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新オズの腹ペコタイガー

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第九幕その十

「好きなだけ持って行っていいから」
「それじゃあ」
「エメラルドもいいんだけれど」
「ええ、それは貰ってね」
 オズマはミシェルさんにそのエメラルドを差し出して言いました。
「私からの気持ちだから」
「なら気持ちを頂きます、今から冷凍庫まで案内します」
 こうしてでした、皆は冷凍庫のところまで案内してもらうことになりましたが。木樵はお空のお日様を見て言いました。
「丁度ね」
「あっ、もうね」
「お昼だよ」
「じゃあお昼御飯を食べましょう」
 オズマはこう木樵に答えてです、ミシェルさんに声をかけました。
「貴方もどうかしら」
「お昼ですね」
「ええ、どうかしら」
「席だけ一緒にさせてもらいます」
「それだけなの」
「女房が作ってくれたお弁当がありますから」
 それを出しての言葉です。
「それを食べます」
「そう、じゃあね」
「はい、席だけ一緒で」
「それで、なのね」
「そうさせてもらいます」
「それじゃあね」 
 こうお話してでした、そのうえで。
 皆でお昼を食べました、オズマ達はテーブル掛けから出したものを食べて木樵は皆の笑顔を楽しみました。そしてです。
 また歩いて冷凍庫のある木造の建物の中にいました、そしてミシェルさんが冷凍庫の扉を開けますと。
 そこにはお肉が一杯ありました、ビニールに包まれたそれが。ミシェルさんはその肉の塊達を指差して言いました。
「これを好きなだけ持って行って下さい」
「この冷凍庫は実は中にどれだけでも入るの」
 オズマがナターシャに冷凍庫のことをお話します。
「それこそね」
「どれだけでもですか」
「そうなの、それも取ろうと思ったら」
 その時はというのです。
「古いものからどんどん先に出てね」
「お肉を無駄にしないんですね」
「だから賞味期限のことも気にしなくていいの」
「凄い冷凍庫ですね」
「オズの国の冷凍庫だから」
 それでというのです。
「そうした風になっているのよ」
「そうですか」
「そう、だからね」
 それでと言うのでした。
「今から皆でお肉を入れましょう」
「それじゃあ」
「このバスケットボックスは保温も出来るからね」
 木樵がナターシャにそのことをお話しました。
「お肉を凍ったまま都まで持って行けるよ」
「それじゃあね」
「そう、行こうね」
 こうお話してでした、そのうえで。
 皆で、でした。バスケットボックスの蓋を開けてお肉を入れていきました。本当にお肉はバスケットボックスの中にどんどん入ります。
 そしてもうどれだけ入れたのかわからない位になってです。オズマは皆に言いました。
「これ位でいいわ」
「これだけあればですね」
「ええ、充分な量よ」
 カレーの中に入れるにはというのです。
「宮殿の皆がお腹一杯食べるだけのね」
「量がありますね」
「そうですか、じゃあ」
「これでいいわ」
「それじゃあですね」
「ええ、これを持って都まで帰りましょう」
 こう言うのでした。
「それじゃあね」
「はい、わかりました」
 こうお話してでした、皆でです。
 ミシェルさんに別れの挨拶をしようとしました、ですがここで。
 ミシェルさんは皆にです、こう言いました。 
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