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For God

作者:霧島凌介
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◇1-2◇始まり

ほのかが今やっているバイト。


それは、多分というか絶対誰も理解できないと思うのだが、職業名は「四神守護隊」という。


どういう仕事内容かというと、端的に言えば、そのままの意味で四神を守るという仕事だ。


四神というのは、天の四方の方角を司る神である。


東を司る青龍。


西を司る白虎。


南を司る朱雀。


北を司る玄武。


上記の神をお守りするのが四神守護隊の仕事。


まだ理解できないと思うので、もう少し具体的に話したいと思う。


四体の神、誰かの力が弱まってしまえば、世界の均衡が壊れてしまい、大規模な自然災害や、大事件が起こるそうだ。


つまり、四神は、日本を中心にして、世界中のお守りしているということだ。


四神は神と呼ばれているものの、普段は人間の姿をしている。


その姿で、守護隊の活動している場所(四神守護隊屯所という名前だ。ほのかたちは略して屯所と呼んでいる。)に時々彼らは尋ねてくることがあったりする。


四神がどう誕生したのかということだが、話によると、人間の体内に四神の存在自体を宿すことのできる術師が世界のどこかにいた(いる?)らしく、四神はその人によって、造られた存在らしい。


大まかに言えば、四神守護隊は四人の少し風変わりな人たちを日々守っているボディーガイドという感じだろうか。


しかし、一昔前までは、四神をお守りするようなことは必要なかった。


皆彼らを恐れていたためだ。


しかし、最近そんなことも恐れない四神の力を手に入れることを目的とする悪い組織が続々と世界から出てきているらしい。


それが理由で、四神守護隊が組織されたということだ。


ところでほのかは、バイトを探すために、たまたま雑誌をめくっていた所、このバイトを見つけて、たまたま面接に受かって、入ったというわけではない。


というか、守護隊では、バイト募集などはしていない。


殆ど正社員だ。社員という言い方はおかしいので、正隊員とでも言い直しておこうか。


守護隊は”スカウト”されて入る方法以外、入隊する手段はない。


なんといっても神をお守りする職業なのだ。普通の人間にはできないことだ。


守護隊は、‘特殊能力‘を持っている人間が所属している。特殊能力を持つ人は、守護隊の入隊を勧められる。


しかし、ほのかは、特殊能力などこれっぽっちも持っていない平凡な人間だ。


では、何故守護隊に所属しているのか?


それには、訳があった。


話は一ヶ月前程に遡る――――
 
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