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『最低な女』

作者:零那
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『醜悪な女』



未桜は、友達とカフェに居た。
陸は友達と遊ぶと言ってたから逢えない。
でも、たまたま陸が女と来た。
未桜が居るカフェに...。

解ってはいたけど腹は立つ。
女が陸の服の裾を掴んでる。
女は色白でぽっちゃり体型。
更に未桜より背が低い。
陸は女の顔をのぞき込むように話かけている。

コッチに気付いていない。
女がキャピキャピして苛つく。
未桜の1番キライなタイプの女だ。
作ってるブリッコは気色悪いだけだ。
吐き気がする。

未桜の友達も、陸に気付く。
未桜は自分でもビックリするほど感情的になった。
陸の胸ぐらを掴み引っ張り出した。
言い訳をする。
ただの知り合いだと言う。

いや、ただの知り合いにする態度じゃないことくらい解る。
馬鹿にしているのか。
其の女も連れ出し、場所を変え、話し合いをすることに。

知らない子の家で話し合いをすることになった。
気まずいどころじゃないけど、友達何人かが未桜が暴れた時の為にって配慮で、その家だったらしい。

移動中、未桜は少し冷静になった。
陸とは何回も喧嘩していた。
約束や時間にはルーズだし、何かと眠い眠いってウルサイし。
こんな奴の何を拠り所にしていたのか情けなくなるほどだった。

もう要らないかな。

そう思えた。
呆れたってのもあるけど、飽きたんだろう。
陸という人間と関わることに。

其の知らない子の家の部屋で話す。
まず友達が、女とはどこまでの関係か突っ込む。
何もないと言う2人。
確かに男女の友情は在る。
未桜は男女の友情関係が何人か居るから解る。
でも、明らかに違う。

不倫してる未桜が相手の浮気に文句を言うのも理不尽だろう。
でも、未桜だけだと言ったのはお前だ。
貫けないなら口に出すな。
口だけの男はダサい。
言うだけなら誰でも出来る。

未桜は、潔く認めない其の姿に苛立ちがピークになった。
それに気付いた友達が、未桜の体の前に手を出し『殴ったら負けや』と言い、陸を連れ出した。

この部屋の主と2人になり、微妙な空気に...。
この子が紘希。(※7話参照)
この空気に耐えきれずなのか、いきなりニッコリ笑われた。
未桜は申し訳なくて謝った。
すごく優しくて、陸のことに触れず、関係ない話をしてくる。

暫くして、紘希は、未桜がアユを好きだと知る由もないのに、アユのCDを流し始めた。
この歌のココがたまらんのよねぇ...って、世界に入り込み出す。
未桜も同じ想いだったから、思わず、ほんまよねぇって答える。
アユの歌と話で和んだ。
癒された。

友達が戻ってきて、他の女とは2人で逢わんって約束して陸は帰らしたって。

正直、ふ~ん...って感じだった。
だってそんな約束絶対守らんし。
近々どうせサヨナラなるし。

冷静に、そう思った。
なんであの時あんなに感情的になったんやろ。
女がキライなタイプやったから?
それだけなんかな?
こんな女に負けたって思ったからなんかな?

とことん醜い感情やな。
だから女ってキライなんよ。


 
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