申し遅れました。私は、このリスレドネーを預かる王女、リザイラ。どうぞお見知り置きを。」

ミルモの登場に目を丸くした女性―――”精霊王女”リザイラは自己紹介をした後、リィン達を敵視していた。



「精霊の”王女”………」

「た、確かにそんな感じに見えるわよね……?」

「……フィニリィが纏っている同じ”風”を感じる……」

「―――”王女”を名乗るだけあって、確かに王族としての風格は備わっているようだな。”女王”を名乗るベルフェゴールとは大違いだな。」

(しっつれいね~。私が寛容な性格じゃなかったら、今頃あの世行きよ?)

リザイラが名乗るとエマは呆け、アリサは不安そうな表情をし、ガイウスは静かな表情で呟き、ユーシスは真剣な表情でリザイラを見つめ、ユーシスの言葉を聞いたベルフェゴールは頬を膨らませた後呆れた表情でユーシスを見つめ

「あら?私達と大して変わらない大きさの身体だなんて……てっきりフィニリィみたいな方かと思っていたけど。」

「フ、フン!確かに背は負けていますけど、胸なら私が勝っていますわよ!ですから女性としての魅力なら私が上ですわ!」

リザイラと自分の身体の大きさの違いを指摘したプリネの言葉を聞いたフィニリィは鼻を鳴らした後頬を膨らませて答え

「いや、そこで自慢されても。―――リザイラ様、貴女方―――この”リスレドネー”に住む精霊達がエレボニア帝国の侵略を計画しているという話を聞きました。一体何故そのような事をお考えになっているのか、聞かせて頂いてもよろしいでしょうか?」

フィニリィの強がりにリィンは呆れた後リザイラに会釈をし、尋ねた。



「この領域の外側では、人間や魔物により、自然や精霊達が脅かされている。もはや見過ごす事など、出来はしないのよ……例え異世界の事であろうとね。」

「……という事はこの世界の人間達全てに戦争を仕掛けるのでしょうか?」

リザイラの話を聞いたプリネは真剣な表情で尋ね

「世界を維持するためには、この領域のように、我々が管理した方がいいの……ここまで辿り着いた貴女達なら、この領域を同化させている高原と隣り合っている人間達の国の自然とこの領域の自然の状態を見比べる事ができたでしょう?」

プリネの問いに答えたリザイラはリィン達を見回して問いかけた。



「そ、それは……」

「確かにこの領域の奥へ進めば進むほど、緑は深くなって精霊達も調和しているように見えましたが……」

「――”世界の維持”の為に俺達を”管理”か。伝承上の存在を統べる者が口にすれば洒落になっていないな。」

リザイラの問いかけに反論できないアリサとエマは不安そうな表情をし、ユーシスは呆れた表情でリザイラを見つめ

「―――精霊王女リザイラ様、オレ達は自然が……大地がオレ達に与えてくれる恵みを忘れたわけではありません。人間の中には自然の恵みに感謝し、自然と共に生きる人々もいます。」

ガイウスは静かな表情でリザイラに問いかけた。



「確かにこの高原に住む人間達はそのようだけれど……それはごく一部だけの話。大抵の人間達は自分達の生活の発展の為だけに日々自然を破壊し続けている。……まあ、この高原で生活をしている人間達に関しては自然と精霊と共に生き続け、自然の恵みと我々精霊に感謝し続けている事を評価し、見逃してあげるつもりです。」

「……………」

「確かに”ノルドの民”は自然と共に生きているな……」

「……だからと言って、帝国に住む者達全てに”ノルドの民”のような生活を強いる事など現実的な話ではないぞ。」

「当然”ラインフォルトグループ”は”自分達の生活の発展の為だけに日々自然を破壊し続けている人間達”になるんでしょうね……」

「アリサさん…………」

リザイラの説明を聞いたガイウスは目を伏せ、リィンは複雑そうな表情で呟き、ユーシスは重々しい様子を纏って呟き、複雑そうな表情になったアリサをエマは心配そうな表情で見つめた。



「…………!」

一方ミルモはリザイラに必死に何かを訴えかけ

「あら、貴女は反対なのね……貴女の言う事は聞いてあげたいけれど……私は、長きに渡り人間達の行いを見続けてきた……もはや改善の兆しがないと感じたからこそ、こうやって立ち上がったの。世界の全てを緑に染め上げて……我々、精霊の支配による安定を目指して……」

ミルモの訴えに残念そうな表情をしたリザイラはすぐに重々しい様子を纏って答えた。



「全ての人間が自然の恵みを忘れた愚か者と言う訳ではありませんわ。中には精霊を含めた全ての種族との共存を目指す人間もいますわ。」

「あら……どこか懐かしい気配がすると思ったら、貴女だったのね、フィニリィ。……どうやら以前と比べると力は増したようだけど……私と同じ精霊を統べる者でありながら、人間の肩を持つというの?確か私の記憶では貴女は人間達を”野蛮”と称して忌み嫌っていたと思うのだけれど?」

フィニリィに問いかけられたリザイラはフィニリィをよく見て目を丸くした後静かな笑みを浮かべて尋ね

「確かにウィルは人間だけど、他の人間とは少し違うというか、かなりおかしいというか……いえ、それ以前に今は”神格者”ですから、人間ではないような……?ああもう!とにかく!こうして人間達が精霊や自然の嘆きを知る事ができたのですから、少しは猶予を与えたらどうですの!?」

尋ねられたフィニリィは戸惑いの表情で答えた後、すぐに話を誤魔化してリザイラを睨んだ。

「そう、面白いわね……」

フィニリィの様子をリザイラは笑みを浮かべて見つめていた。

「ま、そこの精霊の言う事に同意した訳じゃないけど、人間達に戦争を仕掛けるのは幾ら何でもやりすぎだと思うわよ?」

「ベルフェゴール。」

その時ベルフェゴールがリィンの傍に現れ、その事にリィンは目を丸くした。



「睡魔……いえ、この圧倒的な魔力は”魔神”ですか。貴女は”魔神”でありながら人間の肩を持つというの?」

ベルフェゴールの登場に一瞬驚いたリザイラはすぐに気を取り直して静かに問いかけた。

「ええ。確かに人間は欲が多い愚かな生き物だけれど……同時に自分達の過ちを認め、改善する事ができる生き物よ。」

「ベルフェゴール………」

「確かにその通りですね……」

ベルフェゴールの答えを聞いたリィンとプリネは静かな笑みを浮かべ

(い、意外。まさかベルフェゴールの口からあんな言葉が出てくるなんて……)

(奴があんな言葉を口にすると凄まじい違和感を感じるな……)

(ア、アハハ……)

驚いている様子のアリサとユーシスの小声を聞いたエマは苦笑していた。



一方リザイラは興味ありげな表情でリィンを観察していた。

「え、えっと……」

リザイラに観察されたリィンは戸惑い

「人間でありながら、人間でない気配を放っている……精霊どころか魔神を味方につけた人間など、これまでに出会った事もなかった……改善の兆しすら見えなかったのに、動き出した途端に変化があるなんて、人間はなんて運のいい生き物なのかしら……ミルモやフィニリィ達に感謝することね。此度は、人間の代表として、貴方達に命運を託すことにします。」

リザイラは静かな笑みを浮かべて答えた。



「え……」

「じゃ、じゃあ……!」

「人間界への侵略を止めて頂けるのですか……?」

リザイラの答えを聞いたリィンは呆け、アリサとプリネは明るい表情をしたが

「―――1つだけ試練を与えましょう。人間が自然と生きていく為に必要なのは、それを続けて行く為の意志……力なきものは、再び道を違えてしまう……貴方達のその決意に溢れた光が、力強く輝き続ける事を、私に示して頂きます。」

「へ……」

「そ、それってもしかして……」

「まさか……!」

リザイラの答えを聞いたリィンは呆け、ある事を察したアリサは不安そうな表情をし、プリネは真剣な表情でリザイラを見つめた。



するとリザイラは穏やかな表情を浮かべながら全身に膨大な魔力を纏った!

「クッ……!」

「や、やっぱりそういう事なのね……!」

「フン、俺達の実力を示せという事か…………面白いっ!俺達の力、とくと思い知るがいいっ!」

リザイラの様子から自分達に戦いを仕掛けると悟ったリィンは唇を噛みしめ、アリサは不安そうな表情をし、ユーシスは不敵な笑みを浮かべてそれぞれ武器を構え

「気を付けてください……!相手は伝承上の存在である精霊を統べる存在です……!」

「風よ……女神よ……オレ達に勝利の加護を……!」

「こうなる事はある程度は予想していました。相手は”精霊王女”。最初から本気で行かせてもらいます!ハアッ!!」

エマはリィン達に警告し、ガイウスは祈り、プリネは決意の表情でその身に秘められる力を解放して黒髪と琥珀の瞳の姿になってそれぞれ武器を構え

「さすがにご主人様達だけじゃキツイ相手と思うから、手伝ってあげるわ……!」

「…………!」

「フフ、”昇格”した事で得たこの私の力、思い知るがいいですわ!」

ベルフェゴールは口元に笑みを浮かべ、ミルモは決意の表情で、フィニリィは勝ち誇った笑みを浮かべてそれぞれ戦いの構えをした!



「―――確かに人間は道を間違えることもあります。だけどいずれその過ちに気付く人達がいる……俺達はそれを信じています!」

リィンは仲間達を代表するように決意の表情でリザイラを見つめ

「ならば、その意志の力を示してください……王女たるこの私の力を見くびることのないよう、命を賭して、挑んでくださいませ。――――さあ、私に”人の可能性”を見せてください……!」

「おおっ!」

そしてリザイラの自分達に向けた言葉に力強く頷いたリィン達はリザイラとの戦闘を開始した!



今ここに!自然と精霊に”人の可能性”を示す”試練”が始まった……! 
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