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学園黙示録ガンサバイバーウォーズ

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第三話

「だかよぉっこのまま進んだって危険なだけだってば!!だいたいよぉ!!」

マイクロバスで学校を脱出してしばらくして、金髪に染めた不良男子が不満を爆発させていた。

「なんで俺らまで小室たちに付き合わなけりゃいけないんだ?お前ら勝手に町へ戻るって決めただけじゃんか!?」

小室達の方針に不満があるようで、さっきからずっとこの調子だ。正直言ってうるさいしうざい。だったら何で俺達に着いて来たんだよと思うほどにだ。まあ学校にいた時は、とっさに逃げれる足を見つけて助かると思ってマイクロバスに来たんだろうが、安心したと思ったら俺達の不満をぶちまける始末だ。

それに同調する声も出始める……いい加減に収集がつかないし、めんどくさいけど俺が無理矢理でも止めようかと思った時だった……。

「もういい加減にしてよ!こんなんじゃ運転なんかできない!」

だろうな。こんな自分の不満だけを言って周りを気にしないで言ったらそれは気に入らないよな先生。流石に先生も我慢は出来ないようだし、そろそろ行動しますかね。

「いい加減にしろよガキが……」

「あぁ!!」

俺にメンチを切ってくるが、悪いがその程度でビビるほど俺は紙の心臓でもないぜ。そして俺はハイパワーを天井にかざして一発撃つ。

当然のようにバスに銃声が響き渡る。小室達以外は、まさか俺が本物の銃を所持している事に驚きが隠せなったようであり、そして俺にメンチを切っていた金髪不良も驚き腰を抜かした。

「あんまりガタガタと騒ぐな。これ以上騒ぐと外に放り投げて死体もどきの餌にするか、脳天をこいつでぶち抜くぞ……」

銃口を頭にぐりぐりと押し付けてドスが利いた口調で攻める。この手の空いては力関係で一番だと思い込んでるほど急に力関係が逆転したらもろいもんだ。

それを証明するように、さっきまで威勢よくギャアギャア騒いでいた不良はガタガタと肉食獣に遭遇した小動物の様に震えあがってやがるしな。


「わかったか……うん?」

「ひ、ひい!!」

少し脅かしすぎたかな?まあ、これで静かになってくれればそれで万々歳だけど。一時的に抑え込んだにすぎないか。また自分の思い通りにならないと、この手の奴は暴走するのが決まっているようなものだからな。

「実にお見事です田中君」

ぱちぱちと拍手する紫藤だが、笑顔はにっこりしているが腹の中はドス黒い物を抱え込んでる。こいつにはどんな褒め言葉を貰っても嬉しくねえな。

「しかし、この非常事態。些細な事で争いは起きてしまいます。」

言いたいことはよくわかるよ。こいつの狙いがな。

「ですからリーダーが必要なのです。我々には!!」

要するにお前らクズは、俺のいう事を聞けってわけね。わかります。

「で、アンタが候補者ってわけ?」

「そうですよ高城さん。私は教師ですよ。そしえあなたたちは学生。それだけでも資格はあると思います。」

「そいつはどうかな?」

紫藤が何か言う前に俺はハイパワーを紫藤に向けた。突然の事態に周りは唖然と戸惑いが隠せないが、俺は周りの目など気にせず話を進める。

「このマイクロバスに先に乗り合わせたのは小室達だ。目的地に進むのにバスを扱う権利は小室達にある。後から慈悲で乗り合わせたお前が命令権を持つ権利はねえ」

「で、ですが私なら皆さんを……」

「二度は言わねえ。俺達に着いて来た奴らにも言っておくが、小室達の目的に不満があるなら今すぐバスから出ろ。嫌なら大人しくしろ。」

周りは静まりかえる。そして紫藤はギリッと一瞬悔しそうな表情に変わるが笑顔で「ええ、わかりました」と静かに後ろの席に戻っていく。

今は従うが、絶対にこの集団の命令権は俺が持つと思っているだろうな。エリート意識の塊の奴ほど無駄にプライドが高いし、格下と思っている相手に従うほど自制心で抑えてもアイツの自尊心は深くボロボロにされているし、絶対に機会をうかがうはずだ。


「あ、あのありがとうございます」

「何が?」

宮本に礼を言われる事はしたつもりはないんだけどな。

「あいつの命令通りにするなんて私、我慢できないから」

「よっぽど恨みがあるようだが、俺は自分の利になると思って行動しただけだ。気にすんな」

「それでも、ありがとう」


その後。<奴ら>に侵食されたバスが目の前に突っ込んできたが、これを辛うじて回避して衝突事故は回避した。それから小室達の目的地にバスは進んでいくのだった。


ーーー。

しばらくバスも順調に進んだが途中で渋滞に巻き込まれてしまい、朝日を迎えても渋滞がなくなる気配はなく。渋滞に見かねた人たちの中には車を捨てて歩いて退避する人間もいた。それでも長い行列が出来ており、警官達も退避する民間人達の交通整理に忙しそうだ。


しかし、バスの中の空気は最悪だ。自分の手ごまに出来ない人間とのコミュニティを諦めた紫藤は、自分の話に忠実な生徒だけを集めて新興宗教の勧誘紛いの事を初めている。既に小室達を除いて他の生徒は虜になりつつあった。

「で、どうするんだ?」

「どうするって何よ」

高城はこう言葉を返すが、頭の回転が速い高城も既に気がついてるはずだ。このバスの微妙な空気を。

「この渋滞が切れる気配がない。しかも既に車を捨てて逃げ出している人間もいる。このまま待っても動く事はないぜ。しかもやばい空気は感じているだろ」

「確かにな」

これに毒島は同意したように呟く。既に後ろの席では紫藤のコミュニティが出来始めている。いや、既に完成していると言ってもいい。このままここにいては小室達の目的は達成できる事はほぼ不可能と言ってもいい。

最初こそ銃で脅して紫藤が主導権を握る事は回避したが、それも難しくなっている。このままここに居ては、俺達は嫌でも紫藤と行動を共にする羽目になる。それだけは俺も勘弁して欲しいし、宮本も紫藤についていく事は全面的に否定しているしな。

それに、床主市でイザという時に備えた基地がある。俺はそこで装備を充実させたい。

「この状況で備えはいくらかあった方がいい。俺の知り合いの工場にいけば、この非常時に役立つものは沢山ある」

「という事は銃もいっぱいあるって事ですか!」

「うるさいデブオタ!!」

「ぎゃふん」

平野が興奮した所を高城が殴って黙らせる。平野が変な声を発していたが、まあ、あんまり気にしないでおこう。

「銃もあるし保存食もある。裏でちっとやばい事に絡んでる人だけど、この非常時においては助かる。お前らが来るなら俺は案内するぞ」

こう言っておけば周りも納得するかな。ゲームの能力で用意したなんて誰も信じないだろうし。

「僕はついて行きます」

「私も、アイツについていくなんて絶対に嫌!」

小室と宮本は即座に同意した。他のメンツも見渡すと、高城、毒島、平野も頷いてくれた。

「私も良い?私はもう両親はいないし、親戚は遠くにいるから離れる理由もないしね。それに紫藤先生は好きじゃないの」

鞠川先生の答えに皆がフッと笑った。まあ、あんなきな臭い奴を好きになろうとは思わないな。アイツのきな臭さに気がつかない奴は間抜けとしか言えないけどな。

「どうしたのですか皆さん。ここは一致協力して」

「お断りするわ紫藤先生。あたしたちはあたしたちの目的があるの!!修学旅行じゃあるまいし、あんたに付き合う義理なんてないわ」

「ほう……あなたたちがそう決めたならどうぞご自由に高城さん。何しろ日本は自由の国ですからね」

これで自分に逆らう勢力がいなくなるって紫藤的には嬉しい事だろう。本音では自分の洗脳を受けない俺達を忌々しく思っているだろうしな。

「そうだな。好きにさせてもらうぜ。このバスを使うならご自由に、新興宗教の勧誘ならよそでやりな」

ピッと中指を立てて挑発行為をした俺だ。紫藤は表情こそ崩さないがこめかみが一瞬ピクリと動いた。この程度の挑発では表情は崩さないが、一人だけ俺にキレて向かってくる奴がいた。

「テメー!紫藤先生がやってる事は間違ってねんだよ!いう事を聞きやがれ!!」

先ほど脅した金髪が俺達に殴りにかかってきた。つか、俺が銃を所持してる事を理解してないのか?まあ、たぶん頭に入っていないな。なんも考えないでキレただけだろうよ。

「さっきも言ったが、うるせえよガキが……」

ハイパワーを金髪の不良に向けて撃った。とっさに反応して撃ったことなので眉間に命中することはなかったが、それでも腹部に命中して金髪不良は下に崩れ落ちた。

「がああああ!!」

「きゃああああ!!」

「ひい!!」

激痛が走り悶絶する金髪に車内の後ろの席にいる女子生徒と男子生徒が悲鳴をあげていた。周りの空気は固まる。

「あ、あなたは自分で何をやったのか理解しているんですか!」

「殺さないだけありがたいと思いな。何度も言うが、俺は引き金が軽いからちょっとした事でぶっ放しちゃうよ。これ以上、俺達に関わるなら躊躇なく次は心臓か眉間にぶち抜くぞ。平野、一緒に後衛を務めるぞ。毒島や宮本は先に下りて皆を先導しろ」


「は、はいわかりました」

「心得た」

「わかったわ」


こうして俺達はバスから降りる。降りる途中で紫藤の悔しそうな表情がうけたけどな。最後に俺がバスを降りようとした時に二人ほど俺によってきた。

「待ってくれ。俺とナオミも一緒に連れて行ってくれ!」

「お、お願い」

こいつら後ろの連中と一緒にいた奴らじゃないか。まあ、確かに他の連中ほど紫藤の演説に共感しているようには映っていなかったが、それでも結構イカれた行動をした俺がいるグループに付いてくるとはよほどの馬鹿なのか?それとも肝っ玉が据わっているのかのどっちかだな。

「別に俺は構わないけど。小室、お前が決めろ」

「え、僕がですか?」

「このグループはお前が中心だ。お前がOKなら俺はとやかく反対する理由もない」

小室はあまり自覚していないだろうが、小室にはリーダーシップがある。学校の正面玄関で高城の理論を証明するように、自分から<奴ら>の餌になりかない行為を自分から行った。職員室でも明確に目的を伝えて指示するだけでなく、自分から率先して動く行動はまさにリーダーに相応しい行為だ。

自覚がないが、自ら行動を起こして周りの皆に勇気を与える行為はまさに人を率いるリーダーとしての素質は十分にある。紫藤のように暴力的な狂気なカリスマとは別に、人に勇気を与えるカリスマを小室は持っている。実際にバスでも宮本や高城は小室を頼っている発言は結構見かけるし、あの毒島も少なからず年下の小室を頼っている説がある。平野も小室を頼りしている事もわかるしな。


「来てもいいよ。僕たちの目的に文句がなければだけど」

「ああ構わない」

卓造と呼ばれる男子生徒は同意するように答えた。ある意味で個性豊かな面子と行動を共にしようとするのは小室がいるのも理由の一つだな。


そして俺達はバスを出て新たな仲間を連れて行動を共にする。

ーーー。


しばらくして町を歩いて<奴ら>との偶発的な戦闘を繰り広げながらも、俺達は目的地である工場についた。

「ここって3年ほど前に潰れた工場よね」

「確か、ニュースで麻薬の生成する工場が警察に見つかってそれで潰れたんだと思うけど」


宮本と小室が思い出したように呟く。そうここは既に潰れて無人の工場である。俺はここで扱っても問題はないと確認してこの潰れた工場で非常時に備えた装備の倉庫を作ったのだ。

デスバレットでは、ある一定のレベルを超えると自分専用の倉庫を保有する事が出来る。その物件を購入する事が条件だが、この世界では、物件を購入するシステムを無視して保有者がいない建物であれば同じ機能が扱える事がわかっている。去年程に、この放置されている工場に目をつけて俺はここで非常時に武器を揃える基地を作ったわけだ。まあ、普通にコマンドを入力すれば武器は作れるが、いちいちコマンド入力をして武器を出すのもめんどくさいし、いったん出しておけば、装備も簡単であるのも理由の一つだ。

俺はカギを使って扉を開けた。中は放置された工場らしく物が散乱していたが、地下に続く階段を見つけて歩き出す。そして地下室の扉を開けると、そこはガラスケースの中に飾られた銃器がずらりと並んでいた。

「うひょおおおお!!」

これに平野は興奮して小躍りを初めて走りだした。俺がハイパワーを見せた時とは比べ物にならない程のテンションの高さに俺も含めて周りはドン引きであった。


「これは、スイス軍で正式化されたアサルトライフルのSG550のカービンタイプで、更に短くしたコマンダーバージョンのSG552!。こっちはFNバースタル社が開発したF2000まで!しかも、セミオートオンリーのFS型じゃなくてフルオート対応の軍用モデル!どれも日本だと違法だ違法!!」

ブツブツと語りだす平野に周りは、どのように反応していいかわからなかった。そこで、ようやく毒島が呟きだす。

「ここの保有者は戦争でも始めるつもりだったのか?」

「床主って意外と治安が悪いだなと気がついたよ」

毒島に小室。言いたいことは分かるけどよ、あまりツッコミは勘弁して欲しいものだ。用意したのは俺だけど、何しろ今までイベントやモンスター討伐のクエストで偶然手に入れた報酬のアイテムだが、ここの展示してある銃器は無改造の銃たちだが、昔から収集癖がある俺は、これを手放す事をしなかったので、無駄に倉庫に突っ込んでしまったのだ。

今は、それのお蔭で助かってはいるけど。

「とりあえず武器を選ぶぞ。言いたいことは分かるが、今はこの武器のお蔭で生き残る可能性が高いのも事実なんだ。」

そして俺達は武器を選び出す。趣味全開の平野を呼び戻して俺と平野で武器選別をした。マイクロバスで聞いた話だが、平野はただのガンマニアという訳ではなく、実際にアメリカにいってPMCの職員に銃の手ほどきを習ったそうだ。

その特殊な経緯にすごいとしか言えないな。

「それを言ったら田中先輩も銃を扱えるんですね」

いや、俺の場合はVRMMOFPSで培ったものだからリアルでは撃ってはいないんだよな。まあ、それを言ったら変に思われるし、とりあえずはリアルで銃を撃った経験があると言っておくしかないな。

それから銃選別だが、俺と平野を除けば銃に関しては素人だらけだ。銃というのは確かに強力だが、ヘッドショットを決めるには、高い技能が要求される。そのため素人である小室達にアサルトライフルやバトルライフルで<奴ら>の頭をぶち抜くのは無理がある。

そこで俺はショットガンを選ぶことにした。ショットガンなら散弾であるし、弾が拡散するので素人でも相手に当てやすい。反動と近距離で撃たなければいけない事を除けば素人でも扱いやすいメリットがある。

俺が選んだのはモスバーグM590。モスバーグ社が開発した軍用ショットガンだ。ショットガンにしては珍しい銃剣を取り付けられるし、近接戦闘も難なくこなせるならこれがいいだろうと俺は思った。これを小室、宮本、卓造に渡しておく。

小室と卓造は銃の初心者だし、ショットガンなら当てやすい事が理由だ。いざとなれば槍替わりにも使えるからだ。宮本も同じ武器を選ばしたのも小室達と同じ理由だが、宮本は槍術部の出身であり、銃剣を取り付けられるモスバーグM590なら扱いやすいと思ったからだ。

高城とナオミには短機関銃の最高傑作と名高いMP5シリーズのMP5SD6にした。二人に悪いが、ショットガンを扱うには反動が原因で難しいし、近接戦闘もスペシャリストである毒島や宮本以外にも小室よりもはるかに劣るし、肉弾戦が苦手な平野と、どっこいどっこいだし。それなら9mmパラべラム弾を使用する低反動の短機関銃の方が扱いやすいと思った選択だ。

それにMP5SD6は設計的にサイレンサーが装備されているので、音も最小限に抑える事が出来るし、それでも音が出るので<奴ら>は群がってくるが、それでも音を抑えるのは重要な事だ。

毒島にかんしては、銃器は扱わないと断言された。自分の証に合わないからだと言われたのだ。そのため俺は仕方なくクナイといった投げナイフ的な武器を渡しておいた。クナイや手裏剣といった武器は、デスバレットに存在する武器だ。デスバレットではネタ武器の一つとして知られる。何しろ銃と比べて扱いが難しいし、人によっては実弾銃以上にあさっての方向にいってしまう事もあるからだ。

メリットといえば、弾道予測線が現れない事だ。これを利用して建物に潜伏して暗殺するスタイルもあったが、それでも扱いが限定的に限られているため、好き好んでスキルを獲得するプレイヤーは、それほどいなかったのだ。

拳銃も9mm口径で統一した。何しろこの日本では弾薬の調達限りがあるからだ。警察や自衛隊から弾薬を補充できるとは思えないが、それでも5・56mmNATO弾や9mmパラべラム弾といった自衛隊や警察が正式化している口径に合わせるのも、万が一の補給するための準備でもある。そしてショットガンの散弾は猟銃等が置いてある銃砲店にいけば、補給も出来るので何とかなる。

「よし皆。武器は揃えたか?」

全員が頷いた。なお鞠川先生には武器は渡していない。本人が扱えないのも理由の一つであるが、何より危ないからだ。何しろこの人の天然で万が一にも銃を撃って<奴ら>が群がって全滅するという未来が簡単に想像できる事も理由の一つだ。


そして集めた武器を車庫に置いてある軍用車の所に置く。これも俺が購入システムで高い金で購入した乗り物の一つであるイタリアの商用車製造会社で制作されたイヴェコLMV。車体的にも日本の軽装甲機動車とほぼ同じサイズであるため、日本の道路企画に合わせて俺はこれを購入した。実際に乗れる人数も軽装甲機動車より多いのも理由の一つだ。しかもLMVはRWSという装備がついており、機関銃を車内で遠隔操作も出来るので誰もが正確な射撃が出来るため、俺はこれを気に入っている。


「先生。発進準備はOK?」

「うん。任せて」

人数的には狭いが、こればかりは仕方ないと割り切ろう。そして装備を整えた俺達はLMVで再び<奴ら>が屯する地獄に戻るのだった。

 
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