| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歌集「春雪花」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

196




 春になれど

  われ立ち枯れて

    心侘し

 君隠しける

    濃いし夜の霧



 やっと春になり少しずつ暖かくなってはきたが、私は歳をとり…まるで草木が立ち枯れたように心まで虚しくなっている…。

 夜になれば未だ春を追い返さんとするかの様に寒くなり、まるで私から彼を隠すように濃い夜霧が辺りを覆う…。

 この歳になり思う…私に恋など分不相応なのだと…。



 痛みしも

  捨て切れぬ恋と

   思へども

 消せぬは何に

   寄り掛かるべき



 どれだけ辛くとも…手放すことの出来ない想い…。いかに許されぬと解っていても…捨てられぬ恋心…。

 そうとは知りつつ彼への恋慕を消せぬ私は…一体何に寄り掛かれば楽になれるものだろうか…。

 日々は溜め息に流れ…私の躰は時に埋没するのみ…。


 助くるものは…ありや…?



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧