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サラリーマンヒーロー

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第三章

「それでどのヒーローも大抵五時から活動するよな」
「ああ、猛牛仮面にしてもな」
「勇者仮面とかもな」
「日曜とかは全然出ない時多いな」
「いつもアフターファイブに出て来てな」
「ビルの間を飛んだり五十CCのバイクとか自転車で来るな」
 実に庶民的にだ。
「軽四とかな」
「まあナンバーはわからないのはいいとして」
「確かにどのヒーローも夕方だな」
「五時以降の出て来るな」
「そうだよな」
「どうしてだろうな、しかもな」
 さらに言うのだった。
「どのヒーローも悪い奴倒したらすぐにどっか行くな」
「そうそう、ヒーローらしくな」
「風と共に消えるな」
「まるですぐに家に帰るみたいに」
「そうしてくるな」
「サラリーマンみたいだな」
 こうした指摘が出た。
「何かな」
「あっ、確かにな」
「そんな感じするな」
「サラリーマンが仕事帰りにする」
「そんな感じの時間帯で出方だな」
「帰り方もな」
 そうしたこと全てがというのだ。
「不思議だな」
「そうだな、言われてみれば」
「皆そうだな」
「普通ヒーローって何処でも出て来てな」
「何時でもな」
「ところがな」
 それがというのだ。
「猛牛仮面もどのヒーローも登場が五時以降」
「絶対にな」
「それから出て来るな」
「あと帰るの早いな」
「八時か九時だな」
「それから遅くなることないな」
「滅多にな」 
 こう話されるのだった。
「五時以降になる時もあるな」
「残業みたいにな」
「しかもとにかく九時までだな」
「時間に気付いたのか慌ててな」
「悪い奴やっつけて帰る時もあるしな」
「サラリーマンみたいだな」
 こうした言葉が出た。
「アフターファイブの」
「ああ、確かにな」
「そんな感じだよな」
「どのヒーローもな」
「猛牛仮面に限らず」
「サラリーマンの仕事帰りの余暇みたいだな」
「そのままじゃないのか?」
 巷で言われていた。
「どうもな」
「これって何でだろうな」
「服もな」
「全員スーツだしな」
「サラリーマンが仕事で着るみたいな」
 ヒーロー達のスーツのことがここで話された。
「昭和三十年代のヒーローみたいな格好だけれど」
「それも全員」
「月光仮面とかアラーの使者みたいな」
「それか七色仮面だな」
 この話は六十代以上の市民達が言っていた、ここで若い人達はよく何だそのヒーロー達はとネット上でも突っ込みを入れた。
「全体的に古いんだよな」
「そのセンスが」
「今一つ地味っていうか」
「鮮やかなヒーローじゃないな」
「そのままサラリーマンが仕事帰りにしてる」
「そんな感じのヒーローばかりだな」
 こうしたことを言われる、そして。
 ヒ-ロー達もだ、何時しか知り合い同士になっていて。 
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