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ドリトル先生の水族館

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第十一幕その十一

「皆から信用されてるのね」
「信用されているかどうかはともかく僕は嘘は嫌いだよ」
「そうだよね」
「騙される気持ちは最悪だからね」
「けれど嘘吐きっているのよね」
「世の中にはね」
 チープサイドの家族もここで先生に言います。
「どうしてもね」
「それで悪いことをしてね」
「嘘吐きは泥棒のはじまりって言うけれど」
「そこからどんどん悪いこともしていくから」
「そういえば日本って」
「学者さんとかマスコミの人の犯罪多いね」
 オシツオサレツはこのことに気付きました。
「何かと」
「学校の先生とかね」
「所謂知識人って言われる人の犯罪がね」
「多いよね」
「そうなんだ、僕もそう思っているんだ」
 先生はオシツオサレツのお話に応えて言いました。
「日本では知識人の暴力行為や痴漢みたいな犯罪が多いんだ」
「本来はそうしたことを戒める人達が」
「そうしたことをしているんだね」
「日本ではそうした人が多い」
「そうなのね」
「そうなんだよ」
 実際にというのです。
「だから問題なんだ」
「日本の問題だね」
「知識人の人達が嘘吐きで」
「しかも悪いことをする人が多い」
「そのことが」
「世界で一番酷いかもね」
 日本の知識人の人達の質はというのです。
「僕もあんまりなんで驚いているから」
「先生は日本大好きだけれど」
「知識人についてはなんだ」
「あんまりにも酷いって」
「そう言うんだね」
「そうなんだ」 
 また皆に言った先生でした。
「本当にそのことが残念だよ」
「どんな国でもいいところばかりじゃない」
「悪いところもある」
「どうしてもそうなんだね」
「日本にしてもで」
「そういうことだよ、けれどそうしたことも踏まえて」
 悪い部分も含めてというのです。
「僕は日本が大好きだよ」
「日本の全てが」
「それが」
「そうだよ、この学園の皆もね」 
 八条学園の、というのです。
「学生の皆も職員の人達も生きものの皆も」
「あらゆるものが好きなんだね」
「この学園の」
「そうなんだね」
「妖怪や幽霊も好きだよ」
 八条学園にはそうしたお話も多いですがそうしたものもというのです。
「何もかもがね」
「じゃあ日笠さんも」
「先生日笠さんも好きね」
「あの人も」
「そうだね」
「いい人だね」
 先生は皆がここぞとばかりに出した日笠さんについてです、こう答えました。
「あの人とお友達になれてよかったよ」
「お友達?」
「それだけ?」
「お友達だけ?」
「もう一歩踏み込まない?」
「もう一歩って?」
 そう言われてです、いぶかしんで返した先生でした。
「っていうと」
「いや、だからね」
「もっとね」
「日笠さんとね」
「お友達から」
「そう思わない?」
「言っている意味がわからないけれど」
 首を傾げさせてです、先生は皆に尋ねました。
「それは」
「いや、だから」
「そこはね」
「先生もね」
「こうしたところがね」
「よくわからないけれどね」
 よく、どころか全くわかっていない先生です、しかもわかっていないということにさえ気付いていないのです。
「とにかく日笠さんとはね」
「これからもだね」
「お友達としてなんだね」
「お付き合いしていく」
「そうするのね」
「そのつもりだけれどね」
「だからね」
「それがね」
「先生は」
「困るんだけれど」
「困るのかな」
 先生は全くわかっていないままです、ですが。
 スパゲティを食べてでした、またグソクムシさん達のところに向かうのでした。やれやれと思う皆と一緒に。 
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