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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1217話

 マーズゼロの中を彷徨いながらBETAを倒し続け、進行方向は適当に……と表現するとちょっとアレだが、そんな感じで進み続ける。
 幾つものホールを突破し、降り注ぐ戦車級を消滅させ、ニーズヘッグを見つけると無条件で突撃してくるBETAを仕留めながら進んでいくと……やがて行き止まりのような場所へと到着する。
 それでも、そこを単純な行き止まりと認識しなかったのは、壁となっている部分が幾つもの部品が集まっているかのような、見るからにこの先に何かあります的な存在だった為だ。
 これは、もしかして……

「門、か?」

 知らずと口から出た呟きだったが、自分でも不思議な程にその言葉に納得出来るものがあった。
 そう、多分これは奥に……このマーズゼロというハイヴの重要な場所へと続いている門なのだと。
 だとすれば、どうやってか門を開ける必要があると思うんだが……そう思って周囲を見回してみても、当然ながらその門を開ける為のスイッチのような物はない。
 いや、門から離れた場所に意味ありげに出っ張ってる部分があるが、そもそもBETAに機械とかそういうのがある訳がない以上、あったとしても全く別の何かだろう。
 BETA……か。だとすれば、生体組織的な何かか?
 だがBETAにしか開かないようになっているとすれば、ニーズヘッグでこれを開けるのは難しい。
 あるいはBETAの生体認証とかそういうのであれば、BETAの死骸や生きているBETAを捕獲してくれば大丈夫か?
 そんな風に思うものの、確実性が低いかもしれないという思いはある。
 だとすれば……やっぱりこれをぶち抜いて破壊してしまった方が早いか?
 一応、念の為にとマリューに聞いてみるか。
 本来であればハイヴの中から外部との通信は出来ないんだが、シャドウミラーの場合はフォールド通信を使っているおかげで、そんなのは全く関係がない。
 何しろ、NジャマーⅡを使っている状況であったとしても、普通に通信が出来るのだから。

「マリュー、こちらアクセルだ」
『あら、アクセル。どうしたの? こっちはちょっと今忙しいんだけど。……重量子ビームとG・インパクトキャノンの弾幕を切らさないで。エネルギーの余裕はあるんだから、遠慮はいらないわ』

 なるほど、地上でもかなり派手に戦闘が行われているらしい。
 それも当然か。火星の息吹作戦がフェイズ2になって、こっちの戦力の大半がマーズゼロへの侵攻を開始したんだから。
 それでもこうしてまだBETAとやり合えているのは、それこそシャドウミラーの象徴でもあるニヴルヘイムがあるからだろう。
 機動要塞ニヴルヘイムという名前通り、自由に移動することの出来るニヴルヘイムは疲れたら普通に休む事が出来たりするし、補給に関しても心配はいらない。
 これでゲートを設置出来れば文句なしなんだが、自由に移動する以上それは無理だしな。
 アギュイエウスなら話は別かもしれないが、まさかニーズヘッグに内蔵されているアギュイエウスを移植する訳にもいかない。
 今の通信でもマリューが言っていた、重量子ビームやG・インパクトキャノンといった兵器をハリネズミの如く無数に装備しており、他にも近接戦闘用にビームバルカン、更には最終手段として体当たりまで使用可能だ。
 ……まぁ、本当の意味で最終手段ってのはブレイズルミナスとグラビコン・システムを使って仮想砲身を展開してから発射させる主砲のエーリヴァーガルだろうけど。
 ああ、後は毎度お馴染みのフレイヤもあるな。
 それだけの兵器を装備しており、更にバリアとしても6種類――ジャマーを入れれば7種類――のバリアを展開しているという、凶悪な代物だ。
 それでいながら空中に浮かんでいるので、BETAにしてみれば攻撃手段は要塞級の尾による一撃程度しかない。それも、二ヴルヘイムがちょっと高度を上げれば届かなくなるし。
 光線級や重光線級がいれば、また話は別だったんだろう……と思うも、そもそもレーザーの威力が低すぎて話にならないか。
 それでも数千匹、数万匹のレーザーが一点集中すれば、あるいは分からないかもしれない。
 ともあれ、ニヴルヘイムだけで一個軍団、あるいはそれ以上の戦力を持っていると思っても間違いではない。
 だからこそマリューが量産型Wに指示を出す声にも、悲壮感のようなものはないんだろうし。

「マリューがいてニヴルヘイムがあれば、BETA程度に苦戦するなんて事は万に一つも有り得ないだろ」
『あら、随分と信頼してくれているようで嬉しいわね。それで、まさか信頼してるって言いたくて通信を送ってきたの? それはそれで嬉しいんだけど』
「あー、いや。違う。実はハイヴの中で妙な物に出くわしてな。そっちで何か情報がないかと思って」
『妙な物? こちらに接近してくるBETA軍の、右翼から左翼に適時攻撃を加えていって』

 味方に指示を出す声を聞きながら、俺は目の前にある壁のような存在をマリューへと伝える。

『なるほど。開くようになっているってのは確実なのよね?』
「BETAの考えている事だから、確実とは言えないが……まぁ、10中、8、9は」
『となると、それは壁じゃなくて門ってところかしら。BETA専用の門だとすると、さしずめ門級とでも呼ぶ? まぁ、火星固有のBETAでしょうけど』
「だろうな。今まで地球のハイヴを攻略してきたけど、こんな門のようなものがあるところは一切なかったし」

 実際、これまで地球のハイヴを攻略してきてこの壁……いや、マリュー曰く仮称門級とでも呼ぶべき存在が発見されたことはない。
 にしても、門級か。どちらかと言えばBETAの一種と言うよりは単なる生体組織にしか見えないんだけどな。
 その辺に関しては、後日夕呼辺りにでも聞いてみるか。
 ……母艦級も合わせて、俺達は2種類も新種のBETAを見つけてるんだな。

『それで、その門級はどうにか出来そう?』

 マリューの言葉に合わせて、改めて門級の周囲へと視線を向ける。
 先程も確認したが、やはりここには特にスイッチの類がある訳でもない。あるのは門級から伸びている出っ張りのようなものだけだ。
 多分BETA特有の何らかの仕掛けがあるとは思うんだけど……

「どうだろうな。こうして見る限りだと、ちょっと難しいと思う。どうにかすれば開けることが出来るだろうけど、それをやっている間に他のBETAが応援に来る可能性も否定出来ないし」

 あるいは、俺以外に誰かを連れて来ていれば話は別だったのかもしれない。
 だが生憎と俺が個人で行動している以上、そんな時間的な余裕はない。……事もないが、生身でBETAと戦うのは面倒でもある。
 鬼眼とかは有効だろうし、ゲイ・ボルク辺りを使えば色々と一掃は出来そうだけど。

『じゃあ、無理矢理押し通って頂戴。わざわざ門級なんて存在がいるんなら、恐らくその先には何か大事な物があるのは間違いないでしょうし。具体的にはアトリエか、反応炉か……あるいは、それ以外の何かか』
「了解した。すぐに向こうに攻め込む」

 可能であれば何とか自力で開けてから進んで欲しいと言われずに済んだ事に安堵し、早速攻撃しようとして……

『あ、でも一応念の為にその門級の一部は持ってきてくれる? 映像データはニーズヘッグの物をそのまま流用すればいいと思うけど、実際に物的証拠があればマブラヴ世界の方でも色々と信用度は高いでしょうし』

 シャドウミラーとしては、別にそこまでマブラヴ世界の地球に対して親切にしてやる必要もないと思うんだが、この辺がマリューの優しいところだよな。
 まぁ、技術班にいるだけあって、技術的な興味深さとかもあるんだろうけど。
 面倒ではあるが、確かに新種のBETAの物的証拠があれば文句はないだろうし……何より、恋人のお願いの1つや2つくらいは聞いておきたい。
 Fate世界の件でそれなりに心配をさせてしまったようだし。

「了解した」

 BETAの組織とかも、一応研究材料ではある。
 基本的に使えるものは殆どないんだが、それでもBETAがG元素という、俺達にとって有益な素材を作り出している。
 だとすれば、もしかしたらBETAの体内からも使える何かが見つかるかもしれない。
 そこまでいかなくても、未知のBETAだけにデータ的な意味で保存しておきたいって気持ちは分からないでもない。

『じゃあ、お願いね。……重量子ビーム砲、撃てぇっ!』

 その言葉と共に通信が切れる。
 ハイヴの外では相変わらず激しい戦いが続いているらしい。
 まぁ、ニヴルヘイムの性能とマリューの指揮能力を考えれば、BETAを相手に心配する必要はないだろうけど。
 そう判断し、ヒュドラのビームサーベルを展開し……門級へと向かって斬り掛かる。
 予想外に硬い手応えがあったが、それでもニーズヘッグの一撃を防げる程でもなく、あっさりと門級は斬り裂かれた。
 前方のヒュドラ2基によるビームサーベルの攻撃で、あっさりと切断された門級はそのまま向こう側への穴を開ける。
 よし、取りあえずこれで向こう側に進む事は出来るようになったな。
 そう判断し、出っ張りの部分も同様にビームサーベルで切断してからニーズヘッグのコックピットを開いて一旦外へと出る。
 装甲に触れてのT-LINKシステムによる操縦で、ニーズヘッグを斬り裂かれた門級へと近づけ……一応敵対行動を起こされてもいいように警戒しながら、門級の破片と出っ張りの破片を空間倉庫から取り出した容器へと入れて仕舞い込む。
 これでOK、と。
 そう判断してニーズヘッグに戻ろうとした時……背後から無数のBETAがこっちに近づいてくるのをT-LINKシステムによって察知する。
 ちっ、随分と早い到着だな。出来れば反応炉を破壊してから来て欲しかったんだが……
 こうなると、迂闊に門級を攻撃してしまったのが痛い。
 もし上手くこの門級を開けていれば、閉じる事によって背後からの増援を遮断出来たかもしれないのだから。
 いや、どのみち開ける方法がなかった以上、それを言っても後の祭りか。
 それに、元々俺の目的としては火星の息吹作戦のフェイズ2でもある、ハイヴ内のBETAの数を減らす事だったのだから。
 そう考えれば、寧ろこの展開は俺に取ってラッキーだったと言ってもいい。
 この奥にあるのが反応炉か、それともアトリエか……あるいはそれ以外の何か重要な施設やら守るべき物があるのかもしれないけど、それを拝む前にBETAの数を減らしておく事になりそうだ。
 それに、ここで戦っていればいずれ他のハイヴ突入メンバーがこっちにやって来る可能性もある。
 ……まぁ、フェイズ9のマーズゼロだけに、内部構造はかなり複雑になっているのは間違いないだろうけど。
 ともあれ、今俺がやるべきことは変わらない。
 そう思いつつ、ふとこの門級の向こう側で敵を待ち受けるのもいいのでは? と思ってしまったが、それはすぐに却下する。
 敵を一度に相手に出来ないのであれば、直接戦う相手を少なくするのは最善の策だろう。
 だが、俺の場合は無数のBETAを敵に回しても戦えるだけの実力がある。
 そうである以上、一度に大勢のBETAを仕留めることが出来る今の状況は寧ろ歓迎すべき事だった。
 再びニーズヘッグのコックピットへと戻り、こちらに向かって真っ直ぐに……それこそ取るものも取り敢えず的な速度でこっちに向かってくる突撃級が映像モニタに映し出される。
 うん? そうだな、なら久しぶりにこれを使うか。
 コックピットへと戻ったばかりなのだが、再び外へと出て……

「鬼眼!」

 魔眼を発動する。
 俺の持つ鬼眼は、低レベルの魔眼だ。
 それこそFate世界で最高峰の魔眼でもあるライダーの魔眼と比べれば、威力は思い切り落ちる。
 実際、ある程度以上の抵抗力を持つ相手に対しては効果を発揮しないだろう。
 だが……このマブラヴ世界のBETAに、魔眼に対する抵抗力などというものがある筈もなく……先頭を突き進んでいた突撃級が転び、動きを止め、逆走し、仲間に襲い掛かり、といった様々な異常行動を取る。
 中には石化しているBETAもおり、背後から突き進んでくるBETAが石化したBETAに躓いて派手に吹き飛ぶ。
 それを見ながら、発揮した鬼眼の効果に満足しつつ再びコックピットの中へと入っていく。

「さて、BETAの先鋒である突撃級はこの様だ。BETAはどう行動する? ……まぁ、そこまで難しい事を考える頭はないんだから、恐らく無計画に突っ込んで来るだけだろうが」

 そんな俺の呟きが正しいのは、突撃級の背後から現れた要撃級、戦車級、闘士級といったBETAの行動が示していた。
 突撃級のすぐ後に現れたBETAは、真っ直ぐこっちへと向かってくる。
 倒れている突撃級を避けながらも進んでくるBETAへと向かい……俺は先制攻撃の意味も含めて、ヒュドラの先端に付いているビーム砲を連射し、エナジーウィングから刃状のエネルギーを放ち、腹部拡散ビーム砲を放つ。
 そこから放たれたエネルギーの固まりは、真っ直ぐBETAへと向かい……大きな爆発を引き起こすのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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