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Blue Rose

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第一話 植物園でその六

「優花はまた極端よ」
「女の子的過ぎるんだ」
「それも最近特にね」
「女の子みたいなんだね」
「不思議な位ね、けれどね」
「けれど?」
「優花は優花だから」
 優花に対して言った言葉だ、優子は姉として彼を落ち着かせる為にこう言ったのだ。
「そのことは変わらないわ」
「僕は僕なんだ」
「じゃあ他の誰になるのかよ」
「ううん、そう言われたら」
「そうでしょ。優花自身そう思うでしょ」
「そうだよね、僕は僕だよね」
 優花は姉の言葉に頷いてから答えた。
「やっぱり」
「そうよ、私の弟よ」 
 こうも言うのだった。
「そのことは変わらないわ」
「何があっても」
「だから安心してね」
「うん、じゃあね」
「そういうことでね。あと明日はね」
 日常の会話を選んだ優子だった、ここで。
「姉さんお休みだから」
「だからなんだ」
「そう、お料理も作るわね」
「ううん、姐さんのお料理は」
 姉のにこりとした言葉にだ、優花は微妙な顔になって返した。
「お金がね」
「かかるっていうのね」
「上手だけれど」
 優花に料理を教えたのは優子だ、両親は彼が幼い頃に事故で亡くなっておりずっと姉一人弟一人で暮らしてきた。優子がその中で彼に教えたのだ。その腕はいいのだ。
 しかしだ、その費用はというのだ。
「僕の倍位使うじゃない」
「その分は稼いでるわよ」
 医師として、というのだ。
「安心しなさい」
「稼いでいてもね」
「節約しないと、っていうのね」
「そうだよ、お金は大事だから」
「お母さんみたいなこと言うわね」
「そうかな」
「ええ、死んだお母さんもね」
 まさにというのだ。
「そんなこと言ってたわ」
「そうだったんだ」
「よくね、優花はお母さん似ね」
「じゃあ姉さんはお父さん似?」
「何でそうなるのよ」
「だって僕がお母さん似っていうのなら」
 もう片方の親はもう一人の姉弟だというのだ。
「そうなるじゃないかってね」
「よく男勝りとか言われるけれどね」
「じゃあやっぱりそうなんじゃないかな」
「違うわよ、多分ね」
 優子は弟にいささか自信なく返した。
「これでも彼氏もいるでしょ」
「だからなんだ」
「私もお母さん似よ」
「じゃあお父さんは?」
「さあ。何処かに入ってるでしょ」
「何かお父さんは弱いね」
「父親は案外そうかも知れないわね」
 こうした話を二人でしながらだった、優花はこの日は姉と一緒に夕食を楽しんだ。そしてその次の日だった。
 体育授業の前にだ、優花は。
 更衣室で制服のズボンを脱いでトランクスの上からジャージを穿こうとした。体育の授業の時の体操服に着替えていたので。
 その時にだ、クラスメイト達は彼の足、手や胸のところを見て言った。
「蓮見の足奇麗だな」
「毛がないな」
「女の子みたいな足だよな」
「ああ、胸毛とかもないしな」
「うん、毛はね」
 体毛についてだ、優花自身も言う。 
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