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新オズの腹ペコタイガー

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第三幕その六

「ジャポニカ米ですけれど」
「恵梨香の好みで出しているからね」
「お料理の時はオズの国のお米を使うからですね」
「インディカ米なのよ」
「そうなりますね」
「そうなの、アメリカで作られているお米はインディカ米だから」
「オズの国のお米もインディカ米ですね」
 恵梨香もその辺りの事情がわかりました。
「そうなるんですね」
「そうなの」
「わかりました、そういうことですね」
「ええ、その辺りのこともわかってくれたかしら」
「はい」
 恵梨香はドロシーに確かな声で答えました。
「これで」
「そういうことよ」
「お米にも違いがあることは」 
 ナターシャが言うにはです。
「私知らなかったわ」
「ロシアではお米が採れないから」
「そうなの」
 それで、というのです。
「私その違いは知らなかったわ」
「お米がないのよね」
「寒いから採れないの」
「そうよね」
「それがね」
 またお話するのでした。
「わからなかったの」
「そうなのね」
「前にも言ったけれどお米食べたのは日本に来てからよ」
「それからだから」
「勿論お握りなんてね」
 日本人が皆好きな食べものです。
「はじめて見たわ」
「お握りも」
「ああいうのがあるってね」
「じゃあお寿司もよね」
「お寿司屋さんは高級レストランよ、それも最高級のね」 
 そこまでというのです。
「お米自体がないから」
「だから」
「そうなのね」
「日本でも確かにお寿司は高いけれど」
「ロシアはその比じゃないの」
 そこまでというのです。
「もうね」
「そうなの」
「日本では回転寿司があるでしょ」
「あれもなのね」
「ないわよ」
 本当にというのです。
「そこはね」
「そうなのね」
「そう、だから」
 それで、というのです。
「私回転寿司大好きなの」
「お寿司が好きなだけ食べられるから」
「それこそね」
「まあお寿司だったら」
 ここで言ったのはトロットでした。
「オズの国では普通に食べられるから」
「だからですね」
「ナターシャも好きなだけ食べてね」
「そうさせてもらいます」
「ただ、お米はインディカ米よ」
 テーブル掛けから出す時以外はというのです。
「そのことはわかっておいてね」
「はい、わかりました」
「日本のお料理だから日本のお米が一番合うと思うけれど」
「オズの国だからですね」
「お米はそうよ」
 インディカ米を使っているというのです。 
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