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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1264話

 ナデシコが待機していたのは、俺がサセボシティに来た時と同じドッグ。
 つまり、外へ出る為には海の中を移動しないといけない訳だ。
 ……何だか最近母艦が海中を移動するのが普通になってきているような気がする。
 シロガネ、アークエンジェル、ナデシコ……それと最近は使用してないがトライロバイトも普通に海中を移動出来るしな。
 それと、メギロートやイルメヤを運用する為の艦とかも海中の移動能力を希望していたな。
 ぶっちゃけ、地球で活動する為に海中移動能力というのは必ずしも必要な訳じゃない。
 だが地球の大半が海である以上、海中で運用出来るというのはあって困るものじゃない……どころか、かなりのメリットになるのも事実。
 その辺を考えれば、出来ればあった方がいい機能ではあるんだよな。
 それに海水というのは、ある種のバリアにもなる。
 ……まぁ、シャドウミラーの艦だと、大抵EフィールドとG・テリトリーが標準装備されてるけど。
 そんなことを考えている間に、ナデシコの周囲に海水が満ちてくる映像がナデシコを通して送られてくる。
 ちなみに、俺がミロンガ改に乗っているのは、ナデシコの格納庫……ではなく、荷物搬入口の近くだ。
 まぁ、ここからしか出撃出来ないんだから、当然だろう。

『アクセルさん、ちょっといいですか?』

 ナデシコの外の映像に上書きされるように、艦長の姿が映った映像モニタが映し出される。
 こうして改めて見ると、艦長はかなりの美形なのは間違いないんだよな。
 テンカワもこの艦長を追いかけてナデシコに来たって言うし……リア充め。
 いや、俺には言われたくない台詞か。
 恋愛関係で言えば、恋人9人と同棲生活をしていて、その上で離れてしまっているが、他にも凛と綾子という2人の恋人がいる。
 その辺を考えれば俺以上に恵まれている奴が何人いる事やら。
 絶対にいないとは言い切れないが、大量にいる事はまず有り得ないと言い切れる。
 ともあれ、だ。リア充の艦長が俺に何の用なのか……

「何だ? テンカワの件で何かあったのか?」

 艦長が俺に連絡をしてくるとなれば、当然それはテンカワに関することだろう。そう思って言い返したのだが……

『何もないです。今もアキトは私とラブラブなんですから』

 きっぱりとそう言い切ると、テンカワとどんな話をしたのか、耳元で愛を囁かれたとか、そんな話を始める。
 いやまぁ、これが砂糖を吐く気持ちって言うんだろうな。
 俺も人にはあまり惚気ないように気をつけよう。

「なら、何の用件だ?」
『それでですね、アキトったら私を殺すって。いやーん、もう。アキトったら格好いいんだから!』
「……は?」

 正直、何を言っているのか分からなかった。
 いや、言ってる内容は分かるんだが、何故そこで殺すなんて言葉が出る?
 しかもそれを喜んで聞いてるとか。
 もしかしてナデシコ世界では殺すってのは、殺人的な意味じゃなくて、口説き文句的な意味での殺し文句なのか?
 Fate世界のせいで色々と原作を忘れている身だが、ガンダム関係の原作は基本的に覚えている。
 そんな中で技術的に是非欲しいという意味で、行ってみたいと思っているガンダムWの世界。
 そこでは、主人公のヒイロがヒロインのリリーナにお前を殺すとか言っておきながら、結局殺さずに恋愛的な意味で殺すという……
 もしかしてテンカワと艦長もそんな感じなのか? とふと思う。
 いやまぁ、その辺はどうでもいいとして。

「それで艦長。俺に通信を送ってきたのは結局どんな用件なんだ?」
『あ、そうでした。えっと、もう10分もしないうちにナデシコは海中を通って外に出る事が出来ます。そこでナデシコが空中に浮かんだら、すぐにでもアクセルさんは……えっと、エステバリスじゃなくて……』
『ミロンガ改だよ、ユリカ』
『あ、ありがとうジュン君。その、ミロンガ改ですぐに外に出て、ナデシコの甲板上で待機していて下さい。本来なら格納庫から出撃出来ればそんな真似をしなくてもいいんですが……』

 言いにくそうにしているのを見て、すぐにその理由に思い当たる。

「まぁ、俺の機体は元々ナデシコに搭載される予定がなかったからな。どうしても格外になってしまうか。現に、今もこうして荷物搬入口で待機してるんだし」
『すいません。その……恐らく私たちが外に出れば、そこでは連合軍が待ってる筈です』
「だろうな」

 そんな後ろ盾というか、保険がなければムネタケもああいう真似はしなかっただろう。

『こちらとしては話し合いでどうにするつもりですが、それが決裂した場合、向こうも実力行使で来ると思います。その場合、どうしても戦力的にはエステバリスよりもアクセルさんのミロンガ改に頼る事になってしまいますから……』

 へぇ、これは驚いた。
 テンカワ、テンカワとばかり言ってるから、てっきり戦力としてもテンカワの方を当てにしているのかと思いきや、現実をきちんと見る事が出来る目も持っているのか。
 もっとも、そうでもなければ艦長に抜擢されたりはしないだろうが。
 普段は天然系の性格をしているのに、いざという時にはきちんとした判断が出来るというのは、これからナデシコに乗る上で頼もしい。

「分かった、そういう事ならすぐに対応させて貰おう。基本方針は向こうと交渉してって話だが、向こうから攻撃を仕掛けてきた場合の反撃については?」
『向こうから攻撃してきた以上、ある程度の反撃は仕方ありませんが、出来れば向こうを刺激しない為にも命を奪うような真似はしないで貰えると……』
「それは……ちょっと難しいな。戦艦の類であれば無力化させるのもそう難しい話じゃないんだが、戦闘機を出してきた場合、向こうが脆すぎて一撃で撃墜してしまう可能性が高い」

 ミロンガの高すぎる性能の悪影響……といったところか。
 BETAの兵士級、闘士級、戦車級といった小型種へと攻撃しながらも生かしたままにするという程に難しくはないが、それでも中々に厳しいのは事実。

『それは……どうにもなりませんか?』
『アクセルさん、その件は私からもお願いします。ここで連合軍に犠牲者を出してしまえば、今後長く問題が起きる事になってしまいますので……どうにか出来ませんかね?』

 新たに映像モニタに映し出されたプロスペクターが頭を下げてくるが……俺に出来るのは、首を横に振るだけだ。

「悪いが、そういう事なら寧ろミロンガ改よりもエステバリスに出て貰った方がいい。小型機だからこそ、そこまで攻撃力は高くないし、物理攻撃も……」

 そこまで考え、ふととある手段を思いつく。
 いけるか? いや、だがそれでもこっちがかなり精密に動かないといけないから、神経を使う。
 俺が得意としているT-LINKシステムを使っての機体制御ならともかく、今回は自力で機体の全てを制御する必要がある。
 そうなると、間違いなく細かい動きが必要なるのは間違いない。
 それなら、テンカワに任せておいた方が良くないか?

『いや、それがですね。確かにテンカワさんはIFSがあるのでエステバリスを動かすのに問題はないんですが、そもそもパイロットとしての訓練を行っていません。どうしても上手い具合に加減というものが……』

 なるほど。IFSってのは便利極まりないものだと思っていたが、本人の感覚としてはどうしようもないのか。

「何とかなるかもしれない方法はあるが、それも絶対じゃない」
『おおっ! 何とかなりますか!』
「だから、今も言った通り絶対じゃないぞ」
『その、それはどのような方法で?』
「ミロンガ改には、いわゆるバリアの類が存在している。そのバリアを上手い具合に戦闘機に当てる事が出来れば……ただ、下手に正面から衝突した場合、それこそビームで攻撃するよりも確実に死ぬ事になるだろうが」

 バリア……つまり、壁に正面からぶつかるのだから、その時のダメージがどれ程のものかというのは、想像するのも難しくはないだろう。
 余程の幸運がない限り、即死すると思ってもいい。
 ……まぁ、サセボシティでの戦いでも死者はいなかったんだから、この世界特有の運の良さとか、そういうのはあるのかもしれないが。

『そのような真似を……その、出来れば他に手段はありませんか?』

 困った様子のプロスペクターに、首を横に振る。
 これがニーズヘッグであれば、ファントムでどうにかなるんだが……ミロンガ改だとこれが精一杯だ。

「悪いな、この機体だとこれが精一杯だ。もしどうしても殺したくないなら、俺の機体が出た時点で向こうに降伏勧告を送った方が手っ取り早いと思うぞ。向こうだって、サセボシティでの戦闘は把握しているんだろうし」
『……分かりました。艦長、いざという時はテンカワさんにお願いするしかないんですが、大丈夫でしょうか?』
『アキトならきっと大丈夫です!』

 何か根拠がある訳でもないのだろうが、それでもテンカワなら何とかなると信じている艦長の言葉。
 ……ここまで無条件で期待されると、それに応えなきゃいけないって気持ちになるだろうし、テンカワが微妙に可哀相に思えるのはきっと俺だけじゃない筈だ。
 そんな風に考えていると、映像モニタの向こう側からハルカの声が聞こえてくる。

『艦長、ドックの注水が完了したわ。いつでも出られるわよ』
『分かりました、では出発しちゃって下さい! もし何かあっても、きっとアキトが私を守ってくれます!』

 いや、守るのは艦長じゃなくて、この艦、ナデシコだろ?
 そんな風に思うも、きっと艦長にとってはナデシコと自分はイコールで結ばれているんだろう。
 実際、艦長という立場から考えれば、決してそれは間違っていない。

『馬鹿ばっか』

 そんな声がボソリと聞こえてくるが、これは確か……ルリとかいう子供の声だったな。
 ああ、いや、子供じゃなくて少女か。

『はいはい、じゃあ出発するわ。いいのよね?』
『ええ。大丈夫です!』

 そんな声と共にハルカがナデシコを動かしたのだろう。艦体が微かに揺れたのを感じる。
 さて、後は外に出たら速攻艦の外に出て、連合軍が来ないように祈るしか俺には出来ないな。
 いざとなればミロンガ改の力でどうとでも出来るとは思うんだが……
 そしてナデシコの外の映像が映されている映像モニタには、海中が映し出されている。
 そのまま数分が経ち……やがて海面へと浮上し、そのまま空中へと浮かび上がっていく。
 それを確認し、荷物搬入口を開けて貰おうとした、その瞬間。
 轟っ! という音が聞こえてもおかしくない程の巨大なビームがナデシコの先端を掠めて通り過ぎていく。
 ……どうやら向こうの方がこっちよりも行動が早かったか。
 映像モニタに映し出されたのは、5隻の戦艦。
 その戦艦がナデシコの方へと向かって急速に近づいてきている。

「どうする? もう狙いを付けられている以上、こっちがおかしな動きをすれば間違いなく撃ってくるぞ?」

 ブリッジに通信を送って尋ねる。
 実際問題、ミロンガ改とまともに戦えば向こうが不利なのは明らかだ。
 だとすれば、ミロンガ改を出撃させないという手段を取るのが最も簡単で確実な方法だろう。
 連合軍にもそれなりに頭の切れる奴はいるらしい。
 ただ……その考えはあくまでもこの世界の常識に当て嵌めてのもの。
 最悪、ミロンガ改はEフィールドとG・テリトリー、ブレイズ・ルミナスのおかげで三重のバリアがある。
 ナデシコが爆散したとしても、恐らく問題なく生き残る事は出来る。
 まぁ、ナデシコが撃破されないのがベストの選択肢なのは事実なんだが。

『アクセルさん、出撃はちょっと待って下さい。向こうの出方を見ます』
「分かった」

 だろうな。ナデシコの取れる選択肢は今のところそれしかない。
 正面から戦えばナデシコの勝ちは揺るがないだろうが、それはネルガルも許容出来ないだろう。

『ユーリーカー! 久しぶりだね、元気だったかい!?』

 そんな声が聞こえてくる。
 映像モニタはこちらに流れてきていないが、声だけは普通に聞こえてくる。
 この言葉遣いから考えると、多分艦長の知り合いとかなんだろうけど……

『お父様!? ……これはどのようなつもりでしょう?』
『私もこのような真似はしたくないのだが……サセボシティでの戦いを見れば、連合軍としてこのような手段に出なければならないのは分かって貰えるだろう? いや、それにしても元気そうでよかった』
『いやいやいやいや、少々お待ち下さい。困りましたなぁ、ミスマル提督。ナデシコはネルガルが私的に使うと前もって契約をしてあった筈です』
『安心したまえ。我々が欲しているのはナデシコではない。ナデシコは君の言う通り、ネルガルが私的に使えばいい。だが、あの巨大な機体は話が別だろう?』
『いえいえ、あの機体もネルガルが開発した機体ですから。ナデシコの戦力として使う予定なのですよ』
『ほう? その割りにはナデシコの規格に外れているという情報も聞こえてきているが?』
『それは多少の手違いというもので……』

 見るからに膠着状態。
 ……さて、これからどうなる事やら。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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