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新オズの腹ペコタイガー

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第十二幕その六

「それは自分で行くからね」
「そうするんだね」
「じゃあ前足のことは有り難うね」
 このことにお礼を言ってです、そして。
 ヤマアラシは皆と別れてそのうえで眼鏡屋さんに行きました。そして。
 ここで、です。トロットは皆にあらためて言いました。
「それじゃあね」
「うん、今からあらためてね」
「都に戻ろう」
「そして都に帰って」
「カレーだね」
「カレーはシェフの人達が作ってくれるから」
 このこともです、トロットはお話しました。
「まずはね」
「そう、寄り道せずに都に帰って」
 腹ペコタイガーが応えます。
「皆でカレーを食べようね」
「ええ、行きましょう」
 トロットは皆に応えてでした、そのうえで。
 皆で都に戻ります、そして。
 都に着くとです、腹ペコタイガーはにこにことして皆に言いました。
「さあ、早く宮殿に戻ろう」
「何か腹ペコタイガーさん今は」
「うん、もうカレーを食べたくてね」
 舌なめずりしながら恵梨香に言うのでした。
「仕方ないよ」
「そうなのね」
「ちゃんと朝も食べたけれどね」
 それでもというのです。
「もうお腹が空いて仕方ないよ」
「そこまで食べたいのね」
「そうなんだ」
「じゃあまずはね」
 モジャボロが腹ペコタイガーに言いました。
「王宮に入ろう、ただね」
「ただって?」
「カレーは晩御飯になるよ」
「ああ、作る時間があるからね」
「お昼にとはならないよ」
 帰ってすぐに食べられはしないというのです。今皆が来た時間は朝です。丁度十時になろうかという時です。
「君にとっては残念だけれどね」
「まあそうだけれど晩に食べられるのならね」
「それでいいんだね」
「うん、それでね」 
 こうモジャボロに言うのでした、そして。
 皆で都に入ってです、そこからすぐに王宮に戻りました。五人が王宮に戻るともう他のパーティーの面々は戻って来ていて。
 丁度十時のお茶を飲んでいてです、皆で迎えてでした。
 そのうえで、です。オズマが皆に言いました。
「お帰りなさい」
「ええ、今戻ったわ」 
 トロットがオズマににこりと笑って応えます。
「お待たせ」
「待ってはいないわ」
「そうなの」
「暫く皆で楽しんでいたから」
 こう言ったのでした。
「待ってはいないわ」
「そうなのね」
「それでそっちはどうだったのかしら」
「どうだったって?」
「旅よ、貴女達のね」
「そのことならね」
 トロットは旅のことになると笑顔になって応えました。
「お話出来るわよ」
「そうなのね、じゃあお茶を飲みながら」
「お話をするのね」
「そうしたいけれどいいかしら」
「わかったわ、けれどその前にね」
 オズマはここでもにこりと笑ってです、トロット達に応えました。
「五人共お風呂はどうかしら」
「そこで身体を奇麗にして」
「そう、そして服も着替えてね」
 そうしてというのです。
「それから皆でお話しましょう」
「お茶を飲んでそして」
「お昼も食べてね」
 そうしつつというのです。 
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