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女子高生!?

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3部分:第三章


第三章

「そうじゃなきゃ魅力は半減よ」
「それ誰が決めたの?」
「男の子」
 実にあっさりとした言葉だった。
「そんなの決まってるじゃない」
「男の子が決めるってそんな」
「じゃあ誰が決めるのよ」
 逆に倫子にこう問い返す。
「他にいないじゃない。そうでしょ?」
「言われてみればそうだけれど」
「とにかく。倫子いけてるから」
 今度は褒めてきた。
「安心しなさいって。いい子もゲットできるわよ」
「いい子も?」
「そういうこと。確かにホテルに入ることはできないけれどね」
 これは念押しされた。二人も二十四、もうすぐで二十五だ。やはり彼氏を持ったこともある。ホテルに入ったこともやはりあるのだ。実は倫子にしろそうしたホテルに入るのは嫌いではない。あの独特の雰囲気が気に入っているのである。
「だから。行くわよ」
「わかったわ。それにしても洋子」
「何?」
「色々と買うのね」
 見れば買っているのは四つや五つではなかった。どうやら彼女はこれと思ったものを次々と買うタイプのようだ。倫子は彼女の買い方を見てそれを思ったのだ。
「また随分と」
「まあね」
 くすりと笑ってみせる。否定するものではなかった。
「お金はあるからね」
「そうしたものを買えるだけは充分にね」
「お金は使う為にあるものよ」
 これは洋子の持論であった。
「借金をしない程度に使うものよ」
「わかったわ。それじゃあ」
「倫子も何か買う?」
「私は別に」
 その誘いには乗らなかった。顔を曇らせてそれは断った。
「いいわよ」
「そうなの。買えばいいのに」
「何か合わないから」
 それが理由だった。
「だからいいわ、別に」
「気が向いたら買ったらいいわ」
 こう言うだけであった。
「それでいいわね」
「ええ、じゃあそれで」
 こうして洋子のアクセサリー類の買い物に付き合った。それが終わってから二人で百貨店を出て男の子を捜す。左右に様々な店が立ち並び人が行き交う通りを二人で歩いて暫くすると青い詰襟の二人組を見つけた。どちらも所謂ジャニーズ系の格好だ。細くて優男の印象だ。少し伸ばした髪は茶色にしている。目は一人は二重で切れ長、もう一人も二重だがこちらは丸めだ。それが倫子の目に止まった。
「ふうん」
「ねえ倫子」
 ここで洋子がにこりと笑って彼女に声をかけてきた。
「何?」
「あの二人いいわね」
 今見たその青い詰襟の二人をこっそりと指差している。
「どう思うの、倫子は」
「そうね。いいんじゃないかしら」
 これは軽い返事だった。彼女はどうでもよかったのだ。
「可愛いわよね」
「じゃああの二人で決まりね」
 にこりと笑って倫子に言ってきた。
「それでいいわよね」
「決まりって一体」
「だから。遊ぶのよ」
 にこりと笑って笑みはやはりくしゃりとした感じだった。大人そのものの顔だがそのくしゃりとした感じが妙な可愛ささえ与えるものになっている。
「だからこの格好じゃない」
「高校生と」
「そう、化けてね」 
 話が本題に入った。
「その為だって最初に話したじゃない」
「それはそうだけれど」
「わかったのならいいわね」
 今度は随分と強引に話を進めてきた。
「それで」
「わかったわ」
 少し不満もあったがそれでも洋子の言葉に頷いた。
「じゃあ。行きましょう」
「ええ。それでどっちがいいの?」
「切れ長の目の子かしら」
 また二人を見てから答えた。
「やっぱり」
「そう、切れ長の目の子ね」
「洋子はどっちなの?」
「私は丸い目の子ね」
 丁度いい具合に二人の指名がそれぞれ分かれた。
「そっちにするわ」
「そう。じゃあそれも決まりね」
「そういうことね。それじゃあ年季の入ったOLの口説き、発揮するわよ」
「今は女子高生でしょ。ピチピチの」
「あっ、そうだったわね」
「全く。変なところで抜けてるんだから」
 そんな洋子に少し溜息をつきながらも付き合う。声をかけたのは洋子でその自信の程通り二人の男の子を上手く誘い込んだ。それから近くのマクドナルドで話となった。窓側の席に座って通りを行き交う人々を横目に話をする。テーブルの上にはハンバーガーやチキンナゲットにフライドポテト、それとマックシェークが人数分置かれている。完全にマクドナルドでの食事になっていた。四人は洋子を中心としてそのハンバーガーやマックナゲットを食べながら話をする。洋子はハンバーガーを片手に話をしている。
「そうだったの。今二年なのね」
「ええ、そうです」
「それで部活はバスケで」
「バスケね。私もやっていたわよ」
「やっていた!?」
「あっ、間違えたわ」
 その狙っている丸い目の子に突っ込まれて慌てて訂正する。
 
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