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GOD EATER STUDIUM

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第一部
第三章
  VSヴァジュラ

 
前書き
リザレクション懐かしいな。やっぱりリンドウさんカッコいいわ。

ってことで続きです。ちょっとタイトル詐欺っぽいとこあるんですけどすみません。 

 

第三章 VSヴァジュラ



「よーし、今日はこれぐらいにするか、アリサ」

白いフェンリルのジャケットを纏った男性は、同じく白いフェンリルの制服を着ている女性に声を掛けた。彼女は帽子をかぶっており、髪の毛は綺麗な銀髪をしている。

「そうですね。ここもだいぶ資源が届くようになりましたね」

アリサと呼ばれている女性は、周りを見渡す。ここはアナグラから遠く離れた地。サテライトの候補地と定められてから、今では対アラガミ装甲壁も設置され周りを囲むように備わっている。中央には昔の村みたいのものがあり、そこは人々でにぎわっている。現在では、サテライトの対アラガミ装甲壁の更新とアナグラ(フェンリル極東支部)からの物資の通路の確保が進められている。

『リンドウさん、アリサの姉ちゃん! 今日、前植えた作物が収穫できたの。みんなでたべましょ』

少女が二人のもとにやってきて、笑顔で収穫した果物や野菜を見せる。

「おお、これは旨そうだな。これでビールでもあれば最高だな」

「リンドウさん。またビールってあまり飲み過ぎるとサクヤさんに怒られますよ」

リンドウは頭を掻く。

「そろそろいったんアナグラに帰るころか」

「ただ、ビールが欲しいだけじゃないですか。でも、サクヤやんや息子さんに会いたくなったんなら素直に言えばいいと思います。

リンドウはまた頭を掻く。今度は少し照れくさそうに



実施訓練から間もない時、まさかこんなにも早くルーキーたちが初陣するのか。どんな活躍をする? 誰が引率するか。などと俺らの初陣の話しでアナグラは埋め尽くされている。もちろん、期待の新人たちの初陣ということはこれからにつながる大事なことで、死なれるわけにはいかない。しかし、これだけの話題性があるのは、天海ルイの初陣に注目が集まっていることが一番の原因だろ。研究員の誰もがその驚異的な適合率に驚愕している。
現在の装備も天海ルイに適応する装備が作られたらしい。リッカさんによるとアラガミ自体がレア個体でブラットと言うゴッドイーターの精鋭部隊などでしか倒せないアラガミらしい。最近は、極東支部付近に現れなくなっているが驚異的な力を持っているらしい。
武器の名はゲフィオン。

天海ルイ 期待の新兵

刀身 チャージスピア ゲフィオン
銃身 ブラスト ドラウプニル
装甲 バックラー ゲリーフレキ
強化パーツ ???
      ???

極東支部ラウンジ。ここは神機使いの憩いの場である。厨房を取り囲むカウンターを中心に左手にはビリヤード台と本棚などが設置してある。反対の右手には、ピアノ、ソファー、テーブル、大型液晶モニターがある。

「はあ、羨ましいよな。俺らと同期なのにこの扱いの違い。これ見たら泣けてくる」

ユウトは配られたプロファイルにあるルイのページを見てため息を吐く。俺も一緒にソファーに座って同じく配られたプロファイルを覗く。ペラペラと流し見程度で済ましている。
俺からしたらユウトさんも大概だと思う。

「ユウトさんだっていいですよ。先輩たちがお古になろうともあの武器を新米兵が使えるだけ十分だって」
 
そういいながらページをめくる。するとちょうどユウトさんのページだった。

坂之上ユウト

刀身 ブーストハンマー シロガネ槌型
銃身 スナイパー ステラスウォーム
装甲 タワーシールド シロガネ壁盾型
強化パーツ トリガーハッピー
      ???

説明を読んでも十分だろ。これ、元第一部隊、橘サクヤ(旧姓)が使用していた銃身を元に改良を加えたもの。って、橘サクヤって誰だろ? ターミナルで調べたらわかるかもだけどいいや。

「やっぱり十分だって。シロガネ系統の武器も強力って書いてあるし」

「当たり前だって一応、俺お前らの同期で二番目だ。後、さん付けるのと敬語やめろ。歳は上でも同期だし」

やっぱり実力順でいうとこの人も相当やばいはず、それを上回るルイはもはや神か。いや、神なき時代に何を大袈裟なこと言っているのか。

「でも、最近、サキも随分と神機の扱い上手くなったんじゃね。誤射もだいぶ減ったじゃん」

「そうかな? 一応毎日イメトレしてるから」

ユウトが呆れた顔をする。なにか変なこと言ったかな?

「神機使って他の連中や俺は、居残り練習してる中、サキはイメトレで強くなっているのか」

少し嫌味に聞こえて嫌だった。しかし仕方ない、俺だって居残り練習したいけど、リッカさんに止められるし、神機をまだ上手く使いきれてないせいでもあるけど。

「そっか。みんな努力しているのか。当たり前だけど。このままじゃ置いてきぼりになるな」

「最近はルイちゃんも来てるぜ。神機変わってから」

その言葉がぐっと心に刺さった。まさかのルイも努力家だったとは。ゴッドイーターはだれもが多かれ少なかれ努力をしていることを痛感した。あの才能のルイまでもが

「でも、ルイちゃんって前のことあって以来、ずっと一人だよな。もう誰も見ても騒がないし、今では憎まれ役だし。そうした俺が言うのもあれだけど」

「初めての実地訓練の時のやつ? 俺なかなかみんなと同じメニューでしないか一緒にならなくて知らないけどそんなに?」

実地訓練移行、俺はみんなと違うメニューで訓練することになった。たぶん、そこでの成績が悪かったのだろう。仕方ない、自覚していたことだし。でも、その後も実地訓練だけはみんなと同じように数回こなしたが完全に二班に分断されていて、ルイとは受けたことがないから、そこらへんは全くの皆無だった。まあ、俺はコウタさんと受けれたからそれどころじゃなかったけど。

「いいさ、お互い頑張りましょう」

ユウトはそういうとソファーから立ち上がった。

「んじゃあ、俺部屋戻る。新しくなったルームメイトと今日はトランプする予定だし」

もちろん女子も来るんだぜ。などと嬉しそうだ。確かにアナグラの女性陣のレベルは高めだしな。

「あ、俺も部屋変わったんだ。やばいまだ荷物運んでないや」

ここでは、ここ極東支部では、見習い状態、言わば実戦にでられないゴッドイーターたちは見習い部屋という三人一部屋のところに止まっている。そこから実戦に参加できるゴッドイーター。今の俺の様に実地訓練などの訓練課程をすべて終えたものはその場から、二人一部屋の新人エリアに移動することになる。そこから実績を積んだものが、ベテランエリアに移動していく。そこは一人一部屋の個室が設けられる。部屋の移動は、階級発表時から3日間で行わなければならない。そして今日がその三日目。

「部屋の荷造りは昨日に終わってるからあとは移動させるだけと」

『そっか。サキ今日向こう行くのか。寂しくなるかも。そのうち俺らもそっち行くから。その時はよろしくな。』

「じゃあな。今度は会う時は戦場だな」

手を振って、自分の部屋を出て、自分の部屋を探す。俺の部屋はX04号室。
そういえば、ルームメイト誰か確認し忘れていたな。まあ会ったらわかるか。
部屋に着き、あらかじめに渡されていた鍵で部屋に入る。部屋は3LDKで一つの部屋は共同で、もう二つの部屋がお互いのプライベート空間になっているみたいだ。共同部屋には、液晶テレビ、ソファー、机とシンプルなものだけそろっている。キッチンは、冷蔵庫等がある。だいたい全部6畳程度である。

「結構、快適そう。これならゆっくりできそうだ」

お風呂場が使用中になっているといことは、ルームメイトは今、お風呂のようだ。こっちは勝手に自分の部屋に入らせってもらいます。取り敢えず、右手の扉を開ける。

「ビンゴ、こっちの部屋が俺のプライベートスペースか」

部屋の中には、ベッドとタンス、ターミナルがあるだけ、窓にはカーテンしてある。昼間だというのに電気をつけないと薄暗い。
取り敢えず、荷物を置く。ルームメイトが風呂を上がるまで暇なので、ベッドに横になる。そして、さっきのプロファイルを意味もなく読む。

「電気つけよう」

ベッドから立ち上がると部屋にノックの音がする。タイミングよくお風呂を出たらしい。そして扉を開ける。

「こんにちは、天海ルイです。これからよろしくお願いします」

え、ひと時、時間が自分の中で止まった。

「では、失礼します」

ルイはそう言って自室に入る。俺はただ茫然として帰るルイの姿を見ていた。扉の閉まる音が聞こえてやっと時間が動き始めたような気がする。



フェンリル極東支部、エントランス。ここはミッションの発注、受注などが行える。一階と二階に分かれており、一階にオペレーターがいて右隣によろず屋がある。二階には中央に出撃ゲートがあり左手にラウンジへと続く扉がある。出撃ゲートの近くにはターミナルが左右二つ存在する。
指示通りにミッションの受注を済ませる。

「お疲れ様です。今日が初陣で緊張しているかもしれませんが頑張ってください」

今日がついに事実上の初陣となる。ミッション名はカウボーイ? 対象アラガミはオウガテイル。てっきり中型や大型のアラガミとの戦闘になると思っていたが予想外だった。今日のオペレーターはヒバリさんか今日も綺麗なお姉さんって感じだな。

『今日の引率を担当する者だ。君が作楽サキか』

「はい」

確りとした体の男性だ。フェンリルの制服をしっかりと着こなし、見下すように見つめてくる。初見の雰囲気、嫌な感じ。それに少し不機嫌。

『今、何時だ。もう一人はすでに15分前に来ているぞ』

すぐさま時計を見る。時間は一応、開始の5分前。

「すみません」
『これだから腑抜けたガキの子守は嫌なんだよ。外面だけは一人前の顔しやがって。ほら、いくぞ』

全く持っていやおじさん。でも階級はどうやら曹長クラスらしい。
無言でついていく。すると出撃ゲートの前にはルイがいる。

『よし、そろったし、行くぞ』

まさかの初陣はルイと一緒? 俺はオウガテイルを一体でも倒せるかな?



嘆きの平原。巨大な竜巻が中央で渦巻いている。中央はクレーターとなっている。都市部だったことが嘘のような平原。今回のミッションはそこに潜伏しているオウガテイル4頭の討伐だ。

『ブリーフィングは必要ねぇ。どうせ、オウガテイルなんぞ倒し慣れてるだろ。とっとと行って倒して来い』

「失礼ですが、引率の方は放棄されるのですか?」

ルイが凛としてそう言った。曹長はルイを睨みつける。

『かしこまった言い方するじゃねぇか。その通りでございます。わかったなら行け』

「わかりました」

ルイはそう言って車から降りて行った。俺も続くように降りて行った。

「さっきの人本当にゴッドイーターか。俺が見てきた人たちと比べると随分と優しくないな」

ルイに話しかけるが無視。いつものことなのだか、辛い。ルームメイトであっても挨拶だけで、コミュニケーションが全く取れない。

「なあ、今は仲間なんだから、少しは俺の話し」

「静かして」

話しを遮るようにルイが言う。そして腰をゆっくりと落とす。見てわかるこれは、近くに敵がいたということだ。俺もそっと腰を落とす。

「前方に複数のオラクル反応感知。この大きさは、オウガテイルのものとだと思われます。どうかご武運を」

無線からオペレーターの声が聞こえる。戦闘開始だ。
打ち合わせもなく、俺とルイは走った。少しするとオウガテイルの群れが確認できた。ルイが銃フォームにして速度を落とす。どうやら俺が先行してルイがバックアップするらしい。こちらとしても願ったり叶ったりだ。

「正直、銃よりも俺はこっち派なんだよな」

声をあげながらオウガテイルに切りかかる。1匹目を二刀で仕留める。ルイは俺の背後に回ろうとする敵を銃撃する。
これは助かる。やりやすすぎる。まるでベテランのゴッドイーターと組んでいるみたいだ。これが背中を預けるってことか。
俺も負けじとオウガテイルに切りかかに行く。2匹目は尻尾で攻撃してきたがジャンプで避けて空中捕食をする。

「行くぜ、神機解放」

俗に言うバースト状態というもの。捕食モードで相手に喰らいつくことによりオラクル細胞を取り込み自身のオラクル細胞を活発化せる。身体機能の向上をさせる。
そのまま切り倒す。さあ、3匹目と行こうとしたときにはもうルイが片付けていた。二人でアラガミのコアを回収する。ほんの数分で事が片付いてしまった。

「流石、期待の新人ですね。お疲れ様です。帰投準備までもう少し時間がかかります。それまでに資源等の回収をお願いします」

「だとさ。それにしてもルイってすごいんだな。なんかベテランと組んでいる感じだった」

ルイは自分の神機をただ見つめていた。その顔は少し嬉しそうで、俺の想像しているルイとは別人に見えて声を掛けるのを止めた。

「緊急連絡! 強いオラクル反応を感知。早い速度でそちらに向かっております。即刻、2名とも撤退してください。繰り返します」

急に無線からオペレーターからの指示が飛んでくる。繰り返していることをよく聞く。強いオラクル反応。大型か?

「ルイ聞いたか。大型のアラガミが来るみたいだ。俺たち新米兵は身を引こう」

「……もう遅いわ」

ルイは臨戦態勢で神機を構えている。俺もルイの目線の先に目をやる。
……最悪だ。ヴァジュラだ。目線の先には虎に似た養子をしているがそれとは比べ物にならない大きさで。今にも俺らを食べようとしているか。よだれが垂れている。背中からはマント状の器官が生えている。これが一人前への最後の階段。
 
 

 
後書き
やとやとここまで来た。

続きはいつになるか。できるだけ早く書きます。 
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