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『続:殺し、失い、得たもの。』

作者:零那
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『真実』



カズが電車乗って出発したのを確認。
乗ったフリして尾行でもされたらかなわんし。
桜と舞は一旦帰るって言うから零は先に組長宅へ向かった。

桜もすぐ来た。

『明日いるモン買い忘れたから出てくるわ。風呂入ってゴハン食べときぃ』

『わかった』

そんな会話をして桜だけが出て来たらしい。

組長に今日の出来事を報告した。
下っ端の人の事も。
やっぱり、その人からも報告は受けたらしい。
カズをカタギだとは感じんかったらしい。
あの時、隠し撮りして知り合い周り聞き込んで調べてくれたらしい。
カタギでは無かった。
正確に言えば父親がヤクザ幹部。
父親を調べるのは簡単だったらしい。

でも、カズを調べるのは苦労したとか...。
情報も、正しいのか誤ってるのか解らんかったり。
問題が起きる度、父親と組が揉み消してる。
その情報は下書きの記事。
類似内容事件が数点。
出版しない代わりに現金を受け取った証拠まで...

簡単に言うとレイプ殺人。
遺体が変形したり見つからんかったり。
あんなにカラダ全体で恐怖を感じた人は産まれて初めて。
零の血は、危険人物を察知してた。

桜は、舞に電話した。

『舞!!鍵全部締めてる?カーテンもシッカリ閉めてる?絶対何があっても開けたらアカンで!!カズからの連絡も、来ても、絶対開けるな!!解ったか!!』

早口で力強く言いながら、組長に引っ張られて車に向かう。

『アカン...一緒に来たら良かった。なんで1人にしたんや!!電車乗ったよな?出発したよな?』

桜はパニクってる。


『組長、逆にカズが零達の事を調べるのは簡単なん?』

『...簡単や!』

組長自身も、もしかして怖かったりするんかな?
あんな事件...
信じれん。
サスペンスとかやん。
せやけど、零自身の血が、事実やと教えてる。

信号で止まる度に組長が焦る。
組の人間は10人程ついてきてる。
念には念をってやつか?
この人数おらなあかんほどの奴なん?

卑怯で姑息で意地汚い何でもアリな、ヤクザらしくない、外道って言われてる組らしい。
コッチも死ぬ気で向かわな何されるか解らん。
普通じゃないから別の意味で怖いって。

桜が、家が見えた瞬間叫んだ。

『割れてる!リビング!あ゛―――――っ!!舞―――――っ!!』

車の中で狂い叫ぶ。

リビングと庭を繋ぐ大きなガラス戸の鍵横を割ってた。

戸は全開。

組長が勢いよく降りる。
後から来てた皆も続く。
カズ、家も最初から調べてた?
両親不在なんも?
だから堂々と一軒家のガラス戸割れたん?

零は妙に冷静だった。
ただ、体中の血液は...沸騰してるみたいに熱くてたまらん。


 
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