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黒を纏う聖堂騎士団員

作者:櫻木可憐
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15.未完成の魔法陣

ガールズトークとは始まるとキリのないもので、特にゼシカははりきる。
作者が何せガールズトークが苦手なものですから、クロノスも苦手らしい。
まあ男まみれなマイエラ修道院でガールズトークはできませんし。

「で、ククールとマルチェロのどっち?」

「二択かよ」

「じゃああの辺の団員のハゲ?」

あくまでハゲネタ。モブキャラまでハゲ。
DQ8のハゲ率は聖堂騎士団があげているはずです!
モブキャラハゲ、ニノたんハゲ、マルチェロM字ハゲ。
ククール、危ないフラグたちまくり。

「マルチェロは人気のない教師に見える。
ククールはチャラい高校生男子に見える。」

「クロノス、的確すぎて怖いわ」

こうしてガールズトークに終わりを告げた。
甘い話はなしかよ、と読者に言われそうだがマルチェロとクロノスにまだフラグが立ってない!!
頑張れマルチェロ!!頑張れクロノス!!






火花を散らす例の二人はとうとう剣を持ち出した。
そんな光景をククールは泣きながら眺めるしかない。
こんなとき、女性は強いのだが今いない。
ククール、女になりきれ。

「オレのために争わないでくれ」

「誰が貴様のために争わねばならん!!」
「誰がククールのために争うのさ!!」

「・・・・・・」

ククールの精神は粉々にやられる代わりに、二人は冷静になれたようです。
沈むククールを見向きもせずに話し始めました。
大丈夫だよ、ククール。
話に出てこないヤンガスより優秀だから。

「はぁ、僕が大人になり意地を張らなければいいんですね。大人だから。
それにククールより役に立ちそうだから」

「ふん。で、なんのようだ」

「見てほしい魔法陣があります。」

エイトは床一面に紙を並べ始める。
線が引かれた後があり、紙はその線が繋がるように置いていく。
ゼシカの家にある資料のようで、マルチェロもククールも知らないものまである。
出来上がった魔法陣はたいしたこともないザオリク用の魔法陣。

「この紙を配置を変えずに裏返しにすると・・・」

エイトは冷静に位置を動かさないように紙を裏返しにする。
次に現れた魔法陣はククールもマルチェロもはじめて見るものだった。
大きな丸の中に十二角形がある魔法陣。
そんな形の陣があることすら知らなかったマルチェロはちょっと感動したらしい。
真顔なので誰もそんな感情に気づかないが。

「見たことありますか?」

「ない。機能する魔法陣であるかすらわからん。
十二角形が中にある魔法陣自体がはじめて見た。」

「普段僧侶は使わないけどせいぜい七角形がいいとこだぜ?
つか、この資料なんだ?」

「あぁ、これ?ゼシカの家にあるラプソーンに関する資料。
七賢者の何人かが残した品らしいよ。
単に好奇心で調べてたんだ。
倒した敵について資料や伝承について知らないって非常識だろ?
そこで調べてたら気づいた。
いくつかの資料に似たような図があったから、書を分解してページ順に左から6×6で並べて図を結んだんだ。
1ページに図が複数あればそうじゃないものまで。
はじめはザオリクの魔法陣が出来た。」

「そこからよく裏返しを思い付いたな。
ククールより優秀だ」

「悪かったよ」

「・・・・・・一つ謎が解けると人は満足する。
そこにもう一つ謎が隠せるんですよ。
裏をかえすって言うじゃないですか。それです。」

資料に十二角形の魔法陣を隠した七賢者に拍手。
書く方が苦労します!!
普通隠せません。ページが6×6じゃあ足りないから。
どんだけ詰め込んだのか不思議でなりません。
試しに紙を持ってきて・・・再現したくありません。
大丈夫、ファンタジーですから。

「で、エイト。これどうすんだよ。
何か分からないと使えないじゃん。」

「貴様、わからんのか。僧侶のくせに。
自称僧侶だったのか」

「マルチェロ、なんなんだよ!!
美形のオレに冷たいとブスになるぜ!
ハゲ増すぜ!!」

「はぁ・・・・・・ククールは相変わらずバカだね。
この魔法陣、不完全なんだよ?」

「へ?」

そりゃそうですよ。
読者からして見れば不完全なんて分かりませんから。
ククールは代弁してくれたのです。
本日のククール、一番いいシーンは多分ここ。

「ザオリクもそうだけど、魔法陣って文字が書いてあるじゃん。
この魔法陣は形だけでそれがない」

「じゃあこの表がザオリクなんて証拠もねぇじゃん。」

「目で見る証拠はないけど、マルチェロもククールもゼシカもこの魔法陣をザオリクって言った。
それが証拠にならない?人を呼び戻す魔法陣なんだから似たようなのいっぱいないし。
ザオ、ザオラルと似てても仕方はないけど」

・・・ザオはDQ8にありませんがね、エイトくんよ。
とてつもなく大事な話なんですが、ツッコミを忘れない気持ちを持ち続けましょう。

「ってことは七賢者の血を引くオディロ院長がいたこの場所に来て、その魔法陣に関することを探すため?」

「そう。一度調べたら調べたいじゃん。
ククール、手伝ってよ。
マルチェロさんはなんか探すんでしょ?僕、手伝わないから」

すっかり嫌われたマルチェロ。
かわいそうに。顔が悪人でちょっと殺人しただけなんですがね。
ちょっとだけ。
エイトはククール、マルチェロの許可なしに資料をあさりはじめました。
なんて悪い子。
勇者が壺割り、樽割り、箪笥開けが定番なのはわかりますが、あなたは元勇者です。
それよりククールはマルチェロの様子がおかしいことに気づきました。

「兄貴?どうしたんだ。
再会してから気になっていたが、なんか張り合いなくない?
一気にテンション下がるし。」

「・・・・・・ラプソーン。赤と青。
ザオリク・・・・・・裏返し・・・」

マルチェロは目に覇気を取り戻しました。
その目は何か遠くを睨み付けながら・・・ 
 

 
後書き
次の話に行く前に考えてみよう。
何の魔法陣か・・・そのヒント。
見たくない人は下げずに。





























































裏返すのは資料だけではない。 
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