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魔法科高校の有能な劣等生

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綻びの聖剣

 
前書き
前回の続きです!感想が聞きたいので感想ください! 

 
 ―――不幸は連鎖する。
 ――――私は、監禁されていた。
 ―――――監禁と言っても…………説明するのは難しい。
 ――――――ただ、九校戦が終わるまで監禁されれば悪い様にはしない。
 ―――――――と言われて数日前に私の監禁生活が始まった。
 ――――――――まるで別世界の様な生活……裕福な監禁生活だった。





「まさか……逃げ出すなんてね」
 藤宮は束ねられたカーテンを引っ張り上げ、束ねられたカーテンを綺麗に畳むと窓から下を覗き込む。
「ここ、4階なんだけど…………」
「4階程度なら平気だろ」
「……それは君だけだよ」
 天然なんだかボケてるのか。
 でも、4階程度なら僕でも出来るけど。魔法を発動せず、カーテンで逃げるって事は逃げる事に適した魔法を習得してないのかな? 衝撃を緩める魔法と空気抵抗を弱める魔法を使えばカーテンなんか使わなくても逃げられたろうに。
「まぁ、逃げられたんなら捕まえねぇとな。
 ちょくら行ってきますよ、平等生さん」
「からかうなよ……てか、君の魔法じゃあ探索は困難だと思うけど」
「なんでだよ?」
「影に紛れても彼女の目は誤魔化せない。それは君も知ってるだろ?
 しかも君の事は相当警戒してたし……シャドウ・ダウトの発動と瞬間にあちこち逃げ回りそうだ」
 影の魔法は隠密行動には適してるけど。
 色で識別される以上、シャドウ・ダウトは無効化されたも同然。
「君はお留守番だ、これは僕の仕事でも有るしね」
「へぇー。お前から率先するとは珍しいな」
「そうかな? まぁ、仕事はきっちり最後まで徹底的にするのが僕の流儀だからね。
 どっかの誰かさんと違って」
「それ、俺に言ってんの?」
「さぁ、誰の事でしょうね。自覚が有るなら君も当てはまるかも」
「減らず口の絶えない奴だなお前も」
「それはお互い様だよ」
 さて、こんな事に費やす時間なんて微塵も無いんだ。
 さっさと終わらせるよ。

「魔法式…………改変」





 藤宮 介の魔法【術式改変】
 取得した魔法の術式を改変し魔法の効力を書換える魔法。
 ある意味、最強の魔法で衝撃を緩和する魔法とベクトル変換魔法を改変し効力を書換えた。
 本来なら衝撃を緩和しベクトル変換魔法で力の向きを変えるだけの魔法は衝撃を利用しその衝撃で生じたエネルギーをベクトル変換魔法で飛翔する飛行魔法の一種となっていた。
 空を蹴り飛翔する。
 空気の壁を蹴って加速する。
 その魔法を繰り返し多様する事で飛翔する。
「この辺の筈だけど……」
 足跡を辿って来たけど女の子は姿は見当たらなかった。
 複雑な地形だから迷ってるとか? 自然溢れる森林を眺め、藤宮は考えた。
 あの娘は、魔法を色で見分ける特殊な魔法師だ。多分、僕の魔法も勘づかれるだろうし時間を掛ければ掛ける程、探索は困難になるだろう。かと言って彼女は必要な人材だし……怪我でもされたら。
「はぁ、確か…………こんな感じかな?」
 左眼を左手で隠し。
 ―――術式……改変。
 多分、可能な筈だ。
 そんな憶測で藤宮は右眼に術式を埋め込んだ。

「《千里眼》」

 まだ、無理……かな?
 藤宮の魔法は術式改変だ。
 最強の魔法、故に藤宮は術式改変しか使えない。
 その筈だ。その筈なのに藤宮は《千里眼》と呟いた。
「得意分野じゃないから発動するか解らないけど…不可能じゃない筈だ」
 色で判別する……そんな感覚をイメージし右眼で世界を凝視する。あの時の感覚を、あの娘の魔法を初めて感じた時を脳内で再生する。あの感覚は眼で見るんじゃない心の眼で見通す様に見透かす様に感じるのだ。
 解ってきた―――これをずっと続ける。
 集中力を絶やさず、全神経を集中させ世界を感じる。
 …………傘繭さん………………こんか事を平然と。
 彼女の評価を改めよう。なかなかの実力者から天才の分類にランクインだ、これを常時続けられるなんて天才を超えて変態だよ。僕なら発狂するレベルの一歩手前だ……我慢の限界だよ。
「あぁ、イライラする魔法だ……」
 慣れるまで時間の掛かる魔法。
 藤宮は闇を振り払う様に手を振った。それだけで周囲に粒子の塵は拡散された。
「うん、見えるね」
 色で判別できる……見える感じる。
 徐々に《千里眼》に慣れ始めた。
 魔法に慣れる……普通の魔法師には感じえない感覚を感じ右眼の調整を進める。
 ふむ、僕の《千里眼》は傘繭さんの千里眼と別物の様だ。
 広範囲にばらまかれた自身のサイオンで理解した。
 他者のサイオンに引き寄せられている。
 なるほど……付着するサイオンね。僕の魔法は術式を改変する魔法、なら目の前の現状も信じられるかも知れない。
 付着したサイオンは魔法師本人に気付かない程の微弱な侵食を始め、他者のサイオンを吸収するのだった。
 吸収したサイオンの色は変化し……別の色に変色する。藤宮の色は緑色、どうやら藤宮も普通の魔法師の発するサイオンの色と異なる様だ。それを吸収し、また別の色に変化する事で進化を遂げる。
 結局、その術者は自身の変化に気付かず進化を続けるサイオンは消えていった。
 …………ウイルスの類の様だね。体内に侵入すると別のサイオンと融合する性質……だが、生命力は著しく数分も経てば消える。
 サイオンに生命力? まるで生きている様な……アレは超心理現象の次元に属する非物質粒子だぞ?
 認識、思考結果を記憶する情報粒子。それを生きているなんて……非現実的な。
「また、便利な魔法を覚えちゃったな」
 嬉しさ半分、悲しさ半分に分けた様な笑顔で藤宮は自分の力を恐怖する。
 遂に毒の魔法も覚えた……望まずとも僕の魔法は増える。生き続ける限り、僕の魔法は進化し続ける。
 それを毒の魔法と理解するのに時間は掛からなかった。他者の体内に侵入し他者のサイオンと融合するって事は体内から魔法師の決定的な弱点を潰す事が出来るって訳だ。

「人間兵器…………達也と同類だね」

「零、僕も君の仲間入り出来たかな?」






「いつか、また大切な人と巡り会えます様に…………」

 会えるよ、永遠の別れなんて幻想だ。
 その幻想を打ち払う様に少女は笑顔で言った。

「会えるから泣かないで……私は泣かないよ」

 無理矢理作った笑顔で涙を零す少女は最後まで笑っていた。

「泣いたら駄目だよ……泣いちゃ…………駄目だよ」

 泣きじゃくる少年の涙に少女は涙した。

「私は……信じる。また、会える事を…………だから泣かないで」

「大丈夫、私は泣かないから」

 笑顔の涙は泣きじゃくる少年の涙を止めた。
 少年は何度も何度も少女の名前を叫び。決して届かない返事を待っていた。

「じゃあ、またね」

 少女は消えた。
 少年は無力だ。
 抗っても抵抗しても無駄だった。
 解ったのはこの世界は理不尽その物だった事と己の弱さ……それを捨て去る様に少年は立ち上がる。
 力を求めて……ただ、本能のままに力を求めて。





 感じる、この部屋からだ。
 真っ赤な色……初めて見えた色は恐怖を表した様な。
 傘繭は鍵の掛かった扉の向こう側を千里眼で見ると……その先は地獄だった。

 ―――――死んだ人の色…………なんで?

 人間だったそれの塊は部屋中に落ちており重ねられていた。
 傘繭は吐き気止めを抑え、その現実を否定した。
 真実は時に、残酷だ。それは理解していたつもりだ。だが、これは現実なのか?
 認めない……認めたくない。
 なんで…………こんな……やだよ…………私、なんで見えてるの?
 両目を塞ぎ、千里眼を切った。これで見えない。
 だが、先程まで見えていた現実は傘繭の心を抉った。アレは耐えられない……無垢で何も知れない少女の心では耐えられない。
 少女は逃げ出した。震える足を無理矢理動かし逃げ出した。
 自分から望んだ非常識を現実を知り逃げ出す少女……逃げられると思ってるの?

 ―――助けて……誰か…………助けて。

 少女は走る。
 走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。
 逃げる為に。知らなかった現実を否定する為に。
 侵入するのは簡単だった。なら、脱出するのも簡単な筈だ。
 幼稚な考えで侵入し幼稚な考えで脱出を考える少女…………千里眼を解いたのは間違いだった。
「ァ……ェ…………ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
 人形の物体だった。
 それは天井から降ってきた。
 傷だらけの肉体に腐った腐敗臭……傘繭は口を手で抑え吐気を抑える。
 human・dead・vanbaiya 【人口吸血鬼】の失敗作。
 それは人口吸血鬼の失敗作だった。不完全な吸血鬼……決定的な弱点を兼ね備えた屍は傘繭に襲い掛かる。
 傘繭はそれを回避、千里眼を発動し建物の全体構造を把握する。
 興味本意で入り込んだ施設……中身の構造は案外シンプルだった。道筋は解った……だが、アレは追ってくる。
「こっちくんな!」
 自身の恐怖を忘れさせる様に傘繭は叫んだ。
 全力疾走で走り逃げる。千里眼で最短ルートを把握し構造物を利用し隠れながら進むと……不思議な色を発見した。
 その色はいきなり現れた変な奴と似ている……でも、普通の人間の色も混じった混合色は苦しそうだった。
 ―――アレの仲間? でも、人間の色だ。
 ゆっくりとその混合色の居る部屋まで近付き、ドア付近に到着した。
 パスワードを入力する簡易タイプ……なら、私でも開けられるかも。
【千里眼】なら読取れる……549…………269。
 カチッと鍵は解除され恐る恐るドアを開ける。
 その部屋は真っ白な空間で他の部屋より断然綺麗な造りに成っていて証明灯で部屋全体を照らされていた。
 変わった部屋だ……色んな設備を整えている。あからさまに変だ、侵入した時から何かの施設とは踏んでいたがこれは覗いてはいけない物を覗いてしまったのかも知れない。
「……だ、れ」
 部屋の済で固まった少年…………先程、発見した混合色の人間だ。
 それの呼吸は不規則で傘繭を恐怖している。人間を恐怖する目付で傘繭を見詰めると傘繭は笑顔で応えた。
「私は傘繭 麻花奈……貴方は?」
 少し……ほんの少し警戒を解き少年は口を明け。
「血祀…………血祀…………罪咏」
 ――――血祀……?
 聞き覚え有る名前だった。
 だが、思い出せない。
「ここで何してるの?」
「…………」
 無言だった。
 いや、察するべきか。この状況を見て理解出来ない程、傘繭も馬鹿ではない。
 すぐさま千里眼で周囲を見渡し少年に手を差し出す。
「ここは危険だから逃げよ」
「駄目だよ」
 少年は首をよ横に振り下を向いた。
「逃げちゃ……駄目なんだ。僕は、逃げちゃ駄目なんだ」
「なんで? こんな危険な……」
「約束したから……」
 少年は拳に力を込め。
「約束したんだ……ここで待ってるって。
 僕はずっと待つって決めたんだ。だからここを離れない」
「何、言ってるの? ここは危険なんだよ?」
「知ってるよ……お姉さんこそ逃げた方がいい」

「ここには、魔物が住んでるんだ」









「うーん。見当たらないね」
 千里眼に慣れ始め、傘繭の探索を始めてから2時間が経過していた。
 女の子一人で移動するならこの辺が限界の筈なんだが、少女の姿は見当たらない。
 千里眼の倍率を上げたり下げたりと色々、探索法を変え探索を続けているが手掛かりすら見付からず……異常事態と判断するも影に助け乞うのも尺だ。なら、自分の力で自分の魔法で探さねば! 気合を入れ探索を続行する。
 ―――色で見分けるね……なら、ここら一体の色を識別して彼女の色を探し出すって事だ。
 単純な事を忘れていた。この魔法の特徴は魔法を物を人間を色で識別する魔法だと。なら、傘繭の色を探し当てれば良いんだ。彼女の色だけを探し出すんだ。

 ―――――――見えた。

 傘繭の色……青色で弱々しい色。
 ……なんだ、案外簡単に――――…嘘だろ。
「アイツ、なんでそんな奴の隣に居るんだよ!」
 あの色はヤバイ。最悪の色だ、アレは触れちゃいけない色だ。
 厄災の色…千里眼に目覚めて数時間しか経っていない藤宮にも理解できる。
 それなら何故、傘繭はあんな奴の隣に居るんだ? 千里眼なら解る筈だ。
 人間の造りあげた未踏の領域。
 例えるなら司波 達也。
 例えるなら無月 零。
 それの類に含まれる物体―――――人間じゃない。アレは人間が触れちゃいけない未知の領域だ!
「たくッ!なんでこんな事に!」
 焦り…普段の藤宮からは考えられない形相で対象物を睨み、座標を計算する。
 圧倒的な計算力を持って魔法を行使し圧倒的な発動速度で魔法式を何重にも重ね、魔法から別の魔法に変換させ魔法を変換する。
 ある意味、未踏の領域を犯した魔法だ。それを魔法と呼ぶには些か疑問を生じさせるが…禁忌を犯した魔法、それを知って藤宮は対象の存在だけをこの世界から消し去るのだった。





 吸血鬼もどきは魔法を侮辱する魔法師だった。
 元は人間だった吸血鬼もどきは人生の大半をとある施設で過ごしている。
 その施設こそ魔法を侮辱する魔法師を吸血鬼に変えた元凶。誘拐や価値を失った家畜を買取、実験する国から認められた世界から否定された施設で彼は育てられ改造された。機械を使わない合理的な人間改造主流は薬漬けだった。もっとも簡単で一般的な方法でもっとも残酷な方法で行われた人体実験で得られた結論、それこそ生きる屍《吸血鬼》だった。
 理論的には可能とみなされ現実では不可能とみなされた吸血鬼を生み出す実験の殆どは失敗した。
 だが、少なからず成功例の様なサンプルは完成した。
 そう、完成した筈だ。
 無限の回復能力に強靭な肉体。
 人知を超えた生命体。それを吸血鬼と呼ぶなら成功例達は何者なのだろうか?
 疑問の連続だ。その施設は吸血鬼を作る国から認められた機関だった。なのに何故、吸血鬼は元から存在するのだ?
 魔法を行使する者は異能者であり世界の発展を見届ける義務がある。
 人類は停滞してはならない。人類は進化し続かなければならない。怠慢こそ人間の心理であり弱点だ。
 だが、それを忘れてはならない。人類は選ばれた生命体、その進化を憚れし鬼を駆逐せよ。
 とある学者の唱えた資料には、そう記されていた。
 まさか、それを鬼の存在を認めなければならないとは滑稽であり恐怖である。
 もし、魔法に意味が有るならそれは奴等を駆逐する為に備わった人類の進化の証であると信じたい。
 真実はあやふやで雲を掴むような真実。吸血鬼の存在は認められても鬼の存在は認めない人類の容量不足が招いた結果…なのかも知れない。



「まぁ、海外の吸血鬼と呼ばれる魔法師をバラして手に入れた【未完成】なんだけど。
 確か、本命はパラサイトって呼ばれてるらしいよ。不確定な情報なんで、どこまでが真実でどこまでが嘘なのか定かじゃないけどね。だから、僕の言ってる事は『半分』真実で『半分』嘘って事を了承してほしい」

「そのパラサイトと呼ばれる物体は生気を吸い取る…まぁ、人間に寄生する寄生虫って言えば解りやすいかな。
 それは不確かな物体でね。存在を認識できるのはちょっと変わった人種の人間のみ。
 それを操る者を【吸血鬼】……本物はそれだけなんだよ」

「本物はそれだけの事しかできない。
 パラサイトを人間に寄生して人間を変質させる存在…それだけなんだよ。
 なのに、そんれなのに。馬鹿なのか天才なのか作ちゃったんだよ【本物】を。
 元から本物は存在するにね。それをかき消すように上書きするように作ちゃったんだよ」

「無限に生気を吸い取り己の力に変換する秘術を。
 まさに無敵……な訳ないでしょ。欠点だらけだよ、日光を浴びれば死ぬし一定時間に大量の血液を摂取しないと絶命する不完全な失敗作。
 それでも活用する輩は絶えないけど。流用するのも中々大変でね。
 設備費も馬鹿にならないし、なにより保管する拘束衣と拘束する為の麻酔薬なんか……いや、これは必要
 ない情報だね」


「魔法の力で生み出された未踏の産物。
 僕らはそれを【untrodden field】と詠んでいる。単純だろ?
 まだ、人間の踏み出してはならない領域。それを僕達、人間は踏み入れちゃった。
 代償として世界の理から外れた未踏の異物を呼び出し一国の国を滅ぼした……情報操作で未知のエネルギー開発中に謎の爆発で消し飛んだって事になったけど。
 あれ? 最近のニュースだったよね? 知らないの?
 ……え? テレビ観ないから知らない?それって…まぁ、そんなもんなのかな」

「なんか色んな事を話して訳分かんなくなってきたって?
 僕も口は上手い法じゃないからまとめて話すのは無理だけど。一つ君に知ってほしい事は【吸血鬼】には近寄るなって事さ。
 特に日本のはね。独自の技術で開発された人間兵器…アレは僕でも対処は面倒だ」

「危険な存在だよ、魔法力は皆無だけど。
 戦闘能力だかならずば抜けている。魔法を無効化する特殊な皮膚に、闇を見通す魔眼の瞳。
 まず普通の人間じゃ敵わない。魔法を極めた魔法師でも勝てる見込みは0だ。
 魔法で成り立った世界の住民では絶対に敵わないから君も注意してね、と言ってもそんな簡単に会えないけど」

「うーん。長くなるから珈琲でも淹れようか。
 僕の淹れる珈琲は絶品だよ♪」

「あれ? なにその表情?」

「え、不味いって!?」

「………今日はここまでにしようか」






「消えない…禁忌を犯しても駄目なのか……」
 藤宮の中でも生涯永遠に隠蔽し続けると誓った魔法でさえ奴は殺せなかった。
 正体不明の混合色…アレは普通じゃない。なんでそんな奴の隣にいるんだよ君は?
 考えても解らない、なら理解する事を放棄し傘繭を救出するそれだけだ。
 ―――――全盛期の零より危険かも知れない。
 同等、それ以上の化物…僕ならどうする?
 傘繭を助ける、最優先事項だ。僕はこれから始まる戦争に決着を付ける定めなんだ。

「助けるけど…この代償は高くつくよクソ野郎」


























 
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