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がっこうぐらし!The world in confusion

作者:ウィング
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chapter17

ドクターウェル

生物学の研究者で容姿言葉遣いと回りからは信頼の寄せていた人物であった。

だが、とある日に彼は元いた研究施設にて彼が作り出した生物兵器によって騒動を引き起こした。

それにより管理局はドクターウェルを指名手配し幾度となく逮捕に動いたが何度も逃れていた

だが、一年前、遂に追い詰めた管理局は武装隊の精鋭総勢100名もの人員を導入し完全包囲した。

その中に俺もいて今にもその記憶は清明に覚えている。

追い詰めたウェルの生物兵器との戦いにより重軽者52名、死者28名、行方不明者5名と多くの犠牲を払った。

そしてウェルを捕らえたあと彼の身柄は次元海に浮かぶ収容所に囚われているはず。

それに向け出すとしても週一でくる輸送艦以外脱獄できる方法がない…

それにウェルは管理局と共にいる…つまりは…

「おやおや、なにか言いたげな表情だね」

思考しているとあっちから声をかけてきた。

ならば当然ウェルに聞かなければいけないことがある。

「ドクターウェル…司法取引したな?」

「やはり理解しているみたいだね、まあ万年人員不足の管理局にとって僕の才能は喉から手が出るほど欲しいらしいからね」

やはり…か…

ドクターウェルの持つ知識に管理局が目をつけないわけがない、なんの条件を提示しているのかは知らないが…

「彼等には感謝しているよ、この研究施設も彼等が提供してくれてね…」

「つまり、このパンデミックの原因のウイルスを作り出したのは…お前だってことか」

こいつのことだ、そんなウイルスを作り出すなど造作もないだろう。

「いいや、実はそうではない」

「なんだと!?」

まさかの予想外な返答に俺は声を荒げる。

「今から35年前この地では男土の夜という事変が起きた…その結果この地の住民の約半数が死亡した」

「…そういえば…そんな話をモールにいたときお婆ちゃんから聞いたことがある…」

「日本政府はその公表を伏せているがね、そしてその原因になったものこそがパンデミックのウイルスなのだよ…」

「つまり!ウイルスはごく自然に出来たもの?」

まさか、そんな昔からそんなウイルスがあったとは思いもしなかった

「そして男土の夜が終息後、そのウイルスを研究するために立ち上がったのはランダルコーポレーションだよ」

「つまり、ランダルコーポレーションはウイルスの解明するために組織されたものだったって訳か」

「その通りだよ…理解が早くて助かる」

ならばそのウイルスの危険性も重々承知のはず…っ!?そうか!

「警察の行動に気づいて使ったのか!ウイルスを!」

警察署で手にいれたファイル、それに記載されていた内容を当てはめるとあたまのなかで結論に繋がった。

「その通りだよ、世界中にバレるとね、危ないからね…だからこの巡ヶ丘全域に結界を張って後は毒性の成分により全員死亡という…そういうシナリオさ」

「目的はなんだ…なんのために!」

「目的といっても個人的と集団的に二つあるが…集団的にはこのウイルスを兵器としての実用化の研究さ」

兵器としての実用化、坦々と笑みを浮かべながらいうウェルの言葉をきいて俺達は絶句した。

「管理局は万年人員不足なのは知っているね」

「当たり前だ」

いた人にとっては常識とも取れる話だしそれで9才だった俺も入っていたわけだし

「そして、改善すべく出されたのがウイルス兵器による鎮圧というわけだよ」

「っ!!」

そんなことをすればどうなるかなどわかっているはずだ。

「君達が生まれる前に男土の夜のことを知った管理局はランダルコーポレーションに技術提供をする引き換えに共同で研究することになった…といっても未だに完成品はできてはいないのだがね」

ウェルの言葉から察するにこの巡ヶ丘に使ったウイルスは試作品だったというわけか…

「それで、僕の個人的な目的はね…ふむ…良いことを思い付いた」

そういってウェルは何やら操作するとそして言いはなった。

「どうも!今晩は!!僕はドクターウェルゥ!!この放送は生存者たち全員に聞こえているはずだよ~外が見える人は外を見るんだ!」

「さあ今宵、なんとあと放送を見ながらも僕らに楯突く人が二人も現れたぞ~といっても、一人は元々此方側の人間だった人だけどね」

「あの人何をいってるんですか!?」

いきなりのウェルの演説にとなりにいる圭は何をしているかわからない様子だ。

「多分、俺達を見せ物にしてる…今頃外の生存者は見てるんじゃないか?」

となると音姉たちもみてるんだろうな

「まあ片方だけ紹介しておこう、今映っているものこそが元僕ら側、今は完全な敵側となった期待の四大エースの一人、その名についた二つ名は禍々しい名前だが暗黒騎士!月宮雄也だ!」

盛大に俺のことを紹介しやがった…何が目的だ?

「こんな前座はどうでもいい!さっさと本題に入ったらどうだ!」

「そうだね、今回、この放送を流した理由は簡単に言うと僕の研究成果と戦ってもらうためさ…所為の公開処刑だね」

「ようは、逆らえなくするためか」

そういっていると何処かが動いていることに気がつく。

「雄也先輩…ここ動いてます!」

「わかってる!どうやらウェルが動かしてるみたいだな」

そういっていると俺達から離れた大きめの自動ドアが開かれ中からは出てきたのは

「何…あれ」

「おいおい、何でこんなもんが地球にいるんだよ」

その出てきた生物は大きな牙に爪と角、四足歩行たが犬とか狼とかそんな茶々じゃないレベルの大きさをした化け物が現れた。

「君も知っているだろ?僕が生物学の研究者だってことは」

「つまり、個人的な目的ってこういうことか?」

ウェルの目的…それは生物兵器の開発及び研究だったわけか!

「試作品ベヒモス改…ある場所から持ってきて研究していたサンプルさ…さあ、ショーの始まりだ!」

そういうとベヒモスは雄叫びをあげて完全に戦闘体勢に俺もアークを構え後ろには圭が腕を震わせながらもバンドガンを持ち構えた。

「圭!お前は下がってろ!」

下がるように圭に言うと頷いて下がったのを見るとベヒモスが広まっている距離を一気に縮める、飛び込んできて右腕を覆いかぶっている。

「全く!まさか、危険生物と戦うことになるとはな!」

ベヒモスはその狂暴性から管理局でも危険生物と呼称されている生物でかなりの魔導士がいて倒したとかなんとか。

そんなベヒモスの攻撃を避け懐に飛び込んだ俺はアークを振り上げえ頭に当てる。

苦痛からか雄叫びをあげて生えている角で俺を突き上げようとするが回避が間に合うな。

「そうそう、そのベヒモスわね、僕の改良のお陰で通常より知能があるから気を付けたまえよ」

「なっ!」

角で来ると思っていた攻撃は左から尻尾が迫ってきており、咄嗟に空いている左手で『防御魔法』を発動した。

だがこれは悪手だった、あのウェルの生物兵器が何故あのとき大勢の犠牲が出たのかを…

防御魔法は尻尾のまえに紙のように砕けちり、そのまま勢いで俺を薙ぎ倒した。

「ぐはぁ…!」

その勢いで端まで吹き飛ばされ壁に激突する。

何故あのとき意図も簡単に防御魔法が砕けたのか…それはウェルの研究にある

奴は研究の末、魔力を無効化する生物兵器を作り上げた。

その結果魔法至上主義の管理局は大きな打撃を与えられたのだ。

「先輩!この!」

吹き飛ばされたのをみて圭は激昂してドラグノフで射撃し1発2発とベヒモスの体を直撃する。

「ベヒモス…ウェルの研究は実弾だと有効なのか…」

そう思っているとベヒモスの標的は俺から圭に変わっており、圭へと襲いかかろうと迫る。

「不味い!」

俺は高速魔法で間に入るために動く。

「この!この!!」

迫るベヒモスに何度も射撃するもベヒモスは怯むことなく突き進んでいき圭の目の前へと到達してしまう。

「あ…あ…」

完全に怯えた顔の圭、そんな圭をものともせずベヒモスは無情にもその鋭い爪を振り落とす。

「やらせるかぁ!」

高速魔法で移動した俺はなんとかベヒモスと圭の間に間に合うことに成功し振り落とされる爪をアークで受け止める。

振り落とす速度と力で体制を崩しそうになるも何とか持ち堪える

「ぐっ!」

「先輩!」

苦痛を漏らす俺に心配し圭が声をかける。

「直ぐに後方へ!」

「は、は…ごほぉ!げほぉ!」

後方に下がろうとしたとき圭の体に異変がおき口を抑えて咳き込むと退かした手には圭の血が付着していた。

「え?…はぁ…はぁ…なん…ごほぉ!」

「ふむ、漸く効いてきたみたいだね」

何が起きているのかわからない俺達に黙っていたウェルが口を開いてそういった。

「効いたって…なにがだ!」

「まだ量産には出来ていない新型のウイルスだよ、これはリンカーコアを所持しているものだけが感染しないタイプでね…どうやらうまくできたようだ」

つまりは兵器として使おうとしていたウイルスの実験台にされたということか…っ!つまり圭は!

「わ、たし…感染…した?」

感染したことに青ざめる圭、何とかしないと

っと、ベヒモスの攻撃を受け止めている最中に考えているとベヒモスが角で俺の防御を崩して爪でまた攻撃する。

咄嗟に後ろに下がるが攻撃の方が早く左肩に食い込んで傷跡から血が垂れ流れ苦痛から顔を歪める。

「デス…ブリンガー!」

痛みを堪えながらも魔力の斬撃を飛ばし直撃すると土煙が舞う。

ダメージは受けていないがこれで良い

この視界を奪った隙に後ろのウイルスにより苦しむ圭を担ぎ上げてこの部屋から離脱した。

 
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