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Steins;Gate 愛別離苦のラグナロク

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Chapter04



ラボから出発すること数分。
もはや常連となったスーパーの自動ドアをくぐる。

紅莉栖はそれまでの間、これまでのことを聞いてはこなかった。
ぽつりぽつりと当たり障りのない会話だったが

なぜかとても心地よかった。

これまでの間、まゆりを救うことの相談や口喧嘩しかしてこなかったから
少し落ち着くことが出来た。

紅莉栖は信じてもらえるだろうか。お前が作ったタイムリープマシンを使い
死んでしまうまゆりを救うため、何度も過去をへ飛び
絶望しかなかった俺を助けようとし何度も相談をして
いつ、どこでも俺を支えようとしてくれたこと。

あいつは、いつでも信じてくれていた。話してもいいのか…?


いや、もう終わったことだろう。もうまゆりは死なないかもしれない。
ここはシュタインズゲートなんだ。

だが。
心のどこかで、まだ終わってないような、そんな感じもする。
嵐の前の快晴のような。
自分の中のどこかで不気味なものが渦巻いている。


と、考えながら紅莉栖が押しているカートを覗き込む。
なんだ…これは…

「ク、クリスティーナよ、今日はBBQをするのだったよな?」

話ながら分かったことなのだが、今日はラボのある屋上でBBQをするらしい。
紅莉栖にダル、まゆりは勿論として、ルカ子やフェイリス
ミスターブラウンに綯、萌香も来るらしい。

この世界線でラボメンでは無いにしろ
鈴羽以外の元ラボメンが集まるというのは不思議な感じだ。

「もちろんよ。なんで?」

そんなことを聞かれ現実に引き戻される。
そうだった。忘れていた。

「では何故、いま貴様はマーマレードを手に取っているのだ?」

「あぁこれね。焼肉に塗ると美味しそうじゃない?」

「美味しそうじゃない!タルタルソースにケチャップ!
しかもなぜ、業務用の醤油があるのだ⁉︎何を召喚するつもりだ?クリスティーナ!」

「だからティーナじゃない!なんどいったら分かる⁉︎」

「天才変態味覚音痴よ、カゴの中を戻しながら精肉コーナーへ向かうぞ」

「まーた変なあだ名つけやがって!厨二岡部!」

「厨二などではぬぁい!俺の言ってることは大真面目なのだぁ」

「ふぅ。分かった分かった。必要なことから買っていくのはいいかもね」

「どーせ岡部持ちだから」

「なん…だと」

割り勘じゃないのか、夏休み明けまで1ヶ月近くあるぞ
ここで全額負担してしまうと大変なことになってしまう。

「もしや助手よ、俺が覚えてないことをいいことに
奢らせようというハラなのか?」

「失敬な!しかも助手でもねーわ!
メールあるわよ。えっと…ほら」

そう言って携帯を突き出してくる
……確かに。

一体何をやっているのだ俺はぁぁあ!

たまらず携帯を取り出し耳に当てる

「俺だっ!とうとう”機関”が俺の仲間に手を出しやがった!
こうなっては一刻の猶予もない。とうとう封印されし右腕を解放する刻だ…。
…なに心配ない。…あぁこれも運命石の扉の選択か、…わかってる
…エル・プサイ・コングルゥ」

携帯を再びポケットにしまう。
あれ、あいつがいない。

案の定、精肉コーナーで色々と見ている紅莉栖を発見する。

「無視するとはひどいではないかクリスティーナっ!」

「だってラボならまだしもお店であんなことされたら
他人のふりくらいしたくもなるわよ」

なんて薄情なんだ、これでも助手か。

「んーっと、セールだしこれとかいいわね、今日食べるんだから
賞味期限とかもギリギリので大丈夫よね」

「あぁ、そうだな。だが、そんなに試したいのか?」

きれいに空になったケースの中にマーマレードがちょこんと転がっている
手に取ってそう聞いてみると紅莉栖が得意げな顔をする。

「絶対に合うのよ!ネットで見たの」

「板でか?」

「そうそ…って違うわっ!そんなの見るわけなろうが!」

あぁ、こんなやり取りも久しぶりだ。
取り止めのない会話。
こんななんでもないことがこんな幸せなものだったなんて。

「岡部?」

「さ、肉は買った、飲み物はダルが用意してくれてる
野菜と焼きそばを買って戻るぞ」

こんな平和がもし、続くのならこれほどいいことはない。

「あ、焼くのは私とまゆりでやるからね」



…あぁ、この平和はあと1時間までか…。

 
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