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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1206話

「あー……疲れた」

 ホワイトスターにある居間で、呟きながらソファに寝転がって呟く。
 現在家には誰もいない。全員が自分の仕事中だ。
 まぁ、レモンやマリューは魔法球の中で宝具とかの解析を行っているんだろうが。
 そんな中、夕呼と霞の2人との通信を終え、一先ず連絡を回すべき場所には全部回したという事もあって、今日はもう仕事終わりとばかりに家で寛いでいた。
 ……アメリカの大統領のビルとかには連絡していないが、そっちの方は多分オーストラリアから国連、国連からアメリカ辺りに連絡が行くだろうし。
 とにかく、色々な意味で忙しかった今日の出来事を終え、俺としては夕食までゆっくりしたいという思いが強い。
 現在の時間は、午後3時過ぎ。
 もう暫くすれば、そろそろ誰かが帰ってきてもおかしくない時間だ。
 そんな時間を、たまにはゆったりと過ごすのもいいだろうと判断してTVを付ける。
 Fate世界でも色々TVを見ていたような気がするが、それでもこうして自分の家で見ているとなると随分と違う。
 Fate世界、か。

「凛……綾子……」

 向こうの世界に残してきた恋人2人の名前を呟く。
 TVに映し出されているのが、どこか冬木に似ている街並みだったからこそ余計にそう思ったのだろう。
 現在TVに映し出されているのは、ネギま世界の番組か。
 確かに麻帆良があるのも日本だから、冬木に似た街並みがあってもおかしくはない。
 ちなみに、一応念の為という事で冬木という地名を探してみたが、ネギま世界、SEED世界、ギアス世界、マブラヴ世界のどこにもそんな街は存在していなかった。
 まぁ、当然だよな。
 寧ろ、これで冬木があったりしたら驚く。

『つい先日那波重工から発表されたデジタルカメラですが、現在はどこの電気店に行ってもおいておらず、品薄状態となっています。定価39800円なのですが、オークションなどでは10万円以上の値段が付き、中には20万円を超えているものも……』
「うん?」

 TVのニュースが気になり、そちらに意識を集中する。
 あ、聞き間違いとかじゃなかった。那波重工って出てるな。
 ……ただ、何だって重工業の那波重工がデジタルカメラなんて作ってるんだ?
 重工業ってのは、その名の通り重い物……自動車や船なんかを作っている会社だ。
 とてもじゃないが、デジカメを作るような会社じゃないと思うんだけど。
 いやまぁ、シャドウミラーの技術――正確にはMSだが――が幾らか入っているのを考えれば、それも不思議じゃない。
 ストライクダガーに使われている液晶パネルとかそういうのは、ネギま世界にしてみればオーバースペックだろうから。
 ……まぁ、ロボットが普通に存在している麻帆良とかは別としてだが。

「にしても、定価4万円程度のが20万円とか。5倍も出してまで欲しい奴がいるのか? どうせ品薄はいずれ解消されるんだろうし、少し待ってればもっと安く買えるものを。どう思う?」
「何だ、気が付いてたの? 少し驚かせてあげようと思ったのに」

 俺の声に、詰まらなさそうな言葉を発しながら居間へと入って来たのは、シェリルだった。
 いつものように派手な美貌を派手な服装で着飾っており、正にシェリル・ノームって感じがする。

「幾らTVに集中してるからって、家に誰かが入ってくれば気が付くって」
「そう? まぁ、いいけど。随分疲れているように見えるわね」

 俺が寝転んでいたソファへ強引に座りながら尋ねてくるシェリル。
 こう見えて心配しているんだろう。

「ま、代表だ何だと言っても、ああいう会議の場とかは苦手だしな」
「大魔王なのに?」
「大魔王だからこそ、だよ。そもそも、俺がシャドウミラーの代表をやってるのだって殆ど成り行きに近いしな。実際、この1年俺がいない間もシャドウミラーはしっかりと動いていたんだろ?」
「それはそうだけど、アクセルがいるのといないのとじゃ、軍事力的にも色々と違うんでしょ。その辺はプロに任せてるけど」

 ストロベリーブロンドの髪を掻き上げながら告げるシェリルに、確かにと頷く。
 俺とニーズヘッグというのはシャドウミラーの象徴であり、圧倒的な力というものを体現している存在だ。
 当然シャドウミラーと交渉するなり敵対するなり、何らかの形で関わってくる者にしてみれば、良くも悪くも絶対に意識せざるを得ない相手だろう。
 そう考えると、俺はここにいる。それだけでシャドウミラーの力となっているんだろうが……

「それだと、別に俺が代表である必要はなくないか? それこそ、実働班的な意味で十分だと思うんだが」
「そう? でも、シャドウミラーがアクセルを中心にして纏まっている集団なのは間違いないわよ?」

 そんなやり取りをしながら、TVを見ていると……

『顔を出さない謎のアイドル、シェリル・ノーム。その澄んだ歌声を耳にする人は多くなっているでしょう。雪広財閥が彼女をデビューさせる為だけに芸能プロダクションを作ったというのは、芸能界では良く知られている話です。ただ、その秘密主義には多少批判も出ていますが……』
『確かに、あれだけの売り上げと人気を誇るシェリル・ノームですからね。どのような人物なのかを見たいと思っている人も多いでしょう。このような販売戦略をするのは珍しいですが、皆無という訳ではありません。ですが、ここまで徹底して……というのはちょっと珍しいですね。CDのジャケット絵のような場所に顔を出したり、とかしてくれるといいんですが』
『あれだけ素晴らしい歌唱力を持っているのを考えると、確かにどのような人かは見てみたいですね。またこう言ってはなんですが、日本の音楽としては珍しく世界中で素晴らしい売り上げで、その販売枚数は既に2億枚を超えているとの事です』
『デビューCDがシングルではなくアルバムだというのも珍しいですね』
『そうですね。それがこの売り上げに影響しているのは確かです。普通ならシングルを出して、ある程度ストックが出来たらアルバムとして出すのですが……』

 そんなやり取りがTVの中で行われていた。

「シェリル?」
「2億枚ね。まだ発売したばかりだし、名前も売れていないならこんなところかしら。……うん? どうしたの?」

 俺と同じくTVを見ていたシェリルが、首を傾げて尋ねてくる。

「ネギま世界でも音楽活動を始めたのか?」
「そうよ。ただ、向こうではメディアに顔を出さないで、完全にCDを出すだけって事になるんだけど。……まさか、CDなんて古代遺物を見る事になるとは思わなかったわ」

 だろうな。マクロス世界は技術がかなり進んでいるから、CDなんて既に絶滅危惧種……いや、絶滅しているんだろう。
 本が紙じゃなくて電子書籍になったのと同じようなものか。

「ネギま世界だけか?」
「SEED世界もよ。ただ、向こうはCDがもうないけど」

 まぁ、SEED世界ではラクスが歌手として有名だし、プラントの方はDESTINYでラクスの影武者をやったミーアもいる。
 勿論他にも当然多くの歌手がいる筈だ。
 そう思えば、音楽戦国時代的な何かが起きてもおかしくはないだろう。
 ちなみに、名前は分からないけどオーブの街頭モニタで何度か見た歌手の歌は結構良かった記憶がある。

「まさに銀河の妖精の面目躍如といったところか」
「ええ。そのあたしとこうして一緒にいられるんだから、役得でしょ?」
「まぁ、それは否定しない」

 マクロス世界では言うに及ばず、シェリルの人気はこうして見たり聞いたりした限りだと、どこの世界でもトップクラスだ。
 そんな人物と2人きりで、こうも密着しているというのをファンが知ったら、絶対にただでは済まないだろう。
 実際、以前にシェリルのライブをした時にはおかしな奴がそれなりの数出て来たし。

「感謝しなさいよね。アクセルみたいにあたしの側にいられる人なんか滅多にいないんだから」
「その口調はやっぱりシェリルだな」
「何か文句でも?」
「ないよ」

 寝転がっていた状況から上半身を起こし、シェリルの横に座ってTVの方へと視線を向ける。

『奇跡の歌声と言われているらしいですが、確かにこの歌声を聞けばそう感じてもしょうがないですよね』
『ええ。ただ、シェリル・ノームという名前からすると、恐らく外国の方なんでしょうが……雪広プロダクションからデビューしたとなると、両親のどちらかが外国人のハーフとかでしょうか?』

 そんな話を聞きながら、隣に座っているシェリルへと視線を向ける。

「奇跡の歌声だってよ」
「あら、当然じゃない。あたしの歌声なんだからそれくらい言われても当然でしょ?」

 自信に満ちたシェリルの言葉だが、実際にそれだけの売り上げを叩き出しているのだから自意識過剰だったり天狗になっているとは言わないんだろう。
 2億枚の売り上げというのが具体的にどれくらい凄いのかというのは分からないが、それでも洒落にならないだけの売り上げだというのは分かる。

『こうなると、やっぱりその素顔を見たいものですが……さて、どうでしょう?』
『うーん、難しいと思いますよ? ここまで徹底的に情報を秘匿しているのですから』
『そうなんですよね。ただ、そうなるとそこまでして隠す理由が何なのかというのが気になってきます。巷の噂では、余命数ヶ月だとかいうものも聞かれますが』
『さすがにそれはないでしょう。レコーディングというのは想像以上に体力を使うものです。そのような事に余命云々なんて人が出て来たら、常識を疑いますよ』

 数秒前までは上機嫌だったシェリルの表情が、今の映像を見て不愉快そうなものへと変わる。

「何よ、歌に全てを懸けてるんなら、死ぬ直前まで歌っていたいって思うのは当然でしょ。こういう、自分の常識だけで言ってる人って予想外の出来事に弱いんでしょうね」
「まぁ、そう言うなって。向こうだって雪広プロダクション……正確には雪広財閥か。あやかの実家がシェリルの情報を徹底的に隠しているんだから、シェリルがどういう人物なのかは分からないんだろうし」
「……むしゃくしゃしてきた。アクセル、ちょっと気分転換に付き合いなさい」
「俺はいいけど……シェリルの方はいいのか? ついさっき帰ってきたばかりだろ?」
「いいのよ。あたしがいいって言ってるんだから」

 そう告げ、ソファから立ち上がると俺の手を引っ張る。
 俺としては今日はもうゆっくりと過ごしたかったんだが、シェリルがそう言うなら付き合うか。

「分かったよ。で、どこに行く? さすがに他の世界に行くってのは時間がないぞ?」

 居間の時計へと視線を向けると、そこに表示されているのは午後3時20分。
 まだ夕食がどうのって時間じゃないが、かといってこれから遠くへ遊びに行ける程の余裕がある訳でもない。

「そうね、牧場に行きましょう。この1年でワイバーンの調教も結構進んで、ある程度実力のある人なら乗れるようになってるのよ」
「……意外だな」

 ワイバーンは、以前アウルを乗せようとはしなかった。
 俺は普通に背中に乗せたが、それもお互いの力の差を向こうが理解しているからこそ出来たことだった。
 そう考えると、たった1年で随分と進歩したものだ。

「よく1年でそこまで出来たな」
「その辺はあやか達のお手柄ね。生身での戦いを得意としてるあの4人が、飴と鞭で慣らしたのよ」
「……なるほど」

 鞭はあやかと円で、飴は千鶴と美砂か? あるいは円と美砂は逆かもしれないな。

「分かった、なら行くぞ」

 シェリルの細い腰を抱き寄せ、影のゲートを展開。影へと沈み混んでいく。
 一瞬驚いたシェリルだったが、俺と一緒にいれば影のゲートでの移動は日常茶飯事だ。
 すぐに落ち着いた様子で、俺に身体を預けてきた。





「はい到着、と」

 牧場へと繋げた影のゲートから姿を現した俺とシェリル。
 転移魔法というだけあって、その速度は一瞬だ。
 そのせいか、少しシェリルが不満そうな表情を浮かべているが……それでもここに来た目的は忘れていないのか、すぐに気分を切り替える。

「さ、行きましょアクセル」

 手を引っ張るシェリルに引っ張られるようにして、俺はワイバーンのいる方へと向かう。
 平日の日中にも関わらず、牧場にいる人数は結構多い。
 まぁ、午前中とかならともかく、もう午後3時過ぎだしな。
 学校があったりしても、終わっている者も多いんだろう。
 ここにいる者達は、当然シャドウミラーについての一定の知識を持っている為、シェリルがここにいても特に驚くような事はない。
 まぁ、大人気の歌手って意味で目立っているけど、それでもプライベートで遊びに来ているだろうシェリルを煩わせるような事をする者はいない。
 というか、一応ここに来ているのはそれぞれの出身世界である程度の審査を受けた者なんだから、その辺は当然なんだろう。
 ワイバーンの方に興味を持って行かれている者も多いってのはあるが。
 実際、今も上空ではワイバーンが数匹飛んでおり、この場所が人気なのを表していた。
 ……が、竜騎士セットのコスプレをレンタルしてるってのはどうなんだ?
 まぁ、レンタルってことは多分金属とかで出来てる奴じゃないんだろうが。

「ほら、行くわよアクセル。時間がないんだからね」

 シェリルが輝くような笑みを浮かべ、俺を引っ張るのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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