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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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22.話せば分かり合える。言葉が通じればだけど。

<ポートセルミ-酒場>

船旅は楽でいい。
でも、水夫は男ばかりなので楽しくない。
仕方ないので、痛いのを我慢しピエールにちょっかいを出す。
だけど、ピエールの剣の技量を上げるだけに止まった。(めっさ、拒否られた)

ポートセルミに着いたらまず酒場による。
聞いた話じゃ、裸同然の格好をした踊り子さん達が、激しいダンスを繰り広げるステージがあるらしい!
俺は鼻息を荒くして乗り込んだ。

そこは宿屋と酒場が一つになった大きな施設だ。
中央にかなり広いステージが有り、左に宿屋のロビー、右に酒場がある。
残念ながら裸ダンスは夜の様で、今はまだ朝でした。
仕方がないのでちょっと遅めの朝食にします。

テーブル席に着こうとしたら、少し奥で農夫っぽい服装のおっさん一人を、兵士崩れっぽい服装の三人が取り囲みナンパしていた。
変わった趣味だな!?
仮にそっちの気が有ったとしても、あのおっさんに魅力は感じないが…?
好奇の目で眺めていると、兵士崩れの一人と目があった!
俺、美少年だからピンチ!?


<ポートセルミ-酒場>
ピエールSIDE

人様の思考を制限するつもりはない。
何を考え、何を妄想しようと構わない。
しかし口に出すのは控えてもらいたい。

「この町、裸で踊るねーちゃんのステージがあるらしいぜ!」
水夫から仕入れた情報を無駄に発表している。
「チップはずんだら、僕の上で踊ってくれるかなぁ!」
本当に最悪だ。
ヘンリー殿が『リュカに財布を渡すな!』と、言っていた意味がようやく分かった。
ステージが夜からと聞き、リュカのテンションが落ち着いてくれた。
鬱陶しかったので助かった。

食事をしようとテーブルに向かうと、奥で一人の男性が三人のならず者に囲まれている。
「いいから、さっさと出せよ!」
どうやら恐喝の様だ。
不届きな台詞が耳に入る。
ならず者のリーダー格がこちらに気付き近寄ってくる。
そこそこ腕は立ちそうだ。
私一人だと苦戦するかもしれない。

どうやらリュカが不快感を露わに睨んでいたのが気に入らない様だ。
「何見てんだ!?にいちゃん!!」
ありきたりの台詞に思わず笑いそうになる。
「いえ…変わったナンパだな~と思いまして。あ!どーぞ-…気にせず続けて下さい。邪魔しちゃ悪いから」
「ぷーっ!!」
私は思わず吹き出してしまった。

リュカの台詞か、私が吹き出した事がか判断付かぬが、怒りを露わにしたならず者は剣を抜きリュカに斬りかかった。
リュカは難無く攻撃を流すと、勢いをそのままにならず者を壁際に投げ飛ばす。
勝負は一瞬で着いた。
リーダーをやられ、手下二人は慌てて逃げて行く。(伸びてるリーダーも連れられて)
この近距離で、あの剣速を去なすとは…流石はリュカだ。
「あっぶねぇとこ、助けていただきぃ、あんがとなぁ」
絡まれていた男性が、お礼と共に自身の状況を説明してきた。(多分…訛りが強すぎてイマイチ理解しにくい)

ピエールSIDE END


<ポートセルミ-酒場>

「そったら訳でぇ、先に1500Gわたすとくんでぇ、よーしくたのんますだ!」
一方的に喋り、金を置いてモテモテ農夫は去っていった。
何が起こったのか一個も分からん!?

急に笑い出したピエールにキレて、兵士崩れが剣を抜いた。(え!?そんな怒る事?)
でも俺に攻撃してきた。(俺笑ってないし!)
あまりに近かったので避けきれず兵士崩れを押したら、勝手に飛んでった。(そしたら、三人とも帰っちゃった。何かのコント?)
そしたら、モテモテ農夫が理解出来ない言葉で喋り、金置いて帰った!(何この金ぇ!怖くて下手に使えない!後で利息が付いて100倍返しとか言われない!?)

「ひょ~っほっほっほ。随分と厄介な事を引き受けましたなぁ。」
いきなりローブを着た骨みたいに痩せた爺さんに話し掛けられた。
「あの…貴方は?」
ピエールが恐る恐る聞く。
「ワシは魔法使いのマーリン。まぁ、お主らから言えばモンスターじゃな。おぉと、警戒せんでいい。人間の中に紛れて暮らしているだけで、危害を加えるつもりはない。」
「ところで…何が厄介な事なんですか?」
俺の問いに呆れて答えた。
「なんじゃ!理解せずに依頼を受けたのか?」
「だぁて、何言ってるか分かねーだもん!」
「しょうがない、かいつまんで説明してやるから、一杯おごれ。」



マーリンの説明は分かりやすかった。

ここより南のド田舎にカボチ村があり、そこで虎の様な狼の様な大きな化け物に、作物を荒らされ困り果てている。
だから腕の立つ俺達が、化け物退治をする事になった。(俺はイケメンだが、腕は立たないのだが…別の所なら立ちまくるよ!)
その前金として、半額の1500Gを置いていった。
「なるほどね!そんな事を言ってたんだ!?ところで爺さん」
「なんじゃ?」
「一杯おごれって、それ三杯目」
「細かい事言うな!1500Gも手に入ったんじゃ。ケチくさい事言うんじゃない」
「依頼を失敗したら、返せとか言われるかもしれないだろ!まだ使えないよ!」
「はぁ?そんなもん、持ち逃げしちまえばいいじゃろ!勝手に金だけ置いてった向こうの落ち度じゃ!貰っちまえ!」
とんだ悪たれ爺だ!
「ざけんな!僕はそんな卑しい育ち方していない!人様から金を盗むなんて!もし、盗むとしたら、女の子のハートだけ」
「…随分と馬鹿がいたもんだ」
ムッ!
何この爺!ムカつくぅ!
ちょっと言ってみただけじゃん!
銭形○部に『ヤツは貴女のハートを盗みました』なんて言われてみたいだけじゃん!
「馬鹿じゃが面白い。どれ、ワシも手伝ってやろう」
え~…なんか、めんどくせーのが増えた。



 
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