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その手で引き金を引け!!

作者:櫻木可憐
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第五章 黒トリガー
  第八話 あなたたち・・・

私は狩るべきものにすぐに気づけた。
だって・・・気配が明らかに違ったから。

気づいたと同時に怖くなった。
アフトクラトルの者が来るには早すぎるから。
なら、あれは何か。
答えはきっと一つ。
あれは私が来たことによる異端者。

私と同じなんだ。

グラスホッパーで移動しながら、目的地を見た。
誰かいる。
髪の長い女性がいる。

「同じメガネッこじゃなくてよかった~
戦いにくいし。」

「あなたが・・・如月・・・」

私は話を続けたかったが、咄嗟に動いた。
彼女、黒トリガーだ。トリオン量からそう推測できる。
しかも、この地面に何かを張り巡らせている。
罠・・・?

違った。
女性の黒トリガーは、髪をブレードにして攻撃するもの。
しかも伸び縮み、シールド代わり可能というものらしい。
張り巡らせているブレードは、地上の攻撃の反応と反撃を防がせる心理攻撃。

「ねぇあなた、何者?
アフトクラトルの人じゃないんでしょ?
何が目的なのかな?」

「あなたが憎いから。」

・・・彼女、今なんて言った。
私が憎いから?

「ただのシナリオを歩くあなたが、なぜ今を生きるのか。
私にはわからないわ。
あなたさえいなければ・・・
いえ、いても構わないわ。繰り返すだけだから」

「あんた、私をこの世界に飛ばしたやつらの仲間!?」

「・・・この世界で生まれたあなたを、別の世界に飛ばしたらどうなる?」

「・・・・・・?
それは・・・飛ばされた世界の運命の枠組みに入る」

そう、体が幼いうちに免疫をつけるのと同じで、
子供が別の世界に飛ばされたら、その世界の運命に対応する体になる。

「あなたを元の世界に戻したら?」

「!?」

「そう、あの男はよくやってくれたわよ。
あなたが育った世界に送ったとき・・・

私たちから守るって彼は言ったの。
あなたは彼に守られていた。そして、私たちに利用されたの。
おかげで彼の消滅はシナリオの中では完璧だった。
守るが仇になって、私たちのシナリオをよくしたのよ、彼は。」

信じられない・・・
確かに彼は霊だ。でも・・・
死んだ人間を利用した?
彼の消滅があなたたちのシナリオ?
私が彼を敵と誤解したのは、あなたたちのせい?

「は?・・・
なんなの・・・あんたら・・・ふざけてる?」

「あなたをこの世界に飛ばすことで、彼の役割は誰が果たすのか・・・
この世界じゃなくてもよかった。
あなたが来てあなたが世界に合わせるのか、世界があなたに合わせるのか。
結果、世界はあなたに合わせたわ。

だから、彼の代わりができた。」

それが風間隊・・・
なんでそんなこと、する必要があったの!?

「彼の都合のいい代わりがほしいだけよ」

都合のいい、彼の、代わり・・・

意味わからんない・・・
意味わからんないよ!!
そのために利用された!?利用した!?
彼はそんなあんたらのために消された!?

「ふざけるな!!
あんたらの玩具なんかになってたまるか!!
私は生まれる場所は決められない・・・
でも、その先の未来は決められる。
あなたたちの運命のシナリオなんかに流されてやるもんか!!
あなたたちの必然を、私たちの必然にしてやる!!」

「・・・あなたがいなければ、私は手に入れられたのに!!」

私は無意識に変化炸裂弾を放った。
我を忘れていた。
彼らにとめられるまでは。

『戦闘体活動限界』

「え、なんで」

それは菊地原と歌川だった。
カメレオンで私に近づいて、斬った。
菊地原の腕からすでにアフトクラトルは来ているらしい。

「頭、冷やしたら?」

「あとは俺らでやります」

私は泣くしかなかった。
真相に近づいた喜びと怒りで。 
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